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2006年9月30日 (土)

首相の所信表明演説に見る「美しい国づくり」とは?

 29日、安倍首相の初の所信表明演説があった。30分余の演説で「美しい国づくり」が8回ほど飛び出した。「世界に信頼され、尊敬され、愛されるリーダーシップのある国」「中国・韓国は大事な隣国である」などと言うのはごもっともです。だが、その打開のネックになっている、「首相の歴史認識」には何も触れなかったことは残念というか無責任だ。いま、アメリカからでさえ、「過去に問題があったことを認めてこそ前進できる」とライス米国務長官も注文をつけているのだから、ダンマリを通すより、せめて小泉前首相も認めた「1995年の村山談話を継承する」ぐらい言えばいいのにと思う。

 はっきり言ったことは、「改憲」と「集団的自衛権」だ。総裁選の最中にも「改憲は5年以内に」と言っていたわけである。前にふれたが、憲法「改正」は、アメリカからの強い要請でもあり、いま世界から孤立しつつあるアメリカとしては5年も待てない。日本の憲法を早く変えて、日米共同で世界戦略を展開したいのだ。だから明文改憲まで時間がかかるから、「いかなる場合が憲法で禁止されている集団的自衛権の行使に該当するか研究する」と述べた。裏を返せば、「集団的自衛権を憲法上どこまでやれるか研究し、明文改憲までに解釈改憲でアメリカの期待に貢献する」ということがミエミエ。今の憲法では集団的自衛権は行使できないというのが歴代政権の公式見解であった。安倍首相はそこを一歩踏み込んで、集団的自衛権でどこまでやれるか「研究」し、「日米同盟がより効果的機能」(演説)することをめざすとうのである。

 もう一つ、明言したのは「国家のための教育」を前面にすること。現行教育基本法の目的は「人格の完成」でるが、これを変えて「教育の目的は、志ある国民を育て、品格ある国家、社会をつくること」(演説)とし、子どもたちに愛国心を強要し、評価と競争にもとづく教育で、国策にあった“人づくり”をめざすものである。そして、国家が教育に介入し、「外部評価」によって学校を締め付け、評価が悪ければ、教職員を入れ替えたり民営化するものにほかならない。

 あいまいな表現したものに、これだけ広がっている格差社会の問題について「再チャレンジ」「イノベーション」とカタカナを並べ、「雇用促進」「フリーターを減らす」というものの、その原因となった労働法制の規制緩和を改める方向は見えてこなかった。著書でも「(再チャレンジは)弱者を保護することではない」とも語り、大企業や一部ベンチャー企業などを応援する「再チャレンジ」だ。これではますます“勝ち組”“負け組み”を生み出すだけだろう。それと消費税増税について「逃げず、逃げ込まず対応」というだけで、来年の参院選までは封印する構えだろう。

 …というわけで、昨報3紙の世論調査で国民の最も多くが願っている「年金・福祉改革」「景気・雇用」にはほとんど触れず、予想通り、アメリカ言いなりの集団的自衛権行使と教育再生だけが「美しい国」の内容でした。これでは日本も世界から孤立しかねない危ない方向だ。

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2006年9月29日 (金)

安倍内閣―世論調査から見えてくるものは

 安倍新内閣に対する、朝日、読売、毎日の3新聞の世論調査結果が28日付けで発表された。各社の設問方法、回答方法がまちまちなので単純に比較できない。そもそもマスコミの調査は、回答人数、設問の仕方、電話のかけ方をはじめ、各社の報道姿勢も反映されるから、概して、あてにならないときもある。ある程度の指標だと思う。俗に、読売と産経は体制擁護派で、朝日と毎日は「やや中道的」と言われる。そんな各紙の報道姿勢を背景において見る必要があるだろう。それはともかく、今回の調査で3紙が共通して質問している問題についてのみ、わたし的に感じたことを紹介しよう。

①「安倍内閣を支持しますか」は3紙共通で70%(読売)、67%(毎日)、63%(朝日)である。②支持する人に対して「その理由は?」というのも共通している。いずれも択一選択である。1位、2位を紹介する。朝日―1位「政策の面」が28%、2位「なんとなく」が27%。読売―1位「清新なイメージ」が34%、2位「信頼できる」が22%。毎日―1位「若くて新鮮なイメージ」が54%、2位「指導力に期待」が17%。これらは強力な支持というより、「イメージ」的支持がもっぱらである。

③安倍内閣に「最も期待するもの」または「力を入れてほしいもの」の設問では、朝日、毎日は一つだけしか選べない択一方式で、読売はいくつでも選べる複数回答方式で、その1位と2位を上げると、朝日―1位「年金・福祉対策」43%、2位「景気・雇用対策」17%。読売(複数回答)―1位「年金・社会保障制度」88.8%、2位「景気・雇用対策」83.8%。毎日―1位「社会保障制度改革」27%、2位「財政再建」と「教育改革」が同率の15%であった。この項で注目すべきことは、安倍内閣が最重点課題にしている憲法「改正」について、朝日は6項目中最下位のわずか2%、読売は複数回答なので40,7%だが9項目中8番目。毎日は7項目中の最下位でこれもわずか5%。2紙が最下位、1紙がうしろから2番目で憲法「改正」では関心が低いことを意味する。もう一つ安倍内閣が重視する「教育改革」について、朝日は11%で4番目、読売は複数回答で5番目の65.1%。毎日は「財政再建」と同率2位の15%。そして朝日は「教育基本法の改正」について問い、「今の国会にこだわらず議論をつづけるべきだ」が66%もある。また、読売の「安倍内閣は格差問題を解決できるか」との問いには、「そうは思わない」が63.3%もあった。これらのことから見えてくるのは、国民が希望している圧倒的部分は年金・福祉など社会保障と景気・雇用であり、安倍内閣がめざす、憲法「改正」や「教育改革」は国民の強い要望ではなく、急がなくてもいいという結果である。ここに安倍内閣と国民の乖離があり、この内閣の脆弱性があるのではないか。マスコミは「国民的人気」などというが、5年前の「小泉旋風」とはかなりの開きがあり、安倍内閣が長期政権になるかどうかは疑問である。政界は大激動の時代になる予感がするこの頃ですが、サテサテ……。

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2006年9月27日 (水)

かつてない小泉政権以上の危険な内閣が発足

Abenaikaku

 安倍内閣が発足した。「美しい国」連発のウラに、小泉政権以上に日本を危険な方向へ導く政権となりそうだ。「初の戦後生まれの総理大臣」とメディアが持ち上げるが、年齢が若いだけしか取り柄がなく、若いのにめざす道は戦前復活型。美しい未来なんて見えてこない。今朝の民放テレビ番組が痛快だった。3人のコメンテーターに「この内閣のネーミングは?」と聞かれ、一人が「売国奴内閣」とボードに書いた。よくぞテレビ実況で表現したなと驚いたくらい。その人が曰く「アメリカのあやつり人形、米軍事国家の下請け内閣、いま、世界で一番嫌われているアメリカとだけ仲良しになる内閣」と痛烈だ。正解!正解!よくぞわたし的な思いを代弁してくれたものだ。感謝。感謝。

 内閣の顔ぶれを見る。強固な改憲論者であり、天皇にも靖国神社参拝を望む麻生外務大臣など党内屈指の改憲・タカ派人物が要職を押さえた。教育基本法の「改定」を最重要課題にする安倍首相だけに、教育シフト担当に下村官房副長官を配置、この人はかつて「自虐史観に基づいた歴史教科書は官邸のチェックで改めさせる」と教育の国家統制をのたまった人物。また、「小泉構造改革」をさらに加速するという安倍首相だけに、構造改革の司令塔に任命したのは民間の大田弘子氏。この人は小泉改革の立役者であった竹中平蔵前総務大臣の申し子。氏の著書では、所得税控除の大幅削減や課税最低限引き下げ、消費税増税を示唆し、一方で法人税減税を主張している。つまり、低所得者の税を増やし、消費税を上げ、大企業の法人税の減税でさらに格差拡大を目論む論者だ。厚生労働大臣に座る柳沢伯夫氏も消費税二ケタ増税主義者。防衛庁長官には異例の実力者、久間章生氏を抜擢。先の国連総会で「ブッシュは悪魔」などと多くの国々から批判が集中した落ち目のアメリカ。貧富の差が先進国第1位のアメリカと第2位の日本が組んで、「世界の中の日米同盟」を強化する作戦だ。同氏は、「日米関係を一歩でも米英関係に近づけたい」と標榜。まさに「海外で戦争できる国」をめざす張本人だ。だが、見本とする「米英関係」はどうか。英国では、アメリカ追随のブレア首相が国民からソッポを向かれ、退陣に追い込まれている。安倍内閣もその道を進むのかな?そうなるといいけどネ。

