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2008年11月29日 (土)

EUは消費税減税、日本は大企業減税、庶民は増税

 党首討論を逃げまくって密室会談いや怪談がお好きな民主党小沢代表がめずらしくそれをOKした。ほとんど期待はしていないから中継も見なかった。案の定、新聞報道などを総合すると、「なぜ第二次補正予算をださないのか」(小沢氏)「1月の通常国会に出す。そのまえに、金融機能強化法案を通してくれ」(麻生氏)、「それならば解散・総選挙で信を問うべき」(O)「いや政局より政策だ」(A)、「筋道が通らない、国民にたいする背信行為だ」(O)「第一次補正予算で対策はできている」(A)と言った具合で、終始駆け引き漫才?いや漫才にもならん。首相の失言・放言癖が出ないかとヒヤヒヤの首相陣営は、特命チームが問答集を作成して切り返す用意までしたという。とにかく「民主党を挑発するのはやめてほしい」と釘をさされていたらしい。だから失言はなかったようだが、それが災いしたのか攻めの討論が出ず、「防戦精いっぱい」(毎日新聞)という結果だったようだ。二大政党の党首討論で何の前進もなく終始するのは討論前から推測できたこと。大企業の雇用破壊が未曾有(「みぞう」と読む)の規模で進められ、来春の新卒内定者の取り消しもかつてない規模である。若者も中高年も寒風だけでなく見も心もすさぶような事態に見舞われている。中小企業も銀行の貸し渋り、貸しはがしで年末の資金繰りもままならず、大企業だけが体力があるのに首切りのオンパレード。こういう世間の状況などに心寄せる討論は何一つなかったわけだ。こんな二大政党の党首討論では意味がない。党首討論というならすべての野党の党首とも討論させるべきだ。雇用破壊と真っ向からたたかっている共産党の志位委員長と討論する場面は想像しただけでも胸躍る。だのに党首討論の有資格者は衆院で10議席以上の政党という不当な「慣例」で入れないからである。そんな折、政府税制調査会という首相の諮問機関が、09年度の税制「改正」の答申がでた。こんなに景気が悪化しているときだけに、家計を温める税制こそ必要なのに、税調の「改正」答申は、麻生首相が3年後に消費税の引き上げをお願いしたい」と公言。「それ(消費税10%)くらいのものがいるのではないか」と語ったのを受けてか、今年の答申では消費税増税を含む将来の税制の抜本改革を、政府が12月中にまとめる中期プログラムのなかで増税の「実施時期をあきらかに」せよと迫るものとなった。そして昨年の税調で答申した社会保障費を「消費税率を引き上げておくことによって賄うとの姿勢を明らかにすること」と明記した。また、法人実効税率の引き下げについては「必要である」としていた。今回の答申ではこの昨年の答申の立場を「ゆるぎなく堅持すべき」と強調。ひらたく言えば消費税を社会保障費を賄うといういつもの口実で引き上げ、12月中に時期を決めろ、そして大企業の法人税は下げろということなのだ。これまでも消費税は社会保障を名目にされてきたが実際は消費税収の7,8割が法人税の減税に回ったのだ。それと同じことをまた答申したにすぎない。ほんとうに家計を温めるためなら、引き上げよりも引き下げが必要だ。現にEU(欧州連合)は、このほど「欧州経済回復計画」として、個人消費を後押しするために、消費税の税率を引き下げ、働く人の所得税も引き下げることを加盟国に提案した。金融危機への対応でEUは国民を守るための減税、日本は大企業を守る減税はしても国民にはあくなき増税、なんという対応のちがいだろうか。お陰で大企業は減益だ、減益だと宣伝しながら大株主への配当は大盤振る舞いしながら労働者に首切り、路頭に放り出す。あぁぁぁぁ~なんとまあ悲しいなあ。

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2008年11月28日 (金)

「よぼよぼしてタラタラ飲みやたらに医者通い」発言にカツだ!

 今度は麻生首相にわたしも叱られた。わたし的にも同じ年代だから「67歳、68歳になって同窓会に行くと、よぼよぼしている、医者にやたらにかかっている者がいる。…たらたら飲んで、飲んで、食べて、何もしない人の分の金をなんで私が払うんだ」と激怒された。知らなかったなあ、わたし的にも予防のために二ヵ月に一回病院で定期的な診療をおこなっているけれど、その医療費が麻生さんから頂いていたなんて…それでなくても、市の国保課かなにか忘れたが二ヵ月単位で「あなたの医療費をこれだけ支払いました」と定期的にお知らせがくる。高い国保料を滞りなく払っているのに“イヤミ”だなあとか思いながら見ていたのに。あッそう、麻生さんがはらってくれていたなんて知らなかった。二ヵ月に一度の病院通いでも「やたらに」というのだろうか聞いて見たい。それに麻生さんの言うように「毎朝歩いたり」もしている。なんとかメタボにならないようにと努力しているつもりだし、「たらたら飲む」のも焼酎のお湯割り2杯程度とごく質素な食事である。麻生さんのように毎晩高級飲食店で高級な酒と食べ物でないのは天と地のような大違いであるが、それでも、いかにも「お前らみたいなのがいるから医療費がかかるんだ」とお叱りを受けた気分だ。でもね、このブログの題名にあるように「同窓通信はしらまつ編集長」として、田舎の中学の同窓生の「通信」を年に1度か2度出しているから、67歳、68歳の方たちの情報が寄せられる。この年代でも全国の山登りや日本縦断の旅に出ている方、毎朝夫婦で1時間も散歩している方、元気に太平洋に向って竿をだしている方、スナックを営業している方、一方では、夫婦で自営業を営んでいたがご主人が病に倒れやむなく廃業して老老介護に入った女性、病と闘っている方などさまざまである。誰しもなりたくてなった病気やあるいは「よぼよぼ」ではないのだが、その原因は麻生流で言えば「健康は自己責任」ということになる。要するに「自分で健康を保たないと、病院にかかるべきでない」という考え方なのだ。イコール、公的な医療保険制度を否定したものであり、国民皆保険制はなくそうという考えが根底にあるとしかいいようがない。それを麻生流に「タラタラ飲んで」などと「ムキ出し」に表現しただけのこと。だからいつもの放言、失言で批判されても謝罪するときは「なら」「れば」が多い。いわく「病の床にある方の気分を害したならおわびする」とか、「迷惑をかけたというのであれば」式である。本気の謝罪ではない。「なら」どころか、「明らかに気分を害したので心からお詫びする」ぐらい言えないのか。謝罪のしかたも知らない恥ずかしい首相である。いうまでもなく医療費は麻生さんが払うものはなく、国民が保険料をかけてみんな助け合うかけがえのない制度なのだ。それを否定するとは恐ろしい首相だ。なんだかこの御仁、もう常識外の「別世界」の人物なのかと思う今日この頃だ。ついでに言えば、いわゆる女房役と言われる河村官房長官の「いろんな発言はこれからもあるだろう」との発言。女房役なら潔く首相に対して「カツ」を入れよと言いたい。日曜日朝のTBS系番組で張本さんと大沢さんがやりあっているように「カツだ」、「カツだ」と。いや「大カツ」だと言えばいい。アハハハ。だけど、ムリか、カツを入れて変える人材はいまの自民党にはいねえってことで、河村さん、例によって頭を右側へ斜めにしてかばっている。さらについでに言えば、「福祉の党」をのたまう公明党がこんな自民党の下請けになりさがって、「定額給付金を批判する人は給付を辞退せよ」などと街頭や集会でぶっている。さすがにそこまで言わない麻生氏の上をゆくこわい政党だと思う昨日、今日である。

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2008年11月26日 (水)

