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2008年5月 9日 (金)

コワイなあ、軍事政権下のサイクロン被害

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ミャンマーを襲ったサイクロンによる被害はどうやらすごいことになりそうだ。死者数が10万を超えるという報道さえ出てきた。家を失った人は100万人、デルタ地帯であるイラワジ川河口には今も無数の死体が放置されたり、重傷者も多数であり、全住民が死亡した島もあるという。死亡者の多数は高波・洪水に飲み込まれたものだ。生存者も清潔な水がなく、食料もない。非難するところさえなくコレラなど伝染病の発生も心配されるという。もともと貧弱なインフラだったのが壊されたのだから、想像するだけでも恐らく地獄絵図なのだろうと思う。海外からの救援物資や救援隊の派遣が始まっているが、何しろこの国は軍事独裁政権なのである。救援隊が行こうとしてビザがでないから入国できない。こんな大災害なのになんとも民のことを考えない独裁政権なのだろうか。だいたい戦前の日本もそうであったように軍事政権というのは天気予報も機密事項なのだ。だから現地からのテレビ映像で被災者が「事前になんの予報もなかった」と述べている場面があった。旧名ビルマと言うこの国は1962年にネ・ウィンという将軍が軍事クーデターで政権を握る。それが1988年まで続くが民衆の民主化要求運動によりネ・ウィン体制は崩壊。この事態に危機感を抱いた国軍がクーデターで軍政を敷いた。軍事政権は88年に憲法を停止、議会も廃止、89年に国名をミャンマー連邦と改めた。90年5月の総選挙で民主化運動のシンボルであったアウンサン・スーチー女史を指導者とする国民民主連盟が圧勝する。ところが軍は選挙結果を無視し政権に居座り続けているのである。アウンサン・スーチー女史はたびたび軍事政権により自宅軟禁下におかれる。2007年、アメリカとイギリスは軍事政権に対し、アウンサン・スーチーをはじめとする全ての政治犯の即時釈放を求める非難決議を出し、国連安保理で採決したが中国とロシアが拒否権を発動し否決された。その年の9月、燃料の値上げを背景とした仏教僧による大規模な反政府デモが起こり、数日にして数万人に膨れ上がった。これに対し軍事政権は武力で弾圧した。これを取材に入った日本人カメラマン長井健司氏が発砲の犠牲となったことは記憶に新しい。そういう軍事政権なのだから今回のサイクロン被害でも一刻を争う救援救急が必要なのに外国人の入国は認めないというお粗末な対応をしている。外国の人に入国されて国の実態を見られたくない。「政権の危機になる」などと思っているとしたら情けない話だ。だが日本をはじめ多くの国が救援物資や救援隊の派遣の準備をしているのは、人道的立場からも当然だろう。サイクロンというのは日本でいう台風に当る。北インド洋に存在する熱帯低気圧で最大風速が毎秒17メートル以上になったものを言うらしい。ついでながら太平洋を東西にわけ180度経線より西の北西太平洋、南シナ海に存在するものは台風と呼ぶ。北大西洋、カリブ海、メキシコ湾、180度経線より東側の北東太平洋に属する熱帯低気圧で最大風速が33メートル以上になったものをハリケーンというそうだ。サイクロンでは1991年にバングラデシュ(ミャンマーの西側)で起きたものが死者14万人ということで一番死者数が多い。ここもやはり海岸線のデルタ地帯ですごい被害を出した。昨今、地球温暖化の影響かどうか知らないけど、日本にやってくる台風でも強力なものや、突然コースが変更する台風とか、暴風圏が小さいのに一部地域に集中被害を起こす台風とか、何か変であり、不気味である。今年も早くも2号が発生している。ミャンマーは「遠い国」と言ってられないような気がする。

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