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2009年10月30日 (金)

「ウソツキ民主党」も見えてくる国会論戦

 臨時国会で鳩山首相の初の所信表明演説が行なわれ、自民、公明、共産、社民各党が代表質問をした。与党になった民主党は質問は行なわないとサボタージュしたがこれはおかしい。国民から選ばれた限りは与党、野党にかかわらず行政をチェックするために発言するのが仕事だ。与党議員も質問したい議員がいるだろうにそれを党として封じるという態度は間違いであると思う。各党の代表質問はNHKで中継された。自民党の谷垣総裁は「新政権には経済成長戦略が欠けている」とか、来年度予算編成作業で財源づくりについて触れ、「自民党は消費税を含む税制抜本改革の道筋を先の通常国会で法制化した」と、消費税増税を迫った。首相からは「こんな財政にしたのは誰か」と反論。谷垣氏「沖縄の普天間基地問題で日米の信頼関係に亀裂が生じる」とか、選挙でなぜ負けたかという反省もなく従来路線の立場からの質問に終始した。首相は「普天間の移設問題に今まで10年以上も結論を出さなかったのはどの政権か」と皮肉を込めた反論や、別の問題では「あなたがたから言われたくない」とか、自公政権時代の負の遺産に苦労しているんだといわんばかりでさっぱり面白くない議論だった。それに比べ「建設的野党」を是認する共産党の志位委員長の質問は鋭かった。政権が変わったいまこそ緊急に転換を迫られている重要問題を質した。人間らしい雇用のルールを破壊してしまった前政権の労働法制の規制緩和の転換を求めた。失業率の最悪状態が続いているもとで、失業給付の緊急延長、求職活動中の生活困窮者の救済、中小企業への雇用調整助成金の抜本改正、そして労働法制の抜本改正として労働者派遣法の改正を強く求めた。首相の所信表明演説では全く触れられなかったからだ。いまトヨタなどはエコカー減税で増産体制に入ったが、あいかわらず期間工という「6ヶ月の期限付き」採用の募集だ。あれだけ批判されたトヨタがまたしても人間使い捨てである。利潤のためなら税の投入を受けても、労働者なんか使い捨てでいいのだという人間とも思えない仕打ちだ。鳩山首相は「労働者派遣法改正案は来年の通常国会で提案する」とかろうじて答弁した。志位氏はつづいて後期高齢者医療制度についても首相演説は「先送り」だと厳しく批判。一昨年12月の参議院では民主党も含めて「廃止」を議決した。同党のマニフェストでも「廃止」だった。にも関わらず首相は、新しい制度と引き換えで廃止だと先送りにした。これにはもうがっかりし怒り心頭だ。「ウソツキ民主党」である。志位委員長は農業問題で歯止めのない輸入自由化路線を厳しく批判し、農業再生のために日米FTA交渉促進は日本農業を壊滅的にするから絶対にやめるべきと迫ったが、鳩山首相はガンとして応えず「国際交渉を促進」と答弁。また志位氏は財源問題で高速道路無料化より先に福祉へまわせ、庶民に1.4兆円の増税付きの子ども手当てにもくみしないと言及。さらに米軍への「思いやり予算」と大企業、大資産家への優遇税制にメスを入れることも追及。しかし鳩山首相には全くその気がなさそう。志位氏は最後に沖縄の普天間基地移設問題では、アメリカのゲーツ国防長官に一喝されて迷走する新政権を質した。宜野湾市の上空からの写真を一目見れば分かるように、市のど真ん中に位置する米軍普天間基地は沖縄の痛みを象徴するものだ。2700mもの滑走路、騒音はじめ、ヘリ墜落の危険にさいなまれながら、未だにアメリカは占領しているのである。鳩山首相のブレーンの一人だとか囁かれる日本総研会長の寺島実郎さんは、最近のTVニュース番組で「独立国で外国軍隊が存在する異常」について、「時間がかかっても、基地の縮小、地位協定の見直しに正面から勇気をもって取り組むべき」という意味の発言をしていたが、そういう勇気は鳩山首相にはなさそうだ。せっかく国民の力で勝利した新政権だが、今のところは旧来の自民党政治からの転換は殆ど見られない。もともと総選挙中からも「自民も民主も大して変わりなし」と言うのが圧倒的世論だったから、期待するほうが馬鹿だったのか?まあ、もう少し見極めよう。

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2009年10月28日 (水)

民主中心の政権はダッチロール状況?

 昨日から注目の臨時国会が始まった。長~い鳩山首相の所信表明演説はなにやら抽象的な美辞麗句調でもっぱらオバマ大統領の「チェンジ」を真似た感もある。しかし、「チェンジ」に見合う具体策はまるで見えてこない。演説では「何より人の命を大切にし、国民の生活を守る政治」と言い、総選挙の結果は「弱い立場の人々、少数の人々の視点をおろそかにしてきた政治と行政に対する痛烈な批判」だと指摘した。まさにその通りである。だったら民主党のマニフェストにもかかげ、昨年は民主党はじめ旧野党4党で一致した後期高齢者医療制度の即時廃止については「廃止にむけて新たな制度の検討を進める」と事実上の先送りを表明した。ちょっと約束が違うじゃあないか。「新たな制度」というからにはまだ何年もかかる。どうして「元に戻す」という単純なことを言えないのかガッカリした。俺たち高齢者は待てないのだ。もうすぐ70歳を迎えるのに元の老人保健法では窓口負担は1割になるのに2割負担させられる。75歳以上の人は保険料は2年ごとに見直され、じゃんじゃん上がる。すでに来年の見直しでは10%アップなんて試算した話もある。いったん元に戻して新制度はじっくり考えればいいのに…。失業者や生活困窮者への支援とか、新卒・未就職者への対策などで「緊急雇用対策」も言ったけれど、雇用を破壊し失業者を大量に作り出す元凶となった労働者派遣法の見直しこそ必要なのに最後まで出ずじまい。やっぱり経団連が猛烈に反対しているから怖くて言えなかったのだろう。また、来月にはオバマ大統領が来日するというのに、「緊密かつ対等な日米同盟」が外交の基盤であるとして、沖縄への新基地移設問題についてどうするのか。沖縄県民の圧倒的な世論は沖縄での基地のたらいまわしは反対」なのにその対応については具体策なし。アメリカには「対等」にモノが言えないらしい。大体、この問題では防衛大臣は沖縄県内での新基地を容認するようなことを言うと、外務大臣は嘉手納基地と統合する案をしゃべったり、どだい、内閣のなかでさえ意思統一がとれていない。与党3党の連立合意では「日米地位協定の改定の提起や米軍再編・在日米軍基地のあり方の見直し」とあったが、それよりもかなり後退した中身である。飛行機に例えればまるで右に左にダッチロールしているようなものである。八ツ場ダムでも担当大臣がきめ細かな説明もなく「中止」と言って、地元から反撃され「再検証」に修正したり、郵政では西川社長をクビにしたのはともかく、後任にはなんと元官僚の実力者をすえ、副社長にも元官僚を二人も送り込み、選挙中に大声で訴えていた「脱官僚」のスローガンは早くも消えた。郵政をどのように見直すのかビジョンも見えない。こうして各大臣が思い思いに公言し、その尻拭いに首相が務めているという構図にしか見えない。閣僚会議は連日行なっているはずなのになにを議論しているのか分からす、みっともないことこの上ない。日航じゃないけれどダッチロールしている日本丸はどこへ飛んでいくのか。「自公政治にさようなら」と民主党になだれをうって投票した国民は、「政権交代したから終わり」であとは「民主党に任せた」とあぐらを組んでいたら危険だ。今からスタートなのだからしっかりと政治に目を向け行動して行かないと無責任だ。寄り合い所帯の民主党は、もともと小泉改革のような弱肉強食の新自由主義を競い合っていたこともある党ゆえに、民主党に投票した有権者はしっかり監視し見極めることが必要だろう。

