« OECD加盟国第4位の「貧困大国」で“貧困ビジネス”が | トップページ | 鳩山首相はオバマ大統領に「基地は要らない」と主張せよ »

2009年10月22日 (木)

OECD加盟国第4位の「貧困大国」で“貧困ビジネス”が

厚生労働省が日本の相対的貧困率を初めて調査し発表した。先進国が加盟している経済協力開発機構(OECD)ではこれまでも各国の相対的貧困率を定期的に調査していたが、日本政府は1960年代前半まで生活保護受給世帯の平均額を下回る層を「低消費水準世帯」として調べていたが、その後は調査していなかった。今回はOECDの算出方式に準じて厚労省の新大臣が指示して調査、公表したものである。厚労省で三年ごとに実施している国民生活基礎調査のデータに基づきさかのぼって4回分を計算したものだ。税金や公的保険料などを差し引いた、いわゆる手取り収入である可処分所得を高い順から並べて全国民の真ん中にあたる人(中央値)の半分未満の人がどれだけいるかという割合が「相対的貧困率」と称する。今回調査したうちで最新は2006年のデータであり、中央値は228万円で、その半分の114万円未満の収入以下という階層である。月収に換算すれば9万5千円以下ということになる。某テレビ放送では夫婦など二人世帯でのそれはたしか150万円と言ったように思う。とすると月当りでは12万5千円だ。9万円とか二人で12万円ではそれこそ生活するのは大変だし、とても憲法の謳う「健康で文化的な」最低限度の生活には程遠い。そういう「貧困層」と言われる層が4回の調査では98年が14.6%、01年が15.1%、04年が14.9%、そして07年度(06年のデータで算出)で15.7%となり98年以降で最悪となった。つまり国民の7人に一人以上が貧困層ということになる。さらにその後の08年、09年の雇用状況は悪化の一途であり、失業率も高止まりしたままなのが現在であり、全国各地で行なわれている「派遣村」「相談村」ではわずかな所持金で職も住家もなく、ボランティアの行なう炊き出しに並ぶ人が増えるばかりである。職がある人でも毎年のように給与やボーナスカットも急増し、百貨店、大手スーパーでも軒並み売り上げ減となっている。ハローワークに通っても職が見つからないし、来春の中卒、高卒生の有効求人倍率も低く若年失業者の増大も心配される。そんなことを考えると貧困率はもっともっと上昇しているのは確実だろう。15.7%はOECD30カ国のなかでは、メキシコ、トルコ、アメリカに次いでワースト4番目。上位のデンマークが5.2%、スウェーデン5.3%、チェコ5.8%と比べて3倍になる。日本が長年いろいろな経済活動や指標で見本としてきたアメリカと肩をならべているのも皮肉だ。日本はまだ医療保険では皆保険制度だがアメリカはないからさらに生活は厳しい。だが、「アメリカよりましか」と言ってられない。貧困ゆえに保険料が払えないか滞納している人は国民健康保険の対象者の2割に及ぶと言われる。昨年から始まった後期高齢者医療制度で75歳以上の人の多くは年金から天引きだが、年金が月15000円以下の人は自分で納めることになっている。最近の統計では保険料の滞納があるため「短期保険証」(6ヶ月、3ヶ月、1ヶ月の有効期間)しかもらえていない人が全国で2万8千人にも及ぶということがわかった。また、「貧困ビジネス」という悪質な「商売」が生活保護受給者を中心にはびこっているのも許せない。「しんぶん赤旗」はしばしば取り上げているが、安上がりの「無料低額宿泊所」と名乗って、ベニヤ板で区切った3畳ほどの「部屋」に生活保護者を住まわせ、家賃5万3700円、食費4万5千円、水光熱費1万5千円、日用品費9000円、計12万3300円を支給された生活保護費から徴収するという“ビジネス”である。生活保護者本人は6000円余しか残らないという劣悪宿泊所である。こんな“貧困ビジネス”が首都東京のなかにあるというのだ。この例は極端としても厚労省の調査では、今年6月末で施設入所者は1万4千人余りで、そのうち1万2894人が生活保護者であり、施設数は439箇所、東京都内に約4割集中している。入所者の保護費から利用料を差し引いた残額が3万円未満という人が約4割に達するという。ああ…なんともすさまじいというか、考えられないような事態が進行している「貧困大国日本」である。

|

« OECD加盟国第4位の「貧困大国」で“貧困ビジネス”が | トップページ | 鳩山首相はオバマ大統領に「基地は要らない」と主張せよ »