 こうして見て来ると、日本の戦争は正しかったと宣伝する「靖国史観」を国民に押し付け、あくまでもアメリカ言いなりで軍事戦略の片棒をかつぎ、そして極端な大企業中心主義の政権と言うかつてない危険な内閣となるであろう。これがアベ流「美しい国」だ。彼の眼中には、ワーキングプア(勤労貧困世帯)や、月数万円の僅かな国民年金で汲々と生活する国民や、生活保護世帯、低賃金の派遣労働者、あるいはホームレスなどは何も映らないのだろう。大企業と大金持ちだけには「美しい国」と映るだろう。犠牲になるのはいつも庶民なんだよね。悲しいわ。

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2006年9月26日 (火)

また画期的な判決、栗東新駅「起債は違法」と

 滋賀県栗東市に新幹線新駅を建設する、いわば無駄な公共工事に対して七月の県知事選挙で「新駅建設はもったいない」をスローガンにした新人女性候補が自民、民主、公明の相乗りの現職を破って当選した。圧倒的に推進派が多い県議会のなかで新駅建設凍結をめざして苦労しながらもがんばってる。しかし、昨日の大津地裁で追い風になる判決がでた。

 栗東新駅の建設は総額で240億円の全額を地元の県と市で負担する計画。財政難のおりでもあり、一般会計から支出するのは無理なので、市道の拡幅を名目に、新幹線を迂回させる仮線工事について栗東市は約49億5000万円を起債(借金)で賄おうとしたのにたいし、住民が差し止めを求めて起こした裁判で、大津地裁は25日、起債は違法との判決を出したのだ。市民原告側の弁護士は、「新駅建設に財政面から完全にストップをかけた全面勝利の判決。ムダな公共事業の財源に起債が『打ち出の小づち』とされてきた。それを差し止めた全国初の判決。全国のムダな公共事業に反対する住民運動の力になる」と語っている。この前東京の日の丸、君が代関係の判決につづいてこれも画期的なものだ。

 今日の「朝日」は「計画見直し必至」「崩れた苦肉の策」「凍結の知事に追い風」などの見出しが踊っている。そもそも240億もかけてやる値打ちがあるのか。滋賀県人ではない者から見てもわかる。在来線でわずか25分で京都駅に行けば新幹線にのれる。新駅が出来ても新幹線の「のぞみ」は停車しないだろう。住民も圧倒的に反対しているからこそ知事選で凍結派の知事が誕生したのだ。この前どこかのテレビ放送でも議論していたが、何か予定地の買収についても土地転がし的なうさんくさい話も話題になっていた。それでもゴリ押ししようという推進派なのだから、うさんくさい話があってもうなづける。嘉田由紀子知事は見るからに優しそうな顔にみえますが、どっこい芯は強そうだ。凍結の方針を貫いてほしいものだ。滋賀県民ではないけどこの件に関しては応援したいなあ。

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2006年9月25日 (月)

医療の規制緩和を追う番組「消える産声」を見た

先日紹介した番組、ドキュメント「消える産声」は深夜番組だったので起きていられないから昨夜録画セットして今朝から視聴。丹念な取材で産科医の現場を追う迫力のドキュメンタリーであった。産科の医師が不足しあちこちで産科が閉鎖され、産婦人科をさがしてさまよう「出産難民」という言葉さえ生まれているという。番組に登場した岐阜県西部地方の拠点都市大垣市の市民病院。この地方の40万人をカバーする病院で医師総数は120人を超えベッド数は888、年間48000人の救急患者が運ばれて来るまさに地域の拠点病院だ。産婦人科は4人の医師、毎日150人前後の診察に追われる傍らで3件程度の手術も行なう。分娩や緊急手術はときをかまわず来るのが産婦人科。そんなときは診察を中断し4人がかりで対応するという。緊急な帝王切開手術などは食事する間もない。菓子パンで過ごすこともしょっちゅうというほど苛酷な労働環境だ。半年前まで6人いた医師が二人辞めてからは当直体制も増え、深夜まで働くこともしばしばだ。毎晩当直医が1人と、いざというときにそなえるセカンド当直医1人が自宅で待機。産科部長は「一日一日が精一杯。こういう生活から逃れたい」とつぶやく。29歳の若い医師が当直のとき派水したお母さんが運び込まれます。赤ちゃんの心臓の音が急速に弱まっている危険な状態。酸素不足になると赤ちゃんは脳性麻痺になるという。最悪の場合はお母さんの命も危ない。医師、看護師の必死の対応で無事にオギャーと産声をあげた瞬間、「おめでとう」「がんばったね」と看護師の声が響き、医師は拍手する。感動の場面である。まさに医師たちの献身で出産を支える。こうした努力で母体死亡率は大きく引き下げられ、50年前は10万人あたり180人近くが死亡していたが、現在はほとんどない。

 しかし、その産科医が減り続けている。医師の総数は増えているが産婦人科医は減っているのだ。今は全国で15528人、そのうち50歳以上が半数になる。これら半数の医師がリタイアしたらどうなるのだろう。減り続ける原因は苛酷な労働環境ともう一つは医事訴訟だという。医師1000人あたりで訴えられる件数は年間13人と産婦人科医がダントツに多いことから敬遠されるという。20歳代の産科医は全国でわずか800人でいまや「絶滅危惧種」とさえ言われる。

 こうした状態にも厚生労働省は解決策をもたないどころか、04年に導入した新医師研修制度で大学病院の医局が地域の病院に計画的に派遣してきたシステムが崩れ、多くの病院で医師確保が困難になった。その一方で規制緩和による「民間医局」ができ、医師を紹介や派遣するビジネスが生まれた。医師の自由市場化ではどうしても大都市部に集中する。三重県尾鷲市の総合病院で産科医がなくなり、市長が駆けずり回ってこのビジネス会社から派遣してもらうが、その年俸は5520万円ということで、議会から批判される映像もあった。岩手県では苦肉の策で中国から医師を迎えた場面もあった。厚労省は、1人や2人の医師で対応する病院ではなく、大病院への集約化を図っている。そうなるとそこへ妊婦も集中するからあふれる人もでてくる。ベッドを3つ増やすだけで看護師が21人新たに必要でそれがネックで増やせないという。これでは、若い妊婦が「実家に帰って安心して出産」というのは昔の話になり、さまようことになる。少子化時代とはいえ、年間100万人以上の赤ちゃんが生まれる。一方、医師というのは一朝一夕に養成できるものでなく何年もかかる。国が無策のままでいいのか、このことを考えさせられた迫力のドキュメンタリーであった。

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2006年9月23日 (土)

東京地裁が「君が代」強制は違憲と判決

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 東京地方裁判所が21日、「君が代」斉唱の強制は違憲であると判決した。東京都教育委員会が2003年10月に「日の丸・君が代」を強制する通達を出したことを違憲・違法だとして教職員401人が訴えた裁判への判決だった。東京地裁判決の「起立、斉唱義務」に関する部分の骨子は、「国民の間には国旗掲揚、国歌斉唱に反対する者も少なくなく、こうした主義、主張を持つ者の思想・良心の自由も、憲法上、保護に値する権利。起立、斉唱したくないという教職員にこれらの行為を命じることは自由権の侵害だ」とし、「都教委の指導の是非」に関しては「都教委の一連の指導は『不当な支配』を廃するとした教育基本法10条に違反。憲法19条の思想・良心の自由に対し、許容された制約の範囲を超えている」というもの。たしかに、「日の丸」「君が代」を認める人々は日本社会ではどちらかといえば多数派だろうとわたし的にも認識する。しかし、東京地裁判決の「反対する者も少なくなく」は正解であり、わたしもその1人だ。だからこの判決は画期的だし、よくもまあこんな判決がでたなあとちょっとビックリしたのが正直のところである。しかし、都が控訴するのは間違いないだろうから二審でどうなるかだ。