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2009年10月26日 (月)

米兵の遊びの金まで防衛省が負担するムダ遣い

一昨日、沖縄の新基地問題について寄稿したが、その際、書こうと思っていて文が長くなるので省略したことがある。在日米軍の横暴、高圧的な対応の一つで、数日前だったか確かTBSの「朝ズバッ」だったと思うが、会計検査院が米兵の私的な遊びのために日本の高速道路の通行料まで防衛省が支払っているのを「改善」するように要求したことを報じた。番組では確か奈良や京都の観光地へ私的に遊ぶことをあげていたと思う。今日の「しんぶん赤旗」で一般紙なら「社説」にあたる「主張」欄で「米軍高速料不払い、遊びまで税金で負担する異常」と題して掲載された。それには利用の中身として「ディズニーランド見物や温泉旅行といった米兵の私的な遊びのための高速道路料金を負担するなど言語道断です。会計検査院がメスを入れたのは当然です」と断じている。また、「この問題は昨年、日本共産党の井上哲士参議院議員がくりかえし国会でとりあげてきたもの」とも紹介している。さらに「米軍地位協定上は、『公務』なら米軍車両は料金を支払わずに通行できるということになっています。これ自体不当な米軍優遇措置です」と見解を述べている。ところが私的な遊びのために使う車まで公務の「通行証明書」を提出して未払いで通行していると指摘し、会計検査院の調べでは米兵の高速道路料金総額は、米軍車両約97万台分、約8億6千万円、このうち普通車は約64万5千台、4億4千万円だと記載されている。「公務」か「私的」か米軍に問い合わせても答えない。会計検査院は、高速道路の利用が集中する8月に使用された通行証1万8千枚を抽出し、分析を余儀なくされたという。だが、提出された証明書からは、車種、運転者の氏名、車両番号、発行日、基地所在地、発行責任者の官職の記入漏れが多く見つかった。記載事項はすべて記入するという米軍の約束にも違反して、いいかげんな証明書で「公務」に見せかけてタダ走りし、ツケを防衛省にまわしていたというわけだ。まさに「アメリカが日本を支配しているという思い上がった占領者意識」(「赤旗」主張)という異常さである。もちろん、防衛省も記載不備な証明書があっても確認する作業もしていないというからきわめて情けない話であり、ここにもアメリカ追随の姿勢がありありだ。だからこそ防衛費という予算を聖域にせず、大いに見直しムダを削ればいいのだ。ところが新政権の概算要求でも前年比わずか0.04%削減だけ。米兵の遊ぶ金まで提供し、おまけに義務のない「思いやり予算」二千数百億円を毎年贈呈とか、北海道でしか使えない役立たずの重戦車をアメリから購入したりと防衛予算にはムダがいっぱいあるはずだ。戦後60数年経てもなおこんなアメリカに対等にモノが言えなくてどうして独立国家と言えるか。ワシントンポスト紙は今の日本は中国よりもやっかいな国とか書いたそうだ。なにもアメリカと喧嘩せよというのではない。オバマ氏も「原爆を投下した唯一の道義的責任がある」と認めているのだったら、軍事同盟ではなく独立国家として対等平等の関係に裏付けられた平和友好条約を結ぶよう努力して欲しいものだ。ついでだから対米従属問題でもう一件記しておこう。ネット上で見たから真偽のほどはわからないが、在日米軍のNHK受信料の不払いもあるようだ。(出所、フリー百科辞典「ウィキペディア」―「在日米軍のNHK受信料問題」から)NHKは契約を求めているようだが、米軍司令部は「不要」として払っていないそうである。一般視聴者の不払い者には「法で決まっている」と執拗に迫っているNHKだが、やはり米軍には「特殊な問題」として放置しているとのことである。「法で」というならすべての在日外国人には日本国内法が適用されるはずだが…。ここにもアメリカの横暴さが現われている一つの事例である。

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2009年10月24日 (土)

鳩山首相はオバマ大統領に「基地は要らない」と主張せよ

 最近のニュースを見るにつけ支持率の高い鳩山内閣であるが、期待したほどにことが運んでいない。いい面では生活保護世帯の母子加算復活ぐらいで、後期高齢者医療制度は「廃止」と公約したのに4年以内に新しい制度と引き換えだとか、扶養控除廃止で500万人に増税を押し付ける「子ども手当」実施とかがある。そしていま、沖縄への新基地設置をめぐってアメリカの恫喝まがいの要求にたいし鳩山政権閣僚の不協和音というか、きっぱりと「基地はいらない」と言えない態度にイライラする。これはそもそもアメリカの戦後直後の侵略的態度からいっこうに変わっていない。先日、やってきたゲーツ国防長官の言い分、「あの態度はなんだ」と言いたい。多分、オバマ氏来日に備えた寝技の打ち合わせで来たのだろう。オバマ政権になって核兵器廃絶とかアメリカ一国による支配の排除などカッコつけて世界から拍手を受けたり、ノーベル平和賞受賞やらと華々しいのは良いけれど、ゲーツの対応からすれば、オバマ氏はこと日本に関しては旧態依然として、不平等条約である日米軍事時同盟をタテにして、日本を目下の同盟者…いや、まるで植民地でもあるかのように振舞うのであろうか。未だに日本の領土に自衛隊と共同使用できるものを含めて百箇所前後もの基地を置きその面積たるや東京23区の半分以上、うち75%は沖縄に集中し、米兵による殺人や婦女暴行、強盗など件数はこれまで20万件とも言われる。しかもそんな米軍に年間2千数百億円もの「思いやり予算」まで贈呈する。沖縄県では県土面積の10%以上が米軍基地として好き放題に使いまくり、本土のあちこちにも基地を置く。そんな国がほかにあるか!?…それなのにゲーツは「新基地の建設が実現しなければ米海兵隊のグアム移転も基地返還もない」などと、ド厚かましく威丈高に恫喝している。これではオバマ大統領が一方では「核廃絶・平和」、片や「日本での基地拡大」と二枚舌を使っているに等しいじゃん。こんどのノーベル「平和」賞を選んだ委員会でも満場一致でなかったらしいがそれは当然だ。これじゃノーベル「平和」賞もメンツ丸つぶれだ。まるで日本列島をアメリカ合衆国の51番目の州だとでも思っているのだろう。まあ、そういうふうに従属扱い、目下扱いにされたのも長年の自民党政権のお陰である。「日本をアメリカに守ってもらう」のだと。守るどころか日本の基地からイラクやアフガンへ爆撃機などが飛び立つ殴り込み部隊の基地にしてしまった。地理的にも沖縄は米軍にとって手放せない位置にあるからだ。そうしたことがバレないように彼らはアメリカと「密約」までつくって核兵器を搭載した艦船などが自由に日本に寄港していたことまで判明した。そんな時に政権交代したのだから、新政権も少しはアメリカとも対等にモノをいうのかと思いきや、恫喝まがいのゲーツにへっぴり腰なのである。いま鳩山政権は95兆円もの来年度予算の概算要求を3兆円ほど縮減するのにワイワイガヤガヤしているが、だったら真っ先に切るべきはアメリカが要求する理屈も権利もない「思いやり予算」をゼロにするべきだ。しかし、新政権の誰からも「思いやり」の「お」の字も出てこない不甲斐なさである。社民党の福島党首、テレビでは他党代表の発言を遮ってでもおしゃべりする御仁だから沖縄新基地に反対ならこれらのことを閣議で発言しているのだろうか。いま沖縄では基地の騒音被害やヘリなどの墜落事故の恐怖、美しい自然の破壊に対して、沖縄県内での基地のたらいまわしはゴメンだという世論が圧倒的なのだ。先般の総選挙でも沖縄県では新基地、県内移設容認派の自民も公明も当選ゼロになり、昨年の県議選でも県内移設反対派が過半数になった。これが沖縄県民の民意なのだ。オバマ大統領が来日の際に、「核廃絶、軍縮をいうなら、アメリカによって被爆した国、そのうえ米軍基地に悩む日本のことを一番先に考えよ」と言ってほしいものだ。そして「新基地は要らない」とはっきり言うべきだ。与党3党は「沖縄県民の負担軽減の観点から、在日米軍基地のあり方も見直す」と合意しているのだから…。

