« 「給付金」を餌に消費税大増税とは怒りたくなる | トップページ | 「平成の“蟹工船”はトヨタが元凶だ」と自動車月刊誌が紹介 »

2008年11月 3日 (月)

「侵略国家とは濡れ衣」論文の空幕長は懲戒免職にすべき

航空自衛隊トップの田母神俊雄航空幕僚長が国の見解と異なる論文を書いて懸賞に応募し、最優秀賞で300万円の賞に入ったことで問題になっている。論文は「わが国が侵略国家だったというのは正に濡れ衣である」とか、旧日本軍の中国侵略を「駐留条約に基づいたもの」と正当化している。また1928年におこした張作霖爆殺事件は「コミンテルンの仕業という説がきわめて有力」と主張。「日本は日中戦争に引きずり込まれた被害者である」と一方的な主張である。これらは戦前の日本の中国侵略を全面的に否定したものであり、現政府の見解とも異なるものである。そもそも論文を募集したのはホテルグループのアパグループであり、帽子を売り物にした女性社長が存在するところである。耐震強度偽装で一部のホテルが問題になったこともある。ホームページによれば「報道されない近現代史観・戦後歴史は核を廻る鬩ぎ合い」と称して、「第一回真の近現代史観」と題する懸賞論文と謳って募集したものである。ホテル業界がなんで近現代史観などの論文を募集するのか不可思議だ。このグループの経営者は安倍晋三元首相の後援会「安晋会」の幹部という関係だそうである。田母神空幕長は、今年4月、自衛隊イラク派兵を「違憲」とする名古屋高裁の判決が出たとき、誰だったかタレントの「そんなの関係ねえ」という言葉をもじって暴言を吐いたことでも物議をかもした輩である。論文のなかでも現代の自衛隊は「集団的自衛権も行使できない」とか「自衛隊はがんじがらめで身動きできない。マインドコントロールから解放されない限りわが国を自らの力で守る体制がいつになっても完成しない」などと記しているのである。集団的自衛権を「違憲」とする政府の憲法解釈にも噛み付いている。そういう水準の者が航空自衛隊のトップに任命した防衛省の責任も問われる恥ずかしい話だ。もしこの論文に対して政府が何も対応しなかったら外国からも非難されると感じたのか、また、国会論議で騒ぎが大きくなる可能性もあると踏んだのか、防衛大臣は即座に「更迭」処分にした。だから現在では「前空幕長」である。更迭にはしたが辞任はしていないし、本来は懲戒免職ぐらいが妥当であろうけれどそれもしていない。防衛省の内部で「どうすべえか」と悩んでいるのだろうか。案の定、韓国は「歴史の歪曲だ」と外交通商部が不快感をあらわにし、中国外務省の報道官は「自衛隊の現役高官が公然と歴史を歪曲し、侵略を美化したことに驚きと怒りを感じている」と批判。「日本軍国主義は対外侵略戦争を起こし、中国人民を含むアジア人民にひどい災難をもたらした。疑う余地のない歴史的事実である」と見解を表明している。台湾外交部は「日本が第二次世界大戦中に行った侵略行為を正当化したことに強く抗議する」という声明を出した。田母神空幕長の歴史認識は日本では靖国派と言われる人物ぐらいにしか通じない話であろう。即刻に身分上の処分も行うべきである。懲戒免職は当然であると思う。

|

« 「給付金」を餌に消費税大増税とは怒りたくなる | トップページ | 「平成の“蟹工船”はトヨタが元凶だ」と自動車月刊誌が紹介 »