 わたし的になぜ反対かといえば、そもそも「君が代」は天皇主権の国家を永続的に願望する歌である。「君」とは天皇を意味する。ところが日本国憲法の第一条には「国民主権」とはっきり明記されている。「国民主権」とは要するに「日本は国民が主人公なのですよ」というものだ。天皇は国政に関する権能はもたない“象徴”なのだ。だから「君が代」は憲法の原則からいえば違反するものではないかと思うのだ。「日の丸」は、古くからわが国で旗印などとして使われており、「君が代」とは性格が異なるが、しかし、過去の侵略戦争で果たした役割などから国民感情は大きく分かれている。NHK「純情・きらり」でも主人公の恋人が出征する場面でも日の丸が林立していたように、戦意高揚に使用されてきた。その旗のもとで2000万人の犠牲者も出した。「君が代」「日の丸」が国歌、国旗として正式に決まったのは数年前だ。ろくに国民的に議論することもなく国会で多数派の横暴で通過した。天皇ではなく国民を讃えるような歌、安倍さんではないが「美しい国」というのであればそういう国にふさわしい国旗にするなど何年もかけて国民的合意を得られるような歌や旗を決めれば良かったのだ。わたし的には日の丸の赤い部分は、アジア侵略などで殺戮した民の血の色に見えて仕方がない。まあ、改憲勢力にすれば、将来「海外で戦争できる国」をめざしているのだから、“象徴天皇”を大いに持ち上げて国民の思想統制を計り、血の歴史を刻んだ日の丸こそ心の支柱にしているのだから別の歌や旗は望むべくもなかろうけど…。タカ派の石原東京都知事は裁判の結果に激怒していたが、かような判決を出す裁判所もあるということは日本の司法はまだ健全な部分もあるっていう証として嬉しかった昨今だ。

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2006年9月22日 (金)

また、経団連が法人税引き下げを要求

 26日の安倍新政権誕生を前に、経済界の大御所である日本経団連は早くも07年度税制改正にむけ、ド厚かましくもまたまた法人税率の引き下げや減価償却制度の見直しを提言した。いま、大企業の業績は回復し、バブル時代を大きく上回る空前の儲けをしている。コイズミ内閣の5年間で経常利益は19.4兆円から29.4兆円に、役員報酬は一人当たり1500万から2800万に、株式配当は3.5兆円から8.6兆円と軒並みアップです。そして大企業の余剰資金は100兆円もあるという。その同じ5年間で、所得税、住民税の定率減税の半減・廃止等、庶民向け増税は5兆2000億円に対し、大企業・大資産家向けには研究開発減税やIT投資減税その他の名目で2兆9000億円も減税したのです。これじゃあ弱者が身を削る思いで払った税金が、実は大もうけしている大企業・資産家の税を軽くするためだったということになっちゃう。

 そのうえに経団連は、さらに法人税の引き下げを提言するとはアキレタ話であり、見返りに自民党や民主党に政治献金を増やすのであろう。今こそ大企業への行き過ぎた減税を見直し、空前の儲けをしている大企業こそ相応の負担をすべきです。だが、「大企業の負担を増やすと国際競争力が低下する」とか、「企業が海外へ逃げる」などの口実で、法人税は98年度に37.5%から34.5%に引き下げ、さらに99年度には30%に引き下げたのだ。庶民向けの定率減税は今年と来年で廃止されその分が増税なのに、法人税だけは不問にした。法人税の30%というのはイギリス、インドネシア、タイと同じで、アメリカ(35%)、フランス、イタリア、中国の33%、フィリピンの35%より低い水準である。そのうえ、日本では大企業は研究開発費減税などもあるから実質法人税は24%相当なのである。社会保険料は企業と労働者が半分づつの負担だから、企業の公的負担を計算する場合はその分も加算して、GDP(国内総生産)比で見ることが必要でフランス14.0%、イタリアの11.7%、ドイツの9.1%、日本は7.6%だから、国際競争力が落ちることはない。「日本は負担が重い」などと言いながらドイツやフランスにも進出し、そこでは日本よりも高い税や社会保険料も払っているのだから国内では払えないはずがない。

 さて、安倍新総裁は「競争があれば格差は自然」というのだから、こうした逆立ち税制にはメスをいれない。それどころか、今はあいまいにしか言わないが来年の参院選が終れば、消費税増税論議に入るのが本音だからコワイ政権になるのはまちがいなしというところか。

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2006年9月21日 (木)

産科医不足を取り上げたドキュメントが放映される

 1昨日で紹介した「医師不足問題」に関して、日本テレビ系列で24日午前0時25分からドキュメンタリー番組が放映される。製作は中京テレビ報道部の女性記者だ。「消える産声~産科病棟で何が起きているか」という番組。命を生み出す医療が自由市場に投げ出されている事実にせまるそうです。作品は地方の時代優秀賞を受賞し、民放連盟賞、・最優秀賞の候補にも上がっているという力作らしい。岐阜・大垣市民病院。破水した女性が緊急外来へ。29歳の医師が看護師ともども奮闘して、産声を聞くことができた。帝王切開の緊急手術を終えて、夜中に菓子パンで夕食に代える産婦人科部長。命の現場は献身で支えられているという。産婦人科医の不足は深刻であり、規制緩和で「民間医局」ができた。医者をあっせんする民間企業のことだが、大都会に就職が集中し、地方都市などは医師の報酬が高額なため自治体レベルでできる努力を超えているという。命の誕生の場にも格差が持ち込まれた現実、産科医不足の背景に迫るドキュメンタリーである。

番組を手がけた中京テレビの記者、大脇三千代さんは、これまでもドキュメントで幾つもの賞を受けている方らしい。粘り強い取材で、相手との人間関係もつくりながら、「声を上げたくても、できない人がいっぱいいる。テレビは社会に訴えかけることができる。地元の息づかいを発信しつづけたい」と語っている。深夜番組であるが関心ある方は一見するといいだろう。関西地方では「読売テレビ」である。今日はお知らせです。

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2006年9月19日 (火)

「敬老の日」に「医師不足」問題の学習会に参加

昨日は「敬老の日」だった。高齢者のはしくれだがきちんと知らずに所用で大阪へ向う駅頭で、「敬老の日キャンペーです」となにやらビニール袋入りのものをくれたのではじめて、「アッそうだったのか」と認識。通行人を選択して配っていたから、わたしも対象者の風情に見られたのが少し残念であった。袋の中には16ページほどの小冊子とティッシュが入っており、小冊子には「わたし達は老人を敬愛し、長寿を祝う日」に「お年寄りを敬い、喜びとやすらぎに満ちた日々を送ってもらえるように努力し」「若い世代は、お年寄りからその人生の知恵と経験に学ぶ」という巻頭言があった。それは嬉しいことだが、残念ながら我輩にはまだ敬われた形成はないなあとか思いながら電車に乗った。

 目的は、いまマスコミでも話題になっている「医師不足問題」の学習会であった。近畿2府4県規模で、この問題に取り組んでいる先達の経験を学ぶためである。それなりの知識をもって参加したつもりであったが、深刻な「医師不足」問題の実態に触れて「これは、これは…」と認識を新たにしたのだった。特に産科医と小児科医の不足が深刻であることがわかった。お産を休止した病院が近畿でこの一年半で23病院もあり、「妊婦がお産のできる施設を探して迷う『お産難民』という言葉さえ生まれている」という実態には驚いた。

 わたしの県内でもつい最近も国立医療線センターでさえ、派遣されていた産科医が出身の大学病院に引き上げるということで産科がなくなるという重大な地域問題になっている。過疎地からでは片道1時間も2時間もかかるようなところまで行かないと産科がないということになる。過疎地だけではない。国・府県・市立などの公立病院でも産科医不足で分娩の受付を休止するところが相次いでいる。出産適齢期の女性1万人当たりで、出産できる病院、診療所は埼玉県0.98、東京0.99、神奈川1.14、大阪1.25、奈良1.31施設、最も多い長崎県は3.48施設という。発言者の話で近畿のある30万人近い市でも民間3箇所、公立1箇所あったが、その公立で休止の事態になり、市民の要望と市の努力で代わる医師を探して再開したが、それでも月間50人の分娩しか対応できず、出産予定日がわかった時から予約が殺到し、とても全員は受けられないという。子どもが生まれても今度は小児科医の不足も深刻だそうである。どちらも「子ども」に関わることであり重大問題だ。なぜ産科医や小児科医が不足しているか要因はいろいろあるが、やはり、24時間交代制で激務であること、女性医師が多く、自らの家庭の事情と両立できないなどから辞める医師が多く、医師が少なければ施設が統合されていく事情にある。その結果、遠くの産科に行き「安心して子どもを生めない」ということになる。それでも国は、「医師の数は総数では足りている、医師の数が多くなれば年寄りの医者通いが増えて医療費がかさむ」ので増やさない。ようやく最近は医科大学の定員を少し増やし対応するようになりつつあるが、医師の養成は時間がかかることもあり、当面の緊急対策を講じるようにしなければますます深刻になるということで国への働きかけが強く求められる。そんなことを学んだ日であったが、「敬老の日」にあたって、子どもの未来を心配する日になったとはいかにも皮肉な感がする次第である。