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2009年10月22日 (木)

OECD加盟国第4位の「貧困大国」で“貧困ビジネス”が

厚生労働省が日本の相対的貧困率を初めて調査し発表した。先進国が加盟している経済協力開発機構(OECD)ではこれまでも各国の相対的貧困率を定期的に調査していたが、日本政府は1960年代前半まで生活保護受給世帯の平均額を下回る層を「低消費水準世帯」として調べていたが、その後は調査していなかった。今回はOECDの算出方式に準じて厚労省の新大臣が指示して調査、公表したものである。厚労省で三年ごとに実施している国民生活基礎調査のデータに基づきさかのぼって4回分を計算したものだ。税金や公的保険料などを差し引いた、いわゆる手取り収入である可処分所得を高い順から並べて全国民の真ん中にあたる人(中央値)の半分未満の人がどれだけいるかという割合が「相対的貧困率」と称する。今回調査したうちで最新は2006年のデータであり、中央値は228万円で、その半分の114万円未満の収入以下という階層である。月収に換算すれば9万5千円以下ということになる。某テレビ放送では夫婦など二人世帯でのそれはたしか150万円と言ったように思う。とすると月当りでは12万5千円だ。9万円とか二人で12万円ではそれこそ生活するのは大変だし、とても憲法の謳う「健康で文化的な」最低限度の生活には程遠い。そういう「貧困層」と言われる層が4回の調査では98年が14.6%、01年が15.1%、04年が14.9%、そして07年度(06年のデータで算出)で15.7%となり98年以降で最悪となった。つまり国民の7人に一人以上が貧困層ということになる。さらにその後の08年、09年の雇用状況は悪化の一途であり、失業率も高止まりしたままなのが現在であり、全国各地で行なわれている「派遣村」「相談村」ではわずかな所持金で職も住家もなく、ボランティアの行なう炊き出しに並ぶ人が増えるばかりである。職がある人でも毎年のように給与やボーナスカットも急増し、百貨店、大手スーパーでも軒並み売り上げ減となっている。ハローワークに通っても職が見つからないし、来春の中卒、高卒生の有効求人倍率も低く若年失業者の増大も心配される。そんなことを考えると貧困率はもっともっと上昇しているのは確実だろう。15.7%はOECD30カ国のなかでは、メキシコ、トルコ、アメリカに次いでワースト4番目。上位のデンマークが5.2%、スウェーデン5.3%、チェコ5.8%と比べて3倍になる。日本が長年いろいろな経済活動や指標で見本としてきたアメリカと肩をならべているのも皮肉だ。日本はまだ医療保険では皆保険制度だがアメリカはないからさらに生活は厳しい。だが、「アメリカよりましか」と言ってられない。貧困ゆえに保険料が払えないか滞納している人は国民健康保険の対象者の2割に及ぶと言われる。昨年から始まった後期高齢者医療制度で75歳以上の人の多くは年金から天引きだが、年金が月15000円以下の人は自分で納めることになっている。最近の統計では保険料の滞納があるため「短期保険証」(6ヶ月、3ヶ月、1ヶ月の有効期間)しかもらえていない人が全国で2万8千人にも及ぶということがわかった。また、「貧困ビジネス」という悪質な「商売」が生活保護受給者を中心にはびこっているのも許せない。「しんぶん赤旗」はしばしば取り上げているが、安上がりの「無料低額宿泊所」と名乗って、ベニヤ板で区切った3畳ほどの「部屋」に生活保護者を住まわせ、家賃5万3700円、食費4万5千円、水光熱費1万5千円、日用品費9000円、計12万3300円を支給された生活保護費から徴収するという“ビジネス”である。生活保護者本人は6000円余しか残らないという劣悪宿泊所である。こんな“貧困ビジネス”が首都東京のなかにあるというのだ。この例は極端としても厚労省の調査では、今年6月末で施設入所者は1万4千人余りで、そのうち1万2894人が生活保護者であり、施設数は439箇所、東京都内に約4割集中している。入所者の保護費から利用料を差し引いた残額が3万円未満という人が約4割に達するという。ああ…なんともすさまじいというか、考えられないような事態が進行している「貧困大国日本」である。

