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2006年10月31日 (火)

ヒトだけでなくクマの世界も大変??

今日はちと変わった話題だ。人間の世界も何かと暗い話が多くて住みにくい世の中になっているが、クマの世界もそうらしい。「秋グマ大量出没」って記事が朝日に載っていた。なんでも今年は人身事故や農作物への被害で捕獲されたツキノワグマって奴が2956頭に達したと。人身事故も死亡3人、ケガ111人もあるという。人里近くにも出没することもあり、目撃件数はあちこちとも飛躍的に増えているとのこと。山菜やキノコ採りで山に行く人はクマにも注意ということです。岩手県や秋田県はクマ出没注意報を出しているそうだ。

 また、「しんぶん赤旗日曜版」によれば、今月のはじめ、長野県軽井沢町で国際クマ会議なるものが開かれ、クマ出没と人身事故があいつぐ日本の問題が焦点の一つになったという話だ。そして、なぜ、日本でクマ出没が増えているのか、原因に迫っている。近年出没しているクマは、人を恐れない「新世代クマ」だという。長野県では、人家や道路から50メートルしか離れていないところで冬眠し出産・子育てするツキノワグマも発見されているらしい。そして、専門家の話だが、経済社会のゆがみが背景にあると指摘。エッ、人間社会のゆがみだって…? それは、高度経済成長期に進められた「拡大造林」で、広葉樹の森林は杉林の人工林に変貌した。その結果、クマの生息地は失われ、局地的にはツキノワグマの生息が危機的になったそうだ。杉の人工林は間伐もされずに荒れ果てた。農林業の衰退と過疎が進んだ結果、これまで人手が入っていた里山まで暗い藪に覆われ、クマと人との暮らしの境界がすっかり取り払われてしまったと指摘している。そして小規模農家が切り捨てられ、高齢化した山村で里山は荒れ放題で、人里にはクリやカキなどがついたままの果樹畑、収穫しても売れない農作物が放置された。そんなことが背景にあると。「里山の活性化と農林業の再生なしにクマ問題は解決しない」と大学教授の指摘がある。

 なるほど、人間社会の営みで地方は見捨てられ、過疎化がすすむなかで、クマが怒ったわけでもないだろうが、やむなく食を求め、人里にまで出没し、ゴミ箱をあさり、農作物をいただきにやってくるってわけか。それならば今後もますます大量出没の可能性があるということになる。さて、万一、クマに出会ったらどうするかという紹介記事もある。至近距離でクマと出会ったらクマから目を離さず、しかし、クマと目を合わせたら攻撃の合図になるので危険ですから、目を合わさないようにしてゆっくりとその場を離れること。走って逃げると追ってくるそうです。逃げるものを追う習性があるそうです。それから、子グマの近くには母グマがいるので注意することだとある。でも実際に出会ったらそんなに冷静でいられるかなあなんて考えた次第です。

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2006年10月30日 (月)

こんどは高校生の「難民」?

 高等学校が必修するべき科目を履修させず、大学入試中心の教育に熱中するあまりに、卒業できない高校生「難民?」が何万人も生まれている。今頃から入試に関係のない科目の補習授業なんて生徒にとっては大変な負担だ。安倍首相は「学校側に原因があった。教育委員会がチェック機能を果たしえてなかった」と怒ったそうだが、それで済むでしょうか。むろん、学校と教育委員会の責任は重大である。しかし、その前提になったのは、文科省による、教育の数値目標を持ち込み、受験競争をあおって来たこと。もう一つは少子化のもとで受験生を確保したい大学が、高校生に負担の大きい「世界史」を大学入試にあたって省くなど入試科目を減らし軽くするという入試のあり方が問題といわれる。こうした文科省の学習指導体制を政府自身も自己批判すべきだ。

 それにしても、今の子どもたちは大変だよね。幼稚園からして学力を競いあって子どもの奪い合い。小学校に入ったとたんから、塾、塾…。「学校から帰ったら塾へ」、夜に塾から家に帰ったら教育ママ(いや、最近は教育パパも)に「勉強、勉強」らしい。子を持つ親のこの気持ちは痛いほどよく分かる。それっていうのもこの競争社会にあって「わが子だけはなんとしても勝ち組に」とガンバル。だが、「勉強、勉強」と追い立てるあまりに、子どもが我が家に放火して犠牲者を生んだ例だってある。そこまでしなければならない根本的な原因には、人間が人間らしい労働をさせないで、破壊してしまった労働法制にある。わが子には非人間的な働かせ方はしたくない、なんとかいい企業の正社員に就職させたいと思うのは当然だ。派遣だ、請負だ、パートだという非正規による使い捨て労働が大流行しているからだ。

 先日、某テレビが放送していたが、いま大企業は「好況」だから来年はかってなく大量の人材を採用するとかで、大卒などの優秀な人材はすでに大企業が内定で押さえているという。そこで人材を確保できない企業では、有効求人倍率の低い地方(放送画面では北海道だったが、有効求人倍率の低いのは主に地方の道県に多い)の大学、高校に狙いを定めて「わが社にきて下さい」とあいさつ回りしている姿が放映された。驚いたのは「派遣会社」だった。いま、偽装請負などで社会問題になっている派遣会社が人手をもとめて地方に足を運んでいるのだ。

 教育における競争主義は、中央(大都市圏)と地方との格差を広げている。今回の未履修高校生を生んだなかには地方の進学校が多いというのも、地方には進学率を高める優秀な塾や予備校が少ない。その焦りから高校がよけいに受験予備校的な役割を果たすことにつながっていると思う。なんだか大変な世の中ですなあ。

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2006年10月28日 (土)

介護難民につづいてお産難民

 先日、“介護難民”4万人について紹介したが、つづいて“お産難民”についてまたふれよう。いま全国で出産できる病院・診療所は年々減少している。年間どのくらい減っているかといえば、02年では病院13、診療所が50減り、03年には、病院25、診療所78とつづき、04年はそれが急増し病院60、診療所103と、分娩取り扱いを中止した施設が増え続けている。すでに3千を切っていると言われる。今までは地方の産科が不足していたが今では大都市圏も深刻だ。出産適齢期の女性の人口一万人あたり、埼玉は0.98、東京0.99、神奈川1.14、大阪1.25施設といずれも大都市圏だ。なぜ減るのか、それは産科医の不足という点では一致している。産科医は当直が多く、24時間勤務が強いられるなどハードな上に医療事故にたいする責任も大きく、さらに助産師の不足が医師の過重負担を広げているという。厚生労働省は助産師は25000人おり充足しているというが、実際は16000人程度という調査結果がある。こうして医師は産科医をやめたい、病院も分娩取り扱いを止めたいとなっている。新しく医師になる人でも産科は敬遠されるわけ。こうして人口20万人台の都市でも産科が一つもない市だって生まれ、妊婦が産科医をもとめてさまようということが起こっている。そういうところでは自分で車を運転して他市まで一時間もかけ通院する。20数万人規模の都市であれば年間少なくとも2千を越える赤ちゃんの誕生があるのだが、その妊婦さんはみな他市までいかなければならないという「お産難民」だ。こういうことが激増すると関係者は予想する。少子化対策がさけばれているときだけに政府も本気でしっかり考えなければいけないでしょう。

最近、奈良県五条市の女性が分娩中に意識を失い19病院から転送を断られ、大阪府内の分娩病院で出産したしたあと死亡するという悲しい事故があった。これは緊急で高度な医療を要する「周産期医療」の未整備によるものであるが、根本的には政府の国民医療切捨て政策によるものだ。いま医療現場で働く医師や看護師などが増員をもとめて大きな運動に取り組んでいる。昨日も東京で医師、看護師、患者など5300人も集まり、白衣姿で銀座までパレードしたそうだ。そういう運動が大事です。

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2006年10月27日 (金)

高校の履修不足といじめ問題を考える

高等学校の教育で必修科目とされている「世界史」を履修させず、そのため高校を卒業できないということが全国で数多くわかり問題になっている。こんなことがなぜ起こるのか…。なかには何年も前からそういうカリキュラムになっていたということも判明している。識者などによれば必修科目の履修不足が多いのはいわゆる進学校に多いそうである。そして多くは表向き「やった」ように見せかけているという。「世界史」というのは生徒にとって負担が重いらしい。それで、敬遠してほかの受験科目にあて、進学受験のための授業時間を増やすことになっている。進学率を上げるためにいかに受験にそなえた授業体制を行なうかどうかにかかっているのでしょう。進学校のなかには国立の有名大学に何人送るかとか、なかには公然と「進学重点校」と名乗り格差をあおるところもあるという。また、全国で私立だけでなく公立でも中高一貫校といって、中学から高校まで一貫して受験めざす学校も増えている。こういう学校間の競争が背景になって必修科目の履修不足が起こっているという。

