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2008年10月 2日 (木)

自民、民主の非難合戦の国会議論は無駄だ。

数あるメディアのほとんどは、次の総選挙が「政権交代なるか、どうか」にしぼった報道合戦を展開している。あたかもそれによって日本の政治が根本的に変わるかのごとく手放しで持上げることにいささかの抵抗を感じる。仮に民主党が自公政権よりも多数の議席を獲得すれば、与野党逆転で政治が大いに変わるかのような報道だ。だがしかし、政治の中身が変わるほど、自公と民主に政策上の違いがあるかというと全くの疑問符が付く。だって、消費税増税一点にしぼっても、麻生首相は2015年まで毎年1%づつ消費税を増税して10%にすると言う。民主党も小沢代表の質問で、後期高齢者医療制度の廃止や、一人当たり月2万6千円の子ども手当支給とか、農業の戸別所得補償制度の創設などを公約した。これ自体は結構なことであるが、その財源をどうするかとなると眉唾である。「官僚の天下りと税金の無駄使いをなくすことと、最後は2012年から消費税増税含めて3年で20兆円を作ることができる」と胸をはった。これでは結局消費税というもので国民に負担増を押し付け、麻生ピジョンとほとんど変わらない。財源論では自公と民主はほぼ同じなのである。なぜ、根幹にあるアメリカ言いなりの押し付けに一言も言及できないのか全く腑に落ちない。どのように結構なバラ色の将来像を訴えられても、それを実現する財源をどうするかが大問題なのだ。自公と同じく民主党も消費税増税をいうことでは同じである。さらに、アメリカ軍への思いやり予算2500億円を削るとか、米軍のグアム島への移転費用でこれから将来3兆円も負担する。こうしたアメリカいいなりについても一言も言及できない。また、大儲けしているトヨタ自動車や松下、キャノンなどと言った経団連幹部の企業が法人税減税などの特典を受けている問題にも民主党は一言も言及しない。これでは選挙で民主党が前進しても期待は薄い。こうしたアメリカ言いなり、大企業奉仕のための減税などを言えないようでは「絵に描いた餅」にすぎない。アメリカと大企業奉仕、この二つを「聖域」にしたままでどう言われても、国民にはバカバカしい話としか受け取れない。要するにこの聖域に手を付けない民主党ではダメだ。民主党は大企業批判には全く弱い。それは企業団体献金をもらいたいからである。また、アメリカにも弱い。インド洋での給油には反対しているが、アフガニスタンへの自衛隊派遣では自民党以上に強硬派である。今回の麻生VS小沢の討論を聞いても、たんなる非難合戦をしているに過ぎない。とりわけ麻生氏は野党の民主党に質問するというのはけしからん話で、権力を握っていない野党が答えられるはずがないのだ。本来、「所信表明演説」とは、国のあり方を国民に説明するものである。汚染米のこと、年金改ざん、後期高齢者医療制度、アメリカ発の金融危機問題はどうするか、国民の目線での議論が必要なのだ…。こうしたことを首相が提起しなければ議論のしようもない。それが野党への質問に大半を使うようでは、総選挙を前にして早くも与野党逆転したのかと見間違うほど情けない話である。こうした本質問題も取材してメディアは政権の担い手が変わるだけで政治は変わらないこともある旨を正しく報道してほしいものである。

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