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2007年5月30日 (水)

“消えた年金”問題は国の犯罪だ、賠償責任がある

この世の中、最近は犯罪にしても理解に苦しむようなことが多いが、どう考えても理解できないのは、「消えた年金」と言われる、年金記録がわからず、持ち主不明だの、宙に浮いているだのというものだ。それも半端な数じゃない。50951103件もある。国のやることで少々のルーズさはあることは知っているが、5000万余とはなんとも膨大な数ではないか。生年月日不明30万余、年代別でも100歳以上が162万。現在日本では100歳以上はどれだけなのか総務省HPでも85歳以上はひとまとめなのでわからないが、2004年当時90歳以上は101万6千人とある。記録不明は人口以上であることは確かだ。そして20歳代でも9万余りある。20歳代というのはここ10年の間に年金を収め始めたばかりの年代だ。そんな新しいものでも宙にういているというにいたってはあきれるばかりだ。いったい社保庁って何をしているのだろうか、理解に苦しむ。年金加入者は厚生年金では自動的に給与から差し引かれる。相手は国のすることだからと信頼して納めている。そんなにいつまでも給与明細を保管している人も少ないだろう。社保庁だって資料がないのだから、まして普通の国民には保管能力があるわけはない。こんな結果になったのも、一時期を除いて数十年間も政権をにぎってきた自民党の責任は重いと言わなければならない。

そういうわけで、国民の怒りが沸騰している。国民に非があるならともかく、責任は何もない。いうまでもなく年金は老後の生活を営む憲法25条の生存権にかかわる問題だ。国民は被害者である。被害者がいるということは国による犯罪だといっても過言ではない。もし規定に反して例え千円でも「支給漏れ」があれば国の横領に匹敵する。国の犯罪だからきちんと一人残らず調査をして賠償すべきだ。だが、国の対応は「自分の年金記録が正しいかどうか、照会の申し出を勧奨する」とか言って加入者を愚弄する程度だ。要するに「申告せよ」ということだ。自分ところの不始末の責任を国民に転嫁するってスンポウだよね。また、5000万件全部を「調査する」とも言っているが、テレビに出てくる専門家などは「不可能」と言う人もいる。さらに年金記録がない人は証拠があるとかどうとかの問題も出てくる。今朝の「朝ズバ」でみのもんた氏が政府は「救済」と言っているが「救済」ではなく「弁償」だと声高に述べた。そういう気持ちで国が全員を対象に、いまある情報を加入者に提供して調査するのが当然でしょう。

ついでながらにいえば、年金資金のムダ使いの一つであるグリーンピアという保養基地の失敗。社保庁が全国13箇所に年金資金から巨費を投じてつくられた。その一つ、グリーンピア南紀。122億かけて造った巨大施設がおじゃんになって03年に閉鎖。それを地元の和歌山県那智勝浦町と太地町に2億8千万で払い下げた。そのうえ、二階俊博衆院議員(自民党国対委員長)が介在して、怪しげな香港のペーパーカンパニーとか言われるボアオという会社に年間1億8千万の賃貸契約し、10年後は無償譲渡する契約であった。地元選出の国会議員に弱い町長も承諾した。ところがこの4月、「採算とれぬ、ホテル再開見送り」と朝日新聞が大きく報道し地元は大騒ぎとなっている。最近は5年間延期とかの報道もある。年金のムダ使いの上に、さらに格安で外国企業に町民の財産を売り飛ばすというムダ使いの上塗りで批判をあびている。これも理解に苦しむ。

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2007年5月29日 (火)

自殺した農水相をかばいつづけた安倍首相の責任

今日の新聞は各紙とも「松岡農水相が自殺」とほとんど同じ見出しの活字が躍る。昨日からテレビも時間を割いて報道する。「政治とカネ」をめぐってさまざまな疑惑の渦中にあった人物だけに無理からぬ。報道では現職国会議員の自殺は「7人目」「8例目」という違いはあるが、現職大臣の自殺は文字通り憲法制定以後で最初という。マスコミが報道する通り、この人は閣僚に任命されたときから、「なんでや」という声があったらしい。絶えずカネにまつわる噂が多く「疑惑のデパート」とさえ言われた人物だったかららしい。それほど知られた人を任命したアベ首相の任命責任は重い。閣僚になったその日から政治資金規正法の記入漏れが指摘され訂正したほどなのだ。表向きは例のナントカ還元水など家賃も光熱水費もタダの事務所にありながら巨額の「事務所費」計上の問題だったが、ここにきて緑資源機構の談合にメスが入ったのが自殺の引き金かと推測する向きが多い。現に早速今日の紙面で週刊誌「サンデー毎日」広告の見出しは「緑資源談合事件 『自殺』松岡農水相周辺への『検察包囲網』」ってなっている。1996年から10年間で農水省所管の公益法人と一体の9つの政治団体から1億3千万もの献金があったというのだから「疑惑のデパート」と言われても仕方ないのだろう。推測の域を出ないがこちらの方が本命という臭いがする。それにしてもそういう人をかばい続けて、大臣に座り続けさせたのはアベ首相だ。本人は大臣を辞めたいと周辺に漏らしていたという報道もあるのだから、そこを汲み取って早いうちに辞職させておけば自殺という不幸は避けられたかもしれない。断言はできないが…。

しかし、問題は自殺したからと言って幕引きするわけにはいかない。故人の座右の銘は「真実一路」ということだから、真相究明することこそ求められる。それをしなければならないのは言うまでもなくアベ首相の責任だ。いくら政治の世界は非情と言っても、現職閣僚の生命を落とすところまで追い込んだ責任があるのだから。折りしも、本日の夕刊には「緑資源機構、前身の公団元理事自殺」とのこと。現機構の前身、森林開発公団の元理事(76歳)が飛び降り自殺したらしい。すでに東京地検が家宅捜索した人物ということだ。逮捕された前機構理事の上司で影響力が強く「陰のドン」といわれた人物らしい。大半が国の補助金で賄われる緑資源機構の発注工事を談合で高値落札させ、どのように利ざやが還流されていたのか国民は知る権利がある。捜査当局はもちろんだが政府も「政治とカネ」問題の全容解明と再発防止本気で取り組むべきだ。

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2007年5月28日 (月)

「百年年安心の年金」どころか、不安と不信がいっぱいだ

2003年の総選挙に向けて公明党が「100年安心の年金」と言い出したことを記憶している諸氏も多いことだろう。定率減税(所得税20%、住民税15%)を縮小・廃止して年金の国庫負担を増やして安心というものだった。翌04年に自民党も乗っかって決まった。そして定率減税は昨年半減、今年6月で廃止となる。まもなく6月に住民税通知書がくる。税源移譲で1月には所得税が減った分が6月からの住民税にかぶさってくる。税源移譲によるものは基本的に変らないが住民税の定率減税廃止に伴う分が加算されてくるから6月には自動的に増税となる。納税通知書が来たら、一昨年、昨年と比べて見ればどれだけの負担増になるかわかります。びっくりしないでね。そもそもこの定率減税廃止は大企業減税(法人税減税)とセットであったにも関わらず企業減税は廃止しないで国民を直撃する定率減税だけを全廃にするのである。

その上にいま大問題になっているのが、年金の問題だ。「消えた年金」「年金の支給漏れ」などと言われるように、5000万を超える公的年金保険料の納付記録がないというのだから全くひどい話だ。納付した人の生年月日がないとか、名前がわからないとかズサンなことが行われていたわけだ。強制的に納付させておいてその記録がない、挙句の果てには支給を請求したら『納付した領収書を示せ』なんていわれても30年も前の領収書なんてあるわけがない。厚生労働省の一部局である社会保険庁がこんなズサンなことをしておいて、証明がないと支給できないという態度は絶対許せない。一方で年金を使ってグリーピア事業など巨額のムダ使いをしていたってわけだ。ともかく、「消えた年金」の責任と原因の解明、これからの対策もな~んにも出さないのに、社会保険庁を解体することだけはごり押しして、まるで証拠隠滅するかのように国の責任を放棄することには大変熱心だ。社保庁解体で年金事業をバラバラにして民間に委託する。納付記録がないものをどうして委託するのだろう。支給漏れや年金が消えた人は新たな年金機構か事業所で補償してくれるのだろうか。何十年にも渡って国民の財産を管理する大事な仕事を「改革」の名によって、民間に丸投げすることができるのか。委託された方はズサンな資料しかなく「保険金を納付した証明がないと支給出来ない」と拒否するに決まっている。最近逝去された植木等さんじゃないけど、いよいよ「ニッポン無責任時代」か。誰もお詫びする者もいないばかりか、アベさんにいたっては「私のどこが悪いのか」とのひらき直りには開いた口が開きっぱなしだョ。参院選が近いから、かろうじて請求期限の「時効は5年」を取り消すと表明しただけだ。「100年安心」のハズだった年金は100年どころか、たちどころに「不安、不信の100年」じゃん。だいたいからして、公明党という政党と自民党のコンビは暴走コンビなのだ。自民党の支持基盤の崩壊を創価学会でかばってもらい、増税にしろ、改憲手続き法にしろ、社保庁解体にしろ、教育基本法改悪にしろ、なんでもかんでもスイスイスラスラと国会で採決できるのも公明党という隠れ蓑があるからできる。いくら多数横暴の自民党でも単独ではやりにくいところを救ってもくれるってスンポウだ。

