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2009年1月17日 (土)

財政審からも「再考を」言われても馬耳東風の自公

 財務相の諮問機関で「財政制度等審議会」(以下、財政審)というのがある。ホームページを見ると、30人のメンバーがいる。会長は西室泰三氏(東京証券取引所グループ取締役会長兼代表取締役)で、東電取締役会長、新日本製鐵代表取締役会長、住友商事相談役、DIC(株)社外取締役などの財界人、読売新聞東京本社論説副委員長、毎日新聞社特別顧問というマスコミ界代表、10人余の大学教授、さらに「連合」会長の労働界や作家も入っている。財務大臣の諮問機関で、国家財政のあり方を検討。毎年度の予算編成に意見を反映させる審議会である。この機関が15日、審議会終了後、記者会見した。そこで2008年度第二次補正予算に含まれる、例の「定額給付金」について、「衆院は通過したが、2兆円の使途をもう一度考え直してほしいというのが財政審の大方の意見だ」と述べたのである。会議では、「経済の活性化になることに振り向けることを考えてはどうか」との意見が相次いだと言う。「定額給付金」は、先日、自公が衆議院でわずか2日間の審議で強行可決し、参議院に送られているのはご承知の通り。財政審がすでに衆院を通過した予算案の修正を求めるような意見を述べるのは極めて異例と言われる。財政審の西室会長が「記者会見で披露する」と言ったのに対し、財務省側は「なるべく刺激のない言い方をしてほしい」とクレームをつけたが、西室会長は「できあがったものをあげつらうのは避けたい。ただ、2兆円の件はちょっとちがう」と異例の対応をしたもの。

 どの世論調査でも国民の7割8割が「反対」あるいは「経済対策に効果がない」と言っているのに、国民の声に聞く耳をもたない自公政権は、いわば「身内」とも言える財政審の意見についても、やはり馬耳東風とばかり、反発の嵐である。保利耕輔自民党政調会長は「政治的配慮を欠いた発言だ」と言えば、柳沢伯夫党税制調査会小委員長は、「財務省のおひざ元の審議会が(予算案に反対を)言うのは由々しき問題だ」とカンカン。中川昭一財務相は「給付金を含めた予算を一刻も早く成立させ、施行する考えは変わっていない」とまるで財務省の審議会の意見にさえ真摯に対応する姿勢は皆無。今朝のあるテレビ放送に出演した自民党の衛藤某とか、公明党の高木某とかも、「だいたい、今ごろ結論なんて、財政審は何をしていたのだ、遊んでいたのか、もう遅い」という意味で噛み付いていた。遅くはない。これから「良識の府」と言われる参議院で審議されるのだ。圧倒的多数の国民の批判があり、誰もが納得するような効果的な使い方に見直したって笑われない。むしろ、その方が自公にとってもプラスになり支持率も上がるだろうに、どこまでも「国民無視の頑固揃いだなあ」って思うのは筆者だけではないだろう。国会議員というのは、自党の主張だけをごり押しするのが仕事じゃないのだ。野党の意見も真摯に聞き、何よりも国民の圧倒的な声を聞いて、審議し尽し、よりよいものにするのが本来のあるべき姿なのだ。それを党利党略にしがみついてなにがなんでもごり押しするだけしか頭脳がないのでは、日本国民にとって不幸なことである。異例とも言える財政審という「身内の反乱」にさえ耳を傾けないのでは、いよいよ自公政治は消費期限切れになったとしか言いようがない。その姿こそ笑いものだよねえ。

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