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2008年12月31日 (水)

型破り年賀状に託した今年の回顧録

 型破り年賀状で今年を回顧しながら2008年がまもなく暮れる。例年の年賀状は世間並みに「あけましておめでとう」なんて、おめでたくない年でもそんなことを書いた。そもそも年賀状とは、郵政事業が国の運営だった時代は少しでもお国のためにと少々の年賀はがきを買って、日本の伝統文化の一つとして協力したつもり。旧郵政時代の職員だった知り合いの連中が何人もいる。そういう人たちはこぞって言ったのが、「郵便事業は赤字ではないのに小泉のおかげで民営化するとはなにごとぞ。俺たちは儲けて少しでも国家に貢献している。年賀状は、郵政の黒字を作るうえですごく大きな役割を果たしている。年賀状がなければ黒字にならないくらいの役割を果たしている」と…。だから10月頃になるとそういう連中から電話で「年賀状の予約頼む」とセールスがあったものだ。その郵政事業が民営化され1民間事業になった。だからもう年賀状を購入する意味は半減した。まあ、お世話になった方々へのご挨拶という意味合いもあるから買っていたが、今ではメールもあることだし、随分枚数を減らした。そしてパソコンでは差出し相手ごとに文面を変えることも簡単だ。で、型破り年賀とは、不安な年金、食の不安、高齢者への医療差別、そして何よりもアメリカのせいで大不況、解雇の嵐、消費税増税などなどを振り返っていたら、「おめでとう」なんて書けないから、はがき面を駆使して社会情勢を書いたあと、「おめでとうはご遠慮、お許しを乞う」と記した。来年の干支である牛様のカットは入れたけど…。そういうわけで今年の回顧である。いま、日本が直面している大不況、それに伴う解雇ラッシュ、中小企業の倒産も元はといえばアメリカ依存だからである。日本国土にある無数の米軍基地、米兵の犯罪をはじめ、アメリカが要求もしないのに毎年2千数百億円もの「思いやり予算」を出し、さらに米軍基地のグアム移転の費用3兆円まで負担する。米国の証券会社の倒産で日本の企業が大損し株価の下落で200兆円もの損害らしい。一瞬にして日本経済に延焼した。実体経済の3倍もの金を動かして大儲けした投機などバクチ経済が破たんした。それは原油高騰や食料危機をも広げた。戦争に明け暮れたブッシュ路線は崩壊し、アメリカ一国の世界支配も崩れた。こうしたアメリカ言いなりの政治が国民を苦しめる元凶であることが、かなり広い国民に理解されはじめたことが、せめてもの前進面であったと思うのが一点。もう一つは、日本の大企業の横暴でいかに国民が苦しめられているかということも、多くの国民の現実の目線になってきたことだ。来年3月までに大企業などの解雇の嵐で8万5000人が職を奪われると厚労省が公表したが、これから及んでくる中小企業のことを考えれば、金融機関などの予想では非正規、正規を問わず解雇される人は百数十万人にのぼるそうである。これまで非正規労働者の血と汗がにじむ労働力で、どーんと溜め込んだ儲けを吐き出すどころか、この期に及んでも経営者、役員、株主配当は減らさず、3倍、5倍と増やす大企業。寒空のもとでも平気でクビ切りし、帰る家はなく食事も満足にできない労働者にたいし、ひとかけらの思いさえも寄せず、鬼家せまる儲け主義の大企業であることが多くの国民に理解され始めたこともささやかだが貴重な前進面だ。過酷な仕打ちにも「泣き寝入りはしない」と労組を作ったり、「年越し派遣村」と称して、職・住を失った労働者を支援する輪がこの時間にも広がっているように、新たなたたかいに立ち上がっている。このように「アメリカ言いなりノー」「大企業の横暴ノー」という、本質問題を捉えた運動の広がりは希望を生む光でもある。世界でもアメリカ離れする国々が増え、日本でもアメリカと大企業べったりの自公がいよいよ消費期限切れで断末魔の叫びとなっている。残念ながら野党第一党の政党は、まだアメリカと大企業には面と向ってモノが言えない弱点をもっているが、その弱点の克服なしに真の日本の夜明けは見えてこないということが鮮明化できるように、衆院選にむけ世論を高め、来年が新たな政治への橋頭堡を築く年になるよう祈念するものである。この一年アクセス頂いた皆さんに心から感謝し、来る年のご多幸とご健康を願って今年最後の拙文とします。ありがとうございました。

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2008年12月29日 (月)

麻生首相の漢字の読み違えで人気沸騰の本

 災い転じて福となす。この未曾有(みぞう)の不況下に政策面でなんにもしない麻生さんですが、経済効果を高める大きな?仕事があったぞ~。KY…「空気が読めない」とちゃうで、「漢字が読めない」(KY)の麻生さんらしい仕事。実は「漢字の読み方本」というのが大ヒットしてるそうだ。なんでも売れ行きランキングがじゃんじゃん上昇し、数ある本のなかで現在41位とかで発刊以来23万部になったらしい。誤って読んでしまいそうな漢字1868文字とかの読み方と言葉の解説もあるそうな。発行元が大宣伝しようとした矢先に麻生首相の読み間違いの連発があって以降うなぎのぼりに売れ出したというのだから麻生効果はまちがいなし。出版元は麻生さんに感謝感激かな。それにしても庶民はなかなか賢明だ。首相のように恥をかかないように勉強しているんだね。でもねえ、麻生さんにしたらその本を売ろうと思ってわざと間違えたのではなく、まじめに間違えたことは確かだ。その調子でついでに「定額給付金も後期高齢者医療制度も廃止します」ってやれば、支持率も少しはあがるのにねえ。だが、この方向は読み間違いも撤回もせず、相変わらず会見では笑っていらっしゃる。TV画像ではクビを切られた派遣社員がわずかな荷物をもってハローワークを転々とするも職が見つからず、「長いこと自民党を信じてきたのに最後はこの仕打ちか」と怒りをぶっつける姿などが、放映されるのに笑っている場合か?臨時国会最後の衆院本会議でとうとう自民党から造反者が一人出た。渡辺善美元行革大臣という有力者だ。「除名でもなんでもして下さい」と本人は言っているのに、処分はといえば軽いほうから2番目の「戒告」である。いわば政権への反逆者なのに軽い処分しかできない自民党。なぜなら、もし除名処分にでもすれば渡辺氏は国民的ヒーローになってしまうことを恐れたためだ。もはや自民党は空中分解しそうだ。造反はもっともっと起こりそうだ。「自民党内で『新しい旗』を立てることが必要だ」と中川秀直元幹事長が「生活安心保障研究会」とかいう名称で、何十人かの自民議員とともに立ち上げた。しかし、この中川という御仁は、現在の大量解雇の元を作った“戦犯”である小泉純一郎の流れにある人である。働くルールを滅茶苦茶にして解雇ラッシュで年の瀬を越せない何十万の労働者や中小企業の倒産を生み出した張本人が小泉純一郎だった。中川氏は「行政改革を小泉政権以上に加速させる」と公言してはばからないのだ。なにが「新しい旗」どころか、古臭いよれよれになった「旗」だ。そういう派が台頭するならば日本丸はますます沈没しちゃう。今朝のテレビ番組に登場したノーベル物理学賞の益川敏英さんは、政治の感想を求められ、名指しこそせず遠慮気味であったが、「何代か前の人(首相)が『自民党をぶっ壊す』と言ったが、ぶっ壊したのは社会のセーフティーネットであった」という意味のことを語った。物理学の方が政治に口出すのだからきわめて遠まわしに、上品な語り口であったが誰のことかは明白だ。そうです、「自民党をぶっ壊す」と言って総裁になり、その言葉の彩に乗った人気で5年間の政権で日本社会をぶっ壊す元凶になったのが小泉内閣だった。そんな流れに組する人が「新しい旗」なんて言ったってどれだけの国民がついて行くか、そういうことさえも分からず、行き先すら喪失してしまったのが今の自民党だ。こういう自民党には葬送行進曲でも奏でてあげるのが最適ではないか。

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2008年12月27日 (土)

まさに政治災害、非正規切り85000人!