首相よ夜毎の豪遊の半分くらいは漢字のお勉強を

 麻生首相と小沢民主党代表との最近のやりとりのなんと低次元なことか。片や「あの人は信用できない」と言えば、片や「チンピラのいいがかり」などと大の大人でしかも政治家という国の舵取りたちの情けないやりあいは漫才にもならない。いやしくも「信用できない」「チンピラ」を相手に毎日仕事をして高額な報酬をもらっているのかって言いたい。小学生でもやらないような水準の低さである。こんな人たちを党首に持つ二大政党の国会議員はもっと愚劣っていう勘定になるのかなあ。そのあげくに問題の第二次補正予算案は麻生首相お得意の「先送り」になった。あの御仁は10月30日大勢の記者の前で胸をはって言ったのは「これから年末にかけて、中小企業の資金繰りは苦しくなる」「国際金融情勢が、より厳しいものとなっている」「景気対策のポイントはスピード」とのたまった。しかと言ったこの言葉だのに1ヶ月もたたないうちに「今すぐ緊急対策を要するものは一次補正の分でかなりの分はまかなえる」と見事なすり替えである。何をおっしゃるか!国のスピードが遅いから地方自治体で独自に融資などの緊急制度を設けたところでは申請が殺到しているではないか。また、これから年末にかけて国民は平均して今年の年収が昨年より五万円以上も減収だとか、また26万人もの大量首切りという悲惨な事態が予想されている。そんな世の中の空気がまったく読めない麻生太郎さんだ。「あッそう」なんて言ってる場合じゃないのにね。そうそう24日で就任二ヵ月になった。おめでたいことに、この間に高級飲食店での夜の会食は59回、「はしご」は17回らしい。国連総会や北京、ワシントン、ペルーなどの外遊を除いてである。そしてナントまっすぐ自宅に帰ったのは6日だけだって。それも二日は公邸で政府、与党幹部と会食した後の帰宅…。えッ公邸に住んでいるんじゃないのってか?いや、まだこの御仁は公邸に引っ越していないらしい。公邸に引っ越すのは次期衆院選以後というのだ。ええ~!それじゃ結局公邸住まいは実現しない可能性もあるかも知れないね。まあ、そういう夜毎の豪遊じゃあ、大不況に見舞われる国民の嘆きなんかわかる由もないじゃろう。ついでだから漢字の読み違えについて世間で話題になっている漢字は前回にも書いた。しかし、ほかにももっとたくさんあったと知人が教えてくれた。以下に紹介しょう。カッコ内は麻生流読み方である。懸命な皆さんは正解はご存知のはずだから書かない。措置(しょち)、有無(ゆうむ)、実体経済(じつぶつけいざい)、思惑(しわく)、低迷(ていまい)、順風満帆(じゅんぽうまんぽ)、破綻(はじょう)、焦眉(しゅうび)などである。パソコンで麻生流読み方を入力しても変換してくれない漢字もあるから念のため…。しかしまあ、英語は達者らしいがこの程度の漢字が読めない日本人だったとはねえ。わたし的には昔の定時制高校卒だけどそれでも全部読める。マンガばっかり読んで新聞は読まないというから無理もないけど、せめて夜毎の飲食を半分に減らして漢字のお勉強くらいしたらいいのにね。コロコロ変わる政策不能病と失言病に加えてこれではいくらなんでも首相としての資質を疑う声もあるがそれも当然だわねえ。恥ずかしいボヤキ終り!ハイ!

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2008年11月24日 (月)

消費税増税をめぐっては自公も民主も大して違いナシ

民主党の小沢一郎代表は二十三日のテレビ番組(NHK)で、「無駄を全部省いたうえで、なおかつ高齢化のスピードが追いつかない場合は消費税も考えなければならない」とか、次期衆院選で政権を獲得すれば、「各省庁のシェアを全く無視して予算編成を行う」と強調した。任期のきれる4年後には「消費税の検討をするのは当然のことだ」と述べた。「消費税を上げる」とは言ってないが、はたして民主党政権下で「無駄を全部省く」ことができるかどうかは疑問だし、高齢化はまちがいなくすすむから、消費税について「考える」だの「検討」だのとあいまいにしているが、下げることは絶対ないから「考える」も「検討」も増税という意味を含んでいるのは確かだ。もともと民主党は「今はあげない」というだけで消費税増税には反対の立場ではなく、年金の財源として消費税増税を提案するなど引き上げには賛成なのだ。また、「無駄を省く」とはいうものの5兆円に及ぶ軍事費には指1本触れない。先日二十日にも海上自衛隊のイージス艦がハワイ沖の太平洋上で弾道ミサイルを大気圏外で迎撃するミサイル「SM3」の発射実験をしたが見事に失敗した。その費用はなんと60億円だ。重量が重すぎて日本の道路や橋梁を渡れないような戦車など無駄な武器や装備が軍事費に含まれている。そんな軍事費の無駄に手をつけないでどうして「無駄を全部省く」のだろうか。また大儲けをしている大企業への優遇税制についても無批判である。こうした巨大な無駄にメスを入れない民主党流では財源の確保は難しいから否が応でも消費税増に頼るしかない。その意味では自公も民主も財源論になると「消費税増税」しかないのである。なぜなら、景気の動向に左右される所得税や法人税と比べて「安定」しているからである。生活必需品は景気の動向にかかわらず必要でありその全てに税がかけられるからだ。だから、政府、与党も民主党も「安定財源」として活用をするべく目論んでいる。けれども、消費税は低所得者ほど負担が重くなる特徴を持つ。総務省の家計調査では年収200万円以上250万円未満の世帯と同じく1500万円以上の平均年収の差は約8倍であるが、消費支出の差は約3倍である。つまり、250万円未満の世帯が仮に年間16万円の消費税を納めたとすれば、1500万円以上の世帯は48万円程度という勘定。1500万円世帯は3.2%にたいし250万円未満世帯は6.2%と率的には倍の負担なのだ。このように低所得者ほど重税を課す消費税は社会保障財源としてはふさわしくない逆累進性の不公平税制である。麻生首相は「三年後から消費税増税をよろしく」と打ち上げた。対する民主党は4年後に「検討」である。たいした違いはないじゃん。ここは消費税導入時から一貫して反対し、消費税に頼らなくてもしっかりした財源論を展開する共産党に頼るしかないと思う今日のこの頃だ。

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2008年11月23日 (日)