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2006年9月18日 (月)

総裁選へアメリカからも批判の風

 自民党総裁選に絡んでアメリカからもいろいろと批判の風が吹いている。一つは日本の首相の靖国参拝についてです。靖国参拝を批判するのは中国、韓国だけかと思っている方もいるでしょう。ところがアメリカからも痛烈な批判がおこっている。米下院外交委員会は14日、日本と近隣諸国に関する公聴会を開き、委員長のハイド議員(共和党)は、靖国の遊就館における、日本の戦争についての展示が、「西洋帝国主義の支配から解放するためだったと若い世代に教えているのは困ったことだ」「この博物館(遊就館)で教えられている歴史は事実に基づいていない。是正すべきだ」と語ったのだ。呼応して民主党のラントス議員も「日本が過去の戦争と正直に取り組んでいないことは、日本自身にとって大きな危害となっている」「日本の歴史健忘症の最も顕著な例が、日本首相の靖国参拝である」と述べ、また、A級戦犯をまつっている靖国参拝は「ドイツのヒムラーやゲーリングらの墓に花を置くに等しい」とも語った。ヒムラーはナチスのヒトラーの後継者で、ゲーリングとはヒトラーに次ぐ実力者のことだ。そして同議員は、日本の次期首相へのメッセージとして「戦争犯罪人に敬意を表することは道徳的に破綻している。この習わしをやめなければならない」と注文。さらにラントス議員は、一昨日も少し触れた、「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書にある、「南京大虐殺はなかった。日本は他のアジア諸国を帝国主義からまもるために開戦しただけだ」との表記について「歴史修正主義者だ」と厳しく批判していることも伝えられている。南京大虐殺とは、日中戦争の初期、1937年12月に中国の首都、南京を攻略した日本軍が、翌年にかけて多数の捕虜や敗残兵、一般市民などを大虐殺し、犠牲者は10万人とも言われる事件のことである。こんな事件を「新しい歴史教科書」は、「なかった」と書くなど日本の侵略を隠蔽しているのだ。こんな教科書を日本の政府が検定合格させているのも問題だが、前回書いたように、安倍さん好みの教科書らしく政治資金から80万円分も購入しているのだ。

 コイズミさんに続いてアメリカのことは何でも聞く安倍さんであるが、靖国参拝や教科書問題で当のアメリカからの批判について、はたしてどう答えるのでしょうか。先日、アメリカ上院情報委員会が、イラクのフセイン政権とテロ組織アルカイダは無関係だったと結論づけた問題で、10日の民放「サンデープロジェクト」で田原総一朗氏から「イラク戦争はまちがいでなかったのか」と聞かれた自民、公明の幹事長の「反論」が傑作だった。自民幹事長は「これから検証する」としか述べず、公明幹事長は、見当ちがいの「反論」でコメンテーターから批判され、しどろもどろ。結局、まともな反論はなし。今回の件でも、おそらく安倍さんも返答に困るのでしょう。それとも得意のアイマイさで逃げるのでしょうか…。

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2006年9月16日 (土)

あいまい安倍さんが執念燃やす教育基本法「改定」とは

自民総裁選…すなわち次期首相の本命が確定的な“選挙”ですが、その本命たるや、「あいまい男」で重要問題では口をとざすことしきり。95年の過去の戦争についての日本政府の歴史認識についての公式見解である、「村山談話」を踏襲するのかと聞かれても、「今後の歴史家の判断」と言い、靖国参拝を聞かれても「いつ行くとか、行ったとか言わない」とあいまい。この点では14日、親分と慕うアメリカの外交委員会の公聴会で「靖国参拝やめよ」「(靖国)遊就館の歴史観は誤り」とまで言われたのですが…。さらに格差社会など経済政策を聞かれても「イノベーション」だの「再チャレンジ」とカタカナを連発するだけ。憲法『改定』については「5年以内に」と明言しても中味はあいまい。このあいまい氏がはっきり断言したのは、「消費税は来年秋には“議論する”」し、08年の通常国会で提案し09年に実施の意向だ。もう一つ「教育基本法『改定』」はこの26日から始まる臨時国会で決着をつけると“執念”をもっている。消費税については13日付けで紹介したので、今日は教育基本法でどんなことをめざすのか一言しておこう。

 教育基本法「改定」は前国会ですでに上程され継続審議になっているものである。現役の多くの校長先生や教員、そして父母の皆さんが強く反対しています。では、どのように変えようとしているのか。まず戦前の教育はといえば、他国に負けない強い国づくりのための教育であり、教科書も、教育の内容も国が決め、国の方針とはちがう教育は許されなかったことは年配者ならご存知のはず。そして戦後、戦争への反省からすばらしい憲法が生まれ、同時に今の教育基本法が誕生した。それは「国のために死ぬ」ことではなく、一人ひとりの成長、人格を形成することが教育であると明確にしたのです。そのために時々の政府が教育に介入したりしないこと、「子ども達のことを第一に考える教育」にしたのです。それが、いま「改憲」で自衛隊の海外派兵の恒久化が声高に叫ばれることとあわせて、それに見合うように、子どもたちに「愛国心」を教え込み、「愛国心があるか否か」で子どもたちを評価するというのです。これは、ひとたび戦争になったら、国のために命を投げ出すようにというものです。そのうえ、国がいくらでも教育に口出しできるようにする。教育の内容や目標まで国が決め、「海外で戦争できる国」、格差社会を進める「弱肉強食の経済社会」という「国策」にあった人づくりをめざすものに変えられます。全国一斉学力テストが行なわれ、できる子とわからない子に分ける競争で追い立てます。今でも行き過ぎた競争教育が、子どもたちにストレスを与え、不登校や悲しい事件を続発させています。「安心して学校に通えるように」するには今の教育基本法の精神をもっともっと生かして行くことこそ求められているのです。格差社会のもとで高校の授業料や、給食費や学級費などの費用が払えない家庭も増えているのだから、「愛国心」とか言って、子どもを切り捨てるやり方でなく、どの子にもわかる教育で成長し、人格の完成めざす現行の教育基本法の発展こそ必要です。

 ついでだから触れておこう。次期総理本命の安倍氏はよく「日本の歴史教育は自虐的」という。それは“侵略の歴史を教えるな”という意味であり「新しい歴史教科書をつくる会」の元会長もブレーンの1人に入っている。この「会」が発行した侵略戦争美化の歴史教科書は不人気でごく一部しか採用されていませんが、安倍氏の資金管理団体である「晋和会」の05年度の政治資金報告書によれば、調査研究費のなかの「書籍購入費」として、なんと、この教科書を発行した扶桑社へ80万4000円も支出しています。1冊ナンボか知りませんが、たとえ千円としたら800冊、そこらじゅうへバラまいているのか、扶桑社への応援なのか?わかりません。とにもかくも、臨時国会の重要法案になる教育基本法「改定」に読者諸氏の関心を請うものである。

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2006年9月15日 (金)

大腸検査で一泊入院

 昨日、前々からかかりつけ医に無理やり進められて予約していた大腸内視鏡検査をやり、7ミリとか5ミリとかのポリープがあり切除された。おかげで一泊入院し、今日午前に解放された。2年前にやったときは「意外と簡単だな」と思っていたのだが、なぜか昨日はすこぶるしんどかった。詳しい結果はまだわからないが、医師がいうにはポリープはできやすい人は切除しても2年くらいでまた出てくるから定期的に検査することが大事だという。「まだ、早いのでは」と抵抗する傍ら、一方で今年5月に見舞った70代の大先輩が大腸がんで入院し、なぜか手術はできないとかで、今は抗がん剤の注射と点滴と食事はジュースとかヤクルトなど飲み物ばかりと聞いていることもあり、33000円余りも払っての検査だった。その先輩は「わたしはガンにならない」と検査などしなかったことを悔やんでいた。身近な人がそうなると何か不安にもなるので、腹をくくって受けたっていうわけ。お陰で、今はまだ体調が悪い。それから何よりも今日から1週間は禁酒と断言されたのだ。これもつら~い。(笑)それにしても高齢になるとこんなことで医療費がホント馬鹿にならないのですよ。介護を受けるようなことになれば、介護法の改悪であちこちから悲鳴を聞く今日この頃です。そうならないように自己管理でもするっきゃないなあ。

