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2009年10月 9日 (金)

日本航空の経営危機の背景になにが?

日本航空(JAL)が経営危機だとかで最近はメディアでもちょくちょく取り上げられる。なんでも6月期の連結決算で990億円という過去最悪の赤字だというのは共通している。経営危機に至った原因として、「不採算路線が多い」「放漫経営」だとか、「早くから分かっているのに経営陣が先送りしてきたから」とか、「人件費が高い」「サービスが悪い」「労組が8つもあってまとまらない」…などなどさまざまであるが真偽のほどはわからない。しかし、現実には「融資する銀行がない」のも事実らしい。管轄する国交省が動き始め、なにやらとかの名称で「再建計画を策定する専門家チーム」を立ち上げ近いうちに対策を打ち出すという。そのうえで「万が一の場合は公的資金投入」なんて話もある。そんなことでは国民は納得いくだろうか。ま、ともかく「不採算路線」-いわゆる飛んでも赤字だという採算の取れない路線が多いのはハッキリしている。飛べば飛ぶほど赤字が増えるっていうスンポウだろう。そんなことは素人が考えてもいずれ破綻するのはわかるのになぜ続けるのか。ここにも数十年に及ぶ自民党政治の先読みできない政治が色濃く反映していると思う。コンクリートによる箱物などの公共事業がお好きな自民党は、「空港を造れ!」とばかりに「すべての都道府県に空港を」めざしたわけだ。なんと今では97とか98もの空港ができた。新幹線の駅一つ造るのでもかなりの巨費がかかるが、空港は長い長い滑走路というものをはじめ、ターミナルビルや管制塔もいるからものすごい金がかかる。その分ゼネコンに仕事が回せるから自民党が好きなのだ。だが空港は造っても飛行機がこなかったらなんのための空港かわからない。日本航空はもともとは日本航空株式会社法という法にもとづいて作られた「特殊」会社であり1987年に民営化された。それだけに国の特別会計に「空港整備勘定」というのが1970年に作られた。航空会社が支払う着陸料というものをプールして地方の空港建設や維持運営費に充当される仕組みである。これは年間数千億円にのぼる。日航が負担するのは1千億前後らしい。それを補助金にして地方の行政も金を出して空港をつぎつぎ造ってきた。空港を造るには利用者の予測を立てて採算がとれるかどうか判断をするが、なにがなんでも国民の理解を得るためには年間何人利用するとか決めるが、それはいつも過剰な計画であるのが常だ。6月に開港した富士山静岡空港などは当初178万人(95年)と言い、00年には121万人、05年には106万人と開港が近づくと減ってくるという不可解な「予測」である。そして静岡県が1655億円、「空港整備勘定」から246億円補助だ。それで開港しても106万人にも届かないと予想されている。こうして97,8箇所の空港の大半はいま赤字だという。「飛行機の来ない空港」なんて笑い話になるから、誘致した行政や政治家は無理やりでも「特殊」会社である日航に圧力をかけ路線を維持させようとしていると言われる。しかし、ことここに来ては日航も「赤字路線廃止」を言わざるをえないのも当然だ。国際、国内線で50路線くらい槍玉にあがっている。そしてもう一つは、これはメディアはあまり言わないが日米貿易摩擦などを口実に「公共投資せよ」とアメリカと約束させられている(1990年)ことだ。空港が増えて路線も増えればボーイングなどアメリカの航空産業は潤うというスンポウだ。狭くて人口が減る日本で100近い空港を造り続けてきたツケが今日の日本航空問題の背景にある。まさに長年の自民党政治の弊害ではないか。政権が変わって国交相も大変な尻拭いを迫られるということでお気の毒とも思える。でもここは頑張って見直さない限り、ダム問題にしろ無駄な公共事業をなくすことにはならないだろう。

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