太郎さんと一郎さんの迷走ごっこで国民そっちのけ

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太郎さんと一郎さんが国民そっちのけでマンガチックな「迷走ごっこ」をしている。テレビが中継する「党首討論」を堂々とやればいいのに、それを逃げ回っている一郎さんが何を思ったのか、17日夕に突然一郎さんからもちかけて緊急の「党首会談」をやった。昼間に申し入れてその日の夕に開催だからもちろんテレビ中継はなし、双方ともごく一部の側近を従えての「会談」だからこれはまさしく密室の「怪談」めいている。一郎さんいわく「“追加経済対策”を含む第二次補正予算を今国会に出せ。そうでないと新テロ特措法延長案を参議院で採決しない」と迫る。このとき太郎さんはあいまいな回答で物別れ。一郎さんには面と向って言えないらしく、はるか離れたペルーのリマというところで「あの人(一郎)は信用できない」と、補正予算の今国会提出の先延ばしを示唆した。そもそも第二次補正予算には太郎さんの肝いりで大宣伝している2兆円の「定額給付金」も含んでいる。ぶち上げた10月30日の記者会見では、「国民のくらしをまもるためのスピードが大事」とか言ったはずだ。スピードが大事なら速く提出すべきなのにここにきてトーンダウンなのは、この定額給付金があまりにも国民から総スカンを食らって、肝心の閣僚からさえ異論が出るほどまとまらない。結局、金は出すからと地方自治体に丸投げだ。すると地方の首長さんからも総スカンで右往左往。一方の一郎さんの民主党も「定額給付金は白紙に」と言いながら、それを含む2次補正予算案を早く出せ、さもなくば新テロ特措法延長の採決はさせないぞという。民主党は衆議院では新テロ特措法は「(審議は)一日でいい」と採決に応じて衆院通過に協力した。また、後期高齢者医療制度の廃止法案には民主党も賛成しておきながら、その存続を含む第1次補正予算案にも賛成する迷走ぶり。一郎さんのこの迷走の原因はともかく審議なんてどうでもいい、早く国会解散のためならなんでも協力するという立場からである。これというのも読みが浅くて「解散があるぞ」と党の候補者にハッパをかけてきたメンツがあるので早期解散に追い込みたいわけだ。ところが太郎さんは解散を先延ばしと見るや一転して「対決」姿勢である。まさに国民そっちのけで法案を解散の取引に使う迷走ぶりである。これが「自民VS民主」の「2大」政党の姿なのだ。情けないことこのうえなしである。さらに加えて太郎さんの失言、暴言の連発と公式な場での漢字の読み違えもひどい。「首相に何を望むか」という世論調査には「漢字のお勉強」というのが10%もあったとか。現役の学習院の女子学生がテレビで「あの人、まじめに大学生やったの?」「学習院の恥」とかの声まで出る始末。失言語録で私立幼稚園のPTAの大会で「しつけるべきは母親だ」、医師不足に関連して「社会常識が欠落している医者が多い」とのたまった。社会では太郎さんの方が社会常識が欠落していると思っているから、ちゃんとしつけなければならないのは太郎さんである。陳謝をしても「全国の医師会員が納得するとは思っていない」(医師会)というのは当然だ。とうとう週刊誌では「マンガばかり読んでいるからだ!」「おバカ首相」「常用漢字で中学レベル」という見出しが踊った。こんな人に「子どもの学力向上を」なんて言われたくない。いまや与党のなかからさえ「選挙の顔」どころか「クビのすげ替えにまた総裁選を」の声も。え~また総裁選?…たまらないのは国民だ。二ヵ月前の総裁選で圧勝するほど太郎さんに投票した自民党国会議員と全国の自民党の皆さんは総ざんげせよと言いたい。選んだ責任があるのだから…。国民を馬鹿にするのもほどほどにしてほしいもんじゃ…。

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2008年11月22日 (土)

「派遣切り」の大風…大企業は社会的責任を果たせ

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 いわゆる「派遣切り」…派遣労働者をバッタバッタと無情にも解雇する状況が大企業などで嵐となっている。時は「年の瀬」に吹きすさぶ悲しい嵐である。トヨタはすでに3000人も削減した期間社員をさらに3000人減らす。いすゞ自動車は国内で働く期間・派遣労働者の1400人全員を年内に解雇する方針だ。同社は営業・経常利益ともに600億円を見込むという体力があるにもかかわらず解雇する。マツダ自動車は派遣社員800人のうち、年内で満了となる約500人の契約を更新しないという。日産自動車が派遣社員1500人、スズキも同じく600人、ホンダ埼玉製作所は270人の期間社員を削減する。自動車以外でもキャノンなど派遣・期間社員を削減する。どこでも巨額の溜め込み利益を持ちながら、切るのは派遣・期間社員など非正規社員ばかりである。多くの非正社員は、派遣会社の用意する寮を追い出される。そして寮費や生活備品などの貸し出し料を差し引けば手取りは10数万円という過酷に安い賃金で仕事は正社員と同じ労働をしてきてこの結果である。使い捨てもいいところで企業の調整弁となってきたのである。例えばトヨタ本体の正社員の平均賃金は年間830万円にたいし、期間社員は220万から250万円。もちろん正社員と同じ生産ラインで働くのであるがこんなに差がある。トヨタグループ全体では03年から期間社員を導入し始め、当初4万人から8万7千人と2,1倍に増やし増益をはかってきた。隠し利益と言われる内部留保は03年の9兆5千億円から07年度には13兆9千億円にまで増やしている。非正社員あればこその溜め込みだ。正社員一人あたりの内部留保は4400万円である。もし仮に8万7千人の派遣・期間社員を全員を正社員にした場合でも一人当たり内部留保は3450万円もあり、経営が危なくなることはない。労働総研というところの試算で、大企業全体で363万人の非正社員を正社員化すれば5兆円近くの消費を増やせるという。363万人を正社員化するのに8兆円いるが、大企業の内部留保は228兆円もあるから、わずか3.5%を吐き出せば正社員化は可能であるという。5兆円もの内需が増えるのは、いま騒がれている税金をばらまく定額給付金は2兆円。その2.5倍もの波及効果を生み景気回復につながる正しい道筋だ。先日の金融サミットでもそれぞれの国が内需を増やすことが強調された。そのためには企業が社会的責任を果たすとともに政治の責任も大きい。派遣などワーキングプアを生んだ最大の原因は労働法制の規制緩和にあるのだから自公政権の責任は重大である。ところが規制緩和を画期的にすすめた小泉政権以後の安倍、福田政権はもちろん、麻生政権も大企業の利益を重んじるばかりで雇用破壊の規制強化にはきわめて消極的である。派遣切り=失業者増大=消費低迷=景気後退という図式の悪循環では未来はない。そんななかでもまだ端緒的ではあるが、労働者が労働組合をつくって会社と交渉するなどのたたかいを通じて正社員化を勝ち取っている事業所も生まれているのは朗報である。そういう運動こそ希望ある未来をつくるものとなるし、これから大いに高まってくるだろう。80年前に発表された小林多喜二の小説「蟹工船」がいまブームを呼んでいるのもそうした反映であろう。大量の「派遣切り」を進める資本とのたたかいこそ正義の闘争であると思う今日この頃だ。

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2008年11月19日 (水)

ビル・ゲイツ氏の貧困救済活動とトヨタの違い

 16日だったと思うがNHKの海外ネットワークをなにげなく見ていたら、あの世界最大のコンピューターソフト会社の元CEOビル・ゲイツ氏のインタビューが放送された。氏は今年から会社の一線を退き、妻とともに慈善活動に力を注いでいるというのである。アフリカやアジアなどの貧困に苦しむ人々への支援や子ども達の教育支援を行うというゲイツ氏。世界長者番付で14年間も第一位を守った巨万の富を築いた人だから、富を溜め込むだけ溜め込む人なのだろうと、なんとなくわたし的には勝手に推測していたからいささかびっくりした。そこで興味をもって調べてみるとネット上でもそういうニュースを見た。個人資産だけも日本円にして6兆2千億円だという。多額の資産を活用してこれからは世界の貧困に苦しむ人々のために尽くすというのである。ゲイツ氏の言葉のなかに「貧困にとらわれたまま」の人々を救うために「問題の根絶には企業の力が必要だ。企業が持つ力を最大限に引き出すには、もっと創造的な資本主義が必要」などと訴えている。この方は、お金持ちでも大変な倹約家であるらしい。例えばホテルに泊まる場合でも大きな部屋はいらないと言い、寝る場所とネットにアクセスさえできればよいとか、航空機のファーストクラスでも「高い金を払っても到着時間は同じだろう」とも言う。食事も質素らしい。訪日したときは高級なすし屋ではなく「ベルトコンベアーに乗って流れてくる回転すし」だったとインタビュー番組では語っていた。夜毎に高級ホテルや高級料理店を徘徊するどこかの国の総理とはずいぶん違うなあって感心した次第である。総理はともかく、このゲイツ氏のせめて「爪の垢でも煎じて飲んだらどうよ」と言いたいのは、やはり、自動車業界で世界1のトヨタの会長、社長たちだ。トヨタは労働力を安上がりの派遣などで使い捨てのようにこき使って、溜め込んだ利益は13兆円以上という。アメリカの金融危機で外需が落ち込むもと「減益」だといいながらでも、今期も来年3月末までの純利益は6千億円を見込んでいるのだ。その減益を口実に2000人もの期間労働者(有期雇用)を減らし、来年3月までに7800人を路頭に放り出す計画だという。2000人の解雇については、「雇用対策法」で義務付けられている「大量雇用変動の届出」や「再就職援助計画書」を提出しないままであることが13日、共産党の小池参院議員の追及でわかった。職業安定所の指導で14日になって届出したという。むろん、再就職支援については、「就労機会の情報を提供する」としただけである。法律も守らず、雇用切捨てする無慈悲なトヨタは全く企業の社会的責任も果たさず使い捨てにする。トヨタに限らず大企業は不景気と言っても中小企業と比べてそれなりの溜め込み利益もあるし、労働者にたいしては忙しいときは派遣で雇用し、減益になると思えばさっさと解雇する調整弁にしている。どこまでも利潤追求の鬼である。兆単位の富で慈善事業に踏み出したビル・ゲイツ氏とは同じ経営者でもモラルがすごい違うんだなあ。トヨタも労働者あっての会社なのだから、ゲイツ氏ほどでなくとも最小限の労働者を守るモラルくらいはもってほしいと願う今日この頃だ。