……と、ここまで書いたところで、一昨日、「緑資源」談合に関わって、松岡農水相のことを紹介したが、たった今、その農水相が議員宿舎で自殺をはかり死亡が確認されたとのニュースが飛び込んできた。「ナントカ還元水」では逃げ切ったが「緑」では逃げられないと判断したのだろうか。正直に告白してとっくに大臣を辞任しておけば何も命まで落とさなくても済んだのに。政治の世界は一寸先は闇、非情です。(合掌)

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2007年5月26日 (土)

「緑資源」の美名の下に巣くう税金ドロボーたち

「緑資源機構」―なんだか聞きなれない言葉じゃん。なんでも農林水産省所管の独立行政法人だとか。主な仕事は造林、林道整備、農地開発だそうだ。現在、日本列島を縦断する「緑資源幹線林道」なるものを2116キロめざして建設中で1300キロは完成しているらしい。その林道をつくるにつけて各地で自然破壊が問題になっているという。

独立行政法人ゆえに役員、職員は国家公務員の身分が与えられ、財源も国が全額出資する法人で、事業費もほとんどが税金で行われる。この機構の理事ら6人が官製談合事件にかかわって独占禁止法違反の疑いで逮捕された。同機構の幹線林道事業にかかわるコンサルタント業務の発注で談合が長年常態化していたという。そもそも緑資源機構とは林野庁の天下りの巣窟となっており、理事長は林野庁長官退職者の指定席で、高級官僚が同機構や業務請負先の公益法人、関連民間会社などを渡り歩き、現職の時でも高給取りなのに退職後短期間に億を越える報酬を受け取るわけだ。そのうえ、退職官僚を業務受注先の公益法人や関連会社に天下りさせる。その天下り組ばかりで談合を決め、事業を高額入札させるという仕組みなのだ。いわば身内を使っての談合だから官製談合のなかでも最も悪質なやり方である。「検察幹部も、『受注予定業者や落札価格まで、すべて官が指導している、これほど強く官が主導した談合は珍しい』とみる」(昨日の「読売」)といわれるほど官主導の利権サイクルだった。林野庁は01年にも談合が発覚しているのにそれでも懲りない面々が悪行を続けていた点でも悪質だ。日本列島の7割は山林と言われる。「緑資源」なんていう美しい名前のもとに、いかにも森林を守るかのような装いで、しかも普通の公共事業とは違ってあまり目に見えないだけに、国民の関心も低い公共事業を食い物にして利ざやを稼ぐ税金ドロボー達だ。2000キロ超える林道ネットワークをつくる巨大プロジェクトだから何年もかけてやる事業である。自然保護団体などから自然破壊だと批判もある事業に巣くうのだからひどい。自然保護団体がさっそく機構の解体を要求する声明も出した。

ところで所轄の農水省の大臣は誰あろうあの「ナントカ還元水」大臣ではないか。この御仁は厚顔にも、今回の談合事件に連座した法人から852万円の献金をもらっている。また林野業界の政治団体も96年から05年の10年間でナントナント1億3千万の献金をしている。この大臣は自民党議員のなかで唯一の林野庁出身の議員であり、「林野族のドン」と呼ばれる。選出は熊本3区。ここでも緑資源機構から受注した「特定中山間保全整備事業」の建設工事を請け負った熊本県内の14業者が大臣に1300万円の献金をしたことも今日の「産経」が報じている。そしてここでも「官製談合の疑いが浮上、東京地検特捜部が機構の関係先を捜索」とも書かれている。果たして疑惑は大臣まで行くか?それはないだろう、だって疑惑の事務所費問題でアベ様があれほどかばった農水大臣のことだから、「ほうっておけない」と助け舟かな????サテ興味シンシン(森森)に見守ろう。

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2007年5月24日 (木)

「ナントカ還元水」問題にフタをする自民・民主

23日の衆議院予算委員会はいわゆる「政治とカネ」問題で集中論議があった。家賃も電気代も電話代もタダである議員会館に事務所を置きながら、何千万円もの事務所費を計上し、「ナントカ還元水もいる」などとしゃべって有名になった松岡農水相の問題に端を発して、「政治とカネ」問題が今国会の焦点の一つだった。首相も出席しての審議になったが結論的にいえば何一つ証明することなかった。民主党の質問にたいし松岡氏は「法律にのっとり適切に報告した。それが説明に代わる」と、いままで繰り返してきたことをオウム返しに言うだけでしらけることこの上ない。同じことを首相の姿勢を質したが、首相も「法律に求められた説明は果たした」と、これまた、今までと同じく、オウム…じゃなくってナントカの一つ覚えのような言葉を繰り返した。さらに防戦から民主党への攻めに転じて、民主党小沢党首の「10億円を超える事務所経費と巨額の不動産所」などで「土地と建物を個人名義にし、適正な課税がされないまま私的な蓄財や投資が行われる危険性がある」と「『相打ち』を狙った」(朝日新聞) 片や松岡問題、片や小沢問題とお互いにアキレスけんを持つ政党同士では盛り上がらないわなあ。だから「相互アキレスけん固め?」という風刺漫画が読売新聞に掲載される始末。そして与党は「けじめ??」と称してか、政治資金規正法改正案を今国会中に提起するらしい。その“目玉”は、「資金管理団体の1件5万円以上の経常経費について領収書の添付を義務付ける」というものだ。民主党はといえば「5万円」を「1万円」にする案だ。これってまことに摩訶不思議だ。どうして1円からにしないのか。代金を払ったらどこでも領収書やレシートを何秒もかからぬうちにくれる。「事務が煩雑になるから」なんて言えない。普通の企業や団体であろうが事務所であろうが、収支を記載する帳簿と領収書を管理するファイルがあればいとも簡単な処理だ。政治家はそんなことも出来ない世間知らずの集団か。ま、情けない話だが「ナントカ還元水」氏のことも小沢氏のこともこれで「五万円以上の領収書でホイホイと幕引きにしようってスンポウなのだ。

ちなみに、この集中審議で、共産党の佐々木議員から、生命保険、損保保険会社が保険金の不払い・支払い漏れがつぎつぎ発覚し、その額635億にもなるのに、この4年間でその生保、損保会社から自民党に3億6千万円の献金があることを指摘し、首相の見解を質問した。保険契約者には多額の不払い、支払い漏れがありながら、支払い義務のない政党に献金をさしあげる生保・損保業界。まったく馬鹿げている話だ。「国民の理解を得られるか」と問うも、首相は、「『企業は社会的存在として献金している』などと述べるだけで、まともに答えることができませんでした」(しんぶん赤旗) 鉄面皮というか厚顔無恥というか、事務所費疑惑にはフタをし、悪徳商法を展開する業界からの献金はちゃんともらうって話。普通の庶民には理解できるでしょうか??

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2007年5月23日 (水)

振り込め詐欺で金融機関に凍結された金の行方は???

