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2009年10月11日 (日)

オバマ大統領のノーベル平和賞を考える

 オバマ米大統領がノーベル平和賞を受賞と一報を聞いて「エッ?なんで」と不思議に思った一人である。日本は被爆国だからオバマ氏の「核なき世界を」という提唱を歓迎しているだけにこの受賞についても賛同の声が多いようである。それでももろ手を挙げて祝意を表していいのかという疑問の声も多い。世界の反応も複雑である。フランスのサルコジ大統領は「米国が世界の人々の心と和解した」と称賛。韓国のイ・ミョンバク大統領は「核兵器のない世界と、オバマ大統領のビジョンに対する国際社会の強い支持を意味する」として祝電を送った。キューバのカストロ前国家評議会議長は、「ノーベル賞委員会の決定には同意できないのだが、今回は有意義な一歩だと思う」として、「過去の米大統領が犯した大量虐殺政治への批判がこめられている」という「有意義」な内容を語ったという。核開発疑惑が問題になっているイランの大統領は「世界の不正義を取り除くため、実際に歩み始めることを望む」とかのコメントである。アフガニスタンの反政府勢力タリバンは「彼はアフガンの平和になることを何もしなかった」と当然のように批判だ。1993年に受賞したワレサ元ポーランド大統領は、「ちょっと早すぎないか」「オバマ大統領はまだ提案をしている段階なのに」と手厳しい。ノーベル賞委員会は異論が出るのを承知していたようで、「核兵器のない世界というオバマ氏のビジョンと働きに特別な重要性を認めた」などとその経過を強調した。4月5日にチェコのプラハで行なったオバマ氏の演説は、「米国は核兵器のない、平和で安全な世界を追求していくことを明確に宣言する」と述べ、そして「核兵器を使用したことのある唯一の核兵器保有国として、米国は行動する道義的責任がある」と米国の歴代大統領として初めて表明した。また、「協力の呼びかけを非難したり、一笑に付すのは簡単だが、臆病な行為でもある。それは戦争のきっかけともなる。そこでは人間の進歩は止まってしまう」と述べ、核兵器のない世界に向けて「一緒になって平和と進歩の声を高めなければならない」と世界に呼びかけた。これは確かに画期的意義をもつものであるし、世界では怒涛のような歓迎の高まりはある。しかし、この宣言をしてまだ半年あまりであり、具体的な進展などの実績として評価されないだろう。だからまあ早い話が今後の業績を期待するという意味でのノーベル平和賞であると思う。そういう意味では時期尚早だったという感がする。2010年に行われるという核不拡散条約(NPT)の再検討会議で核保有国が核兵器廃絶に向けて具体的で明確な方向をとるなど大きな進展が生まれるならばノーベル平和賞受賞が生きたものになる。世界の核は2万発以上あると言われその95%はアメリカとロシアでの保有だ。そういう国が「廃絶」とまでは行かなくともいつまでにどれほど削減するかなどの目標を持つようにでもなればそれこそ世界が大きな平和への流れへ加速する。差し当たり、オバマ氏は来月日本にやって来るが、「広島・長崎にも立ち寄って被爆の実相を見てほしい」という強い要望があるが、今のところは「訪問しない」と言うのも残念ではある。また、オバマ大統領は「核なき世界」と言いながら、一方ではイラクから撤退するが、アフガンには増派するなど平和にとって逆行もあるから、これからの行動を注視するしかない。

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