 派遣労働者、契約期間付労働者、請負労働者などいわゆる非正規社員などの来年3月までに解雇される数が厚労省のまとめで、なんと85012人に達することが公表された。同省は11月の調査で約3万人と発表していたが、いかにも少ない、もっとあると予想していたが、わずか1カ月で2、8倍に増加した。産業別では製造業が81240人と96%を占める。雇用形態では派遣が57300人と圧倒的多数で、このうち、中途解約が29451人と過半数である。中途で解雇するのはもちろん違法である。そして期間工などは15737人、請負が7938人。請負の中途解除も4738人ある。総数のうち再就職について確認されたのは18771人でそのうち88%にあたる15145人が再就職先がみつかっていない。66000人超す人の再就職の状況は未掌握だが、おそらく同じような比率であろう。まさに衝撃的なことである。製造業に派遣労働が拡大されたのは04年に小泉内閣のもとで規制緩和し、就労は06年から始まった。自動車や電機など大手製造企業はこの規制緩和を小躍りして喜んだものだ。モノが売れる忙しいときはどんどん非正規で期限を決めて雇い入れ、賃金は正規労働者の半分程度で、年金・社会保険などは派遣会社の裁量にまかせるから、派遣を受け入れる企業はウハウハである。さらに不況になればいくらでもギロチンで首切りだ。いわゆる労働力の調整弁として人間扱いせず、ひたすらロボットのように使い捨てが自由である。クビと同時に住んでいた寮なども放り出すという非人間的な行いである。こうしてトヨタは今期見込みは1500億の赤字だというが、昨年度だけでも2兆円を大きく上回る利益をあげたのだ。人間の命というのは経営者であろうが労働者であろうが命の重みは同じはずである。非正規社員の多くはいわゆるワーキング・プアと言われる貧困層であり、妻や子と別れて一路職を求めて転々としたり、親元を頼れない独身青年たちである。寮から追い出されると、たちどころに公園や路上でのホームレスにならざるを得ず、テレビに映し出される人のなかにはカバンと手荷物片手に、「夕べは寝袋でコンクリートの上で寝ようとしたが寒くて眠れず」などと語る。「自殺を考えた」という人もいる。働いていたときは正社員と同じ仕事をし、残業や休日出勤にも応じたり、高熱があっても身内に不幸があっても休まず働き続けた人々である。こうした人を路頭に迷わすのは人道上から言っても許されることではない。非正規労働者をモノのように働かせて莫大な内部留保があるにもかかわらず、「内部留保を取り崩してまで雇用を維持することはないというのが経営判断である」(トヨタ)と冷酷に言い切る経営陣。とても人間の血が通った者の言うことではない。冷酷無比な化け物みたいである。そこには「儲け」のためなら人間の命なんてどうでも良いという資本主義的害悪の化身しかない。車や電化製品はどの企業も機能は大差ない時代、これからは人間を大事にするメーカーを選ぼうではありませんか。ところで8万5000の解雇は主に大企業が中心であり、その下には無数の中小下請け企業があり、これから、さらにその業界でも解雇が広がるだろう。中小企業家は現場労働者と接しているから、「私はリストラしない。蓄えをスッカラカンにしでも労働者を守る」という立派な方々もいるが、そういうところへは大手銀行は金繰りの金も貸さない非情さである。だから、頑張りきっても最後は労働者と心中するしかない場合もあるだろう。こうした根底には労働法制の規制緩和という「政治災害」がある。これまでの政治は、大企業・大銀行言いなりで、庶民からは消費税を強奪しては、その大半を法人税減税など有利な税制を強いて大企業に貢いできた。いまそのツケがまわってきた。「自民党は消費期限切れの政党になった」(評論家)、「戦後の枠組みは麻生政権とともに終わる。麻生首相は自民党の最終ランナーとして現れ、自民党の葬儀委員長として終わるのではないか」(東大教授)、「自民党の歴史的使命は終わった」(自民党元幹事長)等々の声が噴出している。そして今日の政治災害の張本人である小泉純一郎は今期で政界から逃亡。息子に託すというが、そもそも昨今の政権中枢にあまりにも2世、3世のだらしない、苦労知らずが多いから堕落した政治になったことも知らずにだ……。

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2008年12月25日 (木)

大企業にモノ言える政党か、言いなりの政党か

 「100年に一度の大不況」「スピードが大事」という割には亀さんのようなノロマな対策しかとらない麻生内閣と自公政権。一方で「政権交代」ばっかり言って、なんとか衆院解散させようと取引に終始する民主党。どちらにも共通しているのは年の瀬を越せない国民の苦悩はほったらかしという点だけだ。そんなかでいちばん光っている政党は議員が少数でも共産党だ。その共産党の志位和夫委員長は、史上初めて昨日24日、あのトヨタと会談した。中心は「大量解雇を中止・撤回し、雇用を守る責任を果たせ」と強く申し入れたのである。トヨタ側で対応したのは古橋衛専務、宮崎直樹常務である。会談で冒頭に志位委員長は「期間・派遣労働者の大量解雇が社会的問題になっているが、トヨタという日本のリーディング・カンパニーが大量解雇の引き金を引いた、その社会的責任はきわめて重大だと考えている」「株主への巨額の配当、巨額の内部留保を考えても大量解雇が避けられないとする合理的理由は考えられない。大量解雇を中止・撤回し、雇用に対する社会的責任を果たすよう求める」と述べた。その上で「非正規切りは人道に照らし許されない」こと、「契約中途の解雇は法令に反する」こと、「大量解雇には合理的理由がない」こと、「経済を悪循環に突き落とす」ことなど4点にわたってトヨタ側の認識と見解を求めた。詳細は「しんぶん赤旗」HPに掲載されているから譲る。わたし的に言いたいのは、自民・民主が国会でいたずらに応酬ばかり繰り返すなかで、この間、志位委員長は日本経団連をはじめ、キャノン、いすゞ、マツダそしてトヨタと個別大企業と会談し、企業の社会的責任や大企業は雇用を守る体力があること、雇用破壊は景気を底抜けに落としてしまうことなどを繰り返し要望したことだ。首相はしばしば経団連に呼ばれる機会があり、その都度、「法人税を下げろ」「証券を優遇する税制を」とか、「もっと消費税を上げろ」と大企業側の要求を言われる側にまわり「いいなり」に終始している。それに対して共産党は堂々と大企業にモノが言える唯一の党だという値打ちがある。その他の政党は「雇用を守る」ことは主張しても、具体的な対策は解雇された後の事後処理しか言えないところに特徴がある。要するに雇用破壊の当事者である大企業には指1本触れずと言っても過言ではない。これとて共産党は政党助成金をいっさい受け取らず、企業からの献金も一円ももらわず、機関紙の広告も大企業は掲載しない。大企業にモノが言えるか、言えないかの決定的なちがいがここにある。志位委員長が経団連や個別大企業に直接乗り込む傍ら、大量解雇にあった労働者は自ら労働組合の結成に立ち上がり、勇気をもって全労連などと連携して反撃に出ている。こうしたなか、いすゞでは先月発表した1400人の期間工、派遣切りのうち、期間工の550人は撤回すると発表した。これは世論と運動による一定の前進面である。しかし、派遣労働者は対象外だというのでひきつづき運動を強めている。いま、80年前の共産党員作家小林多喜二の「蟹工船」が爆発的なブームを呼び、普通は年に5000部程度だったのが今年は50万とも60万部と言われる人気になっている。この1年で共産党への新規入党者は1万3千人超える。民主党の党員総数は4万数千と言われるから、共産党にはその4分の1が新たに入党というからすごいけれど非正社員切りと敢然と闘うことからして当然といえば当然だろう。一方、自民党はといえば地方では支持基盤だった各種業界で支持離れが起こっており、離党も相次いでいるという。KY(㊟麻生さんの「KY」とは“空気が読めない”にプラス“漢字が読めない”の「ダブルKY」らしい)一筋の麻生さんはあいかわらずカラ元気で威張っているし、高級飲食を旗印にしているから、地方の自民党幹部も嘆き節が止まらないだろうねえ。新しい年はいくらKYな麻生さんでも衆議院の任期満了(9月10日)を超えて解散しないわけには行かないから、8月いっぱいまでには必ず選挙がある。歴史的勝負の年である。

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2008年12月24日 (水)

世界第2位の経済大国でホームレスが急増

 今年もあと一週間で暮れる。この年末年始は「巣ごもり」の人が増えているという。不況であちこちへ遊びに行くと金を使うから、自分の家なり賃貸住宅の部屋を巣にしてこもる種族のことらしい。わたし的にもその「巣ごもり」を決め込んだ一人である。ちょっとでも動いたら支出が増えるからだ。それでもなぜか「初詣」の人出は昨年より多いという予想もある。たしかに近場の初詣スポットなら交通費くらいだから、なんとか来る年の多幸を「神頼み」しようという人が多いのかも知れない。でも「神」を信じないわたしとしては未だに「初詣」は行ったことがない。耳を澄ませばどこかから除夜の鐘の音が聞こえてくるから、大晦日はそれを初詣変わりにストーブの灯油を抑制するため布団で暖をとりながら「寝ごもり」する。しかし、「巣ごもり」できる「巣」があるから、まだ、ましかなあなんて慰める。だって、いろんな情報ではボランティア団体などによるホームレスへの炊き出しもさかんなようだ。しかし、その人数が今年は異常に多いらしい。ボランティア団体のサイトなどを見ても「例年は400人くらいだが、今年は一日で700人を越える日もある。米が足りない!」と悲鳴を上げている例もある。それもそのはず、この寒風吹きすさぶ年末にギロチンのように、容赦のない派遣切り、期間工切りが行われているからである。今朝のテレビでは1週間まえにクビだと言われたブラジル人女性二人がついに強盗を働いたことも報道されていた。しかし一方ではボランティア団体の涙の出るような炊き出しなどには頭が下がる。昨日は東京の池袋駅、新宿東口、渋谷駅南口で、全国労働組合総連合、新日本婦人の会、全国商工団体連合会、全日本民主医療機関連合会など多くの労組、市民団体が共同で「緊急街頭相談」をおにぎりとブタ汁の炊き出し付で行ったそうだ。テレビにも映ったし今日の「しんぶん赤旗」が詳報している。10月に職を失いホームレスになった53歳男性は「翌日に相談者と一緒にハローワークに行く」と喜んだ。42歳の男性も「食べるものがないのでありがたい。明日、ハローワークに行く」と語る。「12月、仕事は5日間だけ。所持金は1000円。もうネットカフェにも泊まれません。4キロ離れた友人のところへ歩いて行く」という41歳の男性は派遣やら日雇いでしのいできたらしいが、「弁護士さんのアドバイスで生活保護申請に行く」そうだ。2年の契約でアルバイトに就いた24歳女性は2ヶ月で解雇。相談で「解雇予告手当が請求できる」ことを知り要求するという。この街頭相談会の主催者は今後全国で行うよう呼びかけるそうだ。こうした機敏な相談会や各種ボランティア団体の炊き出しなどが行われたり、地方の行政も仕事の確保や当座の住み家のあっせんに乗り出している。トンマなのは国政である。二つのバカデカイ政党が、口先では「緊急対策」を叫びながら、その扱いをめぐって意地のつっぱりあいで、「緊急」どころか、ノロマな姿勢で正月あけの5日から国会で審議するという。日本人にとって正月とは、例えウサギ小屋のような小さな「巣」でもいいから家族が集まって談笑する特別の意味合いをもつ。だが、その正月直前にギロチン大企業は無慈悲にもクビさえ切ったら「あとは野となれ山となれ」である。膨大な隠し利益を溜め込んでいてもだ。トヨタはここにきて来年3月期決算は1500億円赤字だと宣伝し始めた。そうだとしてもトヨタは9月末で13兆8000億円の溜め込みがあるのだからその1%強だ。「筋肉質で柔軟な体質に変えて行く」(渡辺社長)とさらなるコスト削減をはかる口ぶりだ。筋肉質隆々なのに民が滅びようが、ホームレスになろうが「そんなの関係ねえ」というのだろう。これが世界に誇る大企業の姿であり、他の大企業も「右へならえ」する。世界第2位という日本経済がこのまま進めば「民が滅びて国滅ぶ」図式になりかねない。ドイツでは操業を短縮して派遣労働者の雇用を守り、収入が減る分の一部を連邦雇用庁が補償するという報道もある。へえ~日本のノロマ対策とは大ちがいだわねえ。

