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2008年8月11日 (月)

介護・福祉現場の深刻な人手不足の解決を

 ますます進む高齢化社会なのに、今の日本はその高齢者を支える介護・福祉現場で深刻な人出不足になっている。「少しでもお年寄りのために役立ちたい」と資格をとって介護・福祉の職場の門をたたく若い人もいるのだが、過酷な労働の割に賃金がきわめて安いという厳しい環境が原因である。勤め始めて1年未満の職員の40%が離職する。3年未満の職員では75%が辞めてしまうといわれている。せっかく資格をとっても現場で働く人は6割、専門学校や短大で定員割れが相次いでいる。何よりも給与が低い。男性の介護労働者では平均21万4千円で全産業平均の33万7千円にたいし6割ちょっとだ。それに労働の内容が厳しい。介護・看護だから昼夜を問わず夜勤も当然ある。寝たきりの患者が相手の場合、何かと体力的な負担もある。重労働による腰痛なども離職の理由になる。やりがいを感じる労働者は多いのだが、やりがいだけでは維持できないのはあたりまえだ。過酷な労働にも関わらず賃金が安いのは、自公ら政府が3年に一度行なう介護報酬の見直しで、03年、06年と二回連続で引き下げをしてきたからである。だから、6割を超える事業所では「今の介護報酬では経営が厳しく、人材確保に十分な資金が払えない」と泣いているわけだ。また、05年に介護保険法が改悪されて、軽度の人を対象に、介護予防を重視するとして、「要介護1」の多くが、「要支援」に移された。この「要支援」の人たちをヘルパーが訪問する際には、一ヶ月の報酬は定額制になったため、訪問回数や時間が制約される。報酬が引き下げになったため事業所は施設経営のために、報酬の高いより重度の人たちを受け入れる必要に迫られ、言ってみれば介護度が上がることを「喜び」とするような矛盾した制度になっているわけだ。自公流(別名、小泉流)「構造改革」では、利用者の負担増とサービスの利用制限とセットで報酬削減が強行された結果である。この05年の法改悪には民主党も自公とともに賛成した。こうした人手不足を解消しようとしたのかどうか、先日、インドネシアから介護士・看護師ら205人が第一陣として日本にやってきた。東京、神奈川、大阪などの施設で半年間、日本語や生活慣習の研修を受けたあと、来年1-2月から34都府県の老人ホームや病院など98施設で、日本人職員と同水準の給与で働くという。だが、言葉や宗教、文化の違いを超えて定着がはかれるかどうかという疑問や、国内の介護職らの労働条件をさらに低下させるのではないかと懸念する声もある。国は日本人と同じ水準の給与とすることを指示しているので、日本語を学ぶための研修などの費用が別枠でかさむので、施設側では却って費用が高くつくなどという意見もすでにテレビニュースなどで報道されていた。別段、外国人だから反対というわけではないが、それより先に政府がやるべきは、あきらかに他産業と比べ賃金が安い介護・福祉分野なのだから、介護保険制度そのものと労働者の処遇を改善するべきだ。「無駄ゼロ」と誰かさんが言っているのだから、海峡横断道路など無駄な大型公共事業はやめて、軍事費も減らして、日本の高齢者を守るために予算をまわすべきだって言いたい。

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