今年の2月11日の日記で書いたことなのだが、顔見知りの高齢者が新手の「振り込め詐欺」の被害にあった話の続きである。被害者のAさんは、社会保険庁を名乗る犯人から「年金保険の過払い分を返すから銀行のATMの前に行ってこちらの言うとおりにしろ」と言われ、指示されたとおりにキャッシュカードを入れ、ボタンを押し、まんまと100万近い金を振り込んだ。まさか自分の預金から振り込んでいると言う意識は毛頭なく、社会保険庁から振り込まれるとばかり信じていた。銀行の業務時間が終わる間際だったのでその夜に「それは怪しいで」と周りから言われ、すぐに警察へ被害届を出した。翌朝一番に警察からの通報で口座が凍結するのと犯人が金を引き出すのとがほぼ同時だったようだ。そこへ犯人から電話があり警察の人に変わったらすぐ電話を切った。タッチの差で半分程度の金が凍結されていることがわかった。問題はここからだ。残っている金がどうしたら自分の手元に返ってくるか。最近、またワイワイと相談にのった。凡人は普通なら残った分は銀行が返してくれるものと思う。ところがそうではない。振り込んだ相手の名前(おそらく架空の名前だろう)が入力されているから、金はその人の名義になっているので、時間と費用をかけて裁判をしなければならないと弁護士はいう。犯罪を実証できて返還されるとなっても弁護士費用などでほとんどなくなるかどうかだ。腑に落ちないから、あちこち聞いてみたが、簡単に返還できる法律がないということがわかった。いつになるかわからないが、新たな法律が出来る可能性もあると聞いたので「それまで凍結したままにして、被害届けは警察とともに、銀行を指導する財務局にもきちんと出すように」と助言するしかなかった。

そうして、昨夜、なにげなくテレビニュースを見ていると、振り込め詐欺などに使われた金が全国の金融機関の口座に68億円も返還されずに残っているということ。お金を返すルールもないことから救済法案を自民党の総務会が了承したというニュースだった。68億円という数字にびっくりした。だが、別のネットニュースで見ると昨年6月以降だけでも社保庁や税務署員を名乗った同様の詐欺被害が全国で800軒、金額で800億になるという記事もあった。ひどいものだなあ。そういうわけでともかく検討されている救済法案は、被害者の被害届と金融機関、警察が提供する情報にもとづいて人数を特定し、お金の返還をすすめるという。そして口座の凍結から数ヶ月で被害者に返還するようになるとのことだった。自民党は、議員立法によって今国会で成立をめざすという。それは良いことだ。別に予算をともなう法律でもないし、悪徳詐欺の被害にあった人たちを少しでも救済するのだから一刻も早く立法化すべきだ。ただ法律の内容だが、ほんとに被害者の立場に立って救済するものになるかどうかは今後の問題だ。銀行が「手数料」を得るなんてなことのないようにしなくてはいけないと思ったりもする。

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2007年5月21日 (月)

コワイDVDで子どもたちに「教育再生」する文科省

日本青年会議所というところが、「誇り」という題名のDVDアニメを製作し、「小中学生の学校現場へ地域の青年会議所メンバーが参加して、国を愛する心の涵養を、そして大人たちには、地域の子どもは地域で育てるという公共性が醸成される」(青年会議所HP)ように啓蒙活動をしている。ところでこの「誇り」という題名のDVDアニメたるや、靖国神社の鳥居の前で、過去から来た青年「雄太」が「こころ」という少女と語りあうのです。そして二人で靖国神社にでかけます。雄太の語りは、「日本は自国を守るためにやむをえず戦争した」「アジアを解放するための戦争だった」などと言い、靖国神社の主張である「自存自衛のための戦争」とそっくりなことを語ります。日露戦争について「領土拡大戦略として南下してきたロシアと、そのロシアから自分たちの国を守りたかった日本。その後、それそれの思惑とは別に周囲を巻き込みながら、その後の大東亜戦争に発展していくんだ」と語る。日中戦争もロシアがさまざまな謀略を日本にしかけてきたとか、対米戦争も「日本対アメリカを含む連合国軍との戦いを、当時、日本では東アジアの白人からの解放を大儀目的に沿う(大東亜戦争と)呼んでいたんだ」「日本は亡国の道を歩むか、戦争に突入するか――ふたつに一つの決断を迫られ、アメリカをはじめとする連合国軍との戦争という苦渋の決断を強いられた」…過去からきた青年雄太はこう語る。話を聞いた「こころ」は「大事なことは、正しい事実を知ること」とつぶやくのである。

靖国神社の言い分をアニメーションにしたDVDを日本青年会議所が作成し、夏休みの子どもたちに見せて、地方の青年会議所のコーディネーターが出席して説明する計画で、その日程も同ホームページに掲載されている。このDVDを含む「新教育システム開発プログラム」は文部科学省が委託して採用したもので、国が予算を計上している。今年度は全部で76件が採択され、約15億円の予算だという。過去の戦争を「自衛のための戦争」などと偽り、歴史を塗り替えるために植民地支配や従軍慰安婦問題にはぜんぜん触れない代物を見せてまちがった教育を子どもたちに教える。まさにアべ首相が執念持つ憲法改定とともに、靖国流道徳、愛国心教育など「教育の再生」なる実践がこういう形で早くも始まっている。うかうかしているとそのうち、言論統制、忠君愛国、天皇元首化、滅私奉公、徴兵制なんてな亡霊が復活し、そして「美しい国」をさかさまに読む「ニクイシクツウ(憎いし苦痛)」な国柄が押し付けられるか。オーコワイなあ。

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2007年5月19日 (土)

アベ流改憲めざして暴走がはじまった

憲法を変える手続き法「国民投票法」が強行成立して、いよいよアベ流改憲スケジュールにむけ暴走が早くもはじまった。昨日、「集団的自衛権の研究」をするための「有識者懇談会」の第一回会合が開かれた。座長一人と12人のメンバーは元防衛庁幹部や大企業幹部、大学教授、元外国大使などで構成し、そのほとんどは集団的自衛権の行使を是とするアべ好み人物で固め、「先に結論ありき」がミエミエである。では何を「研究」するのか。日米同盟を強化する4つの「類型」を提示して「研究」するそうだ。例えば、公海上で米軍艦船が攻撃された場合、自衛隊が対処することが可能かどうか。米国にむけて発射された弾道ミサイルを自衛隊のミサイルで迎撃するのはどうか。国連平和時活動(PKO)の参加国への後方支援。米軍中心の多国籍軍が攻撃された場合の自衛隊の対処などなどを「研究」するという。いろいろ難解な言葉を使っているが、要するにさしあたりは、イラクに派遣されている自衛隊は、いっしょに活動している他国の軍隊が攻撃されたとき、自衛隊も応戦することができないかどうか。今の憲法の下でも可能なように障害を取り除くことができないかという「研究」なのである。いわゆる憲法を解釈で変えるのが狙いであり、第一段階の目標である。そして、2011年秋の改憲で憲法の文章上でも9条を改悪して明確にするのが第2次目標であり、アメリカと肩を並べて米軍の行く先々で「ドンパチ」しようという作戦である。アーミーテージ元米国務長官らが執拗に要求していたことに対しその公約を果たすのである。歴代の内閣でも、ここまで集団的自衛権の行使に踏み込んだ内閣は一つもなく、これまでは「できない」という見解ばかりであった。そこに踏み込んだのは安倍内閣が最初だ。だから初会合終了後の会見でメンバーの一人は「感無量ですね。半世紀放置している問題をやるのだから」と自慢げに語ったようだ。

アベ流「美しい国」とは、時計を逆さまにまわして、軍国日本へひた走ることなのだ。あの侵略戦争を起こした国を「美しい国」というのだ。いやはや怖いね。こうしてアメリカと一緒になって軍国日本になれば今でも世界で第2位の集団に入る軍事予算にもどんどん人殺しのための無駄金が次ぎこまれる。「ムダ」っていえば怒る人もいるかも知れないが、かつて1990年、旧ソ連が攻めて来るかも知れないと「90式戦車」を300両以上購入して北海道に配備している。この戦車は重量が50トンでそこらの道路は通行できない。道を壊したり渡れる橋もない。普通の橋は重量制限20トン、高速道路でも40トンなのだ。ソ連が北海道へ攻めて来るかも知れないと配備したが北海道以外に来たら使い物にならない。費用は3千億円だって。ところがソ連はまもなく崩壊した。イージス艦という軍艦も同じ理由で海上自衛隊が4隻発注した。1番艦が完成したのは93年。その時はもうソ連はなくなっていた。4隻目が完成したのは98年。軍艦は高い代物で一隻千数百億円もする。いまでは使い道がなくほとんどまともな活動はしていない。そしたら今度は北朝鮮がミサイルで攻めてくるかも知れないというので、ミサイル防衛計画だ。最初の数年分で1兆円という予算だ。だが、ミサイルはアメリカで開発中だがまだ完成していない。技術的に難しくてまだ実験にも成功していない。ミサイルは北朝鮮からアメリカへの攻撃なら数十分かかるから時間的余裕があるが、それも未完成なのだ。北から日本なら数分で届くから、なおさら技術的に困難があるヤツだ。つまり、できるかどうかも分からないミサイル防衛に膨大なムダ使いをするわけだ。こんな話を最近知った。こうして日米の軍需産業が儲かるようになるわけで、軍事予算が大きくなればその分国民生活にしわよせされる。戦争で得をするのは軍需産業っていうわけ。損をするのは国民だ。もったいな~い。

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2007年5月18日 (金)

アメリカのワーキング・プアの実態は日本の将来の姿?