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2008年12月22日 (月)

“ギロチン企業”に弱い自公民では雇用守れず

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 さしせまる破局、それとどう闘うか。これが今の日本の風情のようだ。だが自公民のマンガチックな「対決合戦」の絵空事で、いっこうに展望が見えない。そのなかでおどけたリーダーが居るものだ。19日、東京は渋谷のハローワークを視察した麻生太郎さん、北海道から出てきて仕事をさがす若者に、わざわざしゃしゃり出て「臨時相談員」を受け持った。メディアも同行しているからパフォーマンスのつもりだろう。「(北海道で)土木作業員をしていたがそれも仕事がなくなった。なにか(仕事が)ありませんか」とハローワークにたどり着いた若者。太郎さんは「なにを自分でしたいか決めないと、なんかありませんかね、っていうんじゃ、仕事はみつからないよ」といきなりお説教…。これが麻生臨時相談員の返事です。いささか使いふるされた言葉だが、思わず「KYだなあ」とTV画像を見ながら思った。いまどき、「自分のしたい仕事など見つかるワケもない時代」だという「空気が読めない」太郎さん。だいたい、この人がつるべ落としのように落ちる支持率を上げようとパフォーマンスをやればやるほど支持率を下げる。どんな仕事でもいいからとワラをもつかむ思いで求職活動にきた若者に「それじゃ、仕事は見つからんよ」と蹴っ飛ばす。「KY」+「MY(全く分かっていない)」太郎さん得意の「下々(シモジモ)」を見下ろすパフォーマンスそのものだった。

 クビ切り“ギロチン”企業、まだこんなに金持ちだ!という「日刊ゲンダイ」18日付け記事をネットで読んだ。「5年間全社員を草むしりさせても、今のレベルの給与は払える」と期間工切りした大企業の経営陣が話していたという例を紹介し、「人員削減は苦渋の選択だったように見えるが、なんのなんの、大企業はまだまだ懐に内部留保やキャッシュを十分ためこんでいるのだ」とツッコミ。そして期間従業員や派遣・請負社員などの削減を決めた大手8社の“金持ち度”一覧表を添えている。「直近の有価証券報告書(4半期、半期含む)に記載された内部留保(利益剰余金)や現金、定期預金、流動性のある有価証券の金額は、兆円単位の数字がズラリと並ぶ。今でこそ各社が業績の下方修正や赤字を連発しているが、思い返せば、その多くは、08年3月期決算で過去最高益を上げるほどウハウハだったのだから当然だ。好業績に合わせて、役員報酬もどんどん膨らんだ」というもの。一覧表は企業名、内部留保と現金・定期預金、役員の平均報酬を分けて記載しているが字数の都合で内部留保等の合計額とカッコ内は役員の平均報酬として一部だけ転載する。キャノン3兆7923億、(5004万円)。トヨタ15兆2503億、(1億2200万円)。ホンダ6兆3173億、(6057万円)。日産3兆3243億、(3億5583万円)。ソニー3兆2611億、(2億8986万円)などなどである。どの社もいま解雇する派遣などを切らずとも、労働時間の短縮・均等化、残業の削減などで、総量の決まった仕事でも多くの人で分かち合うワークシェアリングなど知恵を働かせれば何年間でも雇用と、景気の下支えをやることができる。「日刊ゲンダイ」は、経済ジャーナリスト・有森隆氏の話を紹介している。「経営者は口先では『(雇用を)努力する』と言っていますが、本心は、非正規社員はリースした設備と一緒で、余ったら返せばいいと考えている。人間としてカウントなどしていません。むしろ、小泉政権の04年に製造業向け派遣が解禁されたことで、今回のリストラでは正社員に大きく手をつけずに済みホッとしていますよ」――つまり、非正規社員はモノ扱いなのだ。イヤーほんとに同感であり拍手喝采だ。こういう話を大新聞もNHKも民放もやって欲しいものである。(だが財界の圧力が怖くて報道しない?) 誰よりも率先して言わなきゃならないのは、「KY+MY」の麻生太郎さんである。「大企業には雇用を守る体力がある」ことを指摘し、雇用破壊をやめさせる有効な時限立法とか、与党が米軍支援のためによく使うでも作って規制すべきなのだ。しかし今の自公やあるいは民主もそうであるが、大企業・大銀行ばかりを応援する下請け政府や、デカ野党は財界が怖くて物が言えないからさしせまる破局を救えないことは明白である。(カット写真は、クルマ情報誌「ニューモデルマガジンX」12月号から)

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2008年12月20日 (土)

雇用破壊のなか、自民・民主のなじりあいは言語道断

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この年末に職を切られ、住む家もなく新たなホームレスが生まれようかというときに、自公と民主、社民、国民新党の3野党が党利党略の駆け引きばっかりして、なにも緊急対策が決められない歯がゆさが続いている。全く異常な国会である。地方の自治体は、派遣切りされ帰る家もない労働者に、公営住宅の空き家を格安の家賃で提供するなど必死になっているのに、自民・民主の「2大政党」を先頭に異常な国会にあけくれているのには辟易する。大阪府知事流に言えば「大馬鹿」ものだ。民主、社民、国民新の3野党は「雇用関連法案」として18日の参院厚生労働委員会へ緊急に提案した。2時間ほどの審議で強行採決し本会議でも与党が退席という異常事態のなかで可決した。衆議院に回っても自公が賛成するはずがないと分かっているにもかかわらず、ごり押しをして「民主党はやった」と言いたかったのだろう。なぜそれまでにすべての党が集う与野党幹事長・書記局長会議などを開いて、小異を捨て大同で一致する点で決めるというやり方をしないのか。「野党(民・社・国)の単なるパフォーマンスだ」と与党が言えば、民主党は、「政府の対策は実効性に乏しい」などと空ろな空中戦、中傷合戦でなじりあう姿は、犠牲者さえ出かねない大量解雇ラッシュの労働者から見ればどんなに失望を与えたことか。現に野党3党が出した「雇用関連法案」は政府・与党の対策と重なり合う部分が多くあったのだから、党利党略を捨て真摯に前向きに議論すればまとまる可能性があったのだ。ところが「政府・与党案の盗みどりだ」と言わんばかりで与党も向き合わない。こうした裏には、「政局よりも政策だ」とする与党と、「解散一点張り」の3野党のメンツをかけた醜い駆け引きがあるからだ。その中心は大きな図体をもつ自民と民主だ。図体は大きくてもなにも決められない脳なし議員である。こういう2大政党に振り回される国会だから、国民の政治全体に対する不信はいまや頂点に達している。唯一、再三再四にわたって、「与野党の幹事長・書記局長会議を開いて討議を」と、真摯に申しいれていた共産党だけが救いである。だから民放テレビで心ある人は、「共産党・志位さんのところが『きちんと審議をやれ』と言っているのはまさに正論。ここに自民党も民主党も戻ってもらいたい」との発言も出るくらいなのだ。地方紙でも「今は共産党が自民、民主両党に緊急雇用対策を年内にまとめるための与野党協議を提案したことの方が筋が通る」「今は政局よりも迅速な救済対策という現実路線は当然の選択であり、自民・民主両党は早急に提案を受け入れるべきだ」(岩手日報)とさえ主張している。そうだ、まさに「迅速な救済対策」が必要なのは自民党も民主党も思っていて当然だ。だのに、ただいたずらに、国会の場でなじりあっているだけではないかと危惧する。そんなわけで、麻生内閣の支持率は時事通信社の12日―15日に行なった個別面接調査でさらに支持率が落ち、16.7%(上のグラフ参照)とついに10%台である。政党支持率では自民が-5.2ポイントの18.6%、民主は-0.9ポイントの13.4%で「(民主は)自公政権に代わる受け皿になっていないことを示した」(時事通信)。「党首力」では小沢氏がリードしているが、麻生・小沢氏の2人合わせても58.7%と低い。無党派層が+6ポイントの58.2%で政治不信が大きいことを示した。いま地方自治体が財政が大変な折でも解雇された派遣労働者を一時的に臨時の職員として採用するなど涙ぐましい努力をしているのに、国のリーダーシップは大政党同士のなじりあいでいいのか?自・民の両党は残された国会の会期は少ないが真摯に反省し、急転直下で年末の雇用対策を作れと言いたい。そんなこともできないのであれば、19日に今年度最終分の政党助成金をもらい、今年度合計で自民党158億4200万円、民主党118億7800万円を返済すべきだ。誰からもらった金だ。国民の税金だぞ。だが年も越せない国民のことをそっちのけにしているのだから戻すのは当然だ。さもなくば「税金ドロボー」である。

