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2009年5月21日 (木)

戦後最悪GDP15.2%減、元凶は雇用破壊

 内閣府が3ヶ月ごとに発表する国内総生産(GDP)の本年1-3月期の速報値が年率換算値で15.2%減となり、減少幅は第一次石油ショック後の1974年の1-3月期の13.1%を上回り、二期連続で戦後最悪を更新した。これは海外と比較すると世界不況の震源地である米国は年率でマイナス6.1%、ユーロ圏10カ国はマイナス10%弱と比較しても日本の落ち込みは急激であり先進諸国のなかでは最低クラスとなった。作秋のリーマンショックのころ、麻生首相は「日本は影響が少ないから立ち直りも早い」みたいなことを言っていたが、いかにも展望の甘さが伺える。今回の事態について与謝野馨経済財政担当相は、「景気が急速に悪化し、厳しい状況にあることを反映したものと考える」との談話である。いったい何が原因なのか。それはいわずと知れた大企業が雇用破壊をすすめた時期と重なることである。パナソニックが15000人、日産も世界で2万人削減を発表するなど、大リストラ競争がはじまった時期である。それは当然ながら雇用者の報酬が減り、有効求人倍率も0.52倍と低水準に落ち込んだ。雇用と所得の悪化が消費者心理に大きな影響を与え、個人消費を落ち込ませた結果である。つまり内需の落ち込みだ。物価変動の影響を除いた実質GDPは前期から4.0%落ち込んだが、その内訳は、輸出から輸入を差し引いた外需が1.4%減にたいし、実質GDPの55%を支える個人消費という内需が2.6%減なのである。個人消費が減ったと言われれば、なんだか消費者が金を使わないからという意味にも取れるが消費者に責任はない。あれだけ大量の首切りが進み再雇用もままならず、また大学・高校の新卒者の内定取り消しも未曾有に広がるなどの事態を見れば、消費者は誰だって生活防衛のために消費を抑えるのは当然である。昨年までの「ナントカ景気」を引っ張ったのは自動車や電機など輸出大企業であった。そして「国際競争力」を理由に正社員の給与を減らし、賃金の安い非正規雇用に置き換えて34%に急増した。世界的危機で収益悪化するやいなや、中小企業には単価切り下げ、非正規社員は首切りも容易だからなりふり構わずリストラする。この元になったのは99年から相次いだ労働法制の改悪に共産党を除くすべての政党が賛成したからである。だからこの10年では輸出が1.8倍にもなった反面、個人消費は1.1倍にとどまり、「景気回復」なんていうのは消費者にとってはなんの実感もなかった。こうした大企業の勝手横暴が内需を減らしたわけだ。だから内需を増やすには国民の家計を応援しなくちゃならないのに、自公政権はやれエコカーを買えとか、やれ地デジ対応テレビやエコ家電を買えと、ポイントをつけて税で負担する。これって結局自動車や電機産業などの大企業応援だ。年収500万以上でもあればなんとか買うかも知れないが、非正規労働者の大半は年収300万以下で簡単に購入することはできない。まして失業者には何の役にも立たない。逆に4月から生活保護の母子家庭の母子手当て(年間約200億円)まで削った。凍結していた高速道路には東京外環道のように1メートルつくるのに1億円もかかるようなトンネル高速道など不要不急の無駄な公共工事に巨費を投じる。これも大手のゼネコンだけが潤うだけ。従業員5000人以上の大企業だけに公的資金を投入する「産業活力再生法」を民主党も賛成して決めた。一方で雇用破壊、失業対策には正面から取り組まない。これでは内需拡大と言っても限られた人しか恩恵を受けないだろう。そのバラマキのツケはやがて消費税増で一番負担のしわ寄せを受けるのは弱者である。せめて食料品の非課税を実現し、社会保障の財源は内部留保をドカスカ持っている大企業と大金持ちが相応の負担をして支えることなど、家計応援の対策こそ求められるのである。それが日本経済再生の道なのではないか。逆さまな対応ではGDPのプラス成長にはならないと指摘しておこう。

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