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OECD加盟国第4位の「貧困大国」で“貧困ビジネス”が

厚生労働省が日本の相対的貧困率を初めて調査し発表した。先進国が加盟している経済協力開発機構(OECD)ではこれまでも各国の相対的貧困率を定期的に調査していたが、日本政府は1960年代前半まで生活保護受給世帯の平均額を下回る層を「低消費水準世帯」として調べていたが、その後は調査していなかった。今回はOECDの算出方式に準じて厚労省の新大臣が指示して調査、公表したものである。厚労省で三年ごとに実施している国民生活基礎調査のデータに基づきさかのぼって4回分を計算したものだ。税金や公的保険料などを差し引いた、いわゆる手取り収入である可処分所得を高い順から並べて全国民の真ん中にあたる人(中央値)の半分未満の人がどれだけいるかという割合が「相対的貧困率」と称する。今回調査したうちで最新は2006年のデータであり、中央値は228万円で、その半分の114万円未満の収入以下という階層である。月収に換算すれば9万5千円以下ということになる。某テレビ放送では夫婦など二人世帯でのそれはたしか150万円と言ったように思う。とすると月当りでは12万5千円だ。9万円とか二人で12万円ではそれこそ生活するのは大変だし、とても憲法の謳う「健康で文化的な」最低限度の生活には程遠い。そういう「貧困層」と言われる層が4回の調査では98年が14.6%、01年が15.1%、04年が14.9%、そして07年度(06年のデータで算出)で15.7%となり98年以降で最悪となった。つまり国民の7人に一人以上が貧困層ということになる。さらにその後の08年、09年の雇用状況は悪化の一途であり、失業率も高止まりしたままなのが現在であり、全国各地で行なわれている「派遣村」「相談村」ではわずかな所持金で職も住家もなく、ボランティアの行なう炊き出しに並ぶ人が増えるばかりである。職がある人でも毎年のように給与やボーナスカットも急増し、百貨店、大手スーパーでも軒並み売り上げ減となっている。ハローワークに通っても職が見つからないし、来春の中卒、高卒生の有効求人倍率も低く若年失業者の増大も心配される。そんなことを考えると貧困率はもっともっと上昇しているのは確実だろう。15.7%はOECD30カ国のなかでは、メキシコ、トルコ、アメリカに次いでワースト4番目。上位のデンマークが5.2%、スウェーデン5.3%、チェコ5.8%と比べて3倍になる。日本が長年いろいろな経済活動や指標で見本としてきたアメリカと肩をならべているのも皮肉だ。日本はまだ医療保険では皆保険制度だがアメリカはないからさらに生活は厳しい。だが、「アメリカよりましか」と言ってられない。貧困ゆえに保険料が払えないか滞納している人は国民健康保険の対象者の2割に及ぶと言われる。昨年から始まった後期高齢者医療制度で75歳以上の人の多くは年金から天引きだが、年金が月15000円以下の人は自分で納めることになっている。最近の統計では保険料の滞納があるため「短期保険証」(6ヶ月、3ヶ月、1ヶ月の有効期間)しかもらえていない人が全国で2万8千人にも及ぶということがわかった。また、「貧困ビジネス」という悪質な「商売」が生活保護受給者を中心にはびこっているのも許せない。「しんぶん赤旗」はしばしば取り上げているが、安上がりの「無料低額宿泊所」と名乗って、ベニヤ板で区切った3畳ほどの「部屋」に生活保護者を住まわせ、家賃5万3700円、食費4万5千円、水光熱費1万5千円、日用品費9000円、計12万3300円を支給された生活保護費から徴収するという“ビジネス”である。生活保護者本人は6000円余しか残らないという劣悪宿泊所である。こんな“貧困ビジネス”が首都東京のなかにあるというのだ。この例は極端としても厚労省の調査では、今年6月末で施設入所者は1万4千人余りで、そのうち1万2894人が生活保護者であり、施設数は439箇所、東京都内に約4割集中している。入所者の保護費から利用料を差し引いた残額が3万円未満という人が約4割に達するという。ああ…なんともすさまじいというか、考えられないような事態が進行している「貧困大国日本」である。

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2009年10月19日 (月)

政府与党は政党助成金廃止し生保家庭の母子加算を復活せよ

 政権が変わって新政権がはじめて提起する来年度予算案だが、「無駄遣い一掃」と力んでいたから少しはスリムになるかと思いきや、過去最大となる95兆円規模という概算要求となった。「概算」だからこれから多少は削減するのだろうが、テレビ出演した仙谷行政刷新相は「できたら92兆円くらいに収めたい」と発言。それでも過去最大にはかわりない。そんななか政党にくれてやる「政党助成金」の今年度3回目の支給が明日20日に80億円交付するそうである。1995年から始まったこの制度は毎年赤ちゃんも含めて国民一人当たり250円の税負担で所属国会議員数や直近の選挙の得票率などを基礎に配分される。国民の総数にもよるが、2009年度分は319億4200万円である。これを4,7,10,12月の4回にわけて政党に山分けする。唯一日本共産党だけが制度が創設されて以来、「国民の税金を支持政党如何にかかわらず支給するのは、思想・信条の自由を侵す」として、受け取りを拒否している。不思議なことにその共産党の分が国庫に戻らず他の政党が分捕るのである。また、制度創設したときの口実は、政治買収に等しい企業や団体からの政治献金を禁止するという前提で導入されたものである、実施されて15年経た今も共産党以外の政党は企業や団体からも献金をもらい続けているのである。民主党などは企業はもちろん支持する労働組合からも巨額の献金をもらい、自民党は日本経団連寄りの政策を実行することを盾に大企業からじゃんじゃんもらっている。だから政権が自民党時代には大企業の法人税は減税に次ぐ減税、大資産家にも証券優遇税制などで見返りを果たしてきた。それだけでなく自民、民主には西松建設からの献金事件で発覚したように、政治資金規正法上の疑惑の献金まで行なわれていたことはまだ記憶に新しい。「80億の資産」持ちとか言われる鳩山首相は、多数の亡くなっている人からも巨額の献金があったと収支報告に届け出て問題になっている。ともかく、企業・団体献金は腐敗政治の温床としていつまでも騒がれ批判されている。民主党は3年以内に禁止とか言っているがこんなものは即刻禁止すれば良いのだが、依然として政党助成金と併せ「二重取り」しているのである。国民一人当たり250円、4人家族なら1000円だから、「そう大した金じゃない」と思う方もいるかも知れない。しかし積もり積もれば09年度含め15年間。概ね年間320億円前後だったからなんと4800億円が支払われたことになる。余っても返金する必要がないから各党は選挙資金として溜め込んで、選挙になればテレビCMや新聞の全面広告など湯水のように使える大政党に有利な仕組みだ。民主党など政府与党は「無駄を一掃する」というなら真っ先に政党助成金を廃止すべきである。政党助成金を止めれば自公政権で廃止された生活保護家庭の母子加算の復活におつりがくるのだ。にもかかわらず概算要求では「事項要求」として外された。生まれたての赤ちゃんをはじめ選挙権のない子どもにまで政治献金を法律で強要するのはまさに「国営政党」「官営政党」であり憲法違反だ。例え少額としても政権が変わった今だからこそ「無駄遣い」の象徴である政党助成金を廃止すれば、政権交代にふさわしい意義をもち拍手喝采を受けるだろう。だが与党3党にはその気配は微塵も感じられないのは無駄使いに鈍感ということか。

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2009年10月18日 (日)

過去最大95兆円の予算要求でも切実な願いは見送る?