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2008年12月18日 (木)

大企業は莫大な内部留保を活用し雇用を守れ

 今年もあと2週間で終わる。連日報道される派遣切り・期間工切り、あるいは正社員すら解雇されるニュース、今日の新聞もホンダが来年2月末までに450人の追加の期間工切り、日産も追加策で残っている派遣社員を3月末までに全員解雇する方針だとの報道。自動車産業だけでも年末・年始にかけて18000人に及ぶ派遣・期間工切りだ。ほかにも電機産業をはじめ解雇の連鎖が起こっている。すでに無慈悲な通告を受け寒風に放り出され、「職は切られ寮も出よ」と言われて行く当てもない労働者の途方にくれた姿や、「今日から3日以内に解雇」という日産の労働者がテレビに映る。少なくとも一昔前までは解雇と言っても1ヶ月まえに通告するのがルールだったが派遣の場合は即刻だ。クリスマスのイルミネーションが輝くなか、かつてない悲惨な年末の風景である。来年はもっと悲惨になることは確実で失業率は6%、7%になるという識者もいる。ところで、派遣切りなどにもっとも力をいれて奮闘している共産党の機関紙「しんぶん赤旗」本日付けは、大企業の内部留保は今年3月末時点で226兆6517億円もあることを報道。その裏で自動車・電機などは「減益だ」「減益だ」と強調する口も乾かぬうちに非正規社員を片っ端から切ってしまうやりかただ。このように膨大な内部留保を溜め込んだ原資は賃金が正社員の半分だという非正規社員の労働力が大きく貢献しているのだ。厚労省資料によると正社員の平均給与は、残業手当、一時金含めて年間523万5千円で、正社員とほぼ同じ仕事をしながら給与は半分以下だから、どれだけ非正規社員から搾取し溜め込みながら、先行きが危ないと見れば真っ先にクビ。自動車産業の大企業(資本金10億以上)だけでも今年4月から9月末までの半年で新たに増やした内部留保は2538億円もあるそうで正社員48000人分の年収にあたる。自動車産業で解雇される非正規社員18000人の雇用を維持できるだけでなく、正社員にする体力も十分にある。4月以降わずか半年だけの内部留保の積み増し分だけでも有り余るわけだ。それ以前の内部留保は前述のようにワンサカある。皮肉にも歴代の自公政権は「大企業が繁栄すれば国民にも波及する」と言ったものだが、見事なウソであることが証明されたわけだ。このように「体力が十分にある」ことを証明して派遣切りなどをなくせというのは共産党しかない。よくテレビでも昨今のこうした悲惨な事実は報道するが、「大企業に雇用を守る体力はある」という視点がほとんど語られない。なかにはコメンテーターなどが「思い切って法人税をさげる」とか「公的資金の投入を」なんていう“不勉強”な発言も見受けられる。今までどれだけ大企業を優遇する税制になったか勉強してほしいものだ。消費税導入以後の消費税収の8割は法人税の減税と減収に回されて社会保障などは切捨てる一方なのだ。「雇用を守る体力はある」という、この核心部分の視点を指摘するメディアもほとんどない。(企業のCMを断られるのが怖いのかも?) もちろん共産党以外の政党では自公は法人税減税派であり、民主党や社民党は大企業の横暴には一言も言えないか、言ったとしてもせいぜい「お願い」だけだ。(政治献金や票ももらえないのが怖いのかも?) あの米国の自動車ビッグスリーのCEOは何億という給与をもらいながら「公的資金を投入してくれ」と自家用ジェット機で飛んで来てひんしゅくを買ったが、国民の世論もあって議会では拒否された。「不況で大変だ」というなら経営者や役員、大口株主が給与や配当を減らしてでも雇用を守るのが当然だ。莫大な内部留保を溜め込んで「減益だ」と宣伝してモノづくりに励んできた人間を即刻首切りとは人間の血が流れているのかとさえ思う。首切りは内部留保も資産もはたききった最後の手段にするべきだ。その点でJAL(日航)の社長は三年前かに社長になり、給与は年収970万に減らし社員であるパイロットの給与の半額くらいで、専用の社用自動車もなくし、電車通勤で昼食は社員食堂でセルフ食事、社長室も廃止し役員らと大部屋にするなど倹約し、そういう姿勢で赤字経営から黒字に転じたという。アメリカ発の金融危機もサブプライムローンというバクチ経済は昨年の早いうちから起こっていた。今ごろ大慌てする経済の先読みもできず、ひたすら解雇ばかりすすめる経営者は早く去れと言いたい。さもなくば、日本経済は雇用破壊と景気悪化の悪循環を繰り返すことになる。自動車などモノは売れないと嘆く前に内部留保という膨大な富を民に分配してこそ購買力も上がり生産物が売れ景気が回復する道だ。そういう大企業の社会的責任を自覚し発揮するべきである。

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2008年12月17日 (水)

ブッシュ大統領への「靴投げ」の背景は??

 アメリカのブッシュ大統領が突如イラクを訪問し、マリキ首相とともに記者会見しているとき、出席していた地元テレビ局の記者に靴を投げつけられた映像をみた。投球…いや投靴はやや外角高めだったが、ブッシュ大統領はかろうじて身をかわした。記者は投げる瞬間に「イラク国民のお別れのキスだ。犬め」とか「夫をなくした妻や、親をなくした子どもからの贈り物だ」と言ったとか報道がある。なんでもアラブ社会では靴底は最大の屈辱を表すそうである。昔から「ペンは剣よりつよい」という言葉があるそうだ。靴よりもペン(言論)でブッシュ批判を堂々と展開して欲しかったという気がするが、意外とこの行為がイラクはもちろんイラク以外の国でも大きな波紋を呼んでいるらしい。拘束された記者を「釈放しろ」という数千人のデモが起き、イラクの一部メディアはこの記者を「英雄」扱いして報じているともいう。エジプトのマーヘル前外相は「靴投げ」行為を遺憾としながら、「事件はブッシュ氏が中東地域で醸成してきた敵意がいかに大きいかを示した」と述べたという報道もある。ブッシュ大統領は、「イラクに大量破壊兵器がある」と言い切って戦争をはじめた張本人である。いまでこそイラク戦争を「痛恨事」と認めているがイラク国民には謝罪の一つもしていない。「痛恨事」だというのならなぜ大量破壊兵器がないとわかった時点で謝罪して米軍を撤退しなかったのか。ブッシュは今もイラクに15万の米軍を駐留させ日々罪もないイラク国民や子どもを誤爆などで殺害している。イラク戦争は03年3月20日にアメリカが一方的に攻撃、1ヶ月余りのち5月1日にブッシュが「戦闘終結宣言」するも、今も戦闘状況は続いている。イラク人の犠牲者数の統計はなく、治安部隊を含めて60万とあるいは100万上回るという話さえある。米兵も4000人を超える犠牲者で、ほかにも多国籍軍の戦死者もある。そして04年10月にアメリカの正規の調査団が「イラクには大量破壊兵器はなかった」と最終報告をした。それから4年も米軍は占領し続けているのだ。なんという犯罪だろう。戦争開始時のイラクの大統領であったフセインは06年12月に死刑執行されている。どちらが犯罪者なのかまるで逆ではないか。中東の反米意識が高まる背景にあるから記者会見という場での「靴投げ事件」が発生したのだろう。昨今、橋下大阪府知事が学力テスト問題で「文科省のバカ」「官僚のバカ」とか5分間で7回も「バカ」呼ばわりした。知事でさえ「バカ」発言する時代だから、橋下流でいえばブッシュは「大バカ」ってことになるんじゃないの。靴投げをかわしたブッシュは「靴のサイズは10」とか「わたしはかわすのがうまい」などと茶化したそうだが、そんなふるまいしかできない貧相な姿をさらした。アメリカは今や超大国ならぬ経済もガタガタである。情けない2世大統領によってイラクもアフガンもメチャメチャにする戦争に明け暮れている間に、アメリカ発のイカサマバクチという金融危機で自国も世界もメチャメチャにしてしまった。野村HDが何百億とかイカサマバクチで損をしたように、日本の経済もガタガタ。まさに新自由主義の崩壊という今日この頃だ。

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2008年12月16日 (火)