17日夜7時半のNHKクローズアップ現代「ワーキング・プア、アメリカからの警告」を興味をもって視た。「働いても働いても生活保護水準以下の生活しかできない」貧困層をワーキング・プアという。皮肉にも国民総生産が世界1位のアメリカと2位の日本で、貧困率(国民の平均所得の半分以下の率)も1位がアメリカで13.7%、2位が日本で13.5%(OECD加盟国の調査)で、8位イギリス8.7%、10位ドイツ8.0%、12位フランス6.0%などの先進国よりダントツに高い。番組は、なぜ豊かな経済国でワーキング・プアが急増するのかと問いかけ、この問題で著書もあり、世界で講演活動をしているジャーナリストのディビット・シプラーという人へのインタビューと関連する画面を挿入したものだ。氏は冒頭に「働けば報われるというアメリカンドリームはもはや幻だ」と述べ、ルポをした夫婦と子ども三人の中産階級だった家族を紹介。主人は工場の熟練労働者で不自由のない生活をしていたが、2年前、交通事故で職場を解雇され、必死に職を探すも見つからない姿が映し出される。「必死に探し回るが、もうこの街に給料のよい仕事はない。あるのは低賃金の単純労働だけ」と嘆く。そして、今までの半分の賃金で材木を仕分けする仕事に就くが、子どもの学費は決まっており、しまつするのは食費で毎日同じものを食べ、最後は「あと1ヶ月でアパートも出ないいけないから車での生活になる」と嘆く姿も…。そして、アメリカのワーキング・プアが00年から05年の間に3110万人から3700万人に増えたグラフが画面に出る。一方で100万ドル(1億2千万円)以上の資産をもつ富裕層が倍増し、わずか5%の人が国の富の6割を占めていることを指摘する。

貧困層の実態として、車を洗う仕事をしている人は自分の車をもてない、銀行に勤める女性は自分の口座には2ドル2セントしかないなど「繁栄の陰で薄暗がりで生活する」という。こうして中産階級が減っていると指摘。製造業が少なくなり、米労働省のこれからの予測も今後10年で増える仕事は高学歴を要する医療や教師か、もう一つは賃金の低いサービス業だという。中間の職業がなくなり、製造業などはグローバル化に伴い、安い賃金で働く外国へアウトソーシングするので、中産階級の多くが解雇されたりする。それに住宅費が高くなり食費を圧迫するそうだ。かつて大型ハリケーン「カトリーナ」のとき、貧困層は避難しようにも車がない、車があってもガソリンを買う金がないということで甚大な被害に会ったことも紹介された。国谷キャスターが日本でも正社員が減りつづけ、派遣や請負でワーキング・プア世帯が400万とも言われる事態を語ると、アメリカは「今こそ恥を知るべきとき」と述べ、どんなに努力しても報われない社会に地球的規模で政治が目をむける必要性などを語った。番組にはなかったがわたし的に思ったのは、アメリカは超軍事国家であり軍事予算は日本の十倍以上の年間4700億ドルも使っている。そんな「アメリカと肩を並べて」(アベ首相)海外で軍事戦略を行うように憲法を変えようとしているわけで、そうなるとますます軍事予算に無駄な金をつぎ込み、一方で生活保護世帯の切捨てや、国民への負担増が次々と行われるだろうと展望する。トヨタが史上空前の2兆円の純利益を上げたが、その背景には徹底して下請け中小企業へ単価引き下げを強要し、仕事は忙しいのに利益が上がらず、トヨタの地元愛知の中小企業の業況は長期にわたってマイナスに沈んでいる。下請けのなかではワーキング・プアが急拡大していると聞く。抜本的な手を打たない限り、まさに病めるアメリカの実態は日本の将来を示すだろう。こんなことを感じたものだった。

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2007年5月16日 (水)

コースター事故の会社、政界へ献金

 ジェットコースターで死傷事故を起こした

大阪市

吹田市

の会社エキスポランド社の社長や関連会社が、2003年から05年にかけて、安倍首相の資金管理団体「晋和会」や、出身派閥の森派(現町村派)などに政治献金をしていたことが、16日の「しんぶん赤旗」が報道した。政治資金収支報告書から調べたもので、ほかにも、前首相の小泉氏、石原慎太郎都知事と長男、3男の衆院議員などにも献金されているという。政治資金収支報告書で判明した金額の合計は、エキスポランド社と同社社長が代表取締役会長を務める遊園施設開発会社と合わせて1060万円になっている。この社長は、かつて佐藤内閣時代に衆院議長も勤めた衆院議員の秘書をしていたこともある。相手側から求められての献金なのか、自主的な献金なのかわからないが、1千万超える献金をするには何かわけがあるのだろう。事故原因は、車軸の金属疲労によって破断したという見方が強まっている。エキスポランド社はこのジェットコースターを設置して以来15年間一度も車軸を交換しなかったとのこと。他の遊園地で同様のコースターは5年に一回とか8年に一回とか、あるいは3万周回ごとに交換しているという。政界中枢などに金をばらまきながら、一方でコスト削減し、安全対策を怠ってきた人命軽視の責任は重いといわなければならない。政治献金をもらう方も重大事故を起こさないようなルールをつくって指導すべきなのに、事故の報告だけを集めるようなことでは機能を果たしていないと言えよう。

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2007年5月14日 (月)

相次ぐ年金の記録ミス、これからは自己管理が大切

 社会保険庁が分割、民営化することが国で議論されている。その中で、年金に関係する記録のミスが相次いでおり問題化している。年金保険料を納付していたのに受給できないケースが出ている。なかには年金加入者の生年月日すらわからないものだけでも30万件を超すという。10年前に加入者の基礎年金番号を、それまで、転職や結婚のたびに別の番号を付けられていたのを、一つのものにする統合化を導入した。しかし、その未統合がまだ5千万件も残されているという。生年月日が記載されていなければ加入者と結びつかない記録が大量に生まれる可能性もある。年金記録は30年、40年と長く記録するものであり、人はみな生涯同じ住まいで同じ職場で働いているわけでなく、その間には、転職、離職、休職もあれば結婚で名前が変わるとか、なかには事業所の名前まで次々変わるところもある。さまざまな移動があるのは当然だ。保険庁は昔の事務は手書きでやっていたのをコンピュター化するにつけての入力ミスもあるという。納付して証明になるものが必要というが、何十年もの間の領収書や給与明細、通帳など加入者の側で保管することも容易ではない。転居などで大掃除をして失ってしまう場合などもある。しかし、今からでも遅くない、可能な限りの記録、参考になるものは記憶を思い起こし、捜し出して地元の社会保険事務所で相談するというか、自分の年金はどうなっているか確認しておこう。

 ましてや社保庁が民営化されるとその管理がますますあやふやになる可能性がある。社保庁がバラバラに解体され、業務は民間委託になる。それも競争入札で数年ごとに事業所が変わったり、コスト優先で不安定雇用者が業務を行ない、徴収、記録管理、給付などが、経験や専門性の乏しい職員が担うということも考えられる。長い年月の記録が求められる年金業務が、今まで国の管理下にあっても先に述べたようなミスがあったものが、バラバラの民間業者でしかも数年単位で業者が変わるというようなもとで安定的に正確に管理される保証はなにもない。今のうちにしっかり調べて置いて、これからは、加入者の方できちんと管理して行くことが大事だ。郵政民営化が今年10月から本格化するが、すでに、集配業務が合理化され現場が忙しくなり、いままでは番地が一字違ったままでも届いていた郵便物が返送される場合があるとよく聞く。それは、いままではベテランの集配者の努力で配達されていたものが1文字違うだけで返送されるようになったらしい。民営化でサービス低下になることは郵政事業ひとつを見てもわかるから、将来の年金受給という生活にかかわることだから、しっかりと管理、記録していきましょう。そんなことを思う今日この頃でした。

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2007年5月12日 (土)