加えて政府・文部科学省も格差づくりの高校の多様化・再編をすすめているという。安倍内閣が今国会で最重点課題としている教育基本法「改定」にみる、「教育再生プラン」なるものでは、高校以前の小中学校から全国一斉学力テストの実施とその結果の公開、学校選択制の全国的な拡大、国による監査官の配置などで学校評価制度を導入し、文科省や教育委員会は、校長に対して数値目標を強要することになる。国公立大学や有名私学へどれだけ合格させるかなどの数値目標である。これではますます進学中心の教育、ゆがんだ受験指導体制になることが懸念される。「数値目標」ってものでいま社会問題になっている「いじめ」問題でもそうだ。文科省が03年に「いじめ、校内暴力などの『5年間で半減』をめざす」という目標を掲げた。だから、文科省に報告される「いじめ」の数は全国の小中高の学校数をはるかに下回る数字なのだ。ということは「いじめゼロ」の学校が大半だということだ。毎年、小中学生の自殺は100人以上発生しているのに、「いじめ」が原因というのは8年だか9年だか連続でゼロになっている。これでは福岡筑前町の中学2年生が自殺した学校のように「4年間いじめゼロ」と校長先生が胸を張っていたところでもあんな悲惨な事件がおこるわけだ。文科省や教育委員会への報告にはゼロでないと受け付けないとか、教員が報告しても校長が「なかったことにしよう」ともみ消したりするところもあるようだ。

現行の教育基本法でいう教育の目的は「人格の形成」である。高校の必修科目はそのためにあると思う。だが、受験中心の教育では、「人格」どころか、いかに「勝ち組」「負け組」に選別するかに終わる。政府の基本法改悪案は、どう「数値目標」を達成するかを競わせる方向にある。履修不足問題やいじめ問題が社会問題になっているときだからこそ、教育基本法改悪法案は廃案にして、現行基本法をどう生かすかを真剣に論議すべきときなのだ。

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2006年10月26日 (木)

日本医師会の調査で「介護難民」が4万人

「『介護難民』4万人に」「療養病床削減行き場なく」という見出しの記事を、本日の毎日新聞で見た。この頃「○○難民」とかの言葉が結構流行している。この記事は日本医師会が、長期入院する慢性病患者向けの設備、「療養病床」を削減する政府の方針を受けた緊急調査の結果を公表したというもの。その結果「医療区分1」の患者のうち、4割にあたる4万人は退所後の行き場がなく、「介護難民」化すると推計しているそうだ。

 コイズミ医療改悪(あえて「改悪」といおう)によって、療養型の病床を今の38万床から15万床に減らすこととなった。「その第一弾として今年7月、同病床の患者を病状に応じ『医療区分1~3』に分類。『医療の必要性が低い』と位置づけた区分1の患者については、医療機関の収入が5割程度減る診療報酬体系に変えた」(同紙)。要するに、医療区分1の患者については、診療報酬が半分に減らされる。すると、医療機関の経営がなりたたなくなるから、やむをえず「退院」と称して追い出されるわけだ。この調査は、6186の医療機関を対象に行ない、有効回答は2870医療機関で、入院患者のうち「医療区分1」は42.1%で、このうち63.4%にあたる18628人は「病状は安定しており、退院可」だったが、その約9割が自宅での受け入れが困難だったり、施設入居待ち状態だという。このため全国で約10万人と見られる「区分1」の4割の人が行き場がなくなるというもの。ひらたく言えば医療機関から追い出されるってわけだ。しかし「退院可」と言われても、その医療機関に入院しているからこそ「病状が安定」しているのであって、仮に自宅に戻っても施設もなければ介護できる環境になかったり、知恵も不足しているなかでは、「病状が悪化」するしか道はないのだ。介護保険を使っても何かと利用料負担がいるわけでタダではない。

 わたし的にも最近、商売をしていた知人が急に倒れて廃業し、リハビリ施設に転院したが、案の定3ヶ月で退院を余儀なくされ相談を受けたが、行き場がなく自宅に帰った。養護施設も大勢が待っている状態であり、老々介護で暮らしているが、営業時代の借金も残っており、夫婦あわせて月10万そこらの年金で家賃を払っての生活は大変だ。やむなく生活保護で一部補助してもらうべく申請に同行した。10月から医療費負担増で悲鳴を上げている高齢者や「介護難民」など、まさに政府の冷たい仕打ちで、「高齢者は早く死ね」という扱いだね。病気になるなと言っても高齢者には病気はつきものだし、それでもしかし、「病気にはならないように長生きしようよ」ってしか言えないのが悲しい。

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2006年10月25日 (水)

世論の高まりで特例高金利を撤回

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 これまでも当ブログで再三批判してきたサラ金などの金利引き下げ問題。与党は、出資法の上限金利(年29,2%)と利息制限法(年15~20%)の間のいわゆるグレーゾーン金利を撤廃し25.5%の特例高金利とし、事実上、金利の引き上げをもくろんでいましたが、大きな世論の高まりでこれをついに撤回すると決めたことがいっせいに報道された。これまでの利息制限法の上限金利で一本化することになるようだ。これにより、利息規制のしくみは、借入金10万円未満までは20%、借り入れ10万円以上100万円未満は18%、100万円以上は15%となる予定。もう一つは、「命を担保」と批判をあびた借り手に生命保険をかけて、自殺した場合でもちゃんと貸付残高は戻る保険契約も禁止する規定を盛り込むという。法の名称も変えて「貸金業法」とし、施行から2年半後をめどに規制の内容を再点検、必要に応じて見直すことで与党が最終案をまとめた。今国会で提案するというがおそらく全会一致で成立するだろう。

 自民党のなかで、サラ金業者寄りの国会議員などがまさに業者の言い分そのままの主張を繰り返していたが、その自民党のなかでも批判が噴出したようだ。しかし、なんと言っても、高金利引き下げ全国連絡会や全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会、日本弁護士連合会、司法書士その他各種運動団体が全国規模で展開した運動の成果であろう。17日に日本弁護士連合会が呼びかけて東京の日比谷公園で、「利息制限法の改悪と特例高金利の阻止を求める2000人パレード・総決起集会」が開かれた。当初は1000人パレードだったが主催者の予想を上回る規模で、消費者団体、弁護士、司法書士など約2000人が参加し国会近くまでパレードした。こうした、何年越しもかかった運動の勝利といえよう。

 ともかくよかった。きちんと国会で成立することを見届けよう。さらに、2年半後の「見直し」についても監視し、高金利による多重者債務者を出さず、自殺者の根絶をめざす運動を強めて行くことが必要だろう。久しぶりの朗報だ。

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2006年10月24日 (火)

5年間で8日の出勤、給与は満額なんて

奈良市の市職員が病気休暇を繰り返し、5年間で出勤わずか8日、その間も給与はほぼ満額もらっていたなんてとんでもない話がメディアで話題になっている。普通の「常識」ではほとんど考えられない話だ。最初にこのニュースを知ったとき、わたし的にはこれにはウラがある、おそらく解同(部落解放同盟)がらみではないかと予感がしていたがやはりそうだった。昨日は市長が記者会見して、市民への謝罪とともに「懲戒免職の方針で今週中に対応したい」と語ったとのこと。この職員は、部落解放同盟奈良支部協議会副議長とかで幹部を務め、「病気」といいながら、高級乗用車を乗り回して市役所には出入りし、親族が関係する建設業に絡む営利活動などで、05年度1年間で36件、総額5000万円の公共事業の受注にも関与しているという。5年間の給与はおよそ2700万円だがこれも市民の税金だ。市長は「返還を求める方向で」とも語ったというがほかにも複数の同様に「病気休暇」があるようで、とことん解明するかどうか。果たしてどうする?