 そんなワケで、今日は新聞も読む気がしないし、カードを入れれば視聴できるテレビも昨日から30時間以上いっさい見ていないので、「社会情勢にうとく」なってるから、いつものような「力作」(笑)は書けない。でも、この頃、どこのどなたか知りませんが、少しづつ増えているアクセスに応えてできるだけ投稿しようと思い、こんな私的な「つぶや記」だけでご勘弁してもらうことにした。あしからず。

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2006年9月14日 (木)

サラ金は命が担保なんだって

 サラ金の高金利引き下げ問題について、金融庁や自民党の案をめぐってまだ紛糾しているようだ。即時、無条件で利息制限法の範囲内に一本化する予定だったし、マスコミ界でも連日報道され自民党批判も飛びかっているにもかかわらず、自民党のサラ金派議員など懲りない面々の抵抗が続いているようだ。利息を25%でどうか、とか、据え置き期間を5年だとか3年だとかでもめているようだ。こんなことでは臨時国会への提案は間に合わないか、それとも事実上の骨抜き法案が提案されるのがオチだろうと思うこの頃、みなさんはいかがお思いでしょうか。

 それにしても、13日の朝日新聞朝刊を見てビックリした記事があった。「消費者金融5社、自殺後に保険金3600件、05年度、“命担保”浮き彫り」と一面トップ、30面に関連記事もあり、「減らぬ借金追い込まれ、消費者金融“命が担保”遺族“根本に高金利”」という見出しである。記事を読んで、わたし的に知らなかったが、サラ金ってのは、借り手に生命保険をかけているのですねえ。借り手が自殺してもサラ金には元金が返ってくる仕掛けになっているのだ。しかも生保加入の申込書が借金の申込書と一体になり、生保加入に気づかない借り手が多いことが問題になっているとのこと。昨年一年で大手5社が受け取った保険金のうち3649件の死亡理由が自殺だったというのだ。死因が特定できない場合もあり実際は今回の調査結果よりも多い可能性もあるという。多重債務の自殺者は年間7000人とか8000人ともいわれるのだからそうかも知れない。「無担保、無保証人、即金」とかサラ金は宣伝するが、担保はなんとイノチだったのか。同紙は「取り立てを担当していたある大手消費者金融の社員は」…「数年の間に担当した債務者10人ぐらいが自殺した」と打ち明け話も載っている。道理で、わたし的にも見聞した借り手の話でも、徹底した取り立ては、それこそ罵詈雑言、ヤクザまがいの言葉で執拗に迫ってくることもよく聞いた。「返済してくれないのなら死んでくれた方がまし、保険金が入る」とでも考えているのかと疑いたくなる。

 そこで、このブログを読んだ方でお知り合いに、もしサラ金被害に悩んでいる方がいましたら、自殺を考える前に、「全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会」という団体のホームページを開き、「加盟団体一覧」をクリックすると、35都道府県78団体の住所、団体名、電話番号が掲載されているからお近くのところで相談するように助言して下さい。わたし的にも過去何人か紹介しました。ボランティアでクレジット・サラ金被害の予防と救済を行なう団体です。

 アドレスは ↓ ここです

http://www.cre-sara.gr.jp/

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2006年9月13日 (水)

消費税増税のシナリオが出てきた!

 首相の私的諮問機関として「政府税制調査会」というものがある。「調査会」とは聞こえがいいが首相の諮問機関だから概ね首相の意向が反映される。そこで討議された中・長期税制の基本構想が、自民党の税制調査会で具体化され、国会に提案されてくる。12日、政府税調の石弘光会長が「今後の税制改革についての議論に向けて」という異例の会長談話を発表した。政府税調は任期の3年ごとに中期答申をまとめ、今回の任期は10月5日なのだが、中期答申を先延ばしにし、「会長談話」となったから「異例」なのだ。談話では、2009年度に基礎年金の国庫負担が3分の1から2分の1に引き上げるために「消費税をその財源として位置づけることについて、検討する必要がある」としている。談話の「本文でふれているのは消費税だけ」とも認め、09年度から消費税増税を提言した。会見では「国際競争の観点から、現行法人税の基本税率がこのままでいいかどうかという議論がいずれ出てくる」とも述べて今後、法人税率の引き下げも示唆したのだ。

ではなぜ、中期答申を先延ばしにしたのか。それは、「我々の意見がもっとも反映されやすい時が適切なタイミングだ」と述べた。すなわち、「今の時期はまずい」との判断だ。来年は統一地方選挙や7月には参院選挙もある。その選挙を前に「消費税は上げるぞ、法人税は下げるぞ」なんていえば与党にとって不利になるという読みがミエミエだ。参院選が終ってから答申を出すというのだ。「適切なタイミング」とは来年の参院選後だ。そこから消費税増税の本格論議をやり、08年に増税法案を国会提出し、09年から実施というのがシナリオであり、次期総理予定の安倍氏も08年通常国会に提出する考えを示している。

増税の口実は、政府税調も総裁候補も「社会保障の安定財源確保」と口をそろえるが、4日付けにも書いたように、これまで18年間の消費税175兆円は、この間の法人税の減税などにまわされた160兆円とほぼ同額なのだ。石会長によれば、史上空前の大もうけをしている大企業などの法人税は引き下げッぱなしなのにさらに引き下げるという。一方で、「社会保障の不安を訴える」国民の声に応えるためにと、いかにも社会保障のための増税だという。これでは、これまでと同様、儲かってウハウハの企業をさらに国民が税を増額してまで支えるというまったくさかさまな議論で言語道断だと思う。格差社会の拡大で、年収200万以下の世帯が急増し、片や何千万、何億という企業家や資産家がいるが、生きて行くうえで最小限必要な衣食住にも同じ税率がかかるのですよ。不公平税制の最たるものが消費税なのだ。「社会保障のため」とか、民主党のいう「社会保障目的税化」などというまやかしにだまされてはいけないですね。でも増税勢力は「適切なタイミング」というようにやっぱり選挙が怖いのだ。増税勢力に参院選でダメージを与え、反対勢力を増やすことが増税路線を食い止める道ではないでしょうか。

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2006年9月12日 (火)

早稲田実業、斉藤選手の4年後に期待しよう

今年の高校野球夏の大会で決勝戦2試合24イニングを投げぬき、優勝投手になった早稲田実業の斉藤祐樹投手がプロ入りではなく進学を決めた。甲子園での連投に次ぐ連投、アメリカ遠征でも3試合だったか登板し、かなり酷使ぎみでほんとに大丈夫かと心配もした。あれ以来、18歳少年の一貫した謙虚な発言、マナーのよさ、それに普通のハンカチで汗をぬぐう姿も加わって、ものすごい人気者になった。プロ野球ファンにとってはプロ入りは楽しみでもあったかも知れない。だが、そういう人気にも惑わされることなく冷静に賢明な大学進学を短期間で決意した姿勢はなんとも立派だ。

 記者会見の中味もいい。「甲子園やアメリカ遠征を通じてゆれた部分はあった」と本音ももらしながら、しかし、「急にプロ野球という考えもでてきたが、まだまだ野球選手としても人間としても未熟だと思う。大学生活の4年間を通じて成長できたらいいなと思った」「投手としては体を大きくして、全体的なレベルを1ランクでも2ランクでも上げたい」「大学生活が野球だけでなくすべての面で成長させてくれるものになればと思う」とも語る。なんとも自己分析能力を持ったしっかりものなのだろうと感心する。そして4年後はプロ野球選手を目標にするという。また、会見後の椅子を机の下に丁寧に片付ける写真も新聞に載っていた。自分の椅子だけでなく他の出席者の椅子も片付けたという。ほんとうにマナーを心得た、なんとさわやかな18歳だろうか。