 前回で書いたが鳩山内閣の来年度の予算編成の概算要求の合計が正確に分からず「90兆円前半」とした。正確には95兆380億5200万円だという。しかし、これには緊急を要する問題である、後期高齢者医療制度の即時廃止や生活保護家庭の母子加算復活、障害者自立支援法廃止に伴う関連予算は、「事項要求」という耳慣れない言葉で、金額は示さず今後の検討課題としている。わたしたち高齢者の切なる願いである後期医療廃止はどうやら4年もかけて新制度を作ることとあわせてからになるらしい。もちろん今騒がれている「概算要求」はあくまでも各省庁の「要求」額であり、内閣府副大臣は、95兆円に膨らんだが、歳入に見合う形で大幅に削減する旨を述べている。確定するのは年末ぐらいでそれを来年の通常国会で提案されることになるからまだ流動的だ。いまの要求額で95兆円にも膨らみながら、ささやかな願いは外されるのではだんだん鳩山内閣への期待が薄れていく感じではある。しかも一方では09年度で見積もっていた税収が6兆円も減ることが明らかになっている。税収が40兆円を割り込むというのだ。トホホホ…。その倍以上の予算要求なんて日本は半分以上が借金で成り立っている。家計ならとっくの昔に破産だ。もっともこれは現政権以前の自民党中心の政権に責任はある。にもかかわらず新政権が麻生内閣の当初予算を6.5兆円も上回るなんてどういう感覚なのか。シモジモの連中にはわからない。なにやらこの裏にはマニフェストなるものの存在があるらしい。民主党は政権を取ったのはマニフェストのお陰だというのである。選出された新大臣が「マニフェストが目に入らぬか」といわんばかりの高姿勢に、「これではマニフェスト地獄になるよ」、「憲法より上にあるようだ」との批判さえある。要するにマニフェストに掲げたことはなにがなんでも実行するという「至上主義」だか「絶対主義」なのだろう。子ども手当てや高速道路の無料化とかパカーンと目玉をマニフェストに書き込んだ。だから厚労省の予算要求などが大きく膨らんだが、後期高齢者医療制度など先に述べた切実な願いはすべて「事項要求」として金額なしだ。財源問題がいよいよ深刻になりそうである。一方では、自民党時代から聖域だった防衛費予算は0.04%の削減だけで、2千数百億円の米軍への思いやり予算や米軍再編予算などはそのまま。世界で核廃絶、軍縮がさけばれているなかでも無駄な兵器購入や空母建造などは手をつけずだ。さらに、歳入面で大幅に減税し続けてきた内部留保を溜め込むほど儲かっている大企業・大資産家を優遇した法人税や証券優遇税制はそのまま「聖域」扱いである。国交省や農水省では14%、15%と前年比で削減しているのだから、聖域分野でも同じようにすべきである。また、マニフェストで掲げた問題でも「絶対」ではなく、とことん国民合意を得られるものにしなければならんと思うのだが…。政権が変わって95兆円という過去最大規模の要求から、どこでどれだけ削減するのか、「国家戦略室」とか言う新設大臣や財務相も頭をいためることだろう。1月の通常国会に上程する最終予算案まで内閣の攻防(?)が続くのだろう。

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2009年10月16日 (金)

悪戦苦闘する鳩山内閣の来年度予算案づくり

 民主党中心の政権が生まれて1ヶ月となる。自公政権で決めた2009年度補正予算の見直しと、2010年度予算案の「概算要求」設定に悪戦苦闘している様がテレビ等で逐一報道されている。まず、補正予算の見直しであるが、選挙中、民主党はムダを削ればいかにも簡単に3兆円は削れると意気高かったがいざ政権を取ってみると見込み違いだったのか、官僚の抵抗なのか3兆円づくりには何度も何度も「もっと増やせ、もっと増やせ」と鳩山首相が大臣や省庁にハッパをかけてやっと3兆円弱の見通しが出来たようである。すでに確保できるものと見込んでいた地方の現場から不満の声が積もる。地方からは大臣に日参して「カットしないでくれ」と必死に陳情している。そして今度は2010年度予算案の「概算要求」である。鳩山首相は各省庁に対し、2009年度の当初予算に比べてそれよりも少なくするように迫っていた。やはり10年度の歳入で不況による税収が6兆円くらい減るのではないかと予想もあるからだ。各大臣は「要求」よりも「査定」大臣たれと縮小を訴えた。ところが昨日締め切られた要求の最終提出では今年09年度の88兆5千億余をはるかに上回る90兆円台前半の過去最大になるという。歳入は減る一方で歳出が増えるのではまたまた赤字国債の発行、すなわち借金もやむを得ないというようなことを匂わしはじめた。その原因は民主党の「マニフェスト至上主義」というか、これにかかげた7兆円前後の事業をなんとしても盛り込むという経緯があるからだ。これも選挙中にアドバルーンを上げていた「公約実行」のためなら赤字国債もやむをえないというのだろうか。そうして目玉として盛り込んだのが「子ども手当ての半額実施」の2兆1279億円や「高速道路の無料化めざす社会実験関連経費」として6000億円など物議をかもし出すものも入った。子ども手当ては10年度は半額として6月支給目指すという。2010年度は半額としているが、その後は子ども一人に付き1ヶ月2万6千円、年間31万2千円となるから該当する人は期待が高い。所得制限を設けず中学卒業まですべての子どもに支給する。現行の「児童手当」は所得制限があり3歳未満の子どもに月1万円、3歳から小学6年生の子どもまでは月5千円だから相当アップする。格差社会のなかで「子どもの貧困」が大問題であるから期待が広がるのは当然だ。しかし、これにはかなり多くの人にとっては「増税」というお土産があるから物議をかもし出すと見られる。要するに「配偶者控除」「配偶者特別控除」「一般扶養控除」を廃止するからである。子ども手当ての完全実施には年間5兆3千億円いる。各種の配偶者控除の廃止で1・4兆円、現行の児童手当廃止で8千億円の財源があるがまだ3兆円余不足する。民主党は控除廃止による負担増は平均的な収入で年額1・9万円と試算しているらしい。対象になるのは全世帯の4%程度とも。しかし諸説紛々でいや12%だ、18%(900万世帯)だという説まであるし、平均額も年4万円説まである。「控除廃止」と抱き合わせの「子ども手当て」に批判の声もあがるだろう。高速道路の無料化実施も燃料消費や渋滞でエコに反するとか、電車、船など公共交通機関にとって死活問題になるとの見方もあり優先順位は高くないとの批判もある。「概算要求」施策では、文科省の高校授業料の無償化(4600億)、農水省で農家の赤字を補填する戸別所得補償制度(4600億)、国交省の公共工事14%削減など良いと思われるものがある。だが防衛省では新戦車購入42両と哨戒機1機削減するだけで、批判の多い米軍への「思いやり予算」やグアム「移転費」などは今まで通り維持するというのも物議ものだ。イヤハヤこの政権の金の使い方は自公政権時代とどう変わるのか、これから注目だ。

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2009年10月13日 (火)