 解同は、戦後の新しい条件のもとで1946年に部落解放全国委員会として再出発したが、60年代半ば頃から「部落民以外はすべて差別者」とする考えをもちこみ、「差別糾弾闘争」によって地方自治体と教育に介入。同和予算の私物化、肥大化をはかり、かえって逆差別を生むなど「部落解放」にとって障害となるような方向に変質した。部落の固定化や利権あさり、糾弾と称しての団体交渉などを繰り返し、古くは74年の八鹿高校事件などもあった。にもかかわらず、マスコミはタブー視し、ほとんど世間に出ることがなかった。しかし、今年5月8日、大阪市の市有地である西中島駐車場をめぐり、補助金の業務上横領で、解同飛鳥支部長が逮捕された事件などもあって大阪市の乱脈同和行政がぼちぼち明るみに出されている。しかし解同系病院に320億円の補助金、貸付金、赤字補填のための特別貸付金などの問題の全貌もまだ不透明であるが、今回の件などあいつぐ解同がらみの問題で、ようやく、マスコミも解同問題を取り上げるようになったことは少し前進かと思うきょうこのごろだ。

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2006年10月23日 (月)

「偽装請負」でメディアも批判の論調

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 13日の参院予算委員会で共産党の市田忠義議員の「偽装請負」についての質問に関連し、新聞各紙もとりあげている。19日付け「産経」の文化欄コラム「断」で、ある評論家が書いているのもその一つ。「10月13日の参院予算委員会質疑において日本共産党の市田忠義議員がおこなった『偽装請負』に関する追及は見応えがあった。今月3日、大手人材派遣会社『クリスタル』の子会社が、実際には労働者派遣なのに請負契約を装った『偽装請負』を繰り返していて、行政処分を受けた。市田議員が『その派遣を受け入れた事業所はどこか』と何度訊いても、政府側は『処分を受けた側ではないので、言えない』の一点張りであった。まるで売春をしたほうは有罪だが、買春をしたほうは無罪、とでもいいたそうな理屈である。結局、市田議員があきらかにしたところによれば、受け入れ事業所は約100社。中でも大口は松下、東芝、キャノン、ソニーの各グループである」と紹介している。「売春は有罪で、買春は無罪」とはなかなか言い得てるなと感心する。さらに評論家氏は偽装の手口を紹介したうえで、最後のほうで「私は共産党員でもなければシンパでもない。それにしても政府側の答弁は、あまりに形式的でぬるすぎる。『再チャレンジ』どころの話ではない。国会がその芽を摘み取っているとしか思えないのだ。国民にいう前に、まず政府と国会議員自らが不正防止に『チャレンジ』すべきではないか」と厳しく断じている。

 15日の「朝日」は、社説で「偽装請負」をとりあげた。国会論戦の表現はないが、「受け入れ側の責任も問え」という見出しである。「派遣を請負と装えば、受け入れ側は使用者責任を免れ、低コストで利益を上げることができる。請負会社も人を送り込むことで利益を得る。どちらも得をする。損をするのは、安全管理や待遇がおろそかにされる労働者たちだ」としたうえで、「納得できないのは、大阪労働局が処分の発表に際して受け入れ企業側の企業名を伏せたことだ。処分の対象ではないという。だが、もとはと言えば、受け入れ企業の依頼で労働者を集めたはずだ。低賃金で働かせ、使用責任も免れたうえ、利益だけを得る。そうした企業が名前も公表されず、責任も問われないのはどう考えてもおかしい」「これでは受け入れ側の企業をかばっているといわれても仕方があるまい。偽装請負をなくすためには、請負会社だけでなく、受け入れ側の企業の責任を厳しく問われなければならない。偽装請負のようなことを許せば、働いても働いても賃金が増えず、正社員になれない人たちが増えるばかりだ。このような仕組みの温存が、格差を固定化することを忘れてはならない」と結び、受け入れ側の責任を問えと提案している。メディアもこうした批判を展開していかないと、ほんとうの意味での「景気回復」もないし、ワーキングプアの群れが増えるばかりで、将来の年金制度も崩壊の危機にさらされる。12月にはNHKが「ワーキングプア」の第2弾を放送するというから期待しよう。

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2006年10月21日 (土)

違法を告発され「法律が悪い」と居直るキャノン会長

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 請負・派遣会社の最大手、クリスタルグループが前近代的ともいうべき劣悪な労働条件で、「華やかな大企業」に偽装請負した問題の国会論戦を先日3回に渡って紹介してきたが、この論戦は大きな反響を呼んでいる。「請負」とはメーカーが請負会社に丸ごと業務を任せる契約でメーカーには労働者の使用者責任はなく、直接雇用の義務もない。「派遣」とは、メーカーに労働安全衛生にかかわる使用者責任が生じるし、一年以上派遣が続けばその労働者に「直接雇用します」と申し入れる義務がある。直接雇用(正社員)ならその企業に100%使用責任がある。この違いを悪用して、実態はメーカーが指導・監督しているのに「請負」のように装うことを「偽装請負」という。この違法のデパートであるのがクリスタルグループ。その一つ「コラボレート」に10月3日、厚生労働省から事業停止命令を受けた。このクリスタルグループから3033人も派遣してもらっていた企業がキャンノンだ。ご承知のようにキャノン会長の御手洗氏は経団連の会長として経済界のトップである。その企業が違法な偽装請負によって、安月給で病気にでもなれば即刻クビにするなどまさにワーキングプア(働く貧困層)を生み出していた。

 その問題が国会で取り上げられたあと、東京ユニオンという労働組合に加盟し、キャノンの偽装請負で働いていた17人が「正社員として雇用するように」キャノン本社に申し入れたことも報道(19日「朝日」ほか)されている。この中にはキャノンで10年も働いていた人もいる。請負人材会社の労働者として働いていたが、実際はキャノンからの指揮命令を受ける偽装請負が続いていたと告発している。この人たちは「正社員になって、いいものづくりをしたい」と訴えている。

 御手洗経団連会長は、経済財政諮問会議(議長は安倍首相)のメンバーでもある。最近この諮問会議が安倍首相のもとで初会合があったようだ。その議事録が18日公表された。なんとキャンノンの偽装請負を告発されて頭にきたのか、御手洗氏は「請負法制に無理がありすぎる」「これをぜひもう一度見直してほしい」と法の見直しを要求するトンデモナイ発言をしたそうだ。財界トップ企業が法令違反をしておいて、まるで「法律の方が悪い」と居直っているのだからあきれはてる。いやしくも法治国家にあって法律は企業のためだけにあるとでも思っているだろうか。この人の頭脳には明治・大正時代の女工哀史のような働かせ方しかないのだろう。でもかつては「技術力を高め、社員を育てるのに終身雇用は向いている」って言ったこともあるらしいが、派遣や請負によってよほど甘い汁を吸って搾取の鬼と化したのだろう。いまやっていることは派遣や請負を利用して労働者を使い捨てることでしかない。そして「法を見直さなければ献金をひかえるよ」って自民党を脅すのだろう。いつもの財界の手口じゃん。

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2006年10月20日 (金)

自殺の要因分類に「いじめ」「多重債務」なども

18日の毎日新聞夕刊によると、警察庁は、8年連続で年間3万人を超える自殺対策に役立てるため、同庁の自殺統計の原因・動機の分類方法を見直し、「いじめ」「多重債務」「介護・看病疲れ」などの項目を新たに加えることを決めたという。これまで「負債」としていた項目を「多重債務」「連帯保証債務」「その他」に分類し、ほかにも「被虐待」も加えるという。これまでの項目で該当するものが少ない項目は廃止し全体で53項目にしたとのこと。自殺対策をすすめるうえで、その要因を正確に細かく掌握することはもちろんいいことだ。しかし、反面、こういう項目による自殺が増えていることの反映だろう。

 それにしても、自殺の要因分類に「いじめ」だの「多重債務」だの「介護疲れ」などよいう言葉を設けなければならないなんて、まさにこの国の異常さ示すものではないか。「経済大国ニッポン」のなれの果てなのか。政治の貧困さを示すバロメーターなのか。自殺せざるをえない小中学生がいること自体が異常だといわなければならない。最近、報道された福岡や北海道の小中学生がいじめによる自殺問題は報道の通りとするば、自殺する子どもにはなんの過失も責任もないのに、当該の教育委員会などの対応に隠蔽体質がありありと伺える。これは上からの締め付けで「いじめはなかった」と隠す報告に必死になるからではないか。学校や教育委員会は生徒や父兄の方に顔をむけないで上の方ばかり見る姿勢では現場の実態は見えなくなる。今でさえこうなのだから、教育基本法が改悪され、国家が教育に介入し統制を強め、愛国心を植えつける教育や競争主義の教育で、できる子ども、できない子どもに振り分けられるようなことが進めば、さらに教育現場が荒廃がすることでしょう。

 多重債務による自殺も年間7~8000人にも及ぶ深刻な事態と言われる。だからサラ金などの高金利引き下げこそ焦眉の急務なのに、格差社会でいちばんひどい目にあっている人たちがいわば二重の苦しみを背負わされている。「介護疲れ」による心中や自殺もよく聞く。ほんとうに暗いニュースが多いこの頃だ。この日本の未来、どうなることやら。

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2006年10月19日 (木)

派遣事業を進める事業所は3年間で8016に

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 (ココログのメンテナンスのため一日遅れました)