来月にまたまた住民税があがるぞ!覚悟してね

またまた楽しい…じゃなかた、苦痛な話でごめん。来月から住民税がガバッと上がるのをご存知ですか。公明党が提唱し、自民党が歓迎して決めた「定率減税の廃止」によるものなんじゃ。いっぺんに全額廃止したら国民がいかにもびっくりするので昨年は半分だけ減らし、いよいよ今年6月から全額廃止になるんだよ。例えば、30歳で年収300万円の場合、単身者、夫婦世帯のいずれも負担が2倍になる。年収450万円では、単身者で1.9倍、夫婦世帯で2.1倍になるんだって。高齢者はもっとひどいよ。年金課税の強化によって4倍近くになる場合だってあるからね。覚悟してよ。あなたはどれくらい上がるかシミュレーションしてみませんか。最後に紹介している共産党のホームページアドレスをクリックして、「緊急企画=6月にサラリーマンの住民税がどれだけ増えるか試算できます」の文字が流れます。それをクリックし、サラリーマン世帯か、自営業者であるか、年金生活者であるかを選ぶ。年金生活者の場合はお住まいの県や市をクリックする。そして出てきた入力画面に収入や年齢、家族構成などを入力してクリックすると1秒で答えが出てくる。わたし的に実験したらなんとまあ、住民税が昨年の三倍に、連動して国保料と介護保険料が上がるから総額で2万円も上がる。国保、介護保険料は来年も上がるからその分もちゃんと算出してくれている。わたし的には来年の総額は、04年当時と比べて3倍にもなっている。年金収入の1割、つまり年金収入の1.2か月分が自動的に天引きされるんだ。ブツブツ言いながらでも、一度試してごらん。怒る人はその矛先を自民、公明党へどうぞ。

   ここをいますぐクリック。

  http://www.jcp.or.jp/

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2007年5月11日 (金)

欠陥だらけの改憲「国民投票法案」ごり押しで採決へ

参議院憲法調査特別委員会は、憲法を変えるために必要な国民投票法案を自公と民主党が密室取引で採択することを決めた。この法案は前にも書いたけど、国のあり方を決める最も根幹となる憲法の「改定」にあたって、その最終手続きとなる「国民投票」の方法を決める法案だから重要なことはこの上ない。ところが法案の内容は欠陥だらけであり、審議のやり方もまことにズサンである。欠陥その1は、国の未来を決める憲法を改定する投票なのに、投票率は最低何パーセント必要という「最低投票率」も設定しないのである。例え1割台、2割台の投票率であっても有効であり、その過半数で決まるというものである。仮にそんな低投票率で百年、2百年の国のありようを決めて「国民の総意」と言えるのか。誰が考えても言えるはずがない。「せめて40-50%の定めが必要」というのは識者の意見である。欠陥その2は、国民投票運動にあたって公務員や教員は運動してはならないと制限するというものだ。審議のなかでも「公務員や教員が憲法について語ることがどうして職務の公正や中立性を害するのか」との質問には、法案提案者は答弁不能になる体たらくであった。公務員や教育者は憲法の是非は別として、どんな憲法でもそれに従う一番近い存在者だと思う。そうした人に、投票運動に当っては憲法を語るなと黙らせようというものだ。欠陥その3は、国民投票日の2週間前までは、有料のコマーシャルは自由と野放しにすることだ。大体いま改憲勢力は「靖国派」と言われる政治家だけが騒ぐのではなく、その背後には大企業や財界が改憲の音頭をとっているし改憲は彼らの要求なのだ。9条をなくしアメリカと肩を並べて海外で戦争が出来れば、軍需産業が栄えるし、武器輸出も自由になるし儲かるからである。だから金持ちの財界が有り余る資金を使って「改憲だ!」「改憲だ!」というCMがテレビを乗っ取る。資金のない一般市民は太刀打ちできなくなる。欠陥その4は、改憲案を国民に周知する広報協議会が設置されるが、協議会は、各会派の所属する議員の数で比例配分される。そうすると、自公も民主も改憲派だから改憲賛成派が圧倒的多数を占め、広報協議会を牛耳り、国民に改憲論を押し付けることになる。国民の信を仰ぐ中立性に問題がでてくる。などなどが主な欠陥だ。

審議のやり方も滅茶苦茶だ。この種法案は、地方や中央で公聴会を開いて国民の意見を仰ぐのが普通だが、参院憲法調査特別委の参考人質疑は10日午前に行われたが、与党推薦枠の二人は欠席。野党推薦の二人だけの出席で、参考人から「セレモニーか」と質される始末。その午後、さいたま市と横浜市での地方公聴会は、前日に開催が知らされ、与野党推薦の公述人からでさえ、「資料を読み込めず質問にうまく答えられない」「あまりにも日程設定が異常だ」と非難されるほど。また与党や民主党推薦の公述人は自民党県議や地方の幹部など身内が動員される始末。そして中央公聴会は「なし」で採決するという。審議すればするほど欠陥がばれるので、何が何でも決めた日までに成立させたいという姿だけしか見えない「審議」で押し通すという慌てぶりで14日にも成立か。

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2007年5月10日 (木)

過酷なコスト削減でトヨタ営業利益2兆円突破

トヨタ自動車が07年3月期の連結決算で売上高23兆9480億円、営業利益はナント2兆2386億円と、日本企業で初の2兆円台に乗ったことがいっせいに報道されている。北米を中心に海外での販売の好調さ、円安・ドル高による増益、ガソリン高を背景に燃費のより車の需要が高まったことなどが要因とされ、07年は販売台数では世界最大のGM(ゼネラルモータース)をも追い抜き世界一は確実視されている。しかし、大もうけの裏には見逃してならないのは、一時下請けだけでも1000社以上あると言われるところへの徹底したコスト削減と非正規労働者の拡大による人件費の削減で泣く人々がいることだ。

 トヨタ自動車は04年から06年にかけ大量のリコール(回収・無償修理)車を出し、毎年130万から190万台に達し、他のメーカーでは横ばいか減少しているのに比べダントツに多いのだ。それは開発期間を90年代の約4年間から2年に短縮し、部品の製造メーカーでは3ヶ月ほどで完成しなければならず、長時間過密労働や車の安全性まで脅かす「物づくり」とさえと言われる。コンピューター上だけの設計など、リコールにならなくても設計上の不備が増加しているとも言われる。そのため、下請けは「リコールにからんだら会社が倒産する」というほどの下請けいじめがやられている。だから、下請け業者は人件費を削減するしかなく、「偽装請負」や賃金の安い外国人労働者など使わざるを得なくしている。下請け単価もほとんどはトヨタのいいなりで決まる。3年間で原価を3割削減する「低原価運動」をすすめ、半年単位で次々と切り下げをして、時には原価割れでも「トヨタの仕事をしている」誇りだけで懸命にがんばっているのが下請け企業と労働者だ。売り上げが倍になっても単価は3割減、「どうしてこんなにお金がないのかと思う」という業者もいるそうだ。そこで「原料費があがれば人件費を削減するしかない」という部品メーカーの経営者はいう。派遣や偽装請負がおこってもトヨタは二次下請けから先は一時下請けからの伝達となっているから、偽装請負などがあってもトヨタ本体には社会的責任がないという仕組みになっている。

2兆円も営業利益を上げるトップ企業が賃金抑制や非正規雇用の増大、過酷な単価切り下げでまさに限界ぎりぎりで下請け業界はあえいでいるわけだ。トヨタ本体では非正規社員が2割以上、下請けでは労働者の半分前後がパートや定年退職した高齢者など非正規労働者だという。こうした非正規組は年収200万円台で家族をあわせた生活はぎりぎりというのが実情らしい。「日本企業初の2兆円利益」という宣伝の影で、こうした下請けいじめや労働者が居ることを告発しなければならないが、この点はマスコミはほとんど報じない。皮肉にも日本国内でのトヨタの販売台数は頭打ちで、北米など海外での輸出競争力を支えているのが「乾いたタオルを絞る」ようなコスト削減である。このような物づくり現場を知ると車のリコールが多いのもうなづけるし、安全性にも危惧が感じられる今日のニュースでした。

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2007年5月 9日 (水)

