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2008年12月 7日 (日)

「さもしく1万2千円欲しい人…」(首相発言)に思うこと

 麻生首相がまた「波紋を広げそうな」迷言を発したらしい。ネットニュースの「読売新聞」配信である。6日夜、長崎県諫早市での演説会。「追加経済対策」の柱である定額給付金についてである。「貧しい人には全世帯に渡すが、『私はそんな金をもらいたくない』という人はもらわなきゃいい。(年収が)1億円あっても、さもしく一万二千円が欲しいという人もいるかもしれない。それは哲学、矜持(きょうじ)の問題で、それを調べて細かく(所得制限を)したら手間が大変だ」と語ったというのである。「さもしい」とはどういう意味か。念のため広辞苑のお世話になる。いろいろ解説つきであるが「①見苦しい。みすぼらしい。②いやしい。卑劣である。心がきたない」などである。どう解釈するかは人それぞれだろうが、わたし的には「さもしく」を使うなら、もっと大きな人にぜひ首相から言ってほしい人物がいる。12月1日に首相は経団連会長の御手洗氏と会談している。会長の経営するキャノンで大分キャノンとキャノンマテリアル、それに青森のキャノンプレシジョン、いずれもキャノンの100%子会社であるが、3社で1700人もの非正規社員の解雇が計画されている。非正規社員は時給1000円、一日8時間、月21日で勘定して年収は200万円余(残業代含まず)である。1700人の雇用を維持するには年間約34億円である。キャノンは7-9月期決算で社内に溜め込んだ剰余金は9月末で3兆3千億円。この1年間に増やした分だけで約2800億円。解雇する1700人の非正規社員の雇用維持に必要な額34億円は、一年間で増やした剰余金のわずか1.2%。キャノンの正社員は40歳代で年収約400万円だそうで、1700人を正社員にしたとしても2.4%である。また株主への中間配当だけで715億円にのぼり、非正規社員を雇用維持する額には5%回せば足りる。経団連のトップ企業が1700人もの解雇をすることは、会員の大企業に解雇の模範を示すようなものだ。大量の「非正規切り」の嵐が吹きすさんでいるときだからこそ、財界指導部は身銭を切ってでも雇用を守る見本を示すことこそ求められているのだ。だから首相には1億円程度で「さもしく」など言わないで、「剰余金の1%か2%、配当金の5%ぐらいなんや!それほどまでにさもしく剰余金をためこみたいのか」と御手洗氏に一喝したらどうよって思うのはわたしだけだろうか。麻生首相が信奉するアメリカでさえ、自動車のビッグスリーに上院の公聴会では「帰りは自家用ジェット機を売却するのか」と一喝している。それが麻生首相は経団連に雇用の安定を「要請した」だけで、「個別の企業に介入できない」という一点張りで、それこそ「さもしい」ものではないか。「要請した」という舌の根もかわかないうちにキャノンは1700人の非正規切りを発表した。まるでなめられているみたいだ。違法、無法な大量解雇はまさに政治災害である。派遣など非正規労働者を犠牲にして、大儲けをしたのが大企業である。景気がわるくなるからとモノのように使い捨てにする大企業の横暴を許さず、派遣法の抜本的改正など働くルールを政治力で正し、雇用を拡大することこそ内需の拡大にもつながる。自称「経済の麻生」氏がそんなことも知らないはずはない。そうすれば急落する支持率を挽回し上昇することはまちがいない。同時に諫早市での発言で、給付金の所得制限をしたら「手間が大変」だと認めたわけで、そんなものをなぜ地方へ丸投げしたのか、国の仕事の怠慢さを表したということも指摘しておこう。それでなくとも国民の批判ごうごうの定額給付金はやめて、もっと実効的な「経済対策」を緊急に打ち出すべきであることもあわせて指摘しておこう。(キャノンの数字関係資料は本日の「しんぶん赤旗」が詳報)

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