 どなたかのブログにも斉藤選手を引用して、例のボクシングで品格のない選手と比べて「彼(ボクシング選手)は、斉藤君の爪の垢でも煎じて飲め」というのがあったけど、多くの人もきっとそう思うのではないだろうか。

 これから、さらに4年間心身ともに鍛えて、プロ野球界にぜひ出てきて欲しいものだ。そのときを今から期待しよう。

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2006年9月11日 (月)

衝撃の事件から5年、テロは戦争で解決したか

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 2011年9月11日、5年前の今日です。何かの会合があって午後9時頃だったろうか。帰宅して「さあ、一杯」とテレビをつけた。しばらくするや否や衝撃的な映像が飛び込んできた。そう、あのニューヨークのノッポビル2棟に航空機があいつぎ激突、炎上、やがて瓦礫と化し、ここだけで2780人とか、4箇所合わせて3130人が犠牲になった同時多発テロ攻撃。あの映像は今でも鮮明に記憶している。テロはどんな宗教的信条や、政治的思想的見解の違いがあっても、絶対に許されない暴力であり犯罪行為である。9・11テロを機に米国ブッシュ大統領は、「これは戦争だ」と同年10月、テロの拠点としてアフガニスタンに攻め込み、03年3月にはイラク侵略と大規模戦闘を繰り広げた。しかし、この5年テロはなくなるどころかさらに拡散し、ブッシュ政権のテロ戦争への批判が高まっているのが現状だ。ブッシュがテロリストとのつながりもよく調べず攻撃したイラクでは、すでに9・11犠牲者の10数倍に及ぶ5万人近くが死亡。米兵の死者も2600人を超えるという。そして一昨日、イラクの元大統領フセインは、テロ組織のアルカイダとは協力関係になく、むしろフセインはアルカイダに不信を抱き、指導者のザルカウィ容疑者を拘束しようとして失敗していたこと、フセインはアルカイダが同時多発テロ事件を起こすことも事前に情報をつかんでいなかったこと、などなどが、当のアメリカ上院情報特別委員会が正式に公表した。これで、今までに公表された「イラクは大量破壊兵器を保有している」というのもウソだったことと合わせて、アメリカのイラク侵略の根拠が完全に崩れたってわけだ。だが、アフガンでは再び治安が悪化、テロ組織「タリバン」が復活して影響を強め、イラクは「内戦」の事態にさえなっているという。

  孤立するアメリカと同盟を強化する日本

 イラク戦争開戦時、世界の圧倒的な国々が反対したにもかかわらず、「テロの脅威」をあおる米国の要請で30数カ国が軍隊を派遣したが、それらの国々、スペイン、イギリス、ドイツ、インドネシア、エジプトその他何箇所かまでテロが広がり、衝撃を広げ、国民からの批判が高まっている。主導国の一つ、イギリスのブレア首相もついに「一年以内に退陣」を表明せざるをえなくなった。スペイン、イタリアでは選挙で政権が交代し、ブッシュに批判的な政権が生まれている。欧州12カ国の世論調査ではブッシュの外交政策への支持率は全体で18%という。肝心の米国内でもブッシュ支持率は9・11直後の72%からいま36%まで落ち込んでいる。「イラク戦争がテロとのたたかいを妨げている」と考える米国民は54%。「ブッシュはテロに対する政策をもっているか」との問いに59%が「ノー」の回答。(米誌「タイム」調査)10日のNHK「海外ネット」では、アメリカの軍事予算が開戦時の1.5倍になったことや、軍と兵士が疲弊していること、PTSD-心的外傷後ストレス障害に苦しむ米兵が2万人以上いるとか、「兵士を帰還させよ」という集会が各地で開かれていること、「テロには勝てないと考える」人が7割もいることなどを放送していた。要するに「戦争でテロは解決しない」ということが世界の人々の大勢となってきているということだ。

 テロの根絶は軍事報復や戦争でなく、また一部の大国の行動だけでなく、国際法にもとづく裁きこそ必要です。世界各国と国連をはじめとする国際機構が一致協力してあたることこそ必要というのがこの5年の総括ではなかろうか。こうしたなか、日本政府の対応は、一貫してアフガン、イラク戦争を強力に支持し、6月に訪米したコイズミさんは、世界と米国内で孤立を深めるブッシュとあってプレレスリーの邸宅に行き有頂天になり、米軍再編のために3兆円負担を約束した。ポストコイズミさんをめざす人はといえば「超タカ派」さん。憲法9条を取り払い、自衛隊の海外派兵自由化を謳い、「先制攻撃論」だって口にもする人が座ろうとしている。テロの標的は、アメリカとその同盟国だから米軍といっしょに海外へ行くようになれば日本もテロの標的の一つになる。お~怖いなあ、日本の未来も…。そんなことを思う今日この頃だ。

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2006年9月 9日 (土)

“タカ派”の安倍さんにイエローカードその4 軍歌酒場の“安倍親衛隊”

 客観的に見ていてもさっぱり面白くない自民党総裁選レース。大新聞もテレビも候補者の主張と票読みが中心で「大本営発表」みたいな内容が多く、読み応え、見ごたえがない。中にはチラッと本質を突いたりする批判物もあるが、多くは自民党そのものの宣伝に過ぎない。世の中は自民党だけではないのだから、すべての野党の見解なども報道すればいいのにと悔やんでいる。そんなかで、党内最右派に属する安倍氏に雪崩現象がおこる“自民党のいま”を追う、大新聞やテレビが絶対に報道しない風景を報じた読み物があった。「しんぶん赤旗」の本日号1面と3面の記事だ。長いので要旨を紹介しておくから、関心ある方は一番下のアドレスをクリックすると全文が読めます。

 まず見出しから面白い。「自民党総裁選の風景」「軍歌酒場の“安倍親衛隊”」…えッ、何それ?って思うでしょ。「東京・銀座7丁目の路地裏通り。店の入口右わきに日章旗。軍歌酒場「F」――8月2日夜、自民党の若手議員の『軍歌をうたいつぐ会』が企画されました。案内状に『8月15日靖国神社参拝後の唱和のための軍歌演習を兼ねた暑気払いです』」と記事はすすむ。驚くなかれ、続いて記事は「終戦記念日を前に軍歌を高歌放吟する自民党若手議員たち。自民党内で“安倍青年親衛隊”と評されます。軍用迷彩服を着用し、モデルガンを手にするのが趣味というメンバーもいます。軍歌を歌う若手議員は昨年総選挙で初当選した議員(82人)の半数でつくる『伝統と創造の会』(会長・稲田朋美衆院議員、41人)の一部のメンバーでした」(ここで筆者注釈だが、昨年の総選挙初当選組とはいわゆる小泉チルドレンと言われる先生方。稲田議員は福井1区選出だ)そしてメンバーの歴史認識についての発言語録も紹介している。稲田議員―「(靖国問題は)憲法改正に伴いこれから自衛戦争や国際協力戦争で亡くなった人が出たら、どこで慰霊するのかも含めて議論が必要」。赤池誠章議員(比例・南関東選出)―「(靖国参拝に反対する中国、韓国とは)付き合わなければいい」「中国を封じ込めるのに必要なのは軍事力ですよ」と。

 記事は、「若手右派議員は“安倍的”政権を政治信条とイデオロギーから熱望」し、党内のさまざまな右派グループと合流して自民党内の空気を急激に“国防色”に塗り替える様を指摘します。さらにこうした「危険思想派」が党内を席巻する歴史と現状を詳報しています。

 興味ある方は↓ここをクリック

  http://www.jcp.or.jp/ 次に「自民党総裁選の風景」をクリックすれば読めます。

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2006年9月 8日 (金)

“タカ派”の安倍さんにイエローカードその3村山談話への態度を明言せず

 今日は自民党総裁選の告示である。むろん全有権者に選挙権があるわけでなく、自民国会議員403人と、昨年、1昨年に党費や党友会費を納めた党員・党友106万人余に選挙権があるだけ。党員、党友の票は地方票300票に反映される仕組みだ。もう大勢も決まっているのにまだまだ2週間の選挙期間中、メディアによる自民党の一挙手一投足の宣伝ばかり見聞されるのもいささかウンザリだ。わたし的には外野席から“独断と偏見”?で論じるしかない。そこで今日は“タカ派”の安倍氏があいまいな表現しかしない1995年のいわゆる「村山談話」について考える…。

