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2009年10月 4日 (日)

150億円かけて夢と消えた東京オリンピック

 2016年「東京オリンピック」は夢と終った。オリンピックは世界の名だたるアスリートたちが集い迫力の熱戦を展開するから誰でも興味があるし楽しいものである。しかし、今どきは世界のどこで行なわれようとリアルタイムでテレビ放映もある。仮に東京で開催したからといって地方の者にすれば高い交通費をかけて見に行くよりも、テレビの方がいろんな解説や馴染みのない競技ルールの説明もあるから分かりやすい。だから、どこが開催地になるかは庶民に取ってはさほど関心がない。しかしテレビなどは開催地が決まるIOC総会が迫るにつれて「東京へ、東京へ」と姦しくなっていた。「注目の投票」時間は日本時間で深夜だし、わたし的には下馬評を見て「多分東京はダメだろう」と実況を見る気もなかった。しかし、いつもは寝る前にテレビの「オフタイム」をセットするのを忘れ、この日(10月2日)はつけっ放しで寝てしまった。案の定、一眠りしてテレビの音に寝覚めた。ナント、「さあ、いよいよ投票です」とか興奮したアナウンサーの声だったからねぼけまなこでしばし見た。シカゴかリオデジャネイロのどちらかだろうと予想していたが、シカゴはあっさり1回目で落選したのに少し驚く。そして2回目で東京が落選。これでリオデジャネイロに決まりだなとテレビを切って寝ちゃった。そして昨日、今日のテレビのおしゃべりやら新聞をなにげなく見て思うことがある。大方の言い分はシカゴの早めに落選した驚きと東京落選の残念ぶりばかりである。だが冷静に考えると、「南アメリカで初」という大義がIOC委員の心を動かしたというのが妥当だろう。これまでのオリンピックはヨーロッパがダントツに多く、次いで北アメリカ、アジアである。アフリカ、南アメリカはゼロである。それだけにブラジルの国を挙げた招致運動が功を奏したと言えるだろう。IOCが調査した各都市のオリンピック支持率ではリオデジャネイロとマドリードがともに85%前後の「熱狂」ぶりだったのに対し、東京は56%、シカゴが67%でともに1回目、2回目で落選だった。シカゴはオバマ大統領の出身地であることが有力視されたが、いまやアメリカと言えども世界不況の震源地であり、財源問題の不安など大国としての威信も落ちている。反対運動も強くIOC委員に反対の電子メールも多く届いていたという。支持率の最も低い東京は反対も23%もあった。オリンピック精神の発揮という点で開催都市住民の支持が重視されたのだろう。それはなぜだろうか。4都市立候補中で招致運動にもっとも金をつぎ込んだのは東京である。これまでにつぎ込んだカネは150億と言われる。当初の予算は55億だったというから3倍にも膨らんだわけだが、招致に執念燃やした石原都知事のトップダウンで決められた。さらに東京に決まればオリンピックを口実に大型開発、1メートル1億円と言われる外環道路の建設や、「既存の施設を使う」といいながらメイン施設として10万人収容のスタジアム建設など、何兆円もかけて道路や箱物を次々作る計画だと言われる。今度の総会に行く費用だけでも1000万円のツアーとか、一度しか着ない一式30万円のスーツを50着も作ったなんてのは笑い話みたいである。「それだけの金をかけるなら暮らしを応援してほしい」という声も多かったといわれるのは当然だ。そして5輪基金としてすでに4000億円も溜め込んでいるというから驚きである。そういうやり方がIOC委員に嫌われたのではなかろうか。1回目の投票で18票だったシカゴが落選してその票が少しでも回ってくるはずなのに2回目は逆に2票減って20票だったのも皮肉である。そして決戦投票では新興国ブラジルのリオデジャネイロが圧勝したのは南米全体の新たな歴史を開くことになった。まだ7年もあるが「リオ5輪」を楽しもう。とは言っても飛んでいく金も体力もないからテレビ見物であるが…。招致委員を命ぜられた過去の5輪メダリストやアスリートの皆さんにはお気の毒というよりもご苦労様と申し上げておきましょう。

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