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2008年11月17日 (月)

金融の規制強化へ合意――金融サミット

G20首脳会議とかいうものがワシントンで開かれていた。この「G」とはどういう意味かよく知らないがグループのGなのかな?なんでも「G7」という先進7カ国に13カ国・地域を加えてG20というらしい。この20カ国でGDP(国内総生産)の合計は世界経済全体の8割強、人口で3分の2を占めるとのこと。だからまあ、この会議で合意された事項はほぼ全世界に影響するのだろう。で、今回の目的はなんや? 別名「金融サミット」と言われるから、アメリカ発の金融危機で世界中の国民に100年に一度とかの不況、不景気で迷惑を与えているから、それをどうするんやという対策の会合だった。有り余っている資金をさらに儲けようとサブプライムローンという「毒入り」証券を世界中にばらまき金融システムを滅茶苦茶にしたり、原油や穀物などの商品にまで投機して異常に価格高騰させ、ぼろ儲けしたあとそのツケを世界の人々におしつけ未曾有の金融危機。麻生首相がいう「歴史的意義があった」かどうかは今後の実行次第であるが、とりあえず、バクチ資本主義とかカジノ資本主義とか言われるその害悪を認めたことは確かであり、金融への規制強化へ踏み出すことで一致したことは前進面である。大統領としての余命いくばくのブッシュは、当初、金融機関への規制強化については「自由市場でないと経済活性化できない」と反対していたが、欧州や途上国、新興国からヘッジファンドやデタラメ評価をする格付け会社への規制強化などアメリカ批判が噴出したという。だからブッシュも妥協せざるをえなかった点は前進だ。また、アメリカや大国中心のIMF(国際通貨基金)などの国際金融機関にも新興国や途上国の声が反映されることも前進である。しかしアメリカの意向も反映して、ヘッジファンドについては規制策をうちだせなかった。1月にはオバマ大統領が就任しブッシュは、もう「バイバーイ」する過去の人なんだから大きな顔をされては困る。それでなくてもブッシュは世界中から「ノー」の人なのだから…。日本くらいだ。ブッシュときゃあ、きゃあワーワーと、キャッチボールや歌まで一緒に歌った小泉内閣など、ずう~と親密な関係でなんでも言うことを聞いてきたんだから。今回の会合は、改革を否定するアメリカ一辺倒の日本に対する意見でもあった。「金融サミット首脳宣言」のいくつかの一つに、各国は「財政の持続可能性を維持しつつ、即効的な内需刺激の財政施策を」というのがある。日本は外需に頼ってきたから外需産業はいま軒並みに苦戦している。即効的な内需のために二兆円の「定額給付金」をバラマくのだが、なにせ、三年後の増税という毒入りだからおいそれと個人消費=内需効果が即効的には生まれそうにない。上場企業での倒産、それにともなう労働者の首切り、中小企業は資金繰りに困り、銀行は貸し渋り、貸しはがしである。経済の6割を占める個人消費は停滞し、このところ完全に景気後退傾向に入った。金融サミットの結果を「歴史的成果」と吠えた麻生首相であるが、経済対策の柱とした「定額給付金」を打ち出したぐらいでは「歴史的成果」にはならない。それどころか、末期的内閣で早くも与党のなかからさえ「首相交代の動きが出て来るかもしれない」というささやきがあるというのだ。なんということだろう。

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2008年11月15日 (土)

字も読み違えるけど給付金も読み違えた麻生首相

エエ~ッと本日はまことに愉快な日本国の麻生太郎首相の話でござる。まず前場(まえば)と致しまして、太郎様は頻繁(はんざつ)に漢字の読み間違いを得意としておりまして、その詳細(ようさい)は歴代総理の誰も踏襲(ふしゅう)したことがないほど未曾有(みぞゆう)のものでありまして……。な~んて意味が通じるかな?カッコ内の赤字は麻生首相の読み方だよ。懸命な読者諸氏は赤字のように読まないで正式にお読みくださいませ。頻繁、詳細、踏襲、未曾有についてはネット上で賑やかに論じられているようだが、「前場」はあまり知られていないようだ。株式用語で記者会見かなにかで語ったもので正確には「ぜんば」である。あるテレビ番組で「前場」を除く4語をパネルに大書して道ゆく人に「あなたはどう読みますか」って質問していた。満点は「詳細」で、あとの頻繁、踏襲、未曾有については結構間違っている方もあったと記憶している。それにしてもだ。日本の戦前・戦中の侵略や植民地支配を謝罪した日本政府の公式見解である「村山談話を踏襲する」いうべきところを「ふしゅう」とはいかがなものか。「ふしゅう」といえば聞いただけでは普通「腐臭」を思い浮かぶ。ひょっとして「村山談話」も腐臭(腐った臭い)していると本音で思っているのではないかと心配する。例の前航空幕僚長が「日本が侵略国家とは濡れ衣」などとい威丈高に叫んでいる折でもあり危惧する。また「はんざつ」は、「煩雑」を類推する。煩雑とは「わずらわしくてごたごたとすること」(広辞苑)であり、日中首脳の往来の多さにふれて発言しただけに、中国の首脳との会談などわずらわしいことなんて思ったりして本音が出たのではないかとこれも心配である。さて、そんな麻生さん、「景気浮揚の柱だ」と高らかに宣言した「定額給付金」ではあるが、政府部内では所得制限や給付方法などがまとまらなかったせいか、とうとう地方自治体に丸投げしてしまった。自分たちがまとめられなかったからと言って自治体が勝手にやれというのでは責任のなすりつけである。給付金ではなく「迷走金」という人さえいる。早速地方自治体からは批判が噴出している。13日の全国市長会でも「2兆円もの金をこういう形でばらまくが、このままどんどん進むと国が滅びる」「この政策はまちがいだと思う。白紙撤回し、新たな景気対策を考えるべきだ」という意見が飛び出している。一人12000円とか子どもや65歳以上は20000円とかで景気がよくなるのなら克服は簡単なことだ。3年後には消費税増税が待っているから、そのときのために貯金しておこうとか言う人もいる。二兆円といえば消費税の1%にも満たない。「バラマキ一瞬、増税一生」なのだから世論調査でも6割の国民は評価していない。麻生さん、字も読み違えるけど給付金効果も読み違えたようだ。そういうわけで地方自治体は所得制限を設けるかどうかとか、支給方式についても途方にくれている。昔の地域振興券のときの3倍、4倍の実務と、公布する宣伝費や通信費などで相当な持ち出しをしなければならないだろう。年度末で地方自治体も大忙しの時だからなおさら大変だ。それにしても消費税が仮に5%上がれば、平均して一人当たり年間6万円も負担が増える。それを一回だけのわずかな給付金でがまんしろとは騙しもいいところだ。いま一番必要なのは、雇用の安定をはかり、安心な社会保障制度を確立することだ。この給付金の言いだしっぺは公明党だから、メンツを立てて思いつきで「先に給付ありき」でやって、選挙で支持を頂こうという思惑から出発したものだから、四転五転と右往左往し、閣内でも意見がバラバラなのだ。消費税増税をやめ、大企業、大銀行、大資産家へのゆきすぎた減税を正し、政策の軸足を国民の生活を守る方向へ大転換することが重要である。

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2008年11月12日 (水)

田母神論文は1個人でなく自衛隊の組織ぐるみでは?