安倍首相が姑息なやり方で靖国神社に供物

 アベ首相が4月の靖国神社春季例大祭(4月21~23日)に「内閣総理大臣 安倍晋三」の名義で神前に供える真榊(まさかき)を奉納していたことがわかった。私費で五万円のものだそうだ。供物は高さ2メートルのサカキの鉢植え一基。ド素人にはわかりにくいが5万円もするサカキの鉢植え一基ってどんなものなんだろう。この真偽のほどを確認された首相は、「靖国にかかわることが外交問題化している以上、参拝する、しない、供え物を出した、出さないということは申し上げない」と黙して語らず。官房長官も記者会見で聞かれたが、「首相の私人としての思想信条にかかわる問題、事柄なのでコメントは差し控えたい。肩書きを付けたから公人ということではない」と。そもそも一国の総理大臣に「私人」という立場、もしくは、時間帯があるのだろうか。仮に睡眠中であろうと、旅行先であろうと、いつなんどき重大な事態が起きたら「今は私人だから」と無視するわけにいかない。どこでなにをしようとも公人だと思うけどね。それは譲っても、一国の首相たるものが自分がおこなった行為について説明しない、いや、できないのかも知れないが姑息としか言いようがない。大体、アベ首相は昔からの筋金入りの“靖国派”なのだから「供物をして何が悪い」と石原都知事ばりに言えばもっと話題になったかも知れない。

 靖国問題に一番の問題は、同神社が過去の日本の侵略戦争を「自存自衛」「アジア解放の聖戦」と美化し宣伝する使命を持っていることだ。首相は筋金入りの“靖国派”だが、総理大臣になってからは、従軍慰安婦問題で、国会においては、不十分ながらも日本が過去にとった行為を謝罪した「河野談話」や「村山談話」も継承すると言った。その舌の根もかわかないうちに、「従軍慰安婦を強制的に連行したという証拠はない」などとぶちあげ、アジアやアメリカからでさえ批判された。先月の訪米で上下両院幹部に「私の真意が伝わっていない、辛酸をなめられた元慰安婦の方々に同情するとともに申し分けない気持ちでいっぱいだ」とか言い訳するなど一貫性がなく右往左往している。それも無理なかろう。だって安倍内閣の閣僚18人のうちアベさんも含めて12人が“靖国派”運動の元締めである「日本会議」のメンバー。それ以外でも3人は“靖国派”運動の別の団体に入っている。“靖国派”団体に関係がない大臣は公明党出身の大臣と非議員の大臣など三人だけという。公明党は創価学会が母体だから宗派のちがうところには入れないわけだ。

首相を先頭に“靖国派”にとっては、「河野談話」や「村山談話」は、がまんならないシロモノなのだ。なんとしてでもひっくり返せという立場なのだが、「首相」として、うかつなことを言えば外国から反撃されるので2枚舌を巧妙に使い分けようとしたり、靖国参拝や供物についても「黙して語らない」立場をとるなどしている。そんなご都合主義が国内外にいつまでも認められるわけはない。いいかげんにしろと言いたい。

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2007年5月 8日 (火)

安全軽視の社会で起きた事故

 大阪府吹田市のエキスポランドでジェットコースターの車軸が折れて脱線し、死者一人、負傷者19人を出した事故が連日取沙汰されている。ジェットコースターってのは電車やバスなど普通の乗り物ではなく、急坂を上ったり高所から急降下したり、はては急カーブの回転やら、スリルを味わう乗り物だから、台車や車軸にはいっそうの負担がかかるはずだ。だから車軸については目視だけでなく、超音波によって内部の傷まで検査する「探傷検査」なるものを一年に一回以上義務付けられてるのに、エキスポランド社はそれを「知らなかった」ので、今年の定期検査は5月15日と半年近くも遅らせていたおそまつな話もでている。およそ金属が疲労するなんてことは、目視でわかるハズはないだろう。それを「10数年、亀裂などは見つかっていないから大丈夫だろう」としたマンネリが今回の事故につながったのではないかと見られている。同型の機械を使っているところでは、いずれも2,3年とか数年ごとに車軸自体を交換しているという。どこかのテレビ局の放送でナントカという専門家が「人間の作ったものは必ず壊れるもの。どのように検査、管理体制を確立するか大事」という意味のことを語っていたが、「人間が作ったものは必ず壊れる」という見方に「そう言われればそうだろう」ナンテ真剣に受け止めた。

 そういえば、最近…じゃなくて、いつでも大きな事故というのは、起こってから大騒ぎするが、起こる前にきちんとした保守、検査、管理体制をする機能が必要だと思う。つい、先日だったが、東京六本木の「六本木ヒルズ」(森タワー)といういまや名所にもなっている、近代的な超高層ビルのエレベーターから火が出て、調べてみるとエレベーターを支えるワイヤが磨耗していたという。欠陥自動車がリコールされたり、航空機でもほうっておけば大事故になるような検査漏れなども日常茶飯事にあるという。乗り物だけじゃないない。「耐震偽装」マンションで騒いだのもつい最近のこと。これは人間が「偽装」するのだから手に負えない。知っていて儲けのためにやるのだから怖い。終の棲家を大金払って購入し、大地震がきたらパーというシロモノを買わされ、挙句には建替えで2重のローンを払っている人もいる。乗り物、住居ときたら今度は電化製品だ。湯沸かし器やストーブ…ほかにも何かいっぱいあったが忘れた。今日の新聞では「電気追いだき器で発火」なんて記事もある。見たこともないが追いだきのできない風呂に投げ込み、湯を温めるものらしい。「物」まできたら次は薬だ。薬は病気を治すものと思っていたが飲んだら突然部屋から飛び出し転落して死亡するという、あの「タミフル」だ。服用後の異常行動は186人とか。いまだに因果関係はを解明したとは聞かない。輸入・販売元の製薬会社は自民、民主党などの政治家に献金し、厚労省の薬務局幹部がこの会社へ天下りしたり、また、会社は因果関係を調査する研究班の教授らに多額の寄付金をしていたという疑惑というか癒着が裏であるらしいが未解明だ。さて次は保険だ。損保、生保など保険会社の宣伝は物凄いが、その裏で支給すべき保険金が支給されていなかった金額が何百億円ナンテいうバカな話もあった。この人間の世界はまるで狐と狸の化かしあいなのか。騙される方が悪者なのか。そんな思いのする社会ですゾ。ことが起きたりバレたりしたら、必ず言われるのが「2度とこのようなことのないように」といいますが、同じことが何度も出てくる社会だ。107人の命を奪ったJR福知山線脱線事故のあともオーバーラン、ATSの設計ミス、伯備線の死傷事故など安全に対する姿勢がいまだに問われている。命を大切にする政治、社会体制を求められている。

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2007年5月 6日 (日)

「靖国」派が押し付けようという「道徳」とは何か

 5月3日に東京で行われた憲法集会での志位氏の発言の3回目。憲法問題をめぐる矛盾点の3つ目は、憲法を変えて海外で戦争する国つくりにあって、それを支える国民の心まで支配しなければならないという点として志位氏は次のように報告した。

「第三に、『海外で戦争する国』をつくるためには、それを支える国民をつくる必要があります。端的にいえば、国民の心の中まで支配していくことが必要になってくる。安倍内閣が教育基本法を改悪し、その具体化に熱中している動機の一つもここにあります。こうした動きへの警戒警報は、メディアでも発せられています。東京新聞の二日付け社説では、『新教育基本法に盛り込まれた愛国心育成、教育に対する国家の関与強化、道徳の教科化…権力が個人の内面まで踏み込んでもいいとする姿勢が、安倍内閣になってからますます鮮明になってきました』と警鐘をならしています。

それでは『靖国』派が押し付けようとしている『道徳』とは、どのようなものでしょうか。また『日本会議』に登場してもらいますが、『日本会議のめざすもの』では、『日本の感性をはぐくむ教育の創造を』という項で、こういっています。『行き過ぎた権利偏重の教育、わが国の歴史をあしざまに断罪する自虐的な歴史教育、ジェンダーフリー教育の横行は、次代をになう子供達のみずみずしい感性をマヒさせ、国への誇りや責任感を奪っています』 それにつづけて、『国を愛し、公共につくす精神の育成』が必要だと訴えています。ここで『権利偏重』とののしられているのは、国民が人権や権利をまっとうに主張することそのものです。ここで『自虐的』と断罪されているのは、侵略戦争や植民地支配の誤りに真摯(しんし)に向き合って反省することです。さらに『靖国』派は、男女平等を社会のすみずみにつらぬくことを『ジェンダーフリー』と敵視します。『新しい歴史教科書をつくる会』の会長を務めてきた人物は、男女共学まで敵視し、こうのべています。『男の子が萎縮して気力がない子が増えるのは、男女共学が続きすぎるのであって、男女別学にすると男の子は男の子らしくなるし、女の子は女の子の特徴をより強く持つようになるだろうと思います』 改悪前の教育基本法は、第5条『男女共学』にこう明記していました。『男女は、互に敬重し、協力し合わなければならないものであって、教育上男女の共学は、認められなければならない』 教育基本法の改悪のさいに、この条文が全文削除されたのは、けっして偶然ではありません。ここにも『靖国』派の意向がはたらいていることを、私はきびしく糾弾しなければなりません。

