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2008年4月 9日 (水)

改憲派の「読売」調査でも護憲の世論が上回る

 憲法改定をめぐってメディアの果たす世論誘導は重大である。新聞界でも各紙の社説などを通して○○新聞は改定派、○○新聞は擁護派なんて概ねの区別をしてそのメガネで見たくなる。そういうメガネでは読売新聞はかつて社説でも憲法改定を公言していたと記憶している。ふだんの報道姿勢でもそう感じていた。その読売新聞が27年も前の1981年から「憲法」世論調査をやっていたそうである。しかも面接方式でやってるというから電話調査とちがって力が入っている。昨日の読売新聞が最新の憲法世論調査を発表した。いささか驚いた。それは、「今の憲法を改正しない方がよい」と思う人は43,1%で昨年調査より4.0%増である。「改正する方がよい」とする人は42.5%で同じく昨年比マイナス3.7%となったのである。なぜ驚いたのかといえば、読売新聞が1981年に憲法世論調査を始めてから、「憲法9条」については改定反対が一貫して多数派だった。しかし、憲法そのものというか全体については1993年から改定賛成が反対を上回り、2004年には賛成が65.0%と最高を記録した。その後は4年連続で改定反対が増加し昨年は「賛成」が過半数を切った。そして改定反対の理由(複数回答)が「世界に誇る平和憲法だから」というのが52.5%でトップ。ついで「基本的人権、民主主義が保障されているから」が26.6%と、核心をなす回答が多い。こうして今回はわずかではあるが1993年以来13年ぶりに、改憲派と護憲派が逆転したっていうわけだ。「9条」に限ってみれば、「これまで通り、解釈や運用で対応する」という人と、「9条を厳格に守り、解釈や運用では対応しない」を合わせて60.1%になり、「9条を改正する」は30.7%と引き続き減りつつある。今、全国に6800を越える「9条の会」というのが草の根の力で結成され、憲法を暮らしに生かそう、平和憲法を守ろうとがんばっているが、これが結成されたのが2003年である。この会の活動もあって護憲の世論が増えているのである。国会議員の数は圧倒的に改憲派であるし、すでに、国民投票法も2年後から施行されることが決まっているもとで、草の根の「9条の会」の運動ではたして憲法を守れるかという思いもあったが、最後は国会だけでなく国民投票で決まるのだから、この世論の前進は力強いものだ。そこで、昨日の読売新聞はさすがに『改憲派』新聞らしく、社説では「改正論を冷やす政治の混迷」というテーマで愚痴りつつ改憲へハッパをかけている。曰く「国民投票法は成立したが憲法審査会がいまだ始動していない」「憲法改正へ積極的だった安倍前首相が参院選惨敗のあと突然辞任した。後継の福田首相は憲法改正問題には殆ど触れなくなった」「今回、自民党支持層のうち改正派は47%と、98年以降では初めて5割を切った。ねじれ国会の下、憲法改正問題の進展は困難、という判断と、憲法改正への首相のメッセージの乏しさが影響している」などと嘆き、扱き下ろしている。ほかにも民主党の支持層の改正派も67%から41%に減ったと「憲法改正に正面から取り組まない民主党の姿勢」と八つ当たりしている。さらに防衛省の前防衛次官の汚職事件や海自の燃料のイラク作戦転用問題が重なり憲法論議が深まらなかった「政治の混迷」を嘆いている。最後は「これから憲法論議を活発化させるべきだ」とハッパだ。「読売」といえば日本で最大読者を持つ新聞だ。国の未来を左右する憲法問題で報道機関である日本のトップ新聞社がこのような社説を掲げること事態が異常な日本である。かつて昨年11月の福田首相と小沢民主党代表の密室の「大連立構想」の立役者が読売新聞の会長・主筆のナベツネ様である。大連立で一気に憲法改定へと行きたかったのだろうがひとまず破たんしたので「社説」でキャンペーンが始まった。どの新聞を購読するかは個人の自由であるが、国の未来図まで影響されない国民でありたいよね。

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