 昨日、参議院外交・防衛委員会で田母神俊雄前航空幕僚長を参考人として招致し、氏と政府の対応を質した。自衛隊というれっきとした軍隊のあり方が問われる重要問題なのにテレビ中継もなく、新聞報道で垣間見るしかなかった。そのなかでいくつかの新たな事実がわかった。田母神氏は、航空幕僚長在任中にその職権を生かして、基地視察などさまざまな機会で「訓話」とか「講和」で論文にあるような「決して日本が侵略のために中国に出て行ったのではない」などと「濡れ衣」論をぶっていた。いわば職務権限をつかって自衛官に「教育」していたというのだ。また、田母神氏は統合幕僚学校長だった2004年に、自ら主導して幹部教育カリキュラムに「国家史観・歴史観」を新設。外部からの講師として歴史を歪曲する教科書作成をめざす「新しい歴史教科書をつくる会」の副会長を招いていた事実もわかった。その講師は「現憲法体制は論理的に廃絶しなければならない虚偽の体制」と主張していた。要するに現憲法を廃絶する立場の人間を呼んで講師に当たらせていた。だから、憲法にも政府見解にも反するようなことを幹部自衛官に教えていたわけである。公然と隊内で田母神流にまちがったことを教えることは組織的な言論のクーデターに等しい。さらに、今回の懸賞論文の主催者であるアパグループの元谷代表を航空自衛隊小松基地(石川県)でF15戦闘機に48分間の体験搭乗をしていたことも判明。民間人が自衛隊の輸送機や戦闘機に搭乗して滑走路を走ることはあっても、戦闘機で飛行する例はきわめて稀だそうである。元谷氏が「小松基地金沢友の会」会長で10年間の「功績」に対する特別な便宜をはかったわけだ。そんな関係で自衛隊員が私的にホテルを利用する場合はアパグループのホテルを使用し宿泊料金割引の適用も受けていた。ふ~ん、田母神氏とアパグループは密接な関係にあったということだ。これでは田母神氏の論文が300万円つき最優秀賞に入ったわけがなんとなくわかる気がする。論文の審査員をしたという人がテレビで「私はあの論文に0点をつけた」とおっしゃっていたが、それでも最優秀とはうなずける。もっとも昨日の「産経」新聞では「0点というのは事実でない」と、産経新聞の人らしい審査員がわざわざ書いていたけれど…。最優秀藤誠志賞(藤誠志とは元谷氏のペンネーム)は300万円というのは、凡そ目的がいかに歴史を偽るかという特異な懸賞にしては相当高額な賞金である。優秀賞30万円、佳作1万円と比べてもずば抜けている。それだけ高額な賞金だから選考にも苦慮?しただろう。昭和の戦争は自存自衛のためのやむをえない戦争であったと主張してはばからないのが靖国神社である。それとまったく同じこという人が先に述べた自衛隊幹部教育カリキュラムの講師を務めていたのである。そして防衛大学の必修教科書「防衛学入門」で第二次太平洋戦争は「自衛を基本とした権益の増大とその衝突」とし、明治以後の日本の侵略戦争をすべて「自衛が基本」の戦争観で書かれていることも判明。この入門は安倍内閣のときにつくられた。田母神氏を航空幕僚長に任命したのも安倍内閣時。アパグループの元谷代表が主催する「日本を語るワインの会」で親密だった安倍氏。元谷代表は安倍氏の後援会「安晋会」副会長。懸賞論文に組織ぐるみで応募し最終94人の自衛官も応募。そのうち60数人は小松基地からである。田母神氏を参議院で招致した昨日、「産経」新聞には1ページ全面の「意見広告」として田母神論文の全文が掲載された。意見広告を載せるほどのメディアだから今回の問題でも許容的記事が多い「産経」。迷走する麻生内閣の裏で黒い糸に繋がるような日本の歴史歪曲の動きが加速している今日この頃なのか。世界でも有数の部隊と兵器、爆撃機や艦船をもつ「自衛」隊が過去の教訓から学ばなくなったとき、空恐ろしい気がする今日この頃である。

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2008年11月10日 (月)

トヨタグループの中核企業が派遣使い回しをやめた

10月7日衆院予算委員会で共産党の志位和夫委員長が大企業の派遣問題にしぼって質問し、トヨタなどいくつかの具体的な企業名も名指しをして、その不当さを暴いたことは前にも書いた。これがものすごい反響を呼びネットのいくつかの動画でも取り上げられ、そのアクセス数が10万回をはるかにこえるほどで、政党の動画としては断トツに多いものとなった。また、自動車ユーザー向けの雑誌でも「平成の『蟹工船』はトヨタが元凶だ」などと紹介もされた。志位氏の質問で圧巻だったのはトヨタの中核企業であるトヨタ車体での派遣を使いまわしにするクーリング問題であった。それから1ヶ月を経るが、そのトヨタ車体で「クーリング」が中止になったことが、昨日の「しんぶん赤旗」で掲載された。それによると「トヨタ車体本社広報室に確認したところ、『共産党の志位委員長が国会で、派遣社員をクーリングして永続的に働かせる、との質問をされた。10月20日に厚生労働省の愛知労働局が県内の主要製造業を集めて、派遣法の解釈について説明会・研修会を開いた。その結果、クーリングは法の解釈にのっとりよろしくない、と私どもが自主判断して、全工場で中止する』と回答しました。同時に、『当時は適法と判断していた』とものべ、今回の中止でクーリングを違法と認めたことになります」と赤旗は報道している。ところでクーリングとはなにか。「赤旗」によれば、トヨタ車体では、A直とB直の2グループがあり、一週間ごとに昼夜勤が変わります。同社は、10月からA直の派遣社員をB直に集め、A直の派遣社員をゼロにしました。「3ヶ月と一日」が過ぎると、今度はB直の派遣社員をA直に集め、B直の派遣社員をゼロにします。A直、B直で派遣社員がいない「3ヶ月と1日」の期間を交互につくり、派遣社員を永続的に使いまわそうというものである。この「3ヶ月と1日」が「クーリング期間」といわれています。派遣労働は「臨時的・一時的」という原則があり、最大3年という期間制限が設けられており、それを超えると企業は労働者に直接雇用を申し込む義務が生じる。そのため、クーリング期間で、派遣労働が継続していないかのように見せかける手法という。こんな手口を弄してでも稼ぎまくる大企業であるが、ともかくトヨタ車体は違法を認め中止せざるをえなくなったわけで、クーリングが合法的であるとするなら全国に広まるところだったが、水際で阻止したということは前進である。しかし、トヨタ車体は派遣社員を最長2年11ヶ月の「期間社員」にすると説明している。違法とみとめたのなら、契約期間のある期間社員ではなく正社員にするべきである。どこまでも労働者を使い捨てにする気である。ここにも労働者派遣法の重大な欠陥があるわけで、労働法制の改悪前の状況に戻すために引き続き労働運動の高揚がもとめられる今日この頃である。