前回につづく第3弾です。市田議員(共産党)は「次にこういう事態(派遣・請負)が日本中に広がったのは、企業の要求だけでない。政府の後押しがあった。2003年の労働者派遣法の改定で、それまで禁じられていた製造業への労働者派遣が認められることになり、一気に製造現場へ派遣・請負の拡大が加速した。製造業への労働者派遣を行なう事業所は、04年3月時点ではいくつ、05年3月、06年3月それぞれ幾つですか」との問いに、職業安定局長は「04年613事業所、05年は4337事業所、06年は8016事業所」との回答。市田氏は「03年に労働者派遣法の改悪があって、04年に施行され、そこから急激に増えている。実に13倍ですよ。この大本をたださない限りいくら総理が『再チャレンジ』を叫んでも、いま起きている異常な事態は決して改善されない」と追及し、「03年までは製造業への派遣は認められていなかった。その理由はなにか」と聞く。職業安定局長は「いわゆる偽装請負というふうなものがまだ存在するのではないか。こういった懸念があるため」だったとの答弁。市田氏「政府自身が懸念していた通りの結果が出たわけだ。製造業への解禁で、偽装請負が蔓延することになった。心配した通りの誤りがはっきりしたのだから、元にもどすべきでないか」と提案。

そして市田氏は「去年東京労働局の調査で、派遣会社の法令違反と、請負業務会社の法令違反はどれだけありましたか」と質す。職業安定局長いわく「(東京の)875事業所のうち、73.7%、業務請負にかかわる175事業所のうち、84.6%の事業所で労働者派遣法の違反が見られたことから是正指導したところです」と回答。市田氏「法令違反が減るどころか、ほとんどの会社が法令違反だったということを今の答弁で認めたわけです。非人間的な働かせ方が横行しているのは自然現象ではない。その土台に労働法制の規制緩和があったということは事実が証明している。この問題は非正規で働いている人だけの問題ではなく、家族も深刻なんです。では、正規労働者が恵まれているかというと、もっと下の人がいるからあなたたちも我慢しなさい。長時間労働、低賃金、成果主義賃金を押し付けられて、心の病の人が増えている。しかも社会保障の支え手を土台から崩すことにもなる。技術の継承もできず、物づくりにも否定的な影響を与えるし、日本社会と経済の発展にとってもゆゆしき事態です。人間らしい働き方のルールをきちんと確立する。そしていまあるルールをきちんと守らせる。それこそ政治の責任だということを強く指摘して質問を終わります」

 3回連続で派遣労働・請負労働についての国会審議を紹介してきた。年金生活者ではなく勤労者で年収300万円以下が3分の1を占める事態のウラに、大企業がコスト削減のためなら、派遣会社から安い労働力を買いあさり、派遣会社は労働者を送るだけで暴利をむさぼり、労働者は、明治、大正時代に逆戻りしたかのようだ。「ああ野麦峠」の「女工哀史」に似た労働現場が、この「先進国」日本のあちこちで展開されていると思うと悲しくなるねえ。

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2006年10月17日 (火)

女工哀史を思い起こさせる働かせ方でいいのか

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 昨報のつづきです。昨報でワーキングプアと言われる人々の急増と、その劣悪な実態について市田忠義参院議員(共産党)の国会質問を紹介した。今日はその第2弾である。市田氏はつづいて「今月3日、ついに大阪労働局が派遣会社を偽装請負で行政処分にした。何が問題で、誰を処分したのか」と質問。厚生労働大臣は、労働者派遣法に違反する請負の継続、正しくない報告をしていたこと、順法体制が不十分という理由で、株式会社「コラボレート」に改善命令を出したことを明らかにした。市田氏は「コラボレートというのは、労働者を派遣した会社だ、受け入れ企業はどこか」と聞くも、企業名は答えない。そこで市田氏は、派遣の場合は、労働安全衛生にかかわる使用者責任がメーカー側に発生すること、1年以上派遣が継続した場合、メーカーは直接雇用することを労働者に対して申し入れる義務があるが、請負はそういうことは一切いらないことを解説。クリスタルは請負を偽装することで、製造会社(メーカー)の負担を軽くするやり方で急速に業績を伸ばした会社だと指摘。クリスタルグループのオーナーは「大競争に勝ち残り業界NO1になるには、プロは規制の違法行為が許される。境界線で勝負する。第3者に迷惑を掛けない違法は許される」と系列会社に徹底している経営姿勢であることを暴露。「給料の前借りをした労働者から返済利息をとることまでやっている」とも。そのうえで、市田氏は「偽装請負というのは、労働者を食い物にして、派遣会社も受け入れ企業も双方が利益をあげる、いわば法違反の『人入れ稼業』そのものであります」厳しく指摘。さらにパネルを出して解明、「受け入れ企業は正社員一人雇えば、年金や社会保険など含めると時給で大体3500円ぐらいかかる。これを派遣会社から派遣してもらうときは、2500円で行けます。ここで製造会社は1000円儲かる。派遣会社は労働者に1000円しか払わないから(派遣会社は)1500円儲ける。一番損するのは労働者です。こういう仕組みが派遣・請負の仕組みなのです」と告発した。

 そして市田氏は「ほとんど前近代的な労働条件…社会保険に入っているかどうかも責任持たない、安全と衛生にも無関心、ただ部品のようにモノのように働く人を扱って恥じないモラルハザード、ローハザードの極みだと思う。総理、そう思いませんか」と首相に質した。首相は「もし経営者がまるで働いている人間を部品のように考えているのであれば、それは間違いだと思います」と、また「あれば」つきですが答えた。つづいて「コラボレートから労働者の供給を受けていた企業はどこか」と厚生労働大臣を追及、しかし、「差し控えたい」と答えない。そこで市田氏は圧巻の発言だ。「私はクリスタルグループがどれだけのメーカーに何人労働者を供給しているかを示す資料を入手した。全国で1091の事業所に、およそ4万3千人。日本の製造業全体をむしばんでいる実態があきらかになった。当然、クリスタル以外の派遣会社からの供給もある。その数は102732人にも及ぶ。一見華やかな日本の製造の現場でこれだけの数の請負労働者が、まるで女工哀史を思い起こさせるような前近代的な労働条件で働いている。私はクリスタルグループから100人以上の労働者を供給している事業所を抽出してみました。101事業所もあるんです。しかもその大半が請け負いなのです。松下グループが3033人、ソニーグループが1485人、東芝グループが855人であります。ほとんどは偽装請負であることは明白です」と指摘。派遣会社も、受け入れ製造業も違法な働かせ方で不当な利益を得ているのだから、受け入れている製造業者にも政府として直接雇用の働きかけを厳格に指導せよと要求した。これにたいし安倍首相は「法令、労働基本法に反しているのであれば、適切に厳格に対応していく」と述べた。(つづく)

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2006年10月16日 (月)

ワーキングプアで白熱の論戦が国会で

13日の参院予算委員会の国会論戦をテレビで見た。7月のNHKで放映された「ワーキングプア」は今年の流行語になりそうだが、そのワーキングプアの実態に迫力の質問で改善を迫ったのが共産党の市田忠義参院議員であった。市田氏は「年収300万円以下というきわめて低い賃金の労働者が、この5年間でどれだけ増えたか」と質したのにたいし、財務副大臣は「平成12年(2000年)は1507万人で、平成17年は(2005年)は1692万人で185万人増加」と回答。市田氏は「全労働者の4割近くになったわけだ。どうしてこういう低所得者が急激に増えたのか」と首相に問う。首相は「経済・産業の構造が変わっていることと、働くことの価値観がずいぶん変わってきたのではないか」などと抽象的な回答だ。すかさず市田氏は「働き方の価値観に違いといわれた。希望してワーキングプアになりたい人がどこにいますか。わたしは現実を見ない暴論だと思います。不安定雇用の若者がどういう働き方を望んでいるか。2006年の『国民生活白書』でどうのべていますか」と追及。内閣府国民生活局長が答える「パート・アルバイトを中心に転職希望者は、1987年から2002年の15年間で102万人増加し、現職がパート・アルバイトである転職希望者は92万人増である。意識調査では、現在、パート・アルバイトとして働いている20代男性のうち、85%が10年後に正社員として働くことを希望し、10年後もパート・アルバイトを希望する者は0%です」。市田氏はさらに突っ込んで質す。「数字は明確。非正規労働者はいま千六百万人、そのうちの8割が年収150万円以下なんですよ。しかも不安定な働き方を強いられている人のほとんどが、正社員で働きたいと希望している。ところがそういう希望がかなえられない。原因は雇う側にある、働き方の多様性ではない。安い給料で、必要なときだけ雇って昇給も昇格もない。いつクビを切っても平気。企業にとってこれほど使い勝手のいい労働者はいない。自動車や電機など日本を代表する企業でも、正社員は少なくて、派遣だとか請負だとか契約社員、入り乱れて働いているのが実情です」と首相の見解を求めたがまとはずれの答弁。