民主党さんに物申す、高齢者医療制度はすぐ廃止を

 ♪もしもし亀よ、亀さんよ…じゃなかった、民主党さんだ。民主党中心の内閣ができて、各大臣のなかには「民主党のマニフェストが国民に認められたんだから、それに従ってもらう」と、強権的にマニフェストを伝家の宝刀のように振り回す大臣も居るようだし、マニフェストに書いていることで簡単に実現できることでも先延ばしする大臣もいらっしゃる。確かに総選挙では自公政治への怒りで民主党は躍進したが、投票した人全部がマニフェストを隅から隅まで読んで全部賛同したものでないだろう。第一得票数に見合うほどマニフェストを発行していないだろう。選挙中にはマニフェストは候補者カーなど宣伝カーや演説会と選挙事務所でしか配布できない制限があるから物理的にも得票数だけのマニフェストは発行しないだろう。それはさておき、マニフェストで公約して多くの人が賛同し簡単に実現できるものは早くめどをだしてもらいたい。あの悪名高かった後期高齢者医療制度はただちに廃止して元にもどしてほしいのだ。08年4月に自公の多数の横暴で決まったが、直前の2月には民主党だけでなく、共産党、社民党、国民新党の野党4党で衆院に廃止法案を提出し、総選挙のマニフェストでも「廃止する」とはっきり言うているのだ。ところが長妻厚労相は「廃止して元に戻して、また別の制度にするとステップが3段階になり、混乱が起こる可能性がある。廃止をして速やかに新しい制度に移行すれば一つのステップですむ」など言い始めたじゃん。これって廃止を先延ばしするって意味じゃないの?去年の旧野党4党で一致したのは「制度の廃止」だったはず…。つまり「元に戻す」はずだった。むろん、元の制度である老人保険制度も欠陥はあるが、年齢で差別する後期高齢者医療制度とは質がちがう問題だ。75歳以上は他のどの保険制度に入れないようにし、75歳以上の人だけで別の保険制度に組み入れるという、いわば一番収入の少ない主として年金生活者だけの保険にする。当然ながら一番保険を利用する年齢の集団だから、2年ごとに高齢者人口とかかった医療費を勘案して見直すのだから保険料がぐんぐんあがる仕組みだ。世界にも例のないまちがった制度だから、とりあえず「元」の老人保険制度に戻すことが最善なはずだ。新しい制度を作るとすれば現行の後期医療制度だって発端は00年だから7年もかかったことを見れば簡単には作れない。それこそ亀さんじゃ。いったんは元に戻してから考えりゃいいのだ。先延ばししていると来年4月には保険料の見直しが来てさらに保険料が上がる。最高の人なら年間で新たに9600円、最低の人でも4600円増えるというのが法を決めた自公政権のときの東京都の試算だった。来年70歳になる人は老人保険制度では窓口負担が1割になるはずが倍の2割になる。現行制度がスタートとしたとき負担増がひどかった人にはいくつかの軽減措置もあったがそれも来年4月で終る措置もある。一刻の猶予もならないのだから即刻廃止を決めてもらいたい。野党になった自民、公明党は「元に戻せば混乱が起きる」などと言っているそうだが、昨年4月まで混乱なくやってきたんだからそんな言い分はおかしい。万一、元に戻して負担が増える人が出たとしてもそれは国で手当てすればいい。施行して1年半、被害が大きくならないうちに「すぐに廃止しかない」と民主党さんに申し上げたい。

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2009年10月11日 (日)

オバマ大統領のノーベル平和賞を考える

 オバマ米大統領がノーベル平和賞を受賞と一報を聞いて「エッ?なんで」と不思議に思った一人である。日本は被爆国だからオバマ氏の「核なき世界を」という提唱を歓迎しているだけにこの受賞についても賛同の声が多いようである。それでももろ手を挙げて祝意を表していいのかという疑問の声も多い。世界の反応も複雑である。フランスのサルコジ大統領は「米国が世界の人々の心と和解した」と称賛。韓国のイ・ミョンバク大統領は「核兵器のない世界と、オバマ大統領のビジョンに対する国際社会の強い支持を意味する」として祝電を送った。キューバのカストロ前国家評議会議長は、「ノーベル賞委員会の決定には同意できないのだが、今回は有意義な一歩だと思う」として、「過去の米大統領が犯した大量虐殺政治への批判がこめられている」という「有意義」な内容を語ったという。核開発疑惑が問題になっているイランの大統領は「世界の不正義を取り除くため、実際に歩み始めることを望む」とかのコメントである。アフガニスタンの反政府勢力タリバンは「彼はアフガンの平和になることを何もしなかった」と当然のように批判だ。1993年に受賞したワレサ元ポーランド大統領は、「ちょっと早すぎないか」「オバマ大統領はまだ提案をしている段階なのに」と手厳しい。ノーベル賞委員会は異論が出るのを承知していたようで、「核兵器のない世界というオバマ氏のビジョンと働きに特別な重要性を認めた」などとその経過を強調した。4月5日にチェコのプラハで行なったオバマ氏の演説は、「米国は核兵器のない、平和で安全な世界を追求していくことを明確に宣言する」と述べ、そして「核兵器を使用したことのある唯一の核兵器保有国として、米国は行動する道義的責任がある」と米国の歴代大統領として初めて表明した。また、「協力の呼びかけを非難したり、一笑に付すのは簡単だが、臆病な行為でもある。それは戦争のきっかけともなる。そこでは人間の進歩は止まってしまう」と述べ、核兵器のない世界に向けて「一緒になって平和と進歩の声を高めなければならない」と世界に呼びかけた。これは確かに画期的意義をもつものであるし、世界では怒涛のような歓迎の高まりはある。しかし、この宣言をしてまだ半年あまりであり、具体的な進展などの実績として評価されないだろう。だからまあ早い話が今後の業績を期待するという意味でのノーベル平和賞であると思う。そういう意味では時期尚早だったという感がする。2010年に行われるという核不拡散条約(NPT)の再検討会議で核保有国が核兵器廃絶に向けて具体的で明確な方向をとるなど大きな進展が生まれるならばノーベル平和賞受賞が生きたものになる。世界の核は2万発以上あると言われその95%はアメリカとロシアでの保有だ。そういう国が「廃絶」とまでは行かなくともいつまでにどれほど削減するかなどの目標を持つようにでもなればそれこそ世界が大きな平和への流れへ加速する。差し当たり、オバマ氏は来月日本にやって来るが、「広島・長崎にも立ち寄って被爆の実相を見てほしい」という強い要望があるが、今のところは「訪問しない」と言うのも残念ではある。また、オバマ大統領は「核なき世界」と言いながら、一方ではイラクから撤退するが、アフガンには増派するなど平和にとって逆行もあるから、これからの行動を注視するしかない。

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2009年10月 9日 (金)

日本航空の経営危機の背景になにが?