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2008年11月 9日 (日)

進むも地獄、退くも地獄の麻生首相

 福田前首相が自民党の危機に関し自ら退陣して、選挙に勝てる『顔』として選ばれたはずの麻生首相ですが、就任二ヵ月ににもならないうちに、世間では「迷走内閣」「ダッチロール」「漂流首相」などともはや末期的事態に直面している。華々しく?劇場型総裁選で「顔」を売ったつもりがあだ花になりそうだ。衆院解散ができないなかで右往左往という状況である。当初は「臨時国会冒頭解散、11月2日投票」であった。それが11月30日投票にかわり、現在は「しかるべき時期」と先延ばし。ところがその間に支持率は下落の連続。最近の「読売」世論調査では「支持」より「不支持」が上回る結果に。選挙向けに「追加経済対策」と称して、首相みずから「全世帯」に生活対策として「給付金」支給とアドバルーンをあげた。消費税増税とセットだから怒りが爆発したのはもちろん、肝心の内閣のなかでさえ「給付金」に所得制限をつけるべきだとか、いや全世帯だとバラバラでまとまらない。首相も「全世帯」なら自分ところにも支給されるので気が引けたのかどうか、最近は「生活が安定している世帯には支給しない」と言い出す始末。「読売」調査では給付金支給を「評価する」は37.7%しかない。自民党内の独自の選挙情勢調査でも議席獲得予想が悪くなる一方であるという。10月下旬の調査では「民主党が過半数獲得」となったという。自民党閣僚関係者は「進むも地獄、退くも地獄」という声さえ出る始末。ずるずる先延ばししても展望は開けない。アメリカ大統領選結果も民主党には追い風になっても自民党には逆である。早期解散を望む公明党と極秘で会談したそうだが、「誰のおかげで総理になれたと思ってるんだ」と述べたとの報道さえあり、通信社に抗議する騒ぎになったという。表向きは別として「早期解散」の釘をさしていた公明党とギクシャクしているのは誰が考えてもありうることだろう。支持率下落やら、自分が指名した閣僚からさえ異論がでるやら、満を持して出した「給付金」も国民の世論が得られないやらで四面楚歌というのが率直なところか。ストレスがたまって高級飲食店での飲み食いだけはやめられないだろうと察するわなあ。こんなときだからこそ国会で徹底審議で麻生内閣を追い詰める論戦が重要なときに、野党の民主党が首相の解散を匂わすような素振りに応じて、与党の補正予算案に賛成するとか、新テロ特措法は審議を「1日、1時間でいい」と自公に協力し、解散がないとわかると急に「対決路線」に切り替えるなど迷走した。そんな筋の通らないことで結局「解散先送り」にさせてしまったのは残念だ。そんな2大政党に対して、「読売」調査は、「今回は自民(支持率)が大幅減の32、4%となった一方、無党派層は33.0%に急増してトップに躍り出た。民主は23.4%と横ばいだった」と解説。見出しには「自民離れ民主に流れず」「無党派層急増」であった。自民党にも民主党にも「不満」と答えた人が約8割、「期待していない」も5割に達したという。有権者はいらいら気味なのだろう。麻生首相が街頭演説場所で好みである東京・秋葉原で10月26日に首相就任後、初の街頭演説を行なった。聴衆のなかには「とっとと解散しろ」と書いたプラカードまであったというのだから政治不信、政党不信が増えつつあるのも事実だ。

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2008年11月 8日 (土)

チェンジかなえた米国民につづき日本も変革を

 アメリカ大統領選でオバマ氏が圧勝して数日が経つ。その間の世界の反応は歓迎の意向を示すのが大勢となっている。なによりもブッシュ政権に見られるような世界を意のままに引き回す一国覇権主義から対話と外交を重視する姿勢が好評を得ているようである。ブッシュの8年間でイラクとアフガニスタンの二つの戦争では、先制攻撃戦略というブッシュ路線で米国民に多大な犠牲者をもたらすとともに、、国際世論を無視し戦争協力を各国に押し付けてきた。それでもイラクもアフガンも解決の兆しも見えていない。また、新自由主義路線とかで経済政策は金融をカジノに変え、米国発の金融危機となって世界に悲鳴をあげさせてきた。こうしたブッシュ政治にアメリカ国民がノーを突きつけたことは画期的だ。ブッシュ政権は2001年の9・11同時多発テロ直後のアフガニスタン攻撃に続き、03年には国連を無視してイラク侵攻に踏み切った。開戦理由のウソがばれても戦争を継続してきた。そして世界から孤立する政権だった。失った信頼をオバマ新大統領がどうとりもどすか世界から注目されるだろう。それだけにオバマ氏が声を大にして叫んだ「Change」(チェンジ)のスローガンで、新たな方向を求める米国民の期待に応えられるか感心の的になる。アメリカ史上で最初の黒人大統領誕生は、人種差別の壁を乗り越えた歴史的なできごとであり、勝利宣言をしたシカゴでの10万人を超す熱狂的な映像は印象的であった。この一つをとってもアメリカ社会が新しい民主的な姿にチェンジする力があることを示したと思うし、そういうふうに発展することを注目しよう。そしてオバマ氏がかかげた政策で、イラクからの米軍撤退や核兵器廃絶、金融規制の強化などは大いに歓迎したい。しかし、他方ではアフガニスタン戦争は米軍増派と日本など同盟国の協力を強化する主張が含まれていることは感心できない。サブプライム住宅ローン破綻をきっかけとする金融危機、住宅・不動産はじめ、製造業での雇用縮小、数千万人ともいわれる貧困者数、増大する失業者など経済で大変な状況にあるアメリカをどう再生するか。これからじっくりと確かめたい。また、新しい指導者を選んだこの時期だからこそ、日本も今までのような目下の同盟者という、異常な対米従属から抜け出すような外交路線へ転換するべきだ。軍事同盟関係ではなく、中立の日本と対等・平等の日米関係へ転換するべきだ。そうした外交路線を確立しないと日本はいつまでも遅れた国になってしまう。しかし、自公内閣ではそんなチェンジはどうも期待薄ではないか。総選挙で日本流のChangeをしなければならない。解散したくてもできない、かと言ってずるずる先延ばしでジリ貧になる麻生内閣。「自公政治はもうごめん」という人々が増え続け、やむにやまれぬ意思表示をしめしたらチェンジは可能な時代だと思う今日この頃だからそのためにがんばろう!

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2008年11月 7日 (金)