人権の尊さを否定し、侵略戦争への反省を否定し、男女平等を否定する――これが『靖国』派が国民に押し付けようとしている『道徳』の中身であります。『海外で戦争する国』をつくるために、国民の心のなかにまで土足で踏み込み、国民の心を『改造』しようとする邪悪なたくらみを、断固として打ち破ろうではありませんか」。志位氏はこうのべて「靖国」派が押し付けようとしている「道徳」を批判したあと、安倍内閣の憲法改悪の暴走は、国民との矛盾、世界との矛盾を広げつつあり、草の根のたたかいが、大きく世論を動かしていることをのべて発言を結んだ。

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2007年5月 5日 (土)

改憲推進の中心に「靖国」派がすわった

昨報に続いて、5・3憲法集会での志位氏の発言の続きです。安倍内閣の改憲策動の3つの注目点というか矛盾点の2番目の問題です。志位氏はつぎのように続けます。「第2に安倍内閣の新しい特徴は、憲法改悪を推進する中心に、過去の侵略戦争を正当化する勢力――『靖国』派がすわったということです。安倍内閣の閣僚名簿を見てください。改憲・右翼団体の総本山となっている『日本会議』の関連団体(日本会議国会議員懇談会、神道政治連盟国会議員懇談会、日本の進路と歴史教育を考える議員の会、みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会)など、『靖国』派の諸団体に参加している閣僚が、安倍首相を筆頭に、18人中15人を占めています。『ナントカ還元水』の大臣も、『女性は子どもを産む機械』発言の大臣も、みんな『靖国』派の同志たちです。『日本会議』とはどんな団体でしょうか。ホームページを見ますと、1997年の『設立大会』で、『美しい日本を再建し誇りある国づくりを目指した新しい国民運動』として発足したとあります。『美しい日本』――どこかで聞いた言葉ですね。2002年の『設立5周年記念大会』では、つぎの4項目の決議をあげています。『一、我々は、国会が速やかに憲法改正の発議に踏み切るよう強く働きかける。一、我々は、わが国の歴史・伝統を基調とする、教育基本法の全面的改正を求める。一、我々は、靖国神社を蔑(ないがし)ろにする国立追悼施設計画を阻止し、首相の靖国神社参拝の定着化を求める。一、我々は、崩壊しつつある家族と地域社会の再生をめざし、道徳心涵養(かんよう)の国民運動に取り組む』――『日本会議』とはこういう団体です」。

  「美しい国」「戦後レジームからの脱却」――戦前的な体制への逆行

 「安倍首相がいう『美しい国』のルーツがはっきり見えてきました。それは、改憲・右翼団体『日本会議』が10年前の『設立大会』で掲げた『美しい国の再建』、ここにありました。しかも『再建』となれば、かつてあった体制の『再建』になるでしょう。こうなると安倍首相が叫ぶ『戦後レジームからの脱却』というスローガンの意味するところもみえてくるではありませんか。それは戦後、日本国憲法が規定した平和的・民主的な体制から『脱却』し、戦前的な体制――侵略戦争、軍国主義の体制への回帰をめざす時代逆行のスローガンではないのか。そのどこが『美しい国』なのか。軍事国家、強権国家――『恐ろしい国』づくりではないのか。その正体がはっきりみえたではありませんか。

安倍首相は、国会の場で、私たちの追及にたいして、『村山談話』『河野談話』を継承するとのべました。しかし地金が出てくるのです。とりわけ、『従軍慰安婦』問題についての『強制連行の証拠はない』との妄言は、世界のきびしい批判を集めました。これはブッシュ米大統領に『お詫び』をいっても解決する話ではありません。『お詫び』というなら元『慰安婦』の方々にこそお詫びするべきではないでしょうか。そしてほんとうに『お詫び』するというなら『強制連行はなかった』という自らの妄言を撤回すべきだと私はいいたい。侵略戦争と軍国主義に反省のない勢力が、憲法を変えて、海外に打って出る。こんな恐ろしいことはありません。同時に、ここに安倍改憲論の新しい深刻な矛盾があります。こんな道は、良識ある日本国民はもとより、世界とアジアの諸国民もけっして認めないと、私は確信するものです」(つづく=明日は「『靖国』派が押し付ける『道徳』とは何か」です)

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2007年5月 4日 (金)

首相の言動ではっきりした改憲の目的

 昨日の憲法記念日は、全国各地で護憲派、改憲派ともさまざまな集会や宣伝行動を展開している。改憲派は憲法を守ろうとする「9条の会」に負けるなとハッパをかけたりしている。よほど「9条の会」の運動が怖いらしい。それはともかく、東京で行われた「5・3憲法集会」には6千人が参加し、集会後銀座をパレードしている。集会では植野妙実子・中央大学教授、浅井基文・広島平和研究所所長、志位和夫日本共産党委員長、福島瑞穂社民党党首が発言を行なっている。そのなかで、志位氏は憲法問題をめぐって3つの注目点を発言した。今日から三回連載でその3点の要約を紹介しよう。

 志位氏は「第一は、なぜいま改憲か、だれのための改憲か、安倍首相自身の言動によってはっきりと見えてきた」として、前首相の小泉さんはごまかしてきたことを紹介し、「安倍首相はどうでしょうか。安倍さんが繰り返し語ってきたのはこういうフレーズです。『海外での紛争で米国と肩を並べて武力行使をすることは、憲法改定なしにはできない』『肩を並べてたたかう』というのは、首相が繰り返している大好きなフレーズです。しかしそれは憲法改定なしにはできない。それはいいかえれば、憲法改定の目的が、まさに『米国と肩を並べて戦争をする国』をつくることにあることを、首相自ら宣言するものではないでしょうか。同時に、安倍首相は、明文改憲以前にも、政府の従来の憲法解釈を変えて、『肩を並べてたたかう』方向に、大きく踏み出そうとしています。『イラクで活動している自衛隊が、いっしょに活動している他国の軍隊にたいする攻撃があったときに応戦することは、いまの憲法のもとでも認められていいのではないか』――安倍首相はこのようにのべました。

首相の意をうけて集団的自衛権を『研究』する『有識者懇談会』なるものがつくられました。政府が『有識者』といった場合は、だいたいがあやしい。『懇談会』のなかには、憲法のまともな『有識者』とよべる人は一人もいません。『結論先にありき』の“御用会議”を道具にして、集団的自衛権の行使に道を開くことを絶対に許してはなりません」と強調。この点でも小泉氏は制約があるとの弁明をしていたことを紹介したあと、「安倍首相は、まず憲法解釈を変え、これらの制約を取り払い、派兵から参戦に大きく踏み出そうとしています。ひらたく言えば、これまでは一発も鉄砲の弾を撃ってはこなかったが、これからは撃てるようにしようということです。さらに憲法そのものを変え、『米国と肩を並べて戦争する国』をつくる。こうして2段階で憲法9条を破壊しようというのが安倍改憲のシナリオですが、こんな危険なシナリオは、国民のだれもが望んでいません」と述べた。そして、「肩を並べて」といえばいかにも日米が対等にあるかのようだが、「このシナリオを書いたのは、アーミーテージ元米国務長官など米国です。そして参戦することが想定されている戦争とは、イラク型の先制攻撃の戦争です。米国の要求に屈従して、無法な戦争に参戦するために、私たちの宝――憲法9条を売り渡す。これは最悪の売国政治といわなければなりません」。志位氏はまず安倍改憲の目的をこのように報告した。(つづく=明日は「改憲推進の中心勢力は靖国派」)

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2007年5月 3日 (木)