日本航空(JAL)が経営危機だとかで最近はメディアでもちょくちょく取り上げられる。なんでも6月期の連結決算で990億円という過去最悪の赤字だというのは共通している。経営危機に至った原因として、「不採算路線が多い」「放漫経営」だとか、「早くから分かっているのに経営陣が先送りしてきたから」とか、「人件費が高い」「サービスが悪い」「労組が8つもあってまとまらない」…などなどさまざまであるが真偽のほどはわからない。しかし、現実には「融資する銀行がない」のも事実らしい。管轄する国交省が動き始め、なにやらとかの名称で「再建計画を策定する専門家チーム」を立ち上げ近いうちに対策を打ち出すという。そのうえで「万が一の場合は公的資金投入」なんて話もある。そんなことでは国民は納得いくだろうか。ま、ともかく「不採算路線」-いわゆる飛んでも赤字だという採算の取れない路線が多いのはハッキリしている。飛べば飛ぶほど赤字が増えるっていうスンポウだろう。そんなことは素人が考えてもいずれ破綻するのはわかるのになぜ続けるのか。ここにも数十年に及ぶ自民党政治の先読みできない政治が色濃く反映していると思う。コンクリートによる箱物などの公共事業がお好きな自民党は、「空港を造れ!」とばかりに「すべての都道府県に空港を」めざしたわけだ。なんと今では97とか98もの空港ができた。新幹線の駅一つ造るのでもかなりの巨費がかかるが、空港は長い長い滑走路というものをはじめ、ターミナルビルや管制塔もいるからものすごい金がかかる。その分ゼネコンに仕事が回せるから自民党が好きなのだ。だが空港は造っても飛行機がこなかったらなんのための空港かわからない。日本航空はもともとは日本航空株式会社法という法にもとづいて作られた「特殊」会社であり1987年に民営化された。それだけに国の特別会計に「空港整備勘定」というのが1970年に作られた。航空会社が支払う着陸料というものをプールして地方の空港建設や維持運営費に充当される仕組みである。これは年間数千億円にのぼる。日航が負担するのは1千億前後らしい。それを補助金にして地方の行政も金を出して空港をつぎつぎ造ってきた。空港を造るには利用者の予測を立てて採算がとれるかどうか判断をするが、なにがなんでも国民の理解を得るためには年間何人利用するとか決めるが、それはいつも過剰な計画であるのが常だ。6月に開港した富士山静岡空港などは当初178万人(95年)と言い、00年には121万人、05年には106万人と開港が近づくと減ってくるという不可解な「予測」である。そして静岡県が1655億円、「空港整備勘定」から246億円補助だ。それで開港しても106万人にも届かないと予想されている。こうして97,8箇所の空港の大半はいま赤字だという。「飛行機の来ない空港」なんて笑い話になるから、誘致した行政や政治家は無理やりでも「特殊」会社である日航に圧力をかけ路線を維持させようとしていると言われる。しかし、ことここに来ては日航も「赤字路線廃止」を言わざるをえないのも当然だ。国際、国内線で50路線くらい槍玉にあがっている。そしてもう一つは、これはメディアはあまり言わないが日米貿易摩擦などを口実に「公共投資せよ」とアメリカと約束させられている(1990年)ことだ。空港が増えて路線も増えればボーイングなどアメリカの航空産業は潤うというスンポウだ。狭くて人口が減る日本で100近い空港を造り続けてきたツケが今日の日本航空問題の背景にある。まさに長年の自民党政治の弊害ではないか。政権が変わって国交相も大変な尻拭いを迫られるということでお気の毒とも思える。でもここは頑張って見直さない限り、ダム問題にしろ無駄な公共事業をなくすことにはならないだろう。

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2009年10月 7日 (水)

冬のボーナスは大幅減、雇用情勢も悪化

 台風18号襲来とかである。進路予想図を見る限りでは四国、近畿、東海あたりに上陸のようである。久しぶりの襲来であるが歓迎できるものではないので来て欲しくない。被害のない方向へチェンジしてくれないかと願うが、でも自然の営みには人間はどうしようもない。せめて戸締りくらい気をつけて通過を待つばかりである。そんないやなニュースにまじって、今朝あたりもう一つまたいやなニュースもあった。今年冬のボーナスの話である。「労務行政研究所」という民間の調査機関が産業別労働組合に加入している企業について、9月2日までに妥結した東証一部上場企業218社分を集計したものである。それによると今年夏のボーナスに続いて、冬のボーナスも大幅に減るというのである。下げ幅は13.1%で1970年に調査を始めて以来過去最大だという。夏も含めると今年の夏の14.4%減に続いて2番目だという。ボーナスの平均額は65万9864円で、昨年冬に比べて9万9619円減らしい。ザッと10万円減だ。東証一部上場企業だから大企業であるがなかでも製造業の落ち込みが目立つらしい。大企業でこんな事態だから中小企業ではもっともっとひどいことが予想される。ボーナスがあるところはいい方でゼロというところも多く出てくるだろう。テレビのインタビューに答えた人は「今年の年末年始も家にこもるしかない」とか答えた。「巣ごもり」族が増えるのだろうか。しかし悲惨なのは大企業に多い派遣切りにあった非正規労働者、あるいは首切りにあった正規労働者も含めて8月の完全失業率は5.5%であることだ。7月の過去最高だった5.7%から0.2ポイント少なくなったが実数は361万人で2万人増えているのである。昨年末から今年新年にかけて首都東京で「年越し派遣村」が出来て、大きくクローズアップされた。今年の年末もこうしたことになる可能性がある。雇用情勢はさらに悪化しているからである。政権交代した鳩山首相も「年末にかけて、また雇用情勢が悪化する可能性も強く懸念される」と述べたほどだ。新たな雇用対策に着手する旨を発表した。民主、社民、国民新3党連立内閣で「深刻化する雇用情勢を踏まえ、速やかに緊急雇用対策を検討する」と合意していたのだから当然だ。すでに新政権ができて1ヶ月となるが、各大臣は「あれもやる、これもやる」と威勢のいい声は聞こえてくるが、抵抗勢力との対峙もあってなかなか具体策が見えてこない感じがする。衆院解散から含めて2ヶ月になるが目新しいことはまだこれからだ。職をもっている人は収入が減り続け、失業者が増えるこの事実を政治の責任で打開を図らねばならない。しかし、自公政権の負の遺産は根深いだけに政権交代しても前へ進むには時間がかかりそうだ。だからと言って雇用対策は緊急の案件だ。全国でも「派遣村」から学んであちこちで「何でも相談村」とか銘打って行なわれている。わたしの住む街でも労働組合や民主的な団体と共産党の地方議員らが連携しあって4月と9月の二回行なわれた。職はもちろん、住む場所なく所持金もわずかの人たちが相談待ちの列をつくった。共産党の地方議員たちが常時開設している「生活相談所」にも駆け込み相談が絶え間なく昨年以前よりはるかに多いという。安いアパートの経営者と共同して住所を見つけ、とりあえず働き先を見つけるまで生活保護を受けられるようにするなど奮闘、地方の行政も暖かく応じてくれた。しかし政治の力で抜本的な対策が必要である。無残な派遣切りを進め収入をカットすることしか考えない大企業は、世界的な金融危機でもガッポリと内部留保を溜め込んでいるのである。労働者派遣法の抜本的改正に鳩山内閣は着手するようだが、経団連など財界は猛烈に反対している。大企業に雇用を守る社会的責任を果たさせるように世論を大いに広げなければならないと思う今日のこの頃だ。

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2009年10月 4日 (日)