大量解雇ブームは小泉内閣時代の“遺産”だ

 麻生内閣の支持率急落に応じるかのように企業の景気観測も急落した。日銀が3ヶ月ごとに1万社を相手にアンケート調査を郵送し回答をもらい、「企業短期経済観測調査」として公表する。いわゆる「短観」と言われる奴だ。前回調査の9月調査に比べても21ポイントも低下し、石油危機で大きく低下した1975年の2月調査に並ぶ過去二番目の大幅な落ち目になったという。大企業全業種で前回調査から悪化し、景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた指数はマイナス41.中小企業もマイナス29となった。3ヵ月後の先行きは大企業製造業がマイナス36、中小企業製造業がマイナス48とさらに悪化の方向である。原因はもちろんアメリカ発の金融危機による急激な世界経済の悪化や円高によるもの。そこで企業は「大変だ、大変だ」と労働者の解雇の嵐が吹きすさんでいる。テレビも新聞も「どこどこで○○人解雇」と連日の報道になってきた。解雇ではいちばん早く悲壮な被害を受けるのはクビを切りやすい派遣など非正規社員である。だが、正社員もクビというところも出始めた。大量解雇はその会社の存在する地域にとっても深刻である。自治体の法人税は減収になり、解雇された労働者が職を求めて移動する。大企業の寮などがあった付近は人が少なくなり、客が減るなどスーパーや商店なども打撃を受ける。要するに地域経済も破壊することになる。これまでの日本の経営は簡単に解雇せず、一時帰休や残業を減らして全体の雇用をまもり生産を調整しきてきた。解雇は最後の最後の手段としてやってきた。昔のある武将がいったように、「人は石垣、人は城」である。それが今の経営は、派遣とか期間工、契約社員とかでクビにしやすい労働のルールになってしまった。何よりも99年までは派遣というのは一部の専門職に限られていたが、2004年に小泉内閣で製造業にまで拡大してしまった労働法制の規制緩和が決定的になった。06年からあっちもこっちも正社員にすげかえて派遣を大量に導入したことによる。派遣は最大三年であるからいよいよ来年にはどんなことになるのか想像を絶する。不況だといっても大企業は体力が十分にある。例えばトヨタでも17兆円の内部留保(隠し利益)がある。株主配当も5倍になっている。この内部留保のわずか0.2%もしくは株主配当の8分の1でも引き当てれば解雇しなくても住む。だが貪欲な資本は真っ先に人を切る。それも1社とか2社ならまだしも、財界のリーダー的企業であるトヨタやキャノンで大量解雇すると「右へならえ」でバタバタと蔓延する。そうなると景気はぐ~んと冷え込む。冷え込めばいくらモノを作っても売れない。円高で海外でも売れない。売れなくなるとさらにリストラが進むという悪循環である。最近、スーパーでも安売りが始まった。消費者にとってはありがたいから行列だ。だが、スーパーの安売りはその分利潤率を少なくしている。経営を維持するためにはいずれコストダウンしなければならず人を切る。いわゆるデフレスパイラルという連鎖的悪循環が繰り返され、社会全体の不況悪化が進む。そういう道筋ではなくやはり雇用を守ることが最大の景気回復なのである。一定の収入があれば消費者の購買力も上がる。購買力が上がれば内需が増えて景気回復への道となる。それが日本経済は逆の方向へまい進していることになる。欧州では逆に政治の力で、非正規労働が守られ、解雇規制のルールもあり、不況だからと消費税を下げる国も現われているのに日本は逆である。非正規雇用の比率も日本とアメリカは断トツに多く欧州の2倍から3倍もある。小泉内閣がやった製造業への派遣などの導入こそ最悪の“政治災害”だったが、残念ながら反対したのは共産党だけだった。小泉旋風とか言ってそれを許した選挙結果だが、今から思えば取り返しがつかない。まあ、いつまでかかるか知らないがつつましくガマン、ガマンしかないか。あ~あ~…! いや来年8月までには必ず解散・総選挙がある。そのときにどんな政権を作るかであろう。

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2008年12月14日 (日)

生活「防衛」どころか、破壊しかない消費税増税

 12日、麻生首相が記者会見で「生活防衛のための緊急対策」なるものを発表した。支持率が暴落した直後だけになにかドカンといいことでも言うのかと思いきや、これまで表明していた焼き直しみたいな、聞いたことのある内容ばかりであった。何を強調したかったのか、いちばん、力をこめて強調したのがなんと「三年後の2011年に消費税を増税する」ことを改めて言い切ったことだ。ところが自民・公明党が同じ日に09年度税制「改正」大綱では消費税増税の時期を2011年ではなく、「2010年代半ば」と明記しているという。「10年代半ば」とは常識的には2014、15、16年当りに聞こえる。首相は11年と言い、与党は「半ば」という。ここにも首相と与党の間の迷走ぶりが見える。首相は「いろいろ批判が出ることは承知している」が、「逃げずに進める」と、いつもは八方美人的というか、迷走、決断力のない首相が独断か何か知らないが消費税増税だけは執念を持っているようだ。はっきりしたのは年の瀬の寒い時期に雇用破壊や中小企業の資金繰り、倒産で困っているというのに、その対策は目立ったものがないのに消費税増税だけは時期はニュアンスの違いがあれど、増税大合唱だけだっていうことだ。イヤ、「緊急対策」の中身はないことはなく、自公の税制「改正」大綱では、大企業減税や証券優遇税制の3年間延長など依然として大企業・大資産家の減税ばかり並べられている。この大不況のときに「消費税増税」をなんのためらいもなく打ち出す見識が分からない。97年に消費税が3%から5%に上がったときも景気が悪化し、逆に税収が落ちたことを麻生首相も認めているじゃん。世界大不況がますます大きな影響が受けるというのが一般的な見通しになっているのに、これから3年で景気がよくなる保障はなにもない。そうなると仮に定額給付金が正式に決まり夫婦、子どもふたりの世帯であわせて64000円だかをもらったとしても将来不安で貯蓄にまわってしまい、目的とする内需拡大になるわけもない。97年4月の増税前は、「景気がピーク」と言われたのに、増税でペシャンコになり97年、98年と2年連続でマイナス成長にさえなった。だいたいからして消費税を上げるときの名目は「社会保障の財源」を口実にする。「高福祉のために高負担」なんて理屈も言う。今回はすでに決まっている09年度から基礎年金の国庫負担を3分の1から2分の1にするためともいう。しかし、消費税が導入されて今年で20年目になるが、昨年までの間で、消費税収は188兆円だった。その間に大企業をはじめとする法人3税は減税や、減収のオンパレードで159兆円も減収になった。一方では福祉はどんどん後退した。要するに消費税の80%以上が法人税の減収の穴埋めにまわってしまったわけだ。まして消費税は最悪の不公平税制といわれ、低所得者ほど高率の負担になる。いま、9年連続で国民の所得が減り続け、非正規労働者が36%になり、このなかには年収200万以下が多くをしめる。そういう人たちにとって1%でも上がることは、どこで節約するかといえば食費である。今でも国民年金の人などは3度の食事は2度にしてガマンしている人も高齢者に多い。麻生首相と自公のすることは、大企業や大資産家には大盤振る舞いで弱者にはどんどん負担をかける、そのことが内需の拡大どころか減少に繋がる。加えて大量の派遣・期間工切りや就職内定者の取り消し、中年の再就職も困難で大失業時代になると、これまた内需拡大どころか後退になる。まったくやることが反対である。欧州のように世界金融危機で消費税を引き下げている国もあるというのに、麻生首相と自公は「生活防衛のため」というが、まさに「生活破壊」以外のなにものでもなく、未来が全然みえてこないことだけははっきりした。それよりも5兆円の軍事費や年間7兆円の行過ぎた大企業・大資産家への優遇税制にメスをいれることこそ焦眉の急務であり、また雇用を守ることが最大の景気対策であると言っておこう。

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2008年12月13日 (土)

ネット住民で今ホットな注目は共産党

 日本の政治は今、片や自公の与党は「政局よりも政策だ」と言ながら、その政策も次々と先延ばしする傍ら、国民の多数が望んだ「衆院解散」も先延ばしする「迷走」である。片や「二大政党」と言われる民主党はといえば、「解散」のためなら、同党も反対する法案であっても「早く提出しろ」と要求、引き換えに「提出すれば採決に協力する」という「政局」オンリーでまともに審議もしない。「二大政党」ともてはやされている割に自民も民主も党略優先で成立したのはインド洋の無料ガソリンスタンドを継続させる、いわばアメリカの戦争を支援する「新テロ特措法延長」法案を自公らの3分の2以上で「再議決」した。また、投機への運用で損失を出した金融機関に10兆円も注入する「新金融機能強化」法案を参院で、民主党のごく一部の修正案を取り入れて可決し、衆院ではこの修正部分を取り外して、元の衆院議決案を「再可決」して成立した。自動車から家電産業まで日本列島大解雇ラッシュで、寒空の年の瀬に職も住まいも追い出される労働者が何万という単位で起きていることへの対策はほとんどなし。かろうじて救われるのは厚労省が非正規切りを防止する通達を全国の労働局長に出した。これは派遣・期間工切りに対してもっとも果敢にたたかっている共産党の提案も生かされたもので、不適切な解雇・雇い止めをしないこと、寮を追い出された離職者には一定期間入居できる配慮することも含んでいる。与党がトンデモナイ法案の成立させる、そのためには協力する民主党…こんな関係が昨今の内閣支持率暴落にもかかわらず、その分、民主党が支持率を上げているかと言えばそうでもない。8日付けでも書いたが世論調査で、「麻生氏と小沢氏とどちらが首相にふさわしいか」という二者択一の質問でも三割四割の人がどちらとも回答しない点で民主党も霞み始めている。そんななかで一昨日「ネット住民のなかで共産党が“ブーム”なのか」というサイトを見つけた。「ダイヤモンド・オンライン」というサイトである。表題は「不景気と格差社会を背景に日本共産党の党員急増」というもので、「インターネットでひとたび『共産党』というキーワードを打ち込めば、数え切れないほどのスレッドが出てくる有様だ」と紹介。なぜいま共産党がブームなのかという背景を「数年前から社会問題化している『労働格差』」があるとしている。そしてネットでブームの発端になったのは2月に志位和夫委員長が衆院予算委員会で「当時の福田康夫首相に労働者派遣法の改正を迫った国会質問だった」としている。この質問はきわめて迫力ものだったから当ブログ2月9日付けでも書いた。そしてくだんのサイト記事は、「この質問がニコニコ動画やYouTubeにアップされ、大きな反響を呼びアクセスは36万にのぼった」と紹介。また、昨年9月からこの11月までに1万4000人を超える入党者があったこと、なかでも非正規社員を中心とする20代から30代の若者が新規入党者の二割から三割をしめ、党関係者もビックリとも表現している。さらに日本共産党は政党助成金や企業・団体献金をいっさい受け取らず、「しんぶん赤旗」の発行や支持者からの寄付などで運営していることや、全国に22000の支部が活動していることなども伝えている。最後には「日本共産党の動向は、今後の日本の方向性を示唆する“予兆”めいたものと言えるかもしれないのだ」と結んでいる。麻生内閣の支持率急落とともに自民党員の数も全国で激減しているし、選挙区にかえれば罵声を浴びたという議員の声も聞こえてくる。志位委員長は巨大企業にも直接訪問して派遣切りをやめよとか経団連会長企業のキャノンのことも国会でとりあげた。大企業の横暴を追及できるのは企業献金を受け取らないから堂々と言える。他の与野党は政党助成金を受け取り企業献金ももらうから恐ろしくて言えない。自民・公明党は大企業法人税の減税には熱心だが、派遣切りは弱腰で「要請」するだけ。最近民主党も派遣問題を取り上げはするが、これもせいぜい「要請」どまりで根本を責められない。少数の議員しか居なくても今ホットな注目をあびているのはまさに日本共産党である。テレビの出番も少しは増えてきたからとくとご覧あれと申し上げたい。非正規社員の解雇問題は日本共産党抜きには論じられないし実に痛快である。