 そこで市田氏は「現実をもっと直視していただきたい。NHKの『ワーキングプア』をご覧になったのなら、どういう感想を持ったか自分の言葉で語ってほしい」とたたみかけ、「例えば、神奈川県内の自動車メーカーで派遣労働者として働いていた人。時給は1200円。昼間は8時から17時まで。夜は20時から翌朝の5時の勤務が1週間おきに組まれる。時差ぼけから疲れが取れない日々が続いた。仕事が遅い人は容赦なくクビです。月収は20万円。一見高いように見えるけど、派遣会社が管理している3LDKの寮に3人で共同生活し、給与から寮費が5万円引かれる。布団代、共同使用の洗濯機、冷蔵庫、テレビの利用料1万円、水光熱費で1万円、それに所得税や社会保険料を引かれると、手取りはわずか10万円です。ある日、40度の熱で寝込んだら『マスクをしてでも仕事にいけ』、ついに倒れたら『もうお前はいらない、寮から出て行け』と。アパートを借りるお金もなくこの人はホームレスになった。日本を代表する大企業の現場でこういう働かせ方が広がっている。総理は異常だと思いませんか」と迫力の追及。首相は「ワーキングプアといわれる人たちを前提に、いわばコストあるいは生産の現状が確立されているのであれば、それは大変な問題であろうと思います」。ふたたび「異常と思わないのか」との市田氏の質問に「いま、おっしゃったような例が、特定の企業で続発しているのであれば、それは異常だと思います」と回答。「あれば」などと仮定の話ではないですね。非正規労働者は、全労働者の32%、女性で52.5%(総務省調査)。いまや生産活動の主力でさえあるのです。このあと市田氏は「わたしがいま紹介したのは、極端な例ではない、氷山の一角なんですよ」と、偽装請負とは労働者を食い物にして、派遣会社と受け入れ企業がどんなに収益を上げたか実態にせまります。その部分はまたあした書きます。

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2006年10月14日 (土)

サラ金業界から資金提供を受けた面々は…

 サラ金などの高金利引き下げ問題について臨時国会で審議される予定だ。自民・公明など与党は、出資法の上限金利29.2%をほんのわずか引き下げ、5年間の猶予期間つきの特例による案を通すつもりだ。そして、事実上の利息制限法の上限利息20%を引き上げるなど、業界よりの「改正」案を作成しているようだ。高金利のため年間7~8000人も自殺したり、自殺による貸付金の未回収を防ぐため命を担保に生命保険まで掛けていることなどから、金利引き下げはいまや大きな社会問題でもある。そんななかでサラ金業界が自民・公明党に資金提供していたことがわかった。昨日の「しんぶん赤旗」が日本共産党の「高金利引き下げチーム」の調査によって判明したとして報道している。与党国会議員の資金管理団体や政治家が支部長を務める党支部の03年から05年分の政治資金収支報告書を調査して判明したもの。

 それによると、貸金業者・業界団体「全国貨金業政治連盟」(全政連)から与党へ、この3年間で献金やパーティー券代、機関紙購読料などによる資金提供は自民党1719万円、公明党に230万円となっている。おもな自民党議員では、塩崎恭久官房長官が75万円、甘利明経済産業大臣が97万円、柳沢伯夫厚生労働大臣40万円、山本有二金融担当大臣15万円と安倍内閣の5人の閣僚をはじめ、渡辺喜美内閣府副大臣、根本匠首相補佐官、中川秀直自民党幹事長、西川公也、太田誠一、竹本直一、保岡興治議員らの名前が連なる。公明党が受けた資金は大部分が政党新聞代であり、講演謝礼、パーティー券代も含んでいる。これらは政治資金収支報告書に記載されているもので判明した分だけということです。

 さらに、業界団体が発行している雑誌、「クレジット・エイジ」というのがあり、昨年から今年に発行された誌面に甘利氏、渡辺氏、保岡氏、西川氏らが登場し、インタビューや対談などを行い、「消費者のニーズのために金利引き上げを」などと業界の立場で発言していることも「しんぶん赤旗」が紹介している。3年間で141万円も資金提供を受けている西川公也衆院議員は、「29.2%っていう金利は決して高くない」「個人的に最終的には自由金利にしてみたいね」(同誌05年7月号)などと発言していることを紹介している。なんという感覚の持ち主なんだろうと、もう口あんぐりという今日この頃です。

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2006年10月13日 (金)

なに?「戦後最長の景気回復」だって、ウッソウ!

 政府は12日、「景気は回復している」という月例経済報告を発表した。そして、1965年から70年7月までの「いざなぎ景気」と同じ期間になる「最長期間」タイだというおまけつきだ。「えっ?これが景気回復だって」と庶民はみな思うだろう。テレビニュースでも街なかでのインタビューでもすべてが「そんな実感ないですね」と語っていた。そりゃあそうだ。だって、「いざなぎ景気」のころは、企業の経常利益は年30.2%増であり、それなりのおこぼれが大いに労働者のふところを潤し、79.2%増となったのです。それが今回の「景気回復」では、企業は年10.8%増にたいし、労働者の月給はナント0.85%減なのです。国税庁の調査でも05年1年間に得た給与は前年より平均2万円減っている。しかもこれは8年連続だから、「実感がない」のは当たり前だ。大企業はいま、バブル期をも上回る大もうけをして大いに景気回復しているが、庶民はといえば、月収が減り続けている。大企業の大儲けの要因は、リストラ、合理化、何よりもパートや派遣労働、請負労働で、人件費を大幅に抑制したからだ。その結果、正社員は減り続け、非正規社員が年毎に増えて、働けど働けど楽にならざりの状況が続いている。「おこぼれ」さえもどんどん減らして、大企業は笑いが止まらないほど稼ぎ、使い道がなく100兆円も溜め込んでいる。いちばんの大企業応援は、政府による03年の労働法制の規制緩和で製造業にまで派遣労働を拡大することによる「景気回復」策なのだ。そのうえ、超低金利で借金の利払い負担が21兆円も得をし、円安で輸出企業の業績回復、さらに法人税の減税、IT投資減税、研究開発減税と至れり尽くせりの減税で応援を行なったからだ。反面、超低金利で奪われた国民の利息は300兆円とさえ言われている。

 こんな実情にあるのに、よくも政府が「いざなぎ景気」と同じ長期間の「景気回復」という感覚なのだ。経済成長率のカナメを担うのは、60%を占めるという個人消費だ。その個人消費は「いざなぎ景気」のときは月給も上がったから消費が伸び、年9.6%増だったが、今回はわずかに年1.7%増だ。だから消費者に直接接する大手百貨店自身でも「(景気拡大が)戦後最長といわれても、実感では本当にそうなのかなあ」と嘆くし、「地方店の売り上げはマイナス。企業のあいだでも、いい、悪いの差がある」という。消費者の家計収入が減っているのだから購買力がない。国民の購買力が増えてこそほんとうの景気回復なのだ。また完全失業率も「いざなぎ景気」の頃より4倍から5倍になっている。あいつぐ国民負担増がつづき、このうえさらに消費税がアップされたりすればたちどころにポシャッてしまう「景気」だと予言しておこう。

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2006年10月12日 (木)

関空会社の借金返済は予測の6割

 経営難に陥っている関西空港会社について、会計検査院は、借金返済が見込みの半分になっていることを指摘し、来年8月に開港する第2滑走路などを含む二期工事について、必要不可欠なものに限定して実施すべきとする報告をまとめた。1兆2000億円に及ぶ長期債務(借金)が、04年度と05年度決算で計645億円減らせると国土交通省が試算していた有利子債務は実際には計370億円しか減らせないことが分かった。また06年度から08年度までの予測でも同省試算の約半分の495億円にとどまる見通しも明らかにした。原因は、イラク戦争や新型肺炎などの影響で航空機の発着回数や旅客数が予測を大幅に下回ったためとしている。有利子債務を返すためとして、国が関空にたいし03年度から30年間にわたって毎年90億円も給付金を渡しているうえのこうした状態になっている。このまま推移すれば国からの給付金がもっと増えるかも知れない。

多くの識者や住民団体などが「発着回数は余裕があるのに無駄な大型公共事業だ」と反対してきた第二期工事では山を削って海を埋め立て、第2滑走路建設を強行した。来年8月に供用開始だが、その部分に建設するはずの空港ビルなどは見送り、必要不可欠なものだけに限定するという。なんのために1兆4千億だかの金を投じて二期工事を急ぐ必要があったのかと思う。こういう工事を進めてきた政府の責任が問われる。関空の需要予測と実績に差があり、累積赤字や1兆円を超える債務をかかえて2期工事なんて誰がみても無駄な大型公共工事だったはず。