 95年8月15日、村山富市首相の「戦後50年談話」の要旨は、「わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与え」という認識で「この歴史の事実を謙虚に受け止め…痛切な反省の意を表し、心からのおわびの気持ちを表明」したものであった。これは村山さんの個人談話でなく村山内閣の閣議決定であり、あのコイズミ内閣も含めて、その後の歴代内閣はこれを日本政府の公式見解として踏襲してきた。同じ年の6月、村山内閣の下、「歴史を教訓に平和への決意を新たにする決議」という国会決議が採択された。これは内容的にも「村山談話」よりもあいまいな表現であったが安倍氏は採択に欠席していた。いま、次期総理が確実と見られているから、この「村山談話」を踏襲するのかどうかが記者団などからさかんに問われている。7日の記者会見では、村山談話を「歴史的な談話である」としながらも、「新政権ができて、どういう認識をもっていますかと問われれば、そのときの総理が自分の考えを述べることになる」と発言。暗に村山談話とちがう認識を示唆するかのようだ。そこで今日の「朝日新聞」社説から一部を引用する。「安倍晋三官房長官は、この(村山)談話がどうもお気に召さないようである」…「記者会見で『次の政権で村山談話を踏襲するか』と繰り返しただされたが、答えはあいまいだった。談話にもりこまれた『植民地支配と侵略』をどう評価するかを聞かれても『歴史家に任せるべきだ』と口を濁した」と紹介している。

 戦後50年の節目の年の終戦記念日に、国策を誤り、植民地支配と侵略によってアジア諸国に多大な損害を与えたことで内外に反省とお詫びを表明したことは当然のことであり、アジア諸国から信頼を得る道ではないでしょうか。「朝日」の社説はつづいて「こんな基本的なことであいまいな認識しか示せなければ、安倍政権のアジア外交は根本から揺らいでしまう。日本外交が苦労して積み上げてきた信頼を一気に失うのは明らかだ。これが安倍氏のいう『主張する外交』なのか。安倍外交が大いに不安だ」と締めくくった。まさにその通りだ。安倍氏がよくいう「それは後世の歴史家が判断することだ」というのは、すでに村山談話を否定し、今後の歴史家に責任をなすりつけようという無責任な態度ではあるまいか。以上にて、3度目のイエローカードだ。

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2006年9月 7日 (木)

高金利規制に反対する“族議員”とは誰だ

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 わたし的に、消費者金融(サラ金)に借金し、高金利のために雪だるま式に借金が増えた多重債務者から時々相談を受けたことがあったので、今回の貸金業規制法について大いなる関心をもっているから、昨日のつづきである。

 これまで専門家の懇談会で長い時間をかけてきた案は、グレーゾーン金利は廃止することが大勢を占め、金融大臣も賛意を表明していた。そこへ短期・小口の融資については上限を上回って28%を認めるという「抜け道」が出てきた。今度さらに、自民党の「一部ベテラン議員」(毎日新聞)がヨコヤリを入れ、法改正後最長9年は据え置きにするということになったのが昨報の到達だった。そして後藤田政務官がとても納得できないと「抗議の辞任」をした。この辞任は昨報では「未確認」だったが実行された。今朝のテレビ「朝ズバッ」では、この自民党の一部ベテラン議員とは誰か。それは「族議員」と呼ばれる連中だとのこと。金融族かサラ金業界族か知らないが、要するにサラ金業界から献金なりパーティー券なりを買ってもらう「族」の議員だろう。「朝ズバッ」のみのもんた氏は「けしからん話だ。そんな議員は公表しなきゃ」と勇んでいましたが公表をぜひ期待したい。わたし的には「被害者を出さない健全な消費者金融を考える会」という美名な「会」が自・公議員で結成され、その代表世話人は、サラ金業界からパーティー券を購入してもらったことがある自民党の保岡興治元法相であることを知っている。同氏は「弁護士会などは、グレーゾーン金利を廃止し、出資法上限金利の引き下げを強く求めているが、それでは高リスクの人の需要に応えられない」(「日本金融新聞」610日号)と、サラ金業界の主張とまったく同じことを述べているのがきわめて遺憾だ。

 今日の朝日新聞の「社説」でも「どこを向いた改正案か」「金融業者への配慮が透けて見える」と手厳しい批判を加えている。「借金が膨らみ、自殺や家庭の崩壊に追い込まれる悲劇があとを絶たない。解決には高金利を抜本的に改める必要があるのに、腰砕けになっている。金融庁は改正案を作り直すべきだ。何よりもおかしいのは、少額で短期に限ると条件つきとはいえ、28%の金利を特例で認めることだ」と批判、そのあとに実施まで最長9年もかかることも糾弾している。

国民の税金を政党助成金として山分けし、企業からは政治献金やパーティー券購入などで企業に都合のよい法律をつくる。こんなボロボロに腐敗、堕落した自民党に審判下すのは来年7月の参議院議員選挙だ。しかし、この法案はおそらく骨抜きで終るのだろうと悲しむこの頃だ。

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2006年9月 6日 (水)

「抜け道」プラス「抜け道」で高金利温存か

 先週にも指摘したことだが、サラ金業界の高金利引き下げについて、小口、短期の融資については、「50万円以内を返済期限1年」と「30万円を半年」については、出資法の上限金利に近い28%まで認める「特例」(抜け道)をつけた旨を紹介した。これは、金融庁の「貸し金制度等に関する懇談会」で3月から検討されてきた。その懇談会の8月24日の会合でさえ、「(抜け道は)第二のグレーゾーンになる」などと多くの委員から厳しい批判が出た。与謝野金融相でも7月段階では「例外が例外でなくなる」などと表明していた。ところがである。なんとまあ、自民党との調整結果は「特例の高金利ありき」ですすんできた。そして昨日、金融庁と法務省の密室で議論された「検討内容」なるものが出てきたというのだ。それは、改正法の施行後3年ほどかけて上限金利を引き下げるという経過措置を設け、そのあと最長5年程度の時限立法で、合計8年間も高金利のまま温存しようというヨコヤリが入ったのだ。つまり「抜け道」プラス「抜け道」だ。

 「派遣労働者が増加するなど格差社会が進み、収入が減った借り手が多重債務者に転落する懸念はますます強まっている。多重債務者問題を防止するという法改正の原点に立って、金融庁は特例のあり方を再考してほしい」という読売新聞記事もある。同紙はまた「社説」でも「『特例』容認で骨抜きにするな」と書いている。社説を読んでみると「自民党からは、特例時の終了時に改めて存廃を見直すことができるようにしようとの意見さえ出ている」とあるのを見て呆れると言うか、情けないと言うか、いささか憤慨ものだ。自民党ってとこは、どこまでも業界寄りなのか。多重債務でにっちもさっちも行かなくなって自殺する人が急増している。今日にも自殺者がでるかも知れない切羽詰ったなかでの高金利引き下げ法がやっと臨時国会で日の目を見るかと思いきや、自民党は8年間も温存するだけでなく、そのときが来たらまた「存廃」を見直すという無責任政党なのだ。自民党ってとこはせいぜい「借り手が悪いんだ」ぐらいにのたまうのだろう。そりゃあそうだ。少しくらい批判されても、サラ金業界からがっぽり献金やパーティー券を買ってもらう方がよほどありがたいわな。しかしまあ、自民党のなかにも「常識」のある人もいるらしく、後藤田正純・内閣府政務官は「金融庁案では現時点から9年間もグレーゾーン金利が温存されることになる。多重債務者の増大をくいとめるべきなのに、政治家として容認できない」と金融担当政務官を「抗議の辞任」するとかで、今日6日にも与謝野金融相に辞職願いを渡すという。(辞任したかどうかは未確認)自民党の少ない「常識」のために紹介しておこう。

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2006年9月 4日 (月)

消費税増税は「やむを得ないのか」?