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2008年12月11日 (木)

またまた銀行に10兆円注入か、新金融機能強化法案

 あきれた法案が今日にも参院財政金融委員会で採決されるらしい。それは新金融機能強化法案という奴だ。公的資金すなわち国民の税を10兆円もメガバンクを含む銀行業界に注入する法だ。貸し渋り、貸しはがしをなくすためだという。バカみたいだ。特に大手銀行は01年から07年の7年間で10兆円も儲かっている。それなのに法人税は一円もはらっていない。優遇税制で免除されているからだ。儲けは巨額、税金はゼロの企業になんで税をつぎ込まなければならないのか。しかもメガバンクはわずか一年半で中小企業向けの貸し出しは5兆円も減らしているのだ。それもそのはず、貸し渋り批判にたいして全銀協会長であるみずほ銀行頭取は、「貸し渋りをしている意識はない。貸せないところに貸していないだけだ」と居丈高。「貸せないところに貸さない」というのなら、公的資金をいくら注入しても無駄だ。注入しても貸さないのだから。銀行に資本を投入してネコババされた例として、この10年間で総額46兆8千億円投入し、少なくとも10兆円以上は焦げ付いて戻ってこず国民にツケが回っている。日本で公的資金を投入しても損失が出れば返さなくてもいいほどにお人よしの注入である。その点、アメリカはちがう。いま話題の銀行ではないが自動車のビッグスリーに1兆4千億円の公的資金投入をめぐって大詰めの議論になっている。すでに下院では決議し上院の審議待ちになっているが、資本注入には厳しい条件をつけている。大統領が経営監視人を指名するとか、役員への賞与や高額の退職慰労金と株主への配当は禁止だという。金融機関への資本注入でも「緊急経済安定化」法で、「万一損失が生じた場合は、大統領が、金融業界に当該欠損額を求償する法案を提出する」規定がある。日本の「新金融機能強化法案」では損失は国民負担である。これじゃあ、乱脈融資や投資に失敗してもおとがめもなく「税金で助けてくれる」からとやり放題になる。アメリカ発のサブプライムローン(低所得者向け高利住宅ローン)などで地方の銀行でも大きな損失を蒙った銀行もある。少し深く分析すれば返済能力のない低所得者むけの高利な住宅ローンなど破たんするの分かるはず。それを身内的な格付け会社の「高評価」を鵜呑みにして投資し損をしたのだから責任は無能経営な銀行にある。今度の強化法案はそういう銀行に「予防的に注入する」というのだからなんという大盤振る舞いか。しかも、かつて資本注入する際は「中小企業への貸し出し目標」を示せと言っていたが、こんどはそれも取り外している。そんな「予防的」な金があるなら、現にいま連日のように正社員も非正社員も大量の首切りで、住家も職もなく放り出される労働者を救済するためにまわせと言いたい。労働者のたたかいもあってようやく2兆円でなんとかしようとか言い出しているが、まともに決める気があるのかさえ疑わしい。自動車から家電まで解雇ラッシュであるが、資本金10億以上の大企業は全体で230兆円もの内部留保を溜め込んでいる。その数%でも吐き出せば大量解雇は防げる。メガバンクも7年で10兆円も溜め込んだ。メディアもその点はほとんど押し黙ったままだ。そりゃあ、大企業の広告をもらわないとダメだから、企業の悪口はいえないのだろうけど。ともかくこの年の瀬に銀行から融資もしてもらえない中小企業も、そして大量解雇される労働者も、青息吐息で年を越せないのだ。「生きて2009年を迎えさせてくれ」という悲痛な叫びに対しても、依然としてKYな麻生内閣である。来る年の光さえ見えない新年となるのか。ああ……。

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2008年12月 8日 (月)

内閣支持率暴落!葬送狂騒曲はいかに展開する??

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良識ある国民の健全な判断はもはや完全に麻生首相を見限ったようだ。4日から7日にかけて各種メディアが内閣支持率の調査を行いその結果が今日、勢ぞろいした。11月末に「日経」とテレビ東京の共同調査と、「産経」とFNNの共同調査があった。この時点でも両方とも内閣支持率は前回調査よりも17ポイントも急落し、「産経」とFNNは27.5%と「政権の危険水域」と言われる3割を切った。不支持は逆に22.6ポイント増え58.3%、「日経」とテレビ東京の調査では支持率はかろうじて31%止まり、不支持は62%であった。4日に実施したフジテレビ番組の調査は支持22.6%、不支持が69.2%。同番組の1週間前の調査では支持率30.4%、不支持が61.6%だったものが1週間で8ポイント前後も減増し「麻生離れ」が進んだ。つづいて「読売」が5~7日、「朝日」、「毎日」、「共同通信」がいずれも6,7日で調査を実施した。まず、支持率と前回調査比ポイントをカッコ内に示そう。読売が20.9%(-19.6P)、朝日が22%(-15P)、毎日が21%(-15P)、共同通信が25.5%(-15.4P)。なんとまあ、ほぼ同じ日におこなった調査でこれほど見事に横並びするのもめずらしいくらいだ。だいたい世論調査というものは調査する側の質問のニュアンスもあり多少のばらつきがあっても当たり前だ。4つのメディアの調査で支持率の上下の差がわずか4.6ポイントだ。これほど横並びするということは国民の回答がはっきり表明されたのだろう。もう「危険水域」どころではない。福田内閣が政権を放り投げた8月の読売調査では28.3%、毎日調査では安倍内閣末期の07年8月調査は22%、朝日は数字は記載されていないが「福田内閣末期とほぼ同じ水準」と報じている。安倍・福田内閣はほぼ1年続いたが麻生内閣は二ヵ月ちょっとでこれである。また各調査で「麻生と小沢のどちらが首相にふさわしいか」という問いには、麻生氏という人は30%(朝日)、33.5%(共同)、29%(読売)、19%(毎日)といずれも軒並み大幅に下落した。逆に小沢氏という人は35%(朝日)、34.5%(共同)、36%(読売)、21%(毎日)という結果である。いずれもはじめて小沢氏が逆転したのも共通している。逆転とは言っても二者択一の問いで小沢氏もせいぜい30%台であること、それぞれのメディアの2人分を足しても最高は共同の68%、最低は読売の55%であり、三割、四割の人はど「ちらもふさわしくない」か「2人以外の人」ということになる。二大政党と宣伝するなかで、双方の党首が三割台以下というのも情けない。というよりも党首力がないということだろう。米大統領選のオバマ氏ほどの人気はなくさしづめ「どっちもどっち」というところかな?いずれにして麻生政権は「葬送狂騒曲」ということには変わりない。クビのすげ替えをしたくても後釜がない。政党再編とかの声も出ているが、またテレビジャックして三文役者による劇場型総裁選は視聴率を下げるだけでお断りである。政策も迷走、国会解散もできず、暴言・失言、迷言のオンパレード、それでも豪華な飲み食いは止めない麻生首相は即刻「やけくそ解散」でもやって国民の信を問うことが責任の取り方ではないか。ここまで落ちぶれてもニタニタ笑いながら記者会見する阿呆…じゃなかった麻生首相のテレビ画像にも吐き気を催す今日この頃である。

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2008年12月 7日 (日)