150億円かけて夢と消えた東京オリンピック

 2016年「東京オリンピック」は夢と終った。オリンピックは世界の名だたるアスリートたちが集い迫力の熱戦を展開するから誰でも興味があるし楽しいものである。しかし、今どきは世界のどこで行なわれようとリアルタイムでテレビ放映もある。仮に東京で開催したからといって地方の者にすれば高い交通費をかけて見に行くよりも、テレビの方がいろんな解説や馴染みのない競技ルールの説明もあるから分かりやすい。だから、どこが開催地になるかは庶民に取ってはさほど関心がない。しかしテレビなどは開催地が決まるIOC総会が迫るにつれて「東京へ、東京へ」と姦しくなっていた。「注目の投票」時間は日本時間で深夜だし、わたし的には下馬評を見て「多分東京はダメだろう」と実況を見る気もなかった。しかし、いつもは寝る前にテレビの「オフタイム」をセットするのを忘れ、この日(10月2日)はつけっ放しで寝てしまった。案の定、一眠りしてテレビの音に寝覚めた。ナント、「さあ、いよいよ投票です」とか興奮したアナウンサーの声だったからねぼけまなこでしばし見た。シカゴかリオデジャネイロのどちらかだろうと予想していたが、シカゴはあっさり1回目で落選したのに少し驚く。そして2回目で東京が落選。これでリオデジャネイロに決まりだなとテレビを切って寝ちゃった。そして昨日、今日のテレビのおしゃべりやら新聞をなにげなく見て思うことがある。大方の言い分はシカゴの早めに落選した驚きと東京落選の残念ぶりばかりである。だが冷静に考えると、「南アメリカで初」という大義がIOC委員の心を動かしたというのが妥当だろう。これまでのオリンピックはヨーロッパがダントツに多く、次いで北アメリカ、アジアである。アフリカ、南アメリカはゼロである。それだけにブラジルの国を挙げた招致運動が功を奏したと言えるだろう。IOCが調査した各都市のオリンピック支持率ではリオデジャネイロとマドリードがともに85%前後の「熱狂」ぶりだったのに対し、東京は56%、シカゴが67%でともに1回目、2回目で落選だった。シカゴはオバマ大統領の出身地であることが有力視されたが、いまやアメリカと言えども世界不況の震源地であり、財源問題の不安など大国としての威信も落ちている。反対運動も強くIOC委員に反対の電子メールも多く届いていたという。支持率の最も低い東京は反対も23%もあった。オリンピック精神の発揮という点で開催都市住民の支持が重視されたのだろう。それはなぜだろうか。4都市立候補中で招致運動にもっとも金をつぎ込んだのは東京である。これまでにつぎ込んだカネは150億と言われる。当初の予算は55億だったというから3倍にも膨らんだわけだが、招致に執念燃やした石原都知事のトップダウンで決められた。さらに東京に決まればオリンピックを口実に大型開発、1メートル1億円と言われる外環道路の建設や、「既存の施設を使う」といいながらメイン施設として10万人収容のスタジアム建設など、何兆円もかけて道路や箱物を次々作る計画だと言われる。今度の総会に行く費用だけでも1000万円のツアーとか、一度しか着ない一式30万円のスーツを50着も作ったなんてのは笑い話みたいである。「それだけの金をかけるなら暮らしを応援してほしい」という声も多かったといわれるのは当然だ。そして5輪基金としてすでに4000億円も溜め込んでいるというから驚きである。そういうやり方がIOC委員に嫌われたのではなかろうか。1回目の投票で18票だったシカゴが落選してその票が少しでも回ってくるはずなのに2回目は逆に2票減って20票だったのも皮肉である。そして決戦投票では新興国ブラジルのリオデジャネイロが圧勝したのは南米全体の新たな歴史を開くことになった。まだ7年もあるが「リオ5輪」を楽しもう。とは言っても飛んでいく金も体力もないからテレビ見物であるが…。招致委員を命ぜられた過去の5輪メダリストやアスリートの皆さんにはお気の毒というよりもご苦労様と申し上げておきましょう。

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2009年10月 2日 (金)

大事故を起こしても根本的反省ないJR西日本

「乗客の命より会社の稼ぎを守るJR西日本」…そう言われてもしかたがないと思われることが発覚した。あれから4年半近くになるが兵庫県尼崎市のJR西日本福知山線で起きた大惨事、運転手を含めて107人が死亡し、5百数十人の重軽傷者を出した史上最悪の鉄道事故は誰しもまだ記憶に残っていることだろう。直後に作られた国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(当時の名称)、現在は運輸安全委員会というが以下は当時の旧名称の「事故調」と言おう。事故調は言うまでもなく公正・中立の立場で事故の原因を解明し再発防止に役立てるため設置される機関である。ところがこともあろうに、事故調の調査報告書が公表される前にJR西日本の事故当時の山崎前社長が事故調委員をしていた旧国鉄OBの委員に飲食接待を行い、調査状況や報告書の内容を密かに受け取っていたということがバレたのである。受け取るだけでなく事故原因の核心部分の一つである「新型自動列車停止装置、ATS-Pの設置を怠っていた」との指摘を報告書から外すように働きかけたというのだから言語道断な話である。山崎前社長は事故から約1年余り経った06年5月頃から5回に渡って国鉄OBの事故調元委員と接触し、「ATSに関する部分は表現を和らげるか、削除して欲しい」と要請したという。元委員はこれに応じて修正を迫ったが、いくらなんでもあれだけの大事故なのだから受け入れるわけには行かなかったのだろう。事故から2年余り後の07年6月に事故調の報告が公表された。それは当然ながら事故の背景として、過密ダイヤで余裕がなかったこと、新型ATSの設置の遅れ、運転手にたいする懲罰的な「日勤教育」など問題点を指摘した。そのうえでJR西日本が「稼ぐこと」を目標の第一にしていたことも指摘せざるを得なかった。JR西は大都市が集中する京阪神地域で、ラッシュ時などは一本の電車でも物凄い数の乗客があるにもかかわらず、競合する私鉄各社に勝つために隙間がない過密なダイヤで分・秒単位の運行や、少しでも遅延した運転手に懲罰としての「日勤教育」でしごいていた。だから何十秒かの遅れがでるだけでそれを取り返すためにスピードを上げさせる仕組みだった。あの事故現場は電車にしては難解な急カーブだったがスピードを下げられず脱線、転覆、先頭車両はビルに激突した。「カーブの手前で新型ATSさえ設置されていたら」と思うのは誰しもである。当然ながらJR西日本は安全のための投資にはほうかむりして、安全軽視、利益追及の体質だと批判が集中した。にもかかわらず、事故後も事故調のメンバーであった国鉄OBに接触して不正に調査内容を入手した。事故調の委員は職務上知りえた秘密は守る守秘義務があるのだから元委員の責任も重大だ。しかも念の入った事に、接触したのは一人だけでなく山崎前社長とは別ルートで同じく別人の国鉄OBの元委員にも働きかけていたというのだから「組織ぐるみ」と言われても当然だ。ということは大事故を起こしてもなお根本的な反省をしていないことに等しい。「安全な公共交通機関」と信じて乗り、突如命を亡くした遺族、重軽傷者とご家族が怒り心頭に達しているのは当然である。人の命よりも儲け第一という会社の体質では二度と起きないという保障はないのだから、国民世論で安全第一の公共交通機関になるかどうか注視する必要がある。また国交省はすべての公共交通機関の監督を強化することや、公正・中立な事故調委員に関係するOBを構成員にした問題など検討すべきだ。

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