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2008年10月 8日 (水)

「自民か民主か」の「対立」軸しか見えないメディア

福田前首相が政権を放り出した理由の一つに、落ち込む自民党を総裁選によって支持率を上げて解散に持ち込む算段であった。そして誰がデッチあげたか臨時国会冒頭解散、10月26日投票説がまことしやかに流れた。ところが麻生内閣支持率は予想したように上がらず、自民党が9月22日から27日の間に、次期衆院選の情勢調査をしたら、ショックな結果が出た。調査は全国300の小選挙区の1選挙区で約1000人、合計30万人から次期衆院選の投票行動を聞き取った。結果は自民党・公明党が優勢な小選挙区は合計150弱だった。比例代表での自民党の議席獲得は60前後。公明党が比例で現状維持の23議席を獲得しても与党議席は最大でも230台にすぎない。これでは衆院全議席480の過半数には至らない。しかも、「優勢な小選挙区」でも相手候補との差が5ポイント以内が60超えるという。というわけで「今選挙をやったら国民に総スカンだ」と青ざめたようだ。そこで麻生首相は「解散より景気対策だ」「必要なら追加的な第2の対策も考えなければ」と大規模なバラマキ対策などを示唆するとともに、解散先送り論が出始めた。かようにして、またもや国民の審判を経ない3人目の首相となりつつある。安倍、福田内閣といずれも国民の審判なしで2年以上経った。これではなんのための福田辞任だったのかが問われる。けれども総選挙を先延ばしすればそのうち自民党・公明党への支持が上がってくるのか?といえばそんな空気はさらさらない。政策・争点を明確にして国民の審判を受けるようにせよというのが国民の願いである。ダラダラと党利党略で先延ばしをすればするほど自公への人気はさらに落ちてくると言っておこう。いずれにせよ総選挙は多少のズレがあっても近々に実施しなければならない。すでに現職の任期満了まで11ヶ月を切ろうとしているからだ。だからメディアの選挙談義も姦しくなってきたが、共通しているのは「自民(公)か、民主か」である。まるで第3の選択肢はないかのようなキチガイじみた宣伝である。民主党は「政権交代」とか「政権奪取」ばかり言っている。先日も民主党の宣伝カーを見かけたがボディーに「政権交代準備完了」なんて書いてある。だが、仮に民主党が政権を握るだけの議席を取っても、内閣の顔ぶれは確かに変わるが、やろうとしていることはさっぱり見えてこない。いかにも自公と対決しているかのように論戦だけはたくましい。しかし財源論を聞けば実現乏しいことばかりだ。現在の日本が直面している危機的な状況の背後には、あまりにも行過ぎた大企業中心の政治があり、アメリカの言いなりになって巨額の金まで負担している政治がある。勇ましい民主党ではあるが、このアメリカ言いなり、大企業奉仕の姿勢は自公と同じなのだ。「官僚支配の打破」はいうが、貧困と格差が広がる最大の理由は、大企業などが派遣労働や日雇い、パートなどに置き換えて正社員を減らすような働くルールの改善は言わない。日米軍事同盟(安保条約)には何も言わず、国連の決議さえあればアフガン戦争支援のために自衛隊を送る点では自民党以上である。二千数百億円のアメリカへの思いやり予算にも一言も言わない。大企業は法人税を大幅に減税したままなのにこれにも触れない。それで民主党が政権を取ればどうやって財源をつくるというのか。将来は消費税増税しかないというのが民主党である。自公と同じである。肝心要の問題で顔ぶれは変わっても政治の中身が変わらないのでは選択肢がない。ところがほとんどのメディアは「自民か民主か」という脳のない宣伝である。最近の朝日新聞はいつから「民主党機関紙」になったのかと思うほど、小沢代表や民主党持ち上げ新聞になりさがった感がするのだ。2日付け社説で小沢氏の代表質問を取り上げ「対立軸が浮かんできた」などと褒め称える不見識さである。たいした「対立」もないのにいかにもあるかのようにいう「朝日」には呆れた今日この頃である。

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