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2007年4月30日 (月)

“ジョージ”&“シンゾウ”会談のウラを読む

 アベ首相が首相就任後初の訪米。ワシントンから百キロも離れたキャンプデービッドでブッシュ大統領と会談。「ジョージ」「シンゾウ」といかにも親密に呼び合う演出でおこなわれた会談で何を確認したのか。予想通り、「かけがえのない日米同盟を確認し、ゆるぎない同盟として強化」したことだった。そのために訪米直前に立ち上げた、「集団的自衛権」を行使するためにアベさん好みの有識者ばかりで、結論先にありきの「懇談会」で、秋ごろまでに集団的自衛権の行使を可とする方向を打ち出すなどのお土産を伝えた。アメリカに向けたミサイル攻撃や、公海上での米艦船が攻撃されたり、米軍といっしょに行動する外国軍が攻撃されたりしたときは日本の自衛隊が反撃できることを、現憲法下でも解釈次第でやれるという結論を有識者会議が導き出す努力などを伝えたのだろう。これにブッシュ大統領は「日米同盟はかつてなく強力」「地球的規模の同盟だ」などと喜んだ。これで歴代首相が訪米した誰よりも「海外での戦争へ」大きく一歩踏み込んだ憂慮すべき会談となったのはまちがいない。また、イラク特措法の2年延長の「努力」も伝え大統領のお褒めに預かった。いまや世界的に侵略の「大儀」が消えたイラク戦争をあくまでもごまかしの正当性を主張して、ブッシュ氏を支えるアベさんの姿は空想しただけも異様としか言いようがない。いずれにしても、国会では憲法を変える手続き法である国民投票法案成立へ血眼になっている自公政権は、タカ派のアベさんを先頭に軍国日本へエンジンフル回転というところだ。ブッシュ氏も忠犬のような“シンゾウ”に笑いが止まらないだろう。

首脳会談は、さらに、北朝鮮問題に対するアメリカと日本のニュアンスのちがうすき間風について、「拉致問題も考慮する」という程度のブッシュ発言だったようだ。「従軍慰安婦」問題については会談のテーマになる予定ではなかったそうだが、アベ首相の「(慰安婦の)強制性はなかった」との発言による米国内のパッシングに配慮したのか、「申し訳ない気持ちでいっぱいだ」と「お詫び」したという。ブッシュ氏は「首相の謝罪を受け入れる」と述べたようだ。しかし、お詫びする相手がちがうのではないか。時を同じくしてホワイハウス前ではアジアの元慰安婦ら数十人が渡米して抗議のデモをしているというのに、当の慰安婦ではなくなぜ“ジョージ”にお詫びするのかよくわからない。慰安婦を支援する米下院のホンダ議員は「(お詫びは)安倍氏の個人的な発言だ。公式な謝罪ではない」と反論。「日本政府の公式な謝罪」を要求した。日本のマスメディアは、首相のバン記者よろしくごく表面上のことしか報道しないが、そのウラを読んだ要約は以上のようなものだろう。

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2007年4月28日 (土)

自民党の支持基盤が崩れ始めている

 今日の「朝日」新聞10面の片隅に、「ウオッチ」という欄の「壊れかけの集票マシン」という小さな記事が目に付いた。4月8日の県議選などといっしょに投票された福島県の参議院補欠選挙にかかわったものである。この補欠選挙で自民党候補は、アベさんはじめ国会議員100人以上送り込むなどの熱の入れようだったが、民主党候補に大敗した。その結果を受けて自民党県連の幹部の嘆きを書いている。「組織がガタガタ。指示が末端まで行き届かなかった」という。大量の国会議員が動員され集会を開いても「動員依頼の半分ほどしか集まらない会場も珍しくなく、組織選挙は通用しなかった。」とまで嘆いている。そしてその原因が傑作だ。少し長いが引用する。「県連内には、政府の構造改革、規制緩和が地方を疲弊させ、組織の体力を奪ったとの見方が強い。大型店出店をめぐる政策の揺れは中心商店街を空洞化させ、農産物の輸入自由化は小規模農家を直撃した。幹部は『建設業界や農協、商工会に、自民党の政策へのうっぷんがたまっている』という」……。なかなかまじめに自民党の支持基盤の崩壊が進んでいる状況を言い得ていると思う。

 規制緩和路線で全国いたるところで大型店が進出し中心商店街の荒廃は無残なものである。わたしの住む街の県下で名だたる中心商店街では、中学校を卒業してはじめて歩いた時はまるで芋を漕ぐような人の流れだった。日曜日などはまともに歩くことさえままならなかったほどだった。それがいまや規制緩和であちこちに郊外型の大規模店が幾つも現れ、付近の老舗の商店街をぶっ壊す。大型店は、しばらくして採算がとれないとわかるとすぐに撤退するなど町壊しをする。いまや中心商店街も休日でも閑古鳥がなき、シャッターを下ろした店が目立つ。俗に「シャッター街」といわれる商店街さえある。というわけで自民党の友好団体である商工会もうっぷんがたまっているのだ。農協なども自民党の支持基盤であったが、小規模農家がやっていけなくなり減り続けている。さらに強い支持組織である建設業界も国は大型の公共事業は行なっても地方自治体が行なう公共事業は財政が大変なため落ち込んでいる。だから記事にあるように「建設業界の幹部は『社員の賃金を減らした上、選挙のために休日も来いとは言えない』」と嘆く。このように自民党は利益誘導で友好団体を締め付けてきたが、それが崩れ始めている。いわば構造改革、規制緩和路線のツケが自民党に廻ってきたと言える。そこで「政治不信」という形で先日の地方議員選挙でも投票率が低くなっているように投票にいかない人が増えている。そういうわけで、これから自民党が頼るのは宗教をバックにした公明党を取り込むことで延命策を図る。いまや自民党は公明党と創価学会という集票マシンなくして選挙はたたかえないところまで堕落しているのが実情だろう。7月の参院選の定数1で競り合う選挙区、公明党が出馬しないところはこの集票マシンで助けられるっていう寸法だ。肝心要の部分の首根っこを公明党に押さえつけらた自民党の姿が垣間見える。

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2007年4月26日 (木)

安倍首相訪米の手土産は?

