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2009年8月 2日 (日)

民主党は比例定数削減より政党助成金廃止を言うべき

 政権交代をめざすという民主党のマニフェストで、16兆円とかの財源づくりの一つ「ムダ使いをなくす」というなかに「衆議院の比例代表定数を80削減」というのがある。比例代表の議員は「ムダ」だというのである。これはどうしても納得するわけには行かない。民主党議員のなかにも比例代表で当選している議員もいたが、その人たちもムダだったのか? 比例代表は各政党に投票された得票率に応じて議席の配分が決まるから、死に票もなく、国民の民意がもっとも正確に反映される選挙制度である。仮にA党が40%、B党が30%、C党が20%、D党が10%の得票率とするとその比率に応じて議席が配分される民主的な方法なのである。それに比べて小選挙区制はどこでも定数が一人であり大政党でなければ当選しにくいし、場合によっては得票率が30%台でも当選することもあり、残りの60%台に投票した有権者の票は「死に票」となり、民意の反映と言う点からもきわめて不公平な選挙制度である。民主党は不公平な選挙制度には手をつけず、民主的な制度の比例代表で80議席削減と言う公約なのだ。比例の定数は当初は200であったが99年に改悪され180に減らされた。そこからさらに80減らすと残りは100である。4分の3が小選挙区による議席となる。これでは国会のなかは自民と民主だけで95%になると言われている。確かにいま政治動向としてはメディアが「自民か民主か」と持ち上げに懸命なこともあって、がまんならない自公政治をなんとか変えようと願う世論がたかまっている。それでも有権者のなかには「自民党はあかん、されど民主党も危ないことも言うし頼りない、自民も民主も似たようなもの」という人が過半数を占める。そういう国民にも審判の材料を提供することがメディアに求められているが、あいかわらず自民・民主が報道の中心である。この姿勢は選択肢を狭めることで民主国家にとって有害である。今や小選挙区制の元祖であるイギリスでは多様な民意が反映されないという見直しが議論され、世界では比例代表制度が大勢となっているのである。「民主」とは名ばかりで、民主主義を根本からぶっ壊すというのが比例定数削減である。民主党のいう「ムダ」は80議席減らしてもせいぜい6000万円の削減だ。本当の「ムダ」をなくすには、その5倍ものムダとなっている政党助成金320億円こそ廃止すべきである。政党助成金は日本共産党以外の政党で分捕っており、有権者の思想・信条に関わりなく一人当たり250円を政党に回すと言う憲法にも違反するものである。その廃止を言わずに、もっとも民意を正確に反映した議員を「ムダ」呼ばわりする民主党のマニフェストには呆れるし、絶対に納得いかないのである。こうした民主党の姿勢を根本から質す意味でも、政党助成金を受け取らず、企業団体献金もいっさい禁止している日本共産党を伸ばしてこそ、防波堤の役割を果たすだろう。いうまでもなく自公政治を終わらせることは新しい政治を切り開くことになるが、その際、「第3極」としての建設的野党である共産党を伸ばし、民主党中心の政権が生まれた場合でもいい面は推進役となり、比例定数削減はじめ消費税増、憲法9条改悪、農業FTA締結などのまちがった方向では防波堤の役割を果たして欲しいものである。

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