 前にも少し触れたが、国は大手のゼネコンへ仕事を回すために、無駄な大型公共事業がお好きなのだ。ムダなダムや船の来ない港湾を建設して釣堀になっている例や、ほとんど通行がなく赤字経営の高速道路など全国至るところでゼネコンに奉仕している。関空だって、すぐそばに1兆円かけて今年2月に神戸空港が開港し、早くも当初から毎月採算割れしているという。06年度決算からは、関空から神戸空港にのりかえる旅客数も減るのではないかと心配する。このままでは両方共倒れだって話がでているのだ。その一方で「金がない」と言って、国民には増税、医療費負担増、各種健康保険料の負担増を押し付けるのである。こんな無駄使いやめれば増税などしなくてもいいのだ。明日の生活にこと欠き病気になっても医者にかかれない、赤ちゃんを産むにも産科医が不足している、生活保護だって窓口で申請用紙も渡してもらえない人、障害者「自立」支援法とかいって聞こえはいいが実際は障害者を施設から押し出すような負担増……こういう国民を救うことが政府の仕事なのだ。無駄使いをやめて福祉、社会保障にもっと金を回せといいたい。

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2006年10月11日 (水)

4世帯に1世帯は「貯蓄なし世帯」なんだって

昨日は新聞休刊日であった。北朝鮮の核実験問題で「号外」が発行されたのはテレビニュースでもやってたから知っていたが、なんと、読売新聞の何ページもある「特別号外」なるものが自宅の郵便受けに投函されていたのにはいささか驚いた。普段も購読していないのにである。そんなわけで、今日の各新聞は核実験で多くの紙面を割いている。そんな紙面ばかりのなかで、朝日新聞の片隅に「貯蓄なし世帯22% 高止まり」というの読んだ。金融広報中央委員会(事務局・日本銀行)というところが行なった「家計の金融資産に関する世論調査」で、対象は10080世帯、回収率は34.5%というから約3500世帯か。それによると「預貯金がない2人以上世帯」の比率は22.2%で前年を0.6ポイント下回ったらしい。「ただ、戦後最長の景気回復局面にかかわらず、依然として高止まりしていると言えそうだ」とも書いている。えっ?と思ったのは「戦後最長の景気回復局面」ってほんまかいなということ。そんな実感はさらさらないのだけど。つづいて読むと、「96年に10%前後だった貯蓄なし世帯比率は00年以降高まり、03年に20%を突破、ここ数年22%前後で推移している。貯蓄なしの単身世帯は前年比8.8ポイント減の32.3%、全体では0.9ポイント減の22.9%だった」という内容である。

 ほぼ4世帯に1世帯、単身世帯では3人に1人が「貯蓄なし」だ。ウーム?「貯蓄」って概念がよくわらない。だれでもほとんど通帳は持っていて、電気だの水道だの電話とかの代金引き落としに使っているだろう。そこには若干でも貯蓄しないと引き落とせない。こういうのは「貯蓄」とは言わないのだろうかなんて考えた。まあ、しかし、ワーキングプア(勤労貧困世帯)と言ってまじめに働いているのに、生活保護水準以下の収入しか得られない人が400万を超えるとも言われるご時勢なんだから、「貯蓄」の余裕などあるわけないでしょう。つい先日、生活保護世帯も過去最多の104万世帯を超え、受給者は147万5838人と発表していた。「貯蓄なし」が「00年以降高まり」というのは、まさしく「小泉構造改革」路線の始まりとほぼ一致する。正規社員が大幅に減り、低賃金の非正規労働者が増えるようになった、労働法制の規制緩和のお陰だ。

 もう一つは、1世帯当たりの「平均貯蓄残高」は、1073万円という。借入金のある世帯は41.8%らしい。(自慢じゃないけど我輩もローンとかでこの類に入るなあ)ともかく、平均残高が1073万円というのは、これは高額資産家が何千万、何億と貯めこんでいるからそういう方々が平均額をグッと引き上げると見なければならない。最近も年収2000万円以上が微増する反面、年収300万円以下が大幅に増えたという報道もあったことからしても明らかだろう。そういうわけで読者の皆さんはいかがでしょうかと思う今日この頃だ。

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2006年10月10日 (火)

コラッ!北朝鮮は核実験はやめろ!

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 北朝鮮がついに核実験を強行し、世界から大ブーイングだ。まるで世界の世論に挑戦するかのようだ。例の朝鮮中央テレビの映像で誇らしげに絶叫する女性アナウンサーは、時に笑みを浮かべながら吠えたてる。世界から核廃絶の議論と運動がたかまっている時に、核を撒き散らすことをやるのだからまさに暴挙だ。国連安保理、安保理議長声明や、世界とアジアへの脅威として、一致して反対した国際社会の声も、どこ吹く風の如く、蹂躙し、冒涜するものだ。今まで北朝鮮に対して慎重であった中国や韓国、ロシアも含めて厳しい抗議が送られているのは当然だ。だが、北朝鮮という国は、全く「聞く耳をもたない」無法、野蛮きわまりない指導部だから困ったものだ。だからと言って先制攻撃なんかしたら核兵器をぶっ壊して日本にも死の灰が降ってくるかもしれないし、罪のない北朝鮮の一般国民まで犠牲になる。ここは世界が一致して冷静に気長に対応するしかないのだろうか。

 「制裁」とかの対応もあるのだろうが、今でさえ、困窮な国にあって「制裁」をすればそれこそヤケッパチになって最後の手段でミサイルに核弾頭を搭載して飛ばしてくるかも知れない。どうすれば解決するのか、庶民にはわからない。それでも、抗議の意思を示しておかないとストレスがたまっちゃうから記しておこう。それぐらいしかわたし的にできない。世界の国々の指導者に期待するしかないですなあ。幸い小型らしくて体に影響するような放射能は来ないと日本国が言っているから信じよう。でも、これで実験は終わらないと思う。もっと何発もやるような気がするよね。ああ、こわいなあ。

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2006年10月 9日 (月)

日中首脳会談で靖国問題も主題に

 安倍首相が就任後最初の訪問国として中国に行き、中国首脳と会談した。報道によれば、中国の胡錦濤国家主席は「日本の首相の5年ぶりの訪中で、中日関係の転機が訪れ、新たな発展のスタートとなることを希望する」と述べた。首相は、「日中の戦略的利益に立脚した互恵関係の構築に努力する」と合意した。歴史認識、靖国参拝問題で、胡主席は「日本の指導者がA級戦犯の祭られた靖国神社に参拝を続け、中国国民とアジアの人々を傷つけ、中日関係を困難な局面に直面させた。こうした政治的障害を除去してほしい」と述べた。安倍首相は「戦後60年の日本の歩みを正当に評価してほしい」「(自分の参拝は)祖国に命を投げ出した人に哀悼のまことをささげたもの」と従来の見解を述べ、「行くか、行かないかは言及しない」「適切に対処したい」と、いわゆる「あいまい路線」で強調した。また、北朝鮮の核問題では「北朝鮮の核実験表明を深く憂慮し、国際社会への重大な挑戦であり、容認できない」(首相)「核実験表明に強く抗議し、懸念を表明する。実験の抑制を日本とともに働きかけたい」(主席)と双方が一致した。そのほか「拉致問題」では理解し協力していくこと、「中国首脳の訪日、首脳会談の開催」でも一致したようだ。

 そういうわけで、日中関係が冷え込んだ最大の障害である歴史認識、靖国問題ではまだベールを被ったような表現ながら、ともかく、日中友好関係の発展へスタートとなったことは確かだし、日本国民の多くもほっとしたことだろうと感じる。今後、これを本格的に発展させるためには、歴史問題での障害を取り除くことが不可欠となるだろう。その点で双方が「歴史を直視する」「日中有識者による歴史共同研究を年内に開始する」ことで一致したのは重要であり、はたしてすんなり発展するか、これから注目して行かなければならないと思う。アメリカよりも先に、中国、韓国を選んで訪問するウラには、コイズミさんとはちょっと違ったしたたかな読みもあるのだろう。この22日に投票が行われる神奈川16区、大阪9区の衆議院議員補欠選挙もにらんだものという見方もマスメディアでは流れているし、国会での所信表明演説でも、野党から歴史認識問題で相当つっこんだ議論もあったことだし、従来から繰り返してきた安倍首相独特の「歴史認識論」に封印するのか、どうか、も含めて首相のアジア外交の手腕を見つめて行く必要があるだろう。

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2006年10月 7日 (土)

サラ金業者、1年で自殺による回収が43億円!