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 7月10日付けで紹介した、コイズミ内閣最後の「骨太方針」のなかで、2011年度までにさらに「社会保障費を1兆6千億も削減する」ことに関して、徹底した歳出削減をやれば国民はネをあげて、それならやむなく消費税を上げて社会保障にまわせ、ということになってくるんだ、とのコイズミさんの言い分を書いた。そういう影響もあってか一部の世論調査では、「社会保障財源確保のために消費税引き上げもやむを得ない」という意見も26.5%(時事通信調査)あるということだ。では、はたして消費税が生まれて18年間、その税が社会保障に回ったのかを見てみよう。この間、国と地方あわせて消費税収入は、175兆円にもなる。だがその18年間で、たとえば医療保険制度はサラリーマンの健康保険の窓口負担は1割から97年に2割、03年から3割と増え続けた。厚生年金の負担増も消費税導入時の1.5倍に増えた。介護保険も、障害者福祉も、生活保護も、改悪が繰り返された。消費税ができても、社会保障制度は良くなるどころか、悪くなるばかりではありませんか。ではこれだけの消費税はどこに使われたのか?

 実は、日本経団連などは企業の社会保険料負担の軽減を要求し、それを消費税で肩代わりしてきたのです。消費税は当初3%だったのを97年に5%に増やす一方で、企業が納める法人税を消費税導入前の42%から今の30%に引き下げ肩代わりしてきたのです。地方に入る法人事業税も12%から9.6%に引き下げられた。加えて不況の影響もあって法人3税(法人税、法人住民税、法人事業費)の収入が落ち込んだ。こうして法人税は消費税が導入された年の最高だった89年度に比べて17年間で160兆円も減収になっているのだ。そういうわけで消費税収入の175兆円のほとんどにあたる160兆円は、法人3税の穴埋めに消えたってわけ。国民にも定率減税が行なわれたが、これも今年と来年にかけ2回にわけて元にもどす、つまり再増税なのだが、法人税は減税したままで手をつけない。総裁候補の谷垣氏は公約として消費税を「早い時期に10%」を主張し、安倍氏、麻生氏も「歳出削減優先とセットで増税」と消費税増税を否定しない。

 まあ、そんなわけで、消費税を上げても社会保障にまわることは期待できない。消費税ほど弱者に負担を強いる税はほかにない。僅か数万円程度の国民年金だけの人、生活保護の人でも、ホームレスの人でも消費税は否応なく負担しなければならない。ほかの税や社会保険料などは低収入の人には減免措置があるが消費税にはない。低収入者にとっては食料品など最小限の消費にも同じ税率でかかるから、収入に占める率は大変大きい弱者いじめの税だ。歳出の無駄を無くすのは当然だし、大企業や大資産家などに負担能力に応じた負担を求めてこそ、その社会的責任を果たすものであり社会保障の財源ともなる。日本は急速に格差社会が広がり貧困率が主要国で2位というなかで、低所得者が納める税で大儲けしている大企業の法人税の穴埋めなんて許せないと思う今日この頃だ。

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2006年9月 2日 (土)

麻生外務大臣の見識に一言

 今日の各紙は安倍氏の総裁選出馬表明記事が充満している。昨日、自民党中国ブロックの大会で総裁候補3人がなにやらぶち上げたそうだ。そのなかで大新聞は触れなかったけど、麻生外務大臣が述べた気になることを紹介しておこう。「麻生氏は、いまの時期にあった年金づくりを考えなければならないとしたうえで『65歳以上の人のうち本当の意味での寝たきりは15%しかいない。あとの85%はまわりが迷惑するくらい元気。こういう人は働くしか才能がないといえば語弊があるが、あんまり遊んだことがない。そういう人たちをうまくおだてて使うことが会社経営者の才能』などと高齢者を侮辱する暴言を繰り返しました」(「しんぶん赤旗」9月2日付け)

 麻生様、すみませんね。わたしも65歳以上の一員です。まわりに迷惑をかけないように細々と生きているし、また、迷惑をかけたいという意志もないんです。でも大臣から迷惑だっていわれたら、年金制度を維持するために高齢者は早く死ねって言われているような気がしてなりません。だって「働くしか才能がない」のは事実としても、「おだてて使」ってくれるところがどれだけあるのですか。麻生様の一言でそうなるのですか。それでなくても若い人々の失業者も多く、非正社員ばかり増やしているのに高齢者を使ってくれるとは信じられません。7月下旬にNHKで放送のあった「ワーキング・プア(勤労貧困世帯)」って言葉が衝撃を与える時代でしょ。また、「あんまり遊んだこともない」のも事実としても、遊ぶだけの財政的にも時間的にも余裕がなかったのですよ。さらに一言申し上げれば、今の65歳以上の高齢者のほとんどは、NHKの「純情・きらり」で見るように戦前、戦中の苛酷ななかを生き延び、あるいは戦後の荒廃のなか生きるか死ぬかの瀬戸際を必死で生きてきた人々です。そして、その後の高度経済成長期を支えて働き今日の日本の基礎を築いてきた中核ではありませんか。そういう高齢者なのです。そんな高齢者だからこそ、せめて老後ぐらい少しゆとりをもったものにしてもらえませんか。だけどあなた方コイズミ内閣でやってきたのは、今年から住民税が何倍にも増えた高齢者や、国保料や介護保険料もそれに連動して、来年も再来年も増え続け、医療費も上がる一方なのに年金は目減りするばかりではありませんか。「あんまり遊んだことがない」からこそ、せめて一年に1回くらいの決して贅沢ではない、ささやかな小旅行でもしたいという思いも、負担増ばかり押し付けられては、余生が心配で気軽には行けないのですよ。誰が次期総理になっても、これ以上の高齢者いじめをやめるようにして下さいませ。以上、高齢者のつぶやきでした。

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2006年9月 1日 (金)

サラ金の高金利維持のため抜け道をつくる?

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乗降客の多い主要な駅前の一等地に同じような風景がある。サラ金の事務所と看板がひしめき合っている建物だ。「むじんくん」「受付無人コーナー」などとあり、わたし的には借りた経験がないから知らないのだが、生活苦などで切羽詰った人にとって「借りやすい」ことから、ついつい手を出してしまうのだろう。だが、むろん「返すつもり」で借りるのだが、あまりの高利のために返せなくなり、返済のために別のサラ金から借りて返すなどを繰り返すうちに、「多重債務者」となってしまう。わたし的にも債務者の相談を受けやむなく「破産宣告」して立て直す人などもあった。実は高金利には法的制限が二つある。一つは「利息制限法」による上限金利は15%~20%のもの。もう一つは出資法による制限利息でこちらは29、2%だ。現在のサラ金はこの出資法による29.2%の上限を活用している。9.2%の差を「灰色金利」とかグレーゾーン金利とか呼ばれている。近年、この灰色金利で暴利をむさぼることを認めず、利息制限法の上限を超える「過払い金」の返還を求める最高裁の判決が相次いで出ている。今日の毎日新聞に、過払い金利を払い続け、国民健康保険料が支払えず「無保険者」となり、医療費が全額自己負担になるので病院にも行けないで死亡した悲惨な例などを紹介している。67歳の男性が診療をためらい、くも膜下出血で死亡。家族が弁護士に相談したら,約1500万円の過払いがあることが分かった。「生前に過払いとわかっていれば」と悔やむ家族の例も報じている。「無保険者は04年度で全国で30万人」とも書かれている。まるで中都市の人口並だ。

 最高裁の「過払いを返還」判決なども受け、また引き下げを要求する運動ともあいまって、国会のなかでもグレーゾーンを廃止し金利の引き下げを求める声も多くなり、秋の臨時国会で金利見直し法案を出す予定のところまですすんできたのだった。ところがここに来て、サラ金業界の反撃や、業界の株主になっているアメリカの金融大手業界などの圧力もあり、金融庁と自民、公明の与党が「抜け道」を加えようとしているのだ。それは少額、短期の貸付には高金利を認める「特例」を設けることを検討するらしい。つまり、個人向けは「返済期間半年以内で上限30万円」「返済一年以内で上限50万円」にする。事業者向けは「3ヶ月以内で上限500万円」で調整しているという。サラ金大手5社の新規貸付の平均は18万7千円だというから、金融庁案ではほとんどの人は従来どおりの高金利となるわけだし、すぐに返済させてまた貸し付ける手法でやれば、長期にわたって高金利のままとなる。今まで業界がやっていた暴利をそのまま続けられるってわけだ。サラ金業界は与党国会議員らに献金したり、パーティー券を買うなどして、出資法の現行金利29,2%の維持を求めて工作するわけだ。その結果がこんな「特例」(抜け道)を加えるという姑息なやり方だっていうことを指摘しておこう。また、中小企業や一般人には貸し渋る大手銀行はサラ金業界には低利で資金を調達する。そのモラルが問われるということも…。

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