クローズアップされる「9条の会」

 今日は日本国憲法が施行60年を迎える日だ。人間で言えば「還暦」だ。人間は年とともに体力、知力が衰えちゃうが、日本国憲法はますます年とともに値打ちが光ってきた。戦争放棄、戦力を持たず交戦権を否認するとした9条が、世界に「戦争のない国」ずくりをよびかけ、先駆的な役割をはたしてきことは確かだ。そしてそのことが国民のなかの意識としてひろがってきつつあることも確かだ。昨日も世論調査の一例を紹介したが、3月の「読売」調査でも、いわゆる「改正派」が3年連続で減り、「改正しないほうがいい」は3年連続で増加している。「共同通信」4月の調査も昨年の同調査よりも改正賛成派が減り、反対派が5ポイント増えた。焦点の9条については、「読売」は「守る」「解釈や運用」あわせて6割近くになり、「共同通信」は「改正する必要があるとは思わない」が44.5%で「改正する必要がある」の26.0%を大きく上回っている。NHK4月調査で「改正が必要」が25%、「必要ない」が44%で一年前より5ポイント増えている。こうした流れは世界からも歓迎されている。そしてタカ派安倍内閣の改憲の企みについて危惧の声も世界から発信されている。

 今日の「朝日」社会面に「9条の会」の活動をクローズアップしている。「9条の会」は作家、井上やすしさん、大江健三郎さん、元首相夫人の三木睦子さんらが3年前に呼びかけて04年6月に結成された。「思想・信条・立場の違いを越え、9条の改悪を許さないという一点で共闘する」組織だ。難しい規則などもたずに、自由に、闊達な運動で9条をまもろうというものだ。わたし的にもその一員だから、こうして少しでもメディアに登場してくれることは嬉しい。「朝日」記事には、その数全国で6020にもなったとして都道府県別の数も紹介している。そして各地の「9条の会」の活動を詳報してくれている。地区別だけでなくさまざまな分野別の9条の会として「無線愛好家9条の会」「宗教家9条の会」をはじめ「とうふ連9条の会」「念仏者9条の会」「ひきこもり9条の会」などの活動も紹介している。こうした草の根の運動が功を奏して「9条を守れ」の世論が高まっていることはまちがいないと確信した。

 しかし、改憲派はかつて人類を未曾有の惨禍に引きずりこんだ日本の侵略戦争と植民地支配を美化し、従軍慰安婦など恥ずべき人道犯罪をなかったものにし、9条改変で軍事力をもってアメリカとともに集団的「自衛」権行使に執念を燃やし、情勢は予断をゆるさない状況だ。かれらは、今月中にも憲法を変える「手続き法案」(国民投票法案)を成立させ2011年秋ごろに国民投票を実施しようと企んでいる。ここ数年の憲法9条をめぐる運動は熾烈をきわめることになるだろう。意を新たにして9条を守る運動に残る生涯をかけて奮闘しなければならないと憲法記念日に当っての思いである。

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2007年5月 2日 (水)

安倍流改憲は少数派という世論調査

明日5月3日は憲法記念日。施行60周年を迎えるにあたって、「任期中の改憲」を訴える安倍政権だけに、テレビや新聞も特集を組むなど賑やかになっている。そんななかで今日の「朝日」新聞は世論調査結果を発表した。最大の焦点である憲法9条については憲法改定に反対の人も賛成の人も含めて9条が日本の平和に役立ってきたという人が78%に達している。当然とはいえ、8割近い人がそう思っていることは勇気付けられる。戦争放棄と武力不保持、交戦権の否認を定めた9条こそ世界の宝であり、それゆえに戦後60年日本が平和であったという認識を多くの国民が持っている反映だろう。この世論調査では、「憲法改正が必要」という人は58%で過半数ではあるが、その理由の圧倒的なのは「新しい権利や制度をもりこむ」ためが84%、「9条に問題がある」というのはわずかに6%しかいない。同時に自衛隊について明記すべきというのも過半数であるが、自民党のいう「自衛軍」に賛成する声は18%にすぎず、「自衛隊を憲法に書く必要がある」という人56%で「必要ない」が31%だが、明記する人も含めて「自衛隊のままでよい」が70%にのぼる結果になっている。その点では自民党の新憲法草案の核心部分をなす「9条を改正して自衛軍をもつ」を支持するのは国民の中ではきわめて少数派であるわけだ。

 さらに、任期中に改憲をめざす安倍流改憲についても賛成40%、反対42%と拮抗している。憲法改正をもとめる人が58%と過半数であっても、「安倍政権下での改憲にたいしては慎重な見方が強まる結果となった」(朝日記事)として、憲法改正が必要と言う人だけで見ても「安倍政権の改憲」に賛成は59%。反対は29%であり、「9条改正を柱に『戦後レジーム(体制)からの脱却』をめざす安倍政権の改憲姿勢と民意との距離感が浮かび上がる」と記事は指摘している。

 ところでいま参院憲法調査特別委で国民投票法案が審議されている。国民投票では最低投票率さえも決めないものになっている。なぜか。理由は「憲法96条に書いていないことを規定するのは憲法上疑義がある」というのだ。ところが、改憲発議をめぐって衆院と参院の態度が異なったときは「両院協議会で」と憲法に規定がないのに法案に盛り込んでいる。この矛盾について「一方は取り込み、一方は導入を拒む。ご都合主義ではないか」(4月19日、仁比聡平議員=共産)の質問に法案提出者の保岡議員はしどろもどろで答えられず。この前の日の18日、「最低投票率を設けない積極的な、説得的な理由があるのか」との問いに、保岡氏は「最低投票率は実質的に考えても憲法改正を難しくする、非常に障害になりうる制度である」と思わず本音をもらした(「赤旗」5月2日)そうである。だから改憲のハードルを低めるために最低投票率も決めない党利党略なのだ。そこまでしてなにが何でも改憲したい核心部分は「9条と自衛軍」改定なのだ。

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2007年5月 1日 (火)

改憲、「格差と貧困」許さぬ決意のメーデー

 5月1日はメーデー。5月のさわやかな風とともに♪♪、と言いたいところだがあいにくの曇天にときおり小雨が降るなかでの催しとなった。もともとメーデーは労働者が8時間労働制を求めて、働く人々が団結し連帯する集会として始まった。人間が人間らしく生活するには8時間は睡眠、8時間は労働、8時間はそれぞれの趣味や教養を生かし人間らしい営みをする時間とするべく労働に費やす時間は8時間が妥当なものして要求し、実現めざしたたかっていくようになったのだ。今年で78回目を迎えた。その長い歴史のなかで労働8時間制をはじめ、生活と権利、平和と民主主義を守るさまざまな成果を闘いとってきたことも確かだ。ところが近年には、ワーキングプア(働く貧困層)や日本発の新語「カローシ(過労死)」って言葉まで生まれるほど、雇用や労働問題で歴史に逆行するような事態が生まれ、財界や政府が、世界に輝く平和憲法を踏みにじる横暴は日本社会を揺るがす大問題になっている。

 そこで、今年のメーデーは、全国的な中心スローガンは「なくそう貧困・格差、守ろう憲法9条」である。こうした願いを思い思いに綴ったプラカードや、デコレーションが林立し、労働組合旗や団体名を書いたのぼりなどが会場の傘の波とともに揺れ動いた。各界のあいさつやプラカード、デコレーションで多いのはやっぱり憲法を守る意志を表した文言だった。そしてサービス残業や偽装請負の糾弾、時給1000円以上の全国一律最賃制確立など労働法制をめぐるもの、介護や国保の負担増反対、消費税増税への抗議、医療制度の確立、医師・看護師不足の解消を訴えたものなどものすごく多彩な願いばかりである。式典やら福引やらデコレーションのコンテストなど楽しい催しのあと、小雨のなか気勢をあげながらのパレードを元気よく歩いた。日ごろのストレス発散にも役立つものだった。

 そんなメーデーの日にわかったことは、自民党が党内で憲法を変えるための日程案を決めていたことだ。今国会で改憲のための手続き法案(国民投票法案)を世論を無視してしゃにむに成立させたあと、国民投票実施までのスケジュールを決めたのだ。改憲手続き法が成立したら今年八月ごろに衆参で「憲法審査会」を設置し、改憲の骨子案をつくる作業に入るという。改憲手続法が成立したら3年後の2010年5月から施行となるので、それまでに改憲条文案を作り、約1年審議したのち、翌2011年夏ごろに衆参両院で3分の2以上の賛成で『憲法改正案』を発議し、その後同年秋ごろに国民投票を実施するというスケジュールである。「任期中の憲法改定」を公言してはばからないタカ派、アベ内閣のもと、従軍慰安婦問題で歴史の真実を歪め、侵略と植民地支配を美化する勢力に、改憲を許すことになれば、ふたたび日本が海外で戦争する国へと、「美しい国」どころか「おそろしい国」へ突き進むことになるだろう。そうさせないためにもいよいよ7月の参院選で改憲勢力へきびしい審判を下すことが重要になってくる。そんなことをメーデーで行進しながら思った5月1日であった。

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