 「命を担保にしている」と問題になっているサラ金の「消費者信用団体生命保険」(団信保険)で同保険に加入しているサラ金17社が今年3月期の一年間に、借り手の自殺により受け取った死亡保険金は判明しただけで43億円になることがわかった。本日の「しんぶん赤旗」が報道している。これは共産党の大門実紀史参院議員が要求し、金融庁がサラ金と保険各社から聞き取り調査したものを同庁がまとめ公表したもの。今回、判明したのは17社の団信保険受け取り実績と、大手5社の3年分の同実績だ。17社の実績によると、死亡保険金の受け取り件数(いずれも延べ件数)は計約5万2千件、302億円でした。そのうち死因が判明したのは約半数の約24800件(47.7%)188億円(55.6%)に留まっているそうだ。死因が判明したうち、借り手の自殺によるものが4908件(19.8%)で43億円(25.6%)という。だが、死因が不明な残り半分のなかにも自殺と考えられるものが当然含まれる。だから、死因不明な分に判明分の率を掛けて算出すると、「サラ金17社が今年3月期の一年間に借り手の自殺により受け取った保険金は推計77億3千万、件数は同10295件になります」(しんぶん赤旗)また、「1件あたりの保険金支払額は病気・事故が62.3万円、死因不明が49.2万円、なのに対し、自殺が87.1万円と飛びぬけて高額になっている」(同紙)とも指摘している。

 こうしたことは、サラ金業者は借り手が万一自殺しても、業者が保険を掛けて担保しているから貸した金額は戻ってくることになる。また、多くの場合、借り手が保険に加入していることを知らない場合が多いこともこれまで各紙が報道していることである。ですから、取り立てもどんな横暴して自殺されても一向に構わない。ここにサラ金業者の容赦のない取立てが行われる原因がある。29%もの高金利だから利息が雪だるま式に増えて、返済できなくなると別の業者から借りて返済するということは、わたし的に相談を受けた人の話でもよくあることだった。そして何社からも借り多重債務となり、あえなく自殺の道を選ぶのだ。ほんとうに「命を担保にしている」ことになる。「まさに高金利が追いやる死」なのだ。これまでグレーゾーン金利の廃止ということで議論してきたが、自民・公明が今国会で提出してくる案は、利息は25.5%にしか下げないで、しかも、猶予期間として5年間据え置きにするようだ。国民向けに医療費の負担増などは今年6月に決まったものでも10月から実施するのに、日々自殺者が生まれる事態に5年も待てるか。それもこれもサラ金業界から献金やパーティー券を買ってもらったりしている腐り切った輩が自民党にいるからだ。ホントに情けない国会議員連中だと思う今日この頃だ。

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2006年10月 6日 (金)

まだ、イラク戦争を正当化する安倍首相

 3日の参議院本会議で安倍首相は、日本政府がイラク戦争を支持したことは「正しい決定」だと述べた。アメリカの上院情報特別委員会の「イラク報告」でも、「イラクは大量破壊兵器を保有はウソだった」とか「フセインとアルカイダは関係なかった」ことなど完全に証明し、イラクに攻め込んだ当事者のブッシュ大統領でさえ、「情報はあやまりだった」「私の決定のいくつかが恐るべき損失をもたらした」と言わざるをえなかった。にもかかわらず、「正しい決定」だというのは、いまや日本の首相だけになった。戦争ごっこのお好きな坊ちゃん育ちだけに予想通りの発言だといえばそれまでだけど。ウソの口実によって数万人ものイラクの罪もない人が犠牲になっているのに、そういうことはあの人の目には映らないらしい。

 イラクへ真っ先に攻撃したアメリカとともに、その「盟友」のイギリスでもブレア首相の退陣が余儀なくされ、主要国のスペイン、イタリアでもイラク戦争を支持した政権が総選挙で敗北し、新しい政権が生まれた。国連の総会でもアメリカを批判する国々が圧倒的になっている世界情勢にも目をつぶり、孤立するブッシュ政権と心中するつもりなのか。首相の所信表明演説で「集団的自衛権を行使するために憲法を改正する」方向を明確にし、あくまでもアメリカと海外で公然と武力行使することをめざす安倍首相にとっては、そのモデルケースがイラク戦争だったのだから、いまさらイラク戦争は誤りだったとは口が裂けても言えないのだろう。「自衛権」って言えばどこかから日本が侵害されたら「自衛」する権利のように聞こえるがそうではない。「一緒に活動している外国の軍隊が攻撃されたときに、われわれが黙ってその状況をみていなければならないのか」というのが安倍首相の持論だから、海外でアメリカの起こすドンパチに出かけるというのははっきりしている。

すでに60年前に決着がついている日本の「歴史認識」について問われたら、それは政治家が判断することではない、「私は謙虚だ」と一つ覚えのように謙虚、謙虚という安倍首相。戦後生まれだから日本の歴史を知らないのか、「後世の歴史家が判断する」という。では現実に今も毎日100人前後が犠牲になっているイラク戦争についても、「謙虚に、後世の歴史家が判断する」というのだろうか。こんな人が首相にいると日本国民全部が「好戦的な怖い国民」と海外からも見られるかもしれない。恥ずかしい限りだ。

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2006年10月 5日 (木)

自民と民主はどこがちがうの?

臨時国会は論戦たけなわの候です。国会論戦は各党の議席数に応じて質問等の時間配分が行なわれる。今の国会議席はいわゆる「二大政党」と言われる自民党と民主党が衆参あわせて83.2%も占める。だからこれらの政党の発言時間も長い。中継なんか聞いていてもこの二つの党の対決点はどうも分からない。「二大政党の対決」なんてマスコミが持ち上げるだけで国民には中味のちがいもわからない。少しの違いでも見つけて、それが国民の願いと合致しているのか検証してみよう。

 消費税増税問題では、自民党は「消費税の見直しが必要なのは国民のコンセンサス。2008年の通常国会で法改正を」と論じる。民主党はナント「消費税増税を来年の秋からではなく、今からやろう」と税制特別委員会の設置を提案した。この党は、もともと「ムダを省いても社会保障関係費が足りなければ消費税で負担するしかない」という考えだから、もっと早くやれというのだ。臨時国会の焦点という教育基本法については、自民党は「今こそ、教育基本法改定の成立を」訴える。民主党は「政府案を廃案にして民主党案の成立こそ教育再生につながる」と“対決”姿勢。ところがこの案は、愛国心の強制、国家の教育への介入を無制限にするなど、政府案よりも“右より”と評されるものである。憲法や集団的自衛権の問題ではどうか。自民党は、集団的自衛権を認知するには憲法を改正する必要があるとして9条に狙いを定める。民主党はといえば、これも9条改定では自民党と一致し、「急迫不正の侵害を受けた場合にかぎり、個別的であれ、集団的であれ、自衛権を行使できると考えるべき」と解釈を変更するだけの「対決」である。格差社会が拡大している問題では、自民党は、格差社会の責任を政治に問う国民の声は「誤りだ」と断じ、「改革路線」の継承を宣言する。民主党は、格差社会の原因となった労働法制の規制緩和については、「もっと早くやれ」と迫ってきた実績がある政党だ。

 こうして当面の重要問題ではいずれも悪い方へ流れを競い合って加速させる方向ばかりだ。消費税、憲法、教基法、非正規労働者が増える格差社会など、どの問題をとっても、国民世論での是非は拮抗している問題ばかりである。国会議席のように8割を越えて賛成などというものは一つもないのだ。だのに、マスコミの報道は、二大政党の言い分ばかりである。民放テレビの討論でも自民、民主だけの代表で議論させたりする番組も多い。これでは賛成論者ばかりの議論である。国会にはたとえ小政党でも、これらの問題で確固とした立場から反対する政党もあるのだから、そうした意見も取り上げ、「政策」で議論してこそ公共のマスコミの節度ある立場であり、世論が拮抗している国民の声に答える道なのだ。最近の国政選挙は「テレビ選挙」と言われ、昨年の総選挙では「小泉劇場」などと持ち上げ郵政民営化反対で自民党を離党した議員の選挙区に、刺客を送った話題の選挙区の話題の候補ばかりを報道し、わずかに公選法に触れないように、つけたし的に最後に「このほか○○候補らが立候補している」と言うだけである。これでは公正な報道とは言えず、マスコミによる危険な「政界操作」になると憂えるものだ。

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2006年10月 4日 (水)

安倍さんが祝電送った統一教会に巨額の賠償命令

3日、東京の68歳の女性が、統一教会(世界基督教統一神霊協会)と信者相手に約5億4千万の損害賠償を求めていた訴訟の判決で、東京地裁が2億8900万円の賠償命令を出しました。前にも紹介したが、統一教会は霊感商法で、「開運のため」「お布施」などと称して、信者になった人などに物品や献金を強要したり、一般家庭を「世界平和女性連合」とか「○○の会」などと名乗って訪問し、印鑑や数珠、壷、多宝塔、仏像などを高価に売りつける商法です。買わないと「不幸になるぞ」などと脅迫します。全国霊感商法対策弁護士連絡会のホームページのよれば、2005年1年間だけでも被害相談件数は1900件、金額にして28億円余になります。1987年以来この20年で相談件数が26444件、943億に及ぶと紹介しています。同全国弁連では「霊感商法などの資金集めや詐欺的脅迫的な入信勧誘の手口も、合同結婚への参加強要もすべて違法という最高裁判決が確定している」とのことです。