ますます問題が広がる前航空幕僚長の侵略美化論文

 航空自衛隊前航空幕僚長田母神俊雄氏の懸賞論文問題はますます大きな問題になってきた。ホテルチェーン・アパグループ主催の「真の近現代史観」懸賞論文に、応募した人の3分の1に当たる78人がなんと航空自衛隊員であったこと、そのうち63人が過去に田母神氏が指令を努めた航空自衛隊小松基地(石川県)の所属であること、空自の教育課が懸賞論文募集のあることを全国の各部隊に紹介していたことなどが判明した。懸賞論文を主催アパグループの代表、元谷外志雄氏の出身も石川県であり、小松基地友の会の会長だとホームページで述べ、いかにも日本を憂えるかのような「友の会」の目的などを告知している。また、元谷代表が主催する「日本を語るワインの会」が有力者などを集めて度重なる会合を開催しているが、そのなかで平成16年9月15日の「会」では、民主党の鳩山由紀夫氏夫妻が招待されている。同席者のなかにナント、ナントいま話題の田母神氏がご一緒なのである。写真でみれば7人である。某ブログによれば、出席者の話として、月刊誌「正論」編集長が司会役で話は主として田母神氏がやったらしく、中国、南京虐殺、核武装の話などが出たが、鳩山氏もたいそううなづいていたという。「ワインの会」平成17年10月12日には安倍晋三元首相を招いての会も行われ、元谷夫妻はじめ総勢は写真で見る限り8人だ。「ワインの会」によれば元谷代表は安倍氏の後援会「安晋会」の副会長となっている。安倍氏は5分の予定が1時間もおり、ワインを飲み料理も食べたとある。これらは「日本を語るワインの会」で検索すればすぐに見つけられるからお暇な方はぜひどうぞ。こうしてみるとアパグループが懸賞論文を募集したい関係もなんとなくわかる気がする。ワインの会に招待された田母神氏は安倍氏が首相になる1年前である。当時の肩書きは航空幕僚長ではなかった。空幕長への任命を最初に承認したのは安倍内閣であった。「美しい国」と標榜した裏で政府決定と違う見解を述べる軍隊の幹部と懸賞応募に仲間を組織的に動員するということは、極端に言えばクーデターにさえつながる危険さえ内包する。そういうことが福田内閣、麻生内閣にずるずると引き継がれてきた。田母神氏はすでに航空自衛隊の隊内誌「鵬友」でも03年から04年かけて同じように侵略戦争美化論を述べているのだ。こんな確信犯なのだから歴代内閣と大臣の任命責任が問われるのは当然だ。素早く火消しをしようと懲戒免職にもせず6000万円の退職金まで払うなんて許せないことである。大臣は「自主返納を」などというが、「それを認めると私の主張が間違っていたことになるから返納はしない」という田母神氏。どさくさまぎれに収めようとした政府の対応のまずさも見苦しい限りだ。田母神氏本人から「懲戒にあたるかどうか議論したい」と防衛省に伝えていたというのに、防衛省側は「必要ない」と判断した空気の読めない幹部たちだ。今からでも遅くないから断固として懲戒処分にするべきだ。

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2008年11月 5日 (水)

麻生内閣の「追加経済対策」の本質は貧困者いじめ

 アメリカ大統領選挙の開票報道が各テレビ局も速報している。民主党のオバマ候補がかなりの差で勝利した。ブッシュ政権の一国覇権主義的な対外政策で、アフガンやイラクで戦争を起こしてきたこと、国内でも貧困の格差が拡大する政治に審判が下った。また政策はともかく史上初めて黒人の大統領誕生はアメリカの歴史に一つの画期をなすものと言っていいだろう。今後、対日関係でどういう対応してくるか不明だが対等平等の関係をめざし、これまでのように日本を目下の同盟者扱いするはやめてほしいものである。さて、米国同様に課題山積の日本の政局では麻生首相は「追加経済対策」なるものを発表したが、支持率は引き続き下落し国民の受け止めは冷ややかである。「目玉」である定額給付金は、「給付は一瞬、増税は一生」であって「家計に冷や水だ」と4日、共産党の佐々木憲昭衆院議員が財務金融委員会で質した。同議員は、これまで小泉内閣以来、総額12兆7千億円も国民への負担増を押し付け、4人家族で年間40万円もの負担が増えたことを指摘した。麻生首相の「追加経済対策」で3年後の消費税増税を質したのにたいし、中川財務・金融担当相は「首相の考えは三年以内に景気をよくするということ」とはぐらかした。そこで佐々木氏は首相の持論である消費税10%になれば、単純計算で一人当たり年間10万円、4人家族では40万円の大増税になることを示した。中川金融・財務担当相は「現在の景気状況のまま掛け算すればそういうことになる」と認めざるをえなかった。たった一回の給付金を4人家族6万円で、そのあとはまた40万円に戻し、そのうえに消費税が上げられたのではこれまでの40万円の増に加えて80万円も毎年取り上げられると追及した。ほんとにひどいことになるなあ。こんな「対策」では我々は納得できない。小泉内閣以来の負担増が12兆7千億円だったものが、消費税10%になれば一年で12兆5千億、つまりこれまで数年間で負担増になったのとほぼ同額が毎年課せられる勘定になる。考えただけでもおそろしいことじゃないか。庶民の収入は「毎年減り続け、取られるものだけ多くなる」との怒りの声が鬱積している。昨夜、NHKの「クローズアップ現代」を見た。「貧困ビジネス」っていうのがあるのだって。年収200万以下の人は全国で1000万人以上、こうした低所得者を対象にしたビジネスが横行していると…。「敷金、礼金ゼロ」を謳い文句に貧困者を誘い、家賃を少しでも滞納すると違約金の支払いを迫る不動産業者。住所不定のため就職が困難な人を「住民登録」できるとして長期滞在させるネットカフェ。ホームレスを一人2畳か3畳の割り当ての貧弱な部屋に詰め込み、「生活保護費」を申請させて、宿泊費、食料費の名目で保護費の大半を受け取る商売で“福祉”を看板にする宿泊所などなどである。いわば貧困者を集めてなけなしの金をしぼりとるビジネスだ。いやいやすさまじい日本の底辺を垣間見た。国は財源といえばスグ消費税というけれど、この税はそんな人々も含めて誰でも一律にかかる最悪の不公平税制であり無慈悲に吸い取るわけだ。そして「追加経済対策」は一方で大企業、大資産家、大銀行には大判振る舞いである。これまでの米国ブッシュ政権に似通っている。こんな日本に誰がしたって聞きたい。

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2008年11月 4日 (火)

「平成の“蟹工船”はトヨタが元凶だ」と自動車月刊誌が紹介

トンデモナイ時代遅れの航空自衛隊・前空幕長の侵略戦争を正当化する論文問題で、昨日、少なくとも懲戒免職処分が相当と書いたが、防衛省は「定年」退職として、6000万円の退職金も与えるとした。国は口を開けば「金がない」というくせに、重要問題で国の方針とちがうことを現職身分で論文にするような輩に、高額の6000万円もの退職金をなぜ払うのか。まったくキチガイじみている。国内はもちろん海外にも日本の恥をさらす高級官僚に臆面もなく退職金を満額はらって退職とは、いいかげんにせよと言いたい。地方の公務員はどこでも減給、減給が流行している折に国家公務員はあきれた輩の高給取りに満額支給なのである。まさに税金ドロボーに払う無駄金である。しかも反省どころか、「誤っているとは思っていない」と開き直っている戦争好みの確信犯だ。民間人が書いた論文なら自由だが、国家公務員が国会で議論して出した1995年の「村山談話」で正式に日本の過去の侵略を詫び、内外の信頼をかろうじて守り、その後の小泉内閣も安倍、福田内閣も麻生内閣も踏襲すると表明している立場に、航空自衛隊のトップという立場で書いたものだから、公務員としてもけじめをつけるべきだ。前々からそういう思想の持ち主だと分かっていて任命した防衛省はもちろん政府の責任も重大である。今国会で問題になることは当然だ。“失言”で有名な麻生首相も口あんぐりで「火消し」に必死だ。その麻生内閣はといえば、総裁選挙を劇場型にしてムードを挙げ支持率を上げ、臨時国会冒頭で解散・総選挙にする予定だった。それが福田内閣発足時の支持率さえ下回り、解散に踏み切っても自公で過半数確保できないことが、自民党の独自調査もわかったので解散できなくなった。さてどうするかと混迷を深めていたときにアメリカ発の金融危機で日本の景気も悪化した。それは自公政治がすすめた新自由主義の構造会改革路線で外需頼みで、内需をおろそかにした脆弱な経済基盤によるものだ。いまや麻生内閣は解散時期を失して進退きわまった感がする。いつ解散に踏み切るか、先も読めなくなり、10月30日の記者会見で「追加経済対策」を打ち出したものの、国民には三年後の消費税増税とセットでわずかばかりの「給付金」をバラマキ選挙対策めいたことを行い、あとは依然として大企業、大資産家、大銀行を応援する「対策」ばかりで本気で景気を良くする気もない。首相はストレスをあいもかわらず高級飲食店のハシゴでそらそうという日々がつづいている。庶民感覚を学ぼうとスーパーに15分だけ調査に行って、そのあとの国会質疑でカップラーメンの値段を「400円」と答える「庶民感覚」である。だが記者会見では解散についてはいっさい明言できないところを見ると、論戦で追い詰められていつ解散になるか分からない。依然として解散含みの情勢は予断を許さない。早期解散をめざす民主党は「解散のためなら」と国会論戦を自民党に協力して新テロ特措法などをロクに審議もさせず衆院を通過させた。麻生首相が解散を「先延ばし」と見るや、一転して「徹底抗戦」みたいな態度をとるなど、だらだらと右往左往している。早期解散を求めた与党の公明党と自民党の亀裂もあきらかになってきた。面白いのは第三極の共産党だ。同党はまじめに国会審議を重視し、金融危機による景気悪化に対して、こういうときだからこそ雇用を大事にし大企業の大量首切りを徹底追及し、中小企業や農業を守るプランで論戦している。揺れる民主党とは大違いだ。だから今まで共産党のことなど取り上げたこともないビジネス、自動車、ファッション、音楽関係などの月刊雑誌までが共産党に注目した記事を書いているのには驚く。その一つ自動車ユーザー向けの雑誌「ニューモデルマガジンX」12月号では「日本共産党は主張する!!“使い捨て”非正規労働者を調整弁にするな」「平成の『蟹工船』はトヨタが元凶だ」とドテライ大きな見出しで紹介している。ほとんどのページが自動車の記事ばかりのなかでトヨタの名前も出しての記事には度肝を抜かれた今日この頃だ。

