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2008年7月22日 (火)

審議もせず「エイヤ!」で社会保障斬りした無能ぶり

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 2001年4月から2006年9月まで内閣総理大臣として君臨した小泉純一郎氏は、自民党総裁選挙の際に「自民党をぶっこわす」といかにも反自民かのようなパフォーマンスで無党派層などを取り込み総裁の座を占め首相となり、その在任期間の長さもさることながら、「構造改革」と称して実行した悪政の数々も歴史的だ。いま究極の不評を食らっている後期高齢者医療制度をはじめ、働くルールを根底から破壊し、貧困と格差を拡大する元となった派遣労働の自由化、郵政民営化そして「骨太の方針」として、社会保障費の自然増分を毎年2200億円削減するなど庶民には血も涙もない施策を相次ぎ通した21世紀初頭の政界の極悪魔である。当人はいま「私は過去の人」と標榜しながらも、妖怪のようにそこここで意味ありげな動きもしている。それはさておき、彼が実行した悪政の矛盾はその後の安倍・福田内閣らが苦慮しつつも忠実に実行している。今日は社会保障費2200億円削減に対して、当の自民党の支持基盤の中心部からも反旗が翻り撤回を求める動きが急になっていることを紹介しておこう。そもそも毎年の社会保障費は高齢化が進むから自然増が当然必要であるが、これを毎年2200億円づつ削減するという逆立ち予算を決めた。06年の「骨太の方針」で2011年まで5年にわたって毎年社会保障費を2200億円削減することを取りまとめたのは、小泉内閣当時の与謝野馨経済財政相(当時)だった。氏は最近の書籍で「率直に申し上げて、2200億円というのは紙の上で『エイヤ!』と切ったもので、実証的に検証した数字ではない」と書いている。大臣のふざけぶりがよくわかるだろう。2200億円を毎年5年間も削減すれば、国民生活がどうなるかなどを何一つ検討することなく紙の上で「エイヤ!」と切ってしまった。これが小泉内閣の正体だったのである。75歳以上を後期高齢者と決め付け、差別的な医療制度で現代版姥捨て山行きにしたり、療養病床を3分の1に減らしたり、医師不足で公立病院を切り捨てたり、近い将来には医療や介護の崩壊まで予想される事態を作り出している。だからいま、従来は自民党の支持基盤と言われたところで、「2200億円削減に反対です」との反撃が始まっている。7月15日付けの「朝日」「日経」新聞に全面意見広告として日本医師会が「私たちは社会保障の年2200億円の削減に反対します」を掲載した。また日本医師会など40団体でつくる「国民医療推進協議会」は24日に東京都内で総決起大会を開く。看護師さんらの元締めの組織である「日本看護協会」も「2200億円削減に異議!」との見解を公表。多くの病院が加盟する日本病院団体協議会は、抑制が継続されると「今以上に危機的な状況に陥る」との削減反対の声明を発表した。自民党の国会議員を「組織内」として抱える医師会や看護協会でさえ強い懸念を表明しているほど大問題なのに、紙の上で「エイヤ!」といとも簡単に5年間で一兆円以上もの社会保障費を削減することを決める大臣。そして悪気もなく雑誌で自慢する神経。これが自民党の大臣の真相なのだ。こんな人にいつまでも政治の舵取りを任していると、それこそ日本丸は航行不能となるだろう。皆さん、とくと考えて次の総選挙に備えましょう。

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