今年5月には統一教会の偽装組織「天宙平和連合」なるものが、国内12箇所で集団結婚を兼ねた「大会」なるものを開いています。このうち福岡県と広島市の2箇所に安倍晋三首相(当時、官房長官)が肩書きつきで祝電を送っているのです。会場では「岸信介元総理大臣のお孫さん」とわざわざ紹介し広告塔の役割を果たしています。このことを聞かれた安倍さんは、「地元事務所が勝手に送った」などと言い訳していますが、当時、官房長官という要職にある代議士の地元事務所が、本人の確認なくして、こんないかがわしい団体に祝電なんて送るのでしょうか。だとしたら、なんとも頼りない事務所で、常識ではありえない話だ。安倍さんだけではない、今回、閣僚に入った長勢甚遠法相と自民党幹事長に座った中川秀直氏なども祝電を送っているらしいし、広島市の集会に保岡興治元法相の妻が参加していた。統一教会被害者の会では「そのような団体に祝電を送るとはもってのほか」と批判の声があがっているというが当然だ。

安倍首相をめぐっては、私的後援会「安晋会」の幹部人脈をめぐるうさんくさい関係や、怪しげな宗教組織「慧光塾」なるものとの関係もネット上でよく見かけますね。別段、わたし的にはその真偽のほどは確認できる立場にはないから、どのサイトであるか紹介はやめますが、おもしろ半分に訪問して読んでます。また、一昨日の朝日新聞に「週刊朝日」の広告があり、「炎の行者、慧光塾北の大地の観音像……安倍晋三と新興宗教」なる大きな見出しがありました。まだ買ってないから読んではいませんが、ネット上から週刊誌までが取り上げるところまできている。火のないところに煙はたたないから何かがあるんだろうと思う今日この頃だ。

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2006年10月 2日 (月)

ムダ使い止めれば医療の負担は増やさなくてよい

 昨日も最後の方でちょっとだけ紹介したけど、これからの日本の医療制度は、混合診療と称して公的保険のきく診療と、きかない診療になるということ。風邪をひいた軽い程度なら自分で薬を買って治しなさい、ガンのような重たい病気は、良い薬や手術が生まれても保険では治療できないよって言われたらどうする?お金のある人はいいですが、一般の人は、ガンを治すのに保険はきかず、「ハイ500万円」なんて言われたら難儀。所得の格差は命の格差につながる。だから、医療保険の宣伝がテレビでじゃんじゃんやるし、新聞も2ページ見開きの大宣伝、おまけに家庭にひっきりなしにダイレクトメールが届く。「月々○○○○円で安心」などとあま~い言葉がいっぱい。生命保険文化センターの調査によると、2001年以降に民間の生命保険に入った世帯の加入目的は、「医療費や入院費のため」っていうのが59.5%となり、それまでの「万一のための生活保障」とか、「災害・交通事故にそなえて」などを追い抜いて第一位になったそうである。保険外費用に不安を感じている人が7割もいるらしい。その保険外費用がさらに増えるわけで、そこを見込んで医療保険業界が攻勢をかけているのだ。しかし、そこで問題なのは、最近、損害保険業界で、保険料の不払いが東京海上、あいおい、損保ジャパンなど何社にも及んで起っていることに注目しよう。東京海上は4万件を越えるとか常軌を逸したことが起っている。昨年10月時点で損保26社全体で84億円も不払いがあり、さらに広がっているのだ。だから医療保険も加入するときはとくと契約の中味を聞き出し、確認しておくことをおすすめしたい。

 ところで、日本の医療制度は、保険料が払えなくて無保険という人も増えているのですが、しかし基本的には、国民皆保険で保険証一枚あればいつでも安心して医者に行けるし、それが早期発見、早期治療に役立ち総額医療費を抑制する役割をになっています。患者の自己負担分と保険分と税金で払う分を合わせた総額を、総額医療費といいますが、これが日本経済で占める率は、先進30カ国のなかでも17~8番目と低い方です。ですから、政府が口を開けばいう「高齢者が増えて医療費が財政を圧迫する、これが赤字や借金の原因だ、」というのはごまかしです。財政圧迫の原因は、莫大なムダ使いにある。例えば、関西空港は今でも赤字で毎年90億円も税金で補填しているという。アップアップしている空港に1兆4千億もかけて第2滑走路をつくったムダ。一本でも発着回数は間に合っているのにである。さらに、すぐ近くに約1兆円かけて採算の根拠もないのに神戸空港が開港、やっぱり開港以来ずっと採算割れしている。関空と神戸空港は経営を一体化しないと共倒れになるという心配も。そのために海底トンネルなどとジョークとも本音ともわからんウワサまで出る始末。ムダな大型開発がさらにムダを生むような話だ。こういうムダを全国で見直すこと。それに米軍のために負担する3兆円やグアムに移転する7000億のカネ、これって、米兵が入居する1戸8000万円のデラックス住宅も含むのですね。こんなムダを省き、さらに儲かって儲かって仕方がなく、使い道のないお金が100兆円もある大企業の法人税は減税したまま。谷垣前財務相は法人税率を元のままに戻したら年間5兆円収入が増えると認めた。すると「企業が海外へ逃げる」って脅すけど、日本よりも法人税も社会保険料も高いドイツやフランスにはトヨタも松下電器もとっくの前から進出し、それぞれの国の法にもとづいて税などを支払っている。大企業にはそんな力がある。こうしてムダ使いをやめ、もらうべき所からもらえば、国民の医療負担を増やさなくても十分に間に合う。しかし、企業から政治献金をもらいたい自民党や民主党ではそんなことはとてもではないが言えないのですね。悲しい「二大政党」です。

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2006年10月 1日 (日)

きょうから変わるいくつかの制度

 10月です。随分涼しくなって秋深くなって来ました。しかし、秋風しみることもあります。今月から、特に高齢者の医療費の制度が変更になる主要な項目を見ましょう。6月に自公の与党が強行した医療制度の改悪によるものです。10月から70歳以上の高齢者のうち、「現役並み所得」の人の患者負担が2割から3割に引き上げられます。「現役並み所得」っていう基準は、①住民税の課税所得額(年金などの収入から公的年金控除や配偶者控除などの各種控除を差し引いた額、つまり税金がかかる金額)が145万円以上、②年収が単身世帯で383万円、夫婦二人世帯で520万円以上。この二つの条件にあてはまる人が対象です。「現役並み所得」に該当するかどうかは、毎年7月に、市町村が課税所得額を見て通知します。この場合注意しなければならないのは、年収が②の基準に満たないのに、課税所得額が基準の145万円以上であれば、一律に「現役並み所得」に見なされた通知がくるのです。対象になるには①と②の二つとも満たす人ですから、年収が満たない人は、所定の書類で申請しないと3割負担になってしまいます。市区町村の窓口で確かめましょう。

 10月からはまた、「現役並み所得」も「一般」の人も、70歳以上の方で長期にわたって治療が必要な、療養病院に入院する場合、現行一日あたり780円の食費が1380円に値上げされ、さらに、居住費(光熱水費)として新たに320円負担が増えます。あわせて920円増で一日1700円になります。仮に1ヶ月(30日)入院すればこれまでの23400円が51000円と倍以上に増えます。低所得者で住民税非課税世帯の場合は現行650円が、食費、居住費あわせて970円に、年金受給額が80万円以下などの場合は現行300円が710円に、老齢福祉年金だけの人は現行が無料ですが10月から300円になります。(いずれも一日あたりです)大変な負担増ですね。うかうか長期入院するような病気になれませんよ。とは言っても高齢者には病気はつき物ですからつらいですねえ。

 そのほか、10月から変わる制度として、健康保険や共済組合加入者(被保険者)が死亡した場合、葬祭費用の一部として保険から支給される「埋葬料」も減額され、現行は1ヶ月の賃金相当(最低金額10万円)であったのが一律5万円に減ります。また、詳細は省きますが、重い病気や慢性的病気の人の負担軽減を目的にした「高額医療費制度」の自己負担限度額も引き上げられます。これは70歳以上も70歳未満の人も含めてです。さらに10月からではありませんが、これからは公的保険のきく医療と保険のきかない医療を組み合わせた「混合診療」を本格的に導入する準備がはじまっています。病気になるにしても保険のきく病気を選んでならないとエライことになります。自分のお体によく言い聞かせて下さいね。まあ、とにかく病気にならないようにしましょうね。

 そうそう、一つだけいい事もあるよ。10月から健康保険で支給される出産一時金が、赤ちゃん一人当たり現行30万円が35万円に引き上げられます。(アァ!よかった。ホッとした…該当の方は喜んでね)

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