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2008年11月 3日 (月)

「侵略国家とは濡れ衣」論文の空幕長は懲戒免職にすべき

航空自衛隊トップの田母神俊雄航空幕僚長が国の見解と異なる論文を書いて懸賞に応募し、最優秀賞で300万円の賞に入ったことで問題になっている。論文は「わが国が侵略国家だったというのは正に濡れ衣である」とか、旧日本軍の中国侵略を「駐留条約に基づいたもの」と正当化している。また1928年におこした張作霖爆殺事件は「コミンテルンの仕業という説がきわめて有力」と主張。「日本は日中戦争に引きずり込まれた被害者である」と一方的な主張である。これらは戦前の日本の中国侵略を全面的に否定したものであり、現政府の見解とも異なるものである。そもそも論文を募集したのはホテルグループのアパグループであり、帽子を売り物にした女性社長が存在するところである。耐震強度偽装で一部のホテルが問題になったこともある。ホームページによれば「報道されない近現代史観・戦後歴史は核を廻る鬩ぎ合い」と称して、「第一回真の近現代史観」と題する懸賞論文と謳って募集したものである。ホテル業界がなんで近現代史観などの論文を募集するのか不可思議だ。このグループの経営者は安倍晋三元首相の後援会「安晋会」の幹部という関係だそうである。田母神空幕長は、今年4月、自衛隊イラク派兵を「違憲」とする名古屋高裁の判決が出たとき、誰だったかタレントの「そんなの関係ねえ」という言葉をもじって暴言を吐いたことでも物議をかもした輩である。論文のなかでも現代の自衛隊は「集団的自衛権も行使できない」とか「自衛隊はがんじがらめで身動きできない。マインドコントロールから解放されない限りわが国を自らの力で守る体制がいつになっても完成しない」などと記しているのである。集団的自衛権を「違憲」とする政府の憲法解釈にも噛み付いている。そういう水準の者が航空自衛隊のトップに任命した防衛省の責任も問われる恥ずかしい話だ。もしこの論文に対して政府が何も対応しなかったら外国からも非難されると感じたのか、また、国会論議で騒ぎが大きくなる可能性もあると踏んだのか、防衛大臣は即座に「更迭」処分にした。だから現在では「前空幕長」である。更迭にはしたが辞任はしていないし、本来は懲戒免職ぐらいが妥当であろうけれどそれもしていない。防衛省の内部で「どうすべえか」と悩んでいるのだろうか。案の定、韓国は「歴史の歪曲だ」と外交通商部が不快感をあらわにし、中国外務省の報道官は「自衛隊の現役高官が公然と歴史を歪曲し、侵略を美化したことに驚きと怒りを感じている」と批判。「日本軍国主義は対外侵略戦争を起こし、中国人民を含むアジア人民にひどい災難をもたらした。疑う余地のない歴史的事実である」と見解を表明している。台湾外交部は「日本が第二次世界大戦中に行った侵略行為を正当化したことに強く抗議する」という声明を出した。田母神空幕長の歴史認識は日本では靖国派と言われる人物ぐらいにしか通じない話であろう。即刻に身分上の処分も行うべきである。懲戒免職は当然であると思う。

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2008年11月 1日 (土)

「給付金」を餌に消費税大増税とは怒りたくなる

麻生首相が一昨日夕、記者会見でとてつもない国民虐めの政策を言明した。それは、全世帯を対象とした2兆円規模の「給付金」として、平均的な家族4人の世帯あたり6.4万円を支給する家計緊急支援対策の定額給付を柱にした「追加経済対策」だ。「100年に一度の暴風雨が荒れている」などともったいぶって生活者の暮らしの不安を取り除くという。その割には国民向けのこの給付金は一年こっきりであるのに対して、財界や大企業への減税などは設備投資減税、海外子会社の利益の非課税化、一部高額所得者向けの証券優遇税制は三年延長して支援するとか、株式の配当や売却益にかかる税率を本来の20%から10%に軽減することをさらに数年続けたりする。大企業、大金持ちには何年も先に渡ってとてつもない減税の恩恵なのに、国民には一回こっきりで一人当たりにすればわずか1万数千円の給付だけ。そんなことで景気が回復するとでもいうのか。しかも、しかもですよ、三年後に消費税を増税するという時限爆弾つきなのだ。1万数千円と引き換えに消費税がおそらく5%以上引き上げられる。これは半永久に続く。そんなアホな「景気対策」なんてあるか?まるで馬の鼻っ面ににんじんをぶら下げて、重たい荷物を引っ張らせるようなものじゃん。いま、日本列島は大変な勢いで雇用の破壊がすすみ、トヨタ、日産、三洋電機など大手大企業が、派遣などの不安定雇用の労働者を次々と大量に首切りを進める、リストラの嵐が吹いている。また大銀行はこの時期、中小企業等への資金繰りが必要な時期なのに逆に貸し渋りをする、貸していたものまで剥がしてしまう。経済対策の中身も中小企業等への支援ではなく、大企業・大資産家へのバラマキばかりでさらに、大銀行には10兆円規模の公的資金の投入枠を広げるのである。「生活者の暮らしの不安を取り除く」と銘打った「給付金」は、クーポンにするのか現金にするのかは知らないが、「目玉だ」「目玉だ」と大宣伝している。一人当たり1万数千円では不安がなくなるどころか、今までの赤字分を埋め合わせる足しにもならない。小泉内閣以来庶民への負担増や増税は13兆円にも及ぶのに、わずか2兆円程度では慰謝料にもならない。しかもあとから消費税がど~んと上がるのでは、将来不安の方が大きくて例え1万数千円でも蓄えに回してしまうかも知れず景気対策どころではない。本当の景気対策は国民の暮らしを土台から応援する政治が必要だ。年金、介護、医療改悪の元になっている社会保障費の毎年2200億円抑制が、すでに小泉内閣以来1兆6千億円にもなっている。こうした路線をただちに中止し、国民の将来不安をなくすことこそ必要なのだ。ましてや3年後の消費税増税なんて「国民の購買力を低下させ不況を呼び込む」ようなものであり、国民いじめの最たるものであるから絶対にやめるべきである。

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