「さもしく1万2千円欲しい人…」(首相発言)に思うこと

 麻生首相がまた「波紋を広げそうな」迷言を発したらしい。ネットニュースの「読売新聞」配信である。6日夜、長崎県諫早市での演説会。「追加経済対策」の柱である定額給付金についてである。「貧しい人には全世帯に渡すが、『私はそんな金をもらいたくない』という人はもらわなきゃいい。(年収が)1億円あっても、さもしく一万二千円が欲しいという人もいるかもしれない。それは哲学、矜持(きょうじ)の問題で、それを調べて細かく(所得制限を)したら手間が大変だ」と語ったというのである。「さもしい」とはどういう意味か。念のため広辞苑のお世話になる。いろいろ解説つきであるが「①見苦しい。みすぼらしい。②いやしい。卑劣である。心がきたない」などである。どう解釈するかは人それぞれだろうが、わたし的には「さもしく」を使うなら、もっと大きな人にぜひ首相から言ってほしい人物がいる。12月1日に首相は経団連会長の御手洗氏と会談している。会長の経営するキャノンで大分キャノンとキャノンマテリアル、それに青森のキャノンプレシジョン、いずれもキャノンの100%子会社であるが、3社で1700人もの非正規社員の解雇が計画されている。非正規社員は時給1000円、一日8時間、月21日で勘定して年収は200万円余(残業代含まず)である。1700人の雇用を維持するには年間約34億円である。キャノンは7-9月期決算で社内に溜め込んだ剰余金は9月末で3兆3千億円。この1年間に増やした分だけで約2800億円。解雇する1700人の非正規社員の雇用維持に必要な額34億円は、一年間で増やした剰余金のわずか1.2%。キャノンの正社員は40歳代で年収約400万円だそうで、1700人を正社員にしたとしても2.4%である。また株主への中間配当だけで715億円にのぼり、非正規社員を雇用維持する額には5%回せば足りる。経団連のトップ企業が1700人もの解雇をすることは、会員の大企業に解雇の模範を示すようなものだ。大量の「非正規切り」の嵐が吹きすさんでいるときだからこそ、財界指導部は身銭を切ってでも雇用を守る見本を示すことこそ求められているのだ。だから首相には1億円程度で「さもしく」など言わないで、「剰余金の1%か2%、配当金の5%ぐらいなんや!それほどまでにさもしく剰余金をためこみたいのか」と御手洗氏に一喝したらどうよって思うのはわたしだけだろうか。麻生首相が信奉するアメリカでさえ、自動車のビッグスリーに上院の公聴会では「帰りは自家用ジェット機を売却するのか」と一喝している。それが麻生首相は経団連に雇用の安定を「要請した」だけで、「個別の企業に介入できない」という一点張りで、それこそ「さもしい」ものではないか。「要請した」という舌の根もかわかないうちにキャノンは1700人の非正規切りを発表した。まるでなめられているみたいだ。違法、無法な大量解雇はまさに政治災害である。派遣など非正規労働者を犠牲にして、大儲けをしたのが大企業である。景気がわるくなるからとモノのように使い捨てにする大企業の横暴を許さず、派遣法の抜本的改正など働くルールを政治力で正し、雇用を拡大することこそ内需の拡大にもつながる。自称「経済の麻生」氏がそんなことも知らないはずはない。そうすれば急落する支持率を挽回し上昇することはまちがいない。同時に諫早市での発言で、給付金の所得制限をしたら「手間が大変」だと認めたわけで、そんなものをなぜ地方へ丸投げしたのか、国の仕事の怠慢さを表したということも指摘しておこう。それでなくとも国民の批判ごうごうの定額給付金はやめて、もっと実効的な「経済対策」を緊急に打ち出すべきであることもあわせて指摘しておこう。(キャノンの数字関係資料は本日の「しんぶん赤旗」が詳報)

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2008年12月 6日 (土)

ビッグスリーは税金の奪い合い、日本メーカーは解雇ラッシュ

 アメリカの三大自動車メーカー、いわゆるビッグスリーとやらが破たんの危機で騒がれている。しかし、そのCEO(最高経営責任者)の傲慢でデカイ態度が批判をあびている。最初に上院の公聴会に三人のCEOが首を並べて出席し、ビッグスリーが潰れたら100万人の失業者が出るぞ。もともとの責任は金融危機にあるのだから政府による公的資金を注入してくれと迫った。そして公聴会に来るのに、何十億円もする自家用ジェット機に乗ってきた。GMの会長の場合はデトロイトからワシントンを自家用ジェット機で来ると日本円で200万円かかるという。もし民間の航空機のファーストクラスでくれば8万円で済む。公聴会でそのことを咎められ、「帰りはジェット機を使わないという人は手を上げて」と言われても誰も手を上げなかった。そもそも会長らは莫大な給与をもらっているから自家用ジェット機で来るのは自由かもしれない。しかし、目的は国民の税金詐取の要求で来るのだから、少しは控えてもいいはずだ。ボロのチョンで批判され綿密な再建計画を出せと言われて退散した。GM(ゼネラル・モーターズ)のワゴナー会長の給与は04年頃までは日本円で5億だという。経営が左前になりはじめて減給したが、それでも07年は一億数千万円、08年は引き上げて二億二千万くらいにした。そして生産する車は高級な大型車ばかりに熱をあげ、国民のニーズにも合わないから売れなくなる。そこへ日本のトヨタ車など燃費のよい小型車で環境に対応したハイブリット車に押された。アメ車はリッター5キロくらいしか走らないガソリンバラマキ車みたいな大型車では、金融危機でなくとも大変だった国民に売れるわけがない。そうした低燃費車、環境対応型車の開発で遅れをとったのが現在の危機を招いたと言われる。億単位の給与をもらい漫然とした経営者。そんなビッグスリーに公的資金(税金)をつぎ込めと言われて国民が納得するはずがない。だからアメリカを二分する賛否両論になっているようだ。さすがに2回目の公聴会にはGM会長はデトロイトから2日かけて、環境対応車で自身が運転して来たという。でも帰りには運転手つきの大型高級キャデラックで帰った。そして再建計画ではCEOの給与を1ドルにしたという。あとの2人も同じだ。億単位からただの96円程度の給与にした。これは何やらいかにも宣伝臭がする。そして臆面もなく3社で合計最大で3兆2千億とやらの税金注入を訴えた。ここでもGMは「GMは百年間にわたって米国文化の重要な一部だった」と強がり、クライスラーは「あらゆる分野でのリストラをすすめてコスト削減をし、低燃料車の開発に取り組む」とやっと反省の弁。米議会も二分するような議論になったようだが、今日あたりのニュースによれば、どうやら1兆4千億程度の税金をつぎ込む方向のようだ。前にも紹介したが、長年長者番付世界1を続けたマイクロソフト社ビル・ゲイツ氏は飛行機もビジネスクラスでホテルに泊まるにしても「寝る場所とネットにアクセスできればいい」と大部屋を拒否。来日したときも高級飲食店ではなく、回転すしで「おいしかった」と語ったほど倹約家だという。むろん、広大な豪邸に住んでいるが、しかし、第一線を退いた今はアジアやアフリカの恵まれない子どもたちを支援する慈善事業に取り組んでいるという。片や高給取りの無能なCEOによる破たんのツケを国民の税金にすがるのと大違いだ。で、日本の自動車産業10社は03年から始まった小泉内閣による製造業にも派遣労働が可能にしたことで、非正規労働者を低賃金でこき使い、03年当時17兆円だった内部留保(隠し利益)を07年度で27兆円にも膨らませた。米ビッグスリーに学んだのかどうか、今や日本の自動車産業も非正規労働者の解雇ラッシュで1万5000人前後もクビにし、この寒空に寮を追い出し、低賃金で貯金もない派遣社員は生きるか死ぬか、あるいはホームレスになるかの運命にさらされている。日本の場合は米国のビッグスリーと違って27兆円も溜め込んでいてもこの仕打ちである。一部にはすぐれた経営者もいるが、大抵は儲け本位で派遣切り、期間工切りの競い合いである。政治が乗り出し実効ある措置を講じる以外に救われない。解雇は正規社員にも及びつつあり労働者の新たな反撃も必要である。

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2008年12月 4日 (木)

いすゞ自動車の非正規社員の労組結成にエール

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 いすゞ自動車による法に反した期間・派遣社員の全員解雇に対する続報である。今日のメディアが取り上げたが、解雇通告を受けた非正規労働者が宇都宮市内で労働組合を結成したのだ。勇気ある4人の労働者がJMIU(全日本金属情報機器労働組合)いすゞ自動車支部を結成したというもの。委員長に選ばれた46歳男性は、「不当な解雇と断固としてたたかっていきます。泣き寝入りしないで一緒に声をあげていこうと呼びかけたい」と語る。上部組織である全労連やJMIUの代表らが「大企業に社会的責任を果たさせよう」「全国の非正規労働者を励ます。全国の支援と連帯で解雇を撤回させよう」と訴え、派遣社員の25歳男性は「来年4月まで働けると思っていたのに解雇とは許せない」、再雇用の契約社員である60歳男性は「会社の利益を支えてきた人たちにどうしてこんなことができるのか。解雇を撤回させたい」と語った。一昨日参議院厚生労働委員会で共産党の小池晃参議院議員が取り上げたこともあるからか、労組の結成大会はメディアが注目した。わたし的にみた範囲内でも複数のテレビ局がこれを取り上げ放送した。わずか4人の労組結成で全国放送されるのはそんなに多くないから話題を呼ぶだろう。今期でも600億円の純利益を見込み、株主配当はさらに増やすといういすゞ自動車が、己の利益を守ることだけを追及し、自動車を製作してきた労働者を契約期間も来ていないのに血も涙もなく路頭に迷わすことは断じて許せない。テレビの放送ではこの問題で麻生首相の見解を聞く場面もあったが、あの御仁は、「経団連会長の御手洗さんにも雇用を守ってほしいと要請している」という意味のことをしゃべったが、いまどきの大企業は「要請」程度では「へ」とも思っていないのではないか。現に御手洗会長の企業であるキャノン大分工場が1100人とかの首切りを今日発表したではないか。要請ではなく雇用を守る労働法の改正、あるいは緊急措置を講ずることこそが政治の責任であることを自覚していないのではないか。まるでそっけない語り口であった。今日のような派遣切り・期間工切りが大量に進められるなかで労組をつくり団結してたたかうことはいつにもまして重要であるが、いざ、労働組合をつくるということになると、正しいことではあっても、それぞれの未来を考えると勇気のいることなのである。この4人のたたかいは本当に全国の同じような立場の何万、何百万の働く仲間に大きな激励となるだろうことを確信した次第である。「がんばれJMIUいすゞ自動車支部」とエールを送りたい。(写真は東京新聞のHPから)

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2008年12月 3日 (水)

