大企業に湯水のごとくばらまき、庶民に増税のツケ
「経済危機対策」と言えば聞こえがいいが、どう考えても「選挙対策」目当てにしか見えない。本予算を決めたとたんに15兆円というかつてない規模の補正予算案が衆院に提出された。GW明けに本格審議すると言う。「経済危機」というなら国民の生活実態から見てもっとも困っている階層を応援する内容が必要である。なんと言っても大事なのは緊急の雇用対策や中小・下請け企業に対する支援、介護や医療、福祉の改善、急を要する生活関連公共事業などなどである。かろうじてそういう分野の支援では、「不況下の子育て世代支援」と銘打って3歳から5歳の子どもがいる家庭に3万6千円を配るという。だが、なぜ3歳から5歳の子どもだけなのか。それ以外の子どもは不況下でも困っていないのか。また、なぜ一回限りなのか。1回ポッキリで不況から脱出できるのか?「小学校就学前3年間の児童にした」と答弁するだけで理由はわからない。2歳や6歳の子どもがいる世帯にはがまんならないよ。実際にカネがかかるのは小学校入学以上の児童の方が必要なのではないか。また、「女性特有のがん対策」というのがある。これも今年一回限りである。1回きりで「がん」は対策できるのか? このように確たる理念もない1回かぎりだからまさに「選挙対策」で「選挙後は知らないよ」である。この点でも、母子家庭の児童扶養手当は廃止し、生活保護の母子加算や老齢年金は削り、怒りが沸騰した後期高齢者医療制度は「見直す」と約束しながら手をつけない。耐え難い負担が増えて「自立」どころではない「障害者自立支援法」にもなんらの是正措置もない。社会保障の自然増2200億円削減路線もそのままである。まるで国民の実態をみない理念のない1回限りの支援策だけだ。
その反面、大手企業への大盤振る舞いには熱心だ。大企業は溜め込んだ内部留保は山ほどあるのに、それを取り崩さず「派遣切り」などで被害者を大量に出しているのに、さらにそこに金をつぎ込むのだ。まるで「今がチャンスだ」とばかりに大型公共事業にバラマくのである。悪評ふんぷんだった小泉内閣時代でさえ、「白紙」にした「高速自動車国道計画」に財政出動。こちらは1年こっきりで完成するようなシロモノではないから完成まで支援だ。さらに大企業中心の「研究開発減税」は、法人税の3割の減税を4割に拡大して、繰り越し期間を3年に延長するという至れり尽くせりだ。おまけに15兆円の枠とはちがって、政府保証枠を50兆円も用意して、従業員5000人以上の大企業に限って資金注入ができる「産業活力再生特別措置法」が別に作られた。またエコカーや省エネ家電購入に補助金やポイントをつけるのも、つまるところは自動車、電機産業への応援ではないか。なんという大企業優遇か。その一方で企業数の99%を占める中小企業にはどうか。仕事が減り、資金調達にもっとも困っているにも関わらず、こちらにはまともな対策はない。溜め込んで体力十分の強きを助け、弱い企業を切り捨てるという非情さである。数々の違法な手口を弄して派遣や請負など非正規労働者をクビにする、まさに谷底に突き落とした大企業にはあの手この手で救い、「雇用を守る」対策には消極的な対応である。しかも15兆円はほとんど国債という借金で賄うから、その出口には二年後から消費税をおそらく10%以上にする腹づもりだから、もう怒り心頭である。大企業応援したツケを弱者ほど負担が大きい消費税で穴埋めするのである。ほんとにこの国は逆さまが大好きな自公に牛耳られているおかげで貧富の差がますます開いて行く。総選挙で鉄槌を下そうではないか。
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