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2008年3月24日 (月)

偽装請負追及、小さい政党のデッカイ仕事

今日のように貧困と格差の広がりの大きな要因になった一つに相次ぐ労働法の改悪がある。とりわけ1986年に導入された労働者派遣法である。この法が99年に派遣労働を原則自由化する製造現場へも派遣労働が「解禁」されたことが大企業のモノづくりの現場で、徹底した低賃金と労働者の社会保障などの規制、例えば健康保険や年金制度に加入できないなどの劣悪な労働条件を生み、非正規社員と正社員の格差の広がる源となった。だからと言って正社員は条件が良くなったかと言えばそうではなく、非正規社員の条件を天秤にかけて正社員の条件も悪化させる役割を果たした。大企業は正社員をどんどん減らし派遣社員を増やすことで、安上がりの賃金で労働コストを下げ利潤を飛躍的に上げてきた。派遣社員は文字通り「使い捨て」のごとくに働かせ、その多くは年収200万以下に押さえられた。86年の法の導入のときも、99年の法の改悪のときも一貫して反対した政党は共産党しかなかった。他の政党はみなこの悪法に賛成した。だから、法が施行された後もこの問題で闘うのは共産党しかない。当ブログ2月9日付けでも紹介したが、その共産党の志位和夫委員長が、「人間使い捨てでは未来ない、派遣法改正し労働者保護法にせよ」という2月8日の衆院予算委員会で質問は圧巻であった。物凄い反響を呼びインターネットのビデオで、分かっているだけで12万人のアクセスがあったという。昨日、志位氏は遊説先の

和歌山市

で記者会見し、「全国の労働者のたたかい、わが党の国会論戦などを通じて、規制緩和から規制強化への潮目の変化がはっきりと現れている」と語った。志位氏が2月8日の予算委論戦で取り上げた「キャノン」では、質問後会社は大慌てで、「幹部は志位質問をネットで見るように」との会社の指示もあったという。そして、その後キャノンは子会社を含めて製造現場で12000人におよぶ労働者派遣契約を年内に解消し、6000人を期間工として直接雇用し、その中から正社員への登用をすすめ今年中に1000人増やすことになった。いすゞ自動車は派遣・請負労働をなくすことを表明し、800人いる期間社員から正社員に登用する制度を導入、800人の派遣社員も直接雇用に切り替えること、コマツも来年三月末までに派遣社員750人を期間社員にする方針を打ち出したこと、などなどを紹介した。志位氏は期間工や請負は2年とか3年とかの一定期間の雇用であることに変わりはない不安定雇用ではあるが、「製造大手が相次いで派遣労働を解消する方向にかじをきらざるを得なくなったことは重要な転換だ」と「潮目の変化」を強調した。共産党は国会ではわずか衆参16議席と小さい党である。その小さい党の論戦と労働者の運動があいまって大企業を動かしたのだからデッカイ仕事だと言える。しかも、日本経団連会長の企業である「世界のキャノン」を法に違反するとして大慌てさせたのだから、与党はもちろん、民主党など大企業から献金をもらう政党は絶対に取り上げない問題だからしびれる痛快な質問だ。遊説で志位氏は予算委質問の余話として、いつもは志位質問には他党からのヤジが物凄いのだが、2・8質問は、部屋もシーンとして民主や自民党からも拍手が起こったという。なかには「御手洗(キャノン会長)を国会へ呼べ」というヤジも出るほどだったという。かつて労働法制の改悪に賛成した政党のなかからもそういう態度を示さなければならないほど、今日の日本の貧困と格差が異様に進んでいるということだ。志位氏は2・8質問で御手洗経団連会長の国会招致を要求しているが、他党の賛同も得てぜひ実現し、キャノンの8回にも及ぶ「偽装請負」の違法行為を暴いてほしいものである。

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