 安倍首相が就任後はじめてアメリカを訪問する。先月、アベさんが従軍慰安婦問題で「日本軍による強制性はなかった」などと歴史を歪めるような発言を公式の場で行なったものだから、「いったい日本の首相の人権感覚はどうなってんの?」と同盟国アメリカのマスコミから非難轟々のパッシングがあった。それを押さえようとブッシュ大統領と電話会談するなどして幕引きをはかろうとしたが、それでも納まらない。「日本は北朝鮮の拉致問題に熱心だが、従軍慰安婦問題は認めない二枚舌だ」と批判され、公式謝罪まで求められている。さらに、北朝鮮の核をめぐって6カ国協議でアメリカは北と対話路線をとるも、日本は経済制裁強化路線でアメリカとも息があっていない。そういうなかでの訪米だから、なにか、手土産をつくらねばということになったようだ。

 その手土産の一つが、アベ内閣に集団的自衛権に関する研究をすすめるための有識者会議なるものとして「懇談会」を設置することになった。これまでの日本政府の公式見解は「集団自衛権の行使は憲法上許されない」というものであったが、そこに大きく踏み込んで、現憲法の元でも集団自衛権は行使できるという方向へ理論化しようという狙いで懇談会を設置したものといえよう。いわゆる「解釈改憲」というやつだ。アベ首相はもともと文字通り憲法9条の「戦争の放棄」「戦力および交戦権の否認」を取り払い、条文の上でも明確に変える明文改憲主義者であるが、それにはまだまだ時間がかかるから、現憲法下でも解釈によっては集団自衛権行使ができるように世論を高めようというものだ。「そういう懇談会を設置したよ」ということでブッシュ大統領のご機嫌をとろうという寸法なのだ。すなわち憲法9条を骨抜きにして、「血の同盟」(アベ氏)をめざすものにほかならない。そしてアメリカの起こす世界各地の戦場へ集団で「自衛」という美名のもとで武器をもって参加する国にしようという危険な手土産を携える。対話で平和を求める世界の流れに反して、軍事同盟や軍事力の行使で、アメリカの気に入らない国々へチョッカイをだし、集団で「自衛」ならぬ侵略をもくろむ時代遅れのやり方しかアベさんの頭にはないようだ。

 もう一つの手土産は、「イラク特別措置法」の2年間延長を決める法案が24日から衆院で審議入りしたことだ。泥沼化するイラク。イラク侵略の大義名分がウソだったことがばれて、各国から派遣されていた軍隊がいまや撤退、縮小しているなかで、日本はさらにイラク特措法を延長して航空自衛隊が米兵の輸送などに貢献し、これをさらに続けるということでブッシュ氏と米国民のご機嫌を取るというもの。しかし、昨年6月だったかコイズミさんが訪米し、大統領専用機にまで乗せてもらい、エルビス・プレスリーの邸宅へ行って仲良くロックまで歌った蜜月ぶりと比べると、アベさんの訪米には、「従軍慰安婦問題で謝罪せよ」というホワイトハウス前での集会まで予定されているというからなかなかつらい訪米になりそう。

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2007年4月25日 (水)

改憲への手続き、国民投票法案を急ぐわけは

およそ1ヶ月ぶりのブログ復帰である。別段、病気をしていたわけでもないが超多忙だったために読者のみなさんには失礼しました。また、これからがんばろう。新聞読んだりテレビ見たりする暇もないほど忙しく、やっと新聞にもゆっくり目を通すときがきた。

 まもなく、ゴールデンウイークとかで国民の大移動がはじまるのだろう。今年の連休は4月28日から5月6日の9日間の真ん中に5月1,2日だけがいわゆる「平日」がある。その翌日が「憲法記念日」だ。憲法9条をとっぱらって、日本がアメリカの手下になって海外の戦争に協力することを狙う改悪案を押し通すために、「国民投票法案」なるものを、1日に特別委員会、2日に参院本会議で成立させようとする動きが加速している。昨日は、仙台、名古屋で地方公聴会が開かれたそうである。憲法を変えるための手続きである「国民投票法」とは言え、最低投票率の規定もなく、公務員は運動の制限を受け、新聞、テレビでの有料宣伝は無制限とするような与党と財界に有利な投票法案である。昨日の公聴会でも与党推薦の公述人でさえ、最低投票率について「せめて40~50%の定めが必要」ということで批判的な意見もあったようだ。常識ある人には当然だろう。

いうまでもなく、憲法は国の根幹にかかわるものである。それをわずか20%や30%の投票率で、その過半数で決まると言うのであれば、投票が20%だと10%を、30%だと15%を一票でも上回れば憲法改定が決まるわけだ。この間の地方議員選挙でも都市部では50%に満たない投票率があるから与党は最低投票率を決めないで、たとえ20%でも有効としたいのだろう。そんなことで国民の多数が慎重に判断した改憲と言えないのは自明だ。そんな矛盾の多い国民投票法案をしゃにむに5月3日の憲法記念日までに成立させようというのがアベタカ派内閣だ。日本も恐ろしい国になるのだろうか。

7月の参院選は憲法問題が最大の争点になるだろう。

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