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2009年2月11日 (水)

「汚染米転売事件」業者が逮捕、それだけで終わるな

 強力な発ガン物質であるカビ毒アフラトキシンなど、農薬に汚染された毒入り外米、農水省流に言えば「事故米」というが、正確には「汚染米」とか「毒入り米」というべきだろう。本来は工業用糊という指定がある。そんなコメを、食用に転売して儲けていた、コメ加工会社「三笠フーズ」の社長とか他の販売業者ら五人が逮捕された。容疑の内容は、事故米を1キロ18.9円で購入し、米穀仲介会社などを通じて69.5円から98円まで吊り上げて販売。農薬アセタミプリドに汚染されたベトナム産うるち米をまぜたコメ約896トンを、食用くず米として熊本、鹿児島の酒造会社に納めたことで「不正競争防止法違反容疑」が逮捕の理由という。しかし、事故米は26都府県393業者に流通、病院や保育園などで消費されるという、異常な事件となったことは記憶に新しいところだ。そして検査する農水省が「三笠フーズ」九州工場を96回も検査をしていながら、不正に気付かないツーカー検査でパスしていたことで、農水省批判が集中し、当時の太田誠一農水大臣が責任とって辞任したほどだった。だから、「三笠フーズ」幹部ら悪徳業者が逮捕されたのも当然だし、事件の真相を解明することは重要である。事故米だからもともと安価で仕入れできる。仕入れの4倍、5倍で流通させるのだからそれはウハウハというほど儲かる。そうした流通の実態解明をはじめ、世間を不安に陥れた罪を問わなければならないのはいうまでもない。だが、それだけでいいだろうか。犯罪は元から正さないと再発防止にはならない。事故米の8割は輸入米だと言われる。日本は1995年から始まった外国産米(ミニマムアクセス米)の輸入を強行した。理由は国内消費量に比べて、割合が低いということで、ウルグアイ・ラウンド農業交渉で押し付けられたものである。コメ生産国である日本では必要がないのに、毎年、77万トンも押し付けられた、言わば「義務的輸入」という不当なものだ。だから、輸入した農水省は国内の業者に頭を下げて「買って下さい」とセールスしていたわけだ。おまけに2004年、「小泉改革」で、コメを扱う業者の許認可権をとっぱらい、届出さえすれば誰でも米売買に参加できるという規制緩和したことで、国による米流通の管理責任を放棄した。これが昨年来からの事故米問題の根底にある。だから、「三笠フーズ」の検査に96回も出動したが、「不正に気付かなかった」と農水省は何をしていたのか。07年1月に「不正転売」の投書がありながら96回も何を調査に行ったのか笑い話のような緩慢な仕事だ。おそらく、なあなあ主義で「いつ検査に行きます。よろしく」とか知らせてから検査に入るような馴れ合い調査だったのだろうと疑うなあ。だって、事故米を大量に買ってくれる得意先を失いたくないからねえ。こうしたことが悪徳業者のやりたい放題を進めたと言える。事件後も輸入米からカビ米が発見され、中にはアフラトキシンも検出されているというから、断じてコメ輸入を禁止する以外に再発防止はない。これとてさらなる根底には長年の自民党政権による弊害として、農家に減反を押し付け、食料を市場まかせにしたあげく、WTO(世界貿易機関)交渉では、食糧の輸入を促進するための農産物の関税引き下げや、ミニマムアクセス米協定に同意するなどで、食料自給率を40%にまで陥れた農政の失政が根幹にあるのだ。ここまでメスを入れないと再発は防げない。いま世界は米にしろ、小麦にしろ、とうもろこしなど主要農産物は発展途上国でも消費が何倍にも高まっており、世界的な食料不安が予想されるときに、真剣に力を注がなければならない。しかし、クルマや電化製品など外需頼みに集中する自公政治では食料自給率を高めることは期待できないと思う今日この頃だ。

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