二大政党で国政は機能不全、第三極の党の躍進を

 国会のなかで圧倒的多数の議員を擁する自民・民主の2大政党は、「経済対策だ」「解散して国民の信を問え」などで駆け引き国会というか、すれちがいの空中戦ばかりでグータラグータラして、先月下旬開かれた全国町村長会議で、首相も出席してカラ元気の挨拶をとばした。だが出席者からは「二大政党になりながら、ことは政局がらみでしか動かない。国政はまったく機能不全に陥っている」と、定額給付金の支給方法を地方に丸投げされた迷走ぶりへの厳しい批判が町村長からあいついだ。機能不全とはなかなかマトを得た指摘だ。早く選挙をやりたい民主党と延命をはかる自民党の党利党略で国会の機能が停止同様である。年の瀬を前にして大企業などの派遣切り、期間工切りの競い合い、大銀行の貸し渋り、貸しはがしで運転資金にも事欠く中小企業。昨年の8倍と言われる新卒者の内定取り消し、相次ぐ倒産で失業者の増大…こうした当面の現場の切実さが二大政党ではほとんど議論にもならない。そんななかで少数政党でも現場に足を運び、大企業と真っ向から闘っている政党がある。日本共産党である。同党の志位和夫委員長は、実際にキャノンやトヨタ系列社その他の大企業の労働者などとの懇談や調査に乗り込み、10月7日に衆院予算委員会でトヨタ車体の人間使い捨てなどを告発した。この質問はネットの動画などで20万回を越えるアクセスが今も続いているほど反響を呼んだ。そして11月26日には期間・派遣社員1400人全員の解雇を打ち出したいすゞ自動車本社に訪問して「契約途中での全員解雇は違法解雇であり撤回すべきだ」と直接執行役員らと談判した。会社側は「会社の就業規則だ。仕事が減っているから解雇せざるをえない」の一点張りだが、志位委員長らは「会社の都合でいつでも解雇できるいすゞの就業規則は法令に反している」と具体的に指摘。その結果、期間満了までは寮に住めるようにする、解雇に同意できない場合は話し合う、再就職等について最後までフォローするなどの回答を得た。そして昨日はいすゞ自動車訪問に同行した小池晃参院議員が参院厚生労働委員会で取り上げた。有期雇用の中途解雇は労働契約法17条1項で倒産の危機など「やむをえない事由」以外は禁止されていることを指摘。いすゞ会長は11月の社内報で、「増収増益で毎年、過去最高実績を更新する好調な状態を続けてきた」と述べ、減益とはいえ600億円の経常利益を見込み、株主配当も17億円にふやす計画だという。小池氏は「これで『やむをえない事由』があるといえるわけがない。『違法解雇をやめよ』というべきだ」と質した。舛添厚労相は「調査し必要な改善策をとりたい」と約束した。(詳報は、「JCP」ホームページでも可)派遣や期間工の大量首切りの嵐のなかで、こうした問題に徹底的に取り組む政党はほかに見つからない。民主党も野党ではあっても大企業批判はできない。ひょっとして次期総選挙で政権が転げ込むかも知れない。現実にそうなったら経団連とも仲良くしなければならんとか、企業からの献金という思惑もあるかもしれない。共産党は大企業を潰すつもりではなく、その社会的責任を果たすこと、法を順守した雇用をはかれと要求しているわけだ。共産党は、農業、中小企業、社会保障問題などなどどの分野もきちんとした政策と財源についても他党に比類なき考えをもった党である。どんな分野の問題でも似たりよったりで同じ方向で競い合う二大政党による機能不全状態。これを打開する第三極の党として、次期総選挙では共産党に大いに躍進してほしいものだ。

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2008年12月 2日 (火)

ダッチロールの麻生内閣、給付金は救世主になるか?

 いよいよ麻生内閣は飛行機に例えるとダッチロールになってきた。飛行機が横揺れしながら左右に蛇行している事態である。「日経」とテレビ東京の世論調査では内閣支持率は前月調査よりも一気に17ポイントも下降して31%。「産経」とFNNの共同調査でもやはり17ポイントの下落でこちらは27.5%と、支持率で「危険水域」と言われる30%を切った。反対に不支持率は前者が62%、後者は58.3%と6割前後まで一気に20ポイント以上跳ね上がった。ダッチロールの乱高下は上がったり下がったりするが、政権発足時から下降の一途だからそのうちどこかの山に墜落する危険性がある。そりゃあ無理ないわねえ、操縦士の麻生さんがこの二ヵ月余何をやったのかさっぱり印象にない。それでもインド洋の無料ガソリンスタンドだけは維持したいと衆議院での「再可決」のために国会会期を延長したことぐらいが印象に残った程度。あとは「ばらまきだ」と、定額給付金を含む「経済対策」というアドバルーンを上げたが、その定額給付金も「経済対策としては不適切」と「産経」・FNN調査では76.9%の人が回答した。加えて失言・放言語録が華やかに(?)連続して爆発したからダッチロールも仕方ない。医師を怒らせた暴言のあった日の3時間後に「たらたら飲んで食べて」発言で今度は高齢者を怒らせた。いわば「失言」と給付金による迷走が支持率急落の原因である。暴言・失言に口封じしようと臨んだ民主党代表との党首討論は、それに気配りしすぎて味気ないしゃべりで、民主党代表に点をとられた。おかげで「どちらが首相にふさわしいか」という世論調査の問いでも、小沢氏の方がはじめて僅差であるが上回ったのが「産経」・FNN調査である。ところで迷走中の給付金であるが、さすがに国民はチャッカリしていて、「不適切」「バラマキである」と批判はしつつ、「給付が決まれば受け取ろうと思う」人が88%だという。「給付」だからもらって結構、なんの犯罪にもならないお墨付きのものだから…。でもねえ、「批判する者は辞退しろ」っておっしゃる政党もいるから公言は要注意。この政党、はじめのうちは「クリスマスプレゼント」などと支持者を回って訴えていたが、クリスマスには間に合わなくなると「お年玉」と…。それも麻生さんは来年の通常国会で提案となったから間に合わない。早くても来年3月頃からバラマキ開始だとか。じゃあこんどは「入学、進学、就職祝い」っていうのだろうか?与党は「批判があっても手元にお金が届いたら選挙では与党に投票してくれるからそれまでは解散しない」なんて声も聞こえてくる。「それって、巧妙な公的資金による悪どい選挙買収じゃないの?」という人がたくさんいる。まさしくそうだろう。財源は国、だが「決めたのは私たち、反対したのは野党」と吹聴して票をかすめ取るスンポウはミエミエだ。そんな宣伝にごまかされて与党を支持すると、我々の願いを実現する未来は遠くなるよねえ。毎年、師走のこの時期に行われる「08流行語大賞」に「名ばかり管理職」、「後期高齢者」とともに「蟹工船」が入賞した。う~ん、貧困と格差が広がる世相を反映しているなあ、この国の人々の大半はまだ健全だなあなどと、今日も1級河川の河川敷を散歩しながら思った次第である。

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2008年12月 1日 (月)

トヨタの場合、株主配当を5%減らすだけで雇用は守れる

 大手の自動車メーカーが大量に「派遣切り」やら「期間工(期間従業員)切り」で働く人を無慈悲に寒空に放り出す計画だ。10月以降の削減計画は大手7社で1万人近い。いくら外需がダメだと言ってもほんとうに体力はないのか?そこで11月30日付け「しんぶん赤旗」を見て驚いた。各社とも「減益だ」と口を揃えているがそれでも08年度の営業利益は7社合計で1兆7200億円を見込んでいる。自動車産業全体での内部留保(隠し利益)は1987年度の7.5兆円から08年9月末で22兆円と3倍に膨れ上がっているという。そしてびっくりしたのは株主への配当が20年で6倍に急増したということだ。「赤旗」の報道では07年度の配当額はトヨタが4432億、ホンダが2250億、日産が814億、スズキが36億、マツダ42億、いすゞ84億で配当なしは三菱自動車だけである。そこで注目は例えばトヨタの場合、この配当が1株当り年間で140円(07年度)だったが、そのうちわずか3円を減らすだけで、非正規人員3000人もの雇用が守れるというものだ。トヨタの期間工の日給は約1万円で二交代制の手当を含め年収約300万円(残業代含まず)だから、年間90億円あれば3000人の雇用を継続できるという勘定になる。ところが株主には08年度の半分、中間の配当だけで総額2037億円だという。そのなかの90億円は5%にも満たない。株式を持っている8割がトヨタの場合、グループ企業や信託銀行、生命保険会社など機関投資家である。そういう人たちの配当の5%を減らすだけで3000人もの雇用を守れるというわけだ。いま空前の不況ブームのなかで内需を底上げすることが国際的な流れであり各国もその対応をすすめている。だが日本の自動車産業だけでも内部留保と株主の配当はふやしても雇用は減らす一方だ。雇用を減らせば失業者が増大し購買力もなくなるから内需もマイナスである。内需拡大という点でも雇用を維持し拡大することが一番の効能を発揮する。今回のアメリカ発の金融危機でそのツケを何の責任もない労働者にしわ寄せしてはいけない。厚労省も大企業・財界に雇用の維持を「要請」しているが、ひたすら儲けにまい進する企業に「要請」などと、請い願うようなことで応えるほど大企業は甘くない。緊急の雇用改善の法を作るとか、労働法制の規制緩和した分を規制強化へ向うべきだ。それこそまともな日本経済の発展方向なのだ。内需を増やせば自動車をはじめ、生活必需品の購入などで生産した物品も売れるわけだ。前にも書いたが非正社員で正規を希望する労働者3百数十万人を正社員化し、サービス残業をなくし、有給休暇の完全取得すれば、国内生産に波及する効果は24兆円増えるという「労働運動総合研究所」の試算さえ出ている。そういう論理は経営者だってわかっているはずだ。トヨタの前会長であった奥田前経団連会長でもかつては「経営者よ、首切りするなら切腹せよ」とまで語ったことがある。「100年に一度の不況」(麻生首相)とまで言い切るなら、ここは政治が責任を果たすことだ。政治は国民を守るためにあるのだから、大企業や大資産家の味方ばかりしないで舵取りを国民の方に向けるべきだ。それが国際競争にも勝つ道ではないのか。そういう大きな声を広げなければならない時代である。

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