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2008年5月23日 (金)

NHK番組にケチつける自民党こそ政治介入だ

NHKテレビが5月11日に放映した「NHKスペシャル 緊急報告社会保障が危ない」について、20日の国会、参議院総務委員会で自民党の磯崎陽輔議員(大分選挙区)が、「偏った放送である」といちゃもんをつけたそうである。この番組は、病気・失業・高齢など生活上の困難に直面したときに、この人たちを守るはずの社会保障のセーフティネットがどう機能しているかを丹念に取材し放送した番組だ。健康保険証がないために医者にかかれず死亡した人がここ2年間で少なくとも475人いる。そのなかのいくつかを追い、まじめに働いて国保料も収めてきた人が、不景気とともに仕事がなくなり保険料が未納になり、受診ができなくなって死亡した例など事実を見つめた報道である。また、労働法制の規制緩和と共にバブル崩壊以降、非正規労働者が大量に増え、失業者、低所得者と共に国保に次々と流れ込んでくる実態、そのなかに、保険料が払えなくなり医療が受けられない人がどんどん増えてきている。生活保護に助けを求めてもそこには厚い壁があるのは、

北九州市

で何度も餓死者が生まれたことだけでも明らかなのだ。番組では構造改革の行き過ぎを指摘する意見に対して財界の代表も同意したほどなのだ。そういう番組について、磯崎参院議員が「保険料の減免制度もあれば、医療扶助もある。制度上では医療を受けられないことはない。保険証の取り上げと死亡の因果関係を検証したのか。きわめていいかげん」と批判したという。元官僚らしい世間知らずだなと思った。それならNHK追及より先に自分で検証したのか聞きたいものだ。磯崎氏の見識を見ようと氏のホームページを見た。氏は5月18日の「NEW」版で「後期高齢者医療制度はやっぱりおかしい」と保険料は、どの市町村でも、特に低所得者に配慮し、増減が分かりやすく説明できる制度とする。そして、保険料の増減について徴収前にすべてのお年寄りに対し、分かりやすい説明をする。健康診断等市町村が単独で行っていたオプション事業については、継続できるようにする。 さらに、自分で今まで保険料を支払っていなかった被扶養者である高齢者に対する減免等の経過措置の拡充、保険料の年金からの天引きの任意化なども併せて検討すべきでしょう」とか、「厚労省の役人は総論ばかり説明してごまかす」「財政再建ばかりに目を向けるのでは恐ろしい」とさえ噛み付いている。自民党議員ではめずらしくご立派にそこまでいうのなら、もっと突っ込んで増大する国保証を取り上げで病院にも行けず、症状が重くなったり、死亡する事件が全国であいついでいること、それが国民健康保険料が高すぎて払えず、保険証をとりあげられた世帯が35万世帯にもなっていること、国保加入者の平均所得は、二十年前の179万2千円から165万円に減り、反対に一人当たりの国保料・国保税は3万9千円から7万9千円へと2倍に増えたのだから、払えなくなる人がいるのもあたりまえであることなど自らの力で調査したのか伺いたい。さらに問題は、NHK番組に出てきた病院が「民医連に加盟し、日本共産党と深い関係にある。偏った取材である」と噛み付いた。民医連は700を超す病院・診療所を含め、1700箇所の医療関連事業所をもち6万人越す職員がいるれっきとした医療団体である。何をもって「日本共産党と深い関係」というのだろう。自民党は病院など医療関係から献金をもらい、選挙ともなれば組織の上部から支持を強要することはよく知っているが、共産党はビタ一文の献金も受けていないし、どんな職場であれ政党支持の自由は保障する立場だ。なにか取材先に問題があるとでもいいたいようであるが、その前に、現在のような医師不足や産科医不足などで医療が崩壊の危機にある事態はどこからきたのか。その政治の責任と役割を磯崎議員は論じたらどうかと思う。旧自治省から総務省畑に君臨した官僚ならよくわかっているはずだ。NHK番組を「偏向報道」だというのなら、それこそ自民党による放送への「政治介入」でしかないだろう。自分らが気に入らない番組は「偏向だ」というのは自民党のいつもの手口なのだ。

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