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2009年11月23日 (月)

この10年、労働者の年収40万円減、大企業の内部留保は倍増!

 政府は今の日本経済の状況を「緩やかなデフレ時期」に入ったとして「スパイラル」(螺旋形)とまでは言わないがそういう状況だと宣言した。デフレ時期とは物価の値下げ→企業利潤の低下→リストラで雇用の破壊→賃金(給与)低下→内需の激減と、また物価破壊を繰り返す前兆だ。物が安くなったと喜んでばかりいられない螺旋形の繰り返しになるとスパイラルだ。そんなときに「無駄を省く」と言って「事業仕分け」に懸命であるが、無駄なものの本家に手を付けないで、開業医の報酬引き下げ、入院時の食費を患者負担増に見直したり、パートの均等待遇助成金も見直し、子どもの読書推進事業の廃止、科学・スポーツなどの事業にも赤字だ民業圧迫だと切り捨てるなど乱暴な「仕分け」作業を行なっている。無駄の典型は、最近問題になったように官房機密費だ。選挙敗北で用済みになった麻生政権が、「いたちの最後っ屁」の如く2億5千万円も「持ち逃げ」して、「使途不明でよろしい」というカネも無駄だ。しかし新政権はちゃっかり自公政権時代と同額を官房機密費として要求し、使途もあきらかにしないと宣言。大きな金額では政党助成金320億円、自衛隊の募集事業やヘリ空母、ミサイル購入、米軍への思いやり予算など無駄の最たるものにはさっぱり不問にする。年間5兆円の軍事費で1兆円、評判のよろしくない高速道路無料化6000億円を中止すれば目標の3兆円の半分はたちどころに生まれる。にもかかわらず生活関連のみみっちい額まで喧々諤々とパフォーマンス的に「仕分けだ」「仕分けだ」と蹴散らかそうとしている。それよりも大所高所の立場に立って、大企業の法人税を元に戻し雇用を増やして内需拡大を旺盛化し税収をいかに増やすかということに頭を使わないのか不思議である。18日、労働運動総合研究所というところが「内部留保を労働者と社会に還元し、内需の拡大を!」という緊急提言を発表した。(同研究所のHP参照) それによると、剰余金や積立金という形で溜め込んでいる大企業の内部留保は、1998年の209,9兆円から2008年までの10年間で218兆円も急増し、429兆円に膨らんでいるのである。超不況時代にあっても内部留保は着々と倍増しているのである。なぜそんなに増えたのか。それは言わずもがなである。「自民党や財界の幹部は『アメリカ発の世界同時不況』と、あたかも天災ででもあるかのような言い方をしているが、自公政権の『新自由主義的』経済政策と大企業の近視眼的な利益追求主義の経営によって、内需が縮小し、外需に対する依存度が高まっていたことが根本的な原因の一つである。だからこそ、他の国以上に日本経済の落ち込みが大きく、回復も遅れているのである」(同「提言」)それを表すのが「内部留保の異常な増加である。経済危機に関わらず積み増してきた内部留保は『派遣切り』『非正規切り』さらには正社員に対する希望退職などの首切り・リストラをおこなうなかで溜め込んだものであり、そのような経営が、日本経済を、雇用の減少→賃金低下→内需縮小→国内総生産縮小→雇用の減少という“負の遺産”に追い込み、経済の落ち込みを加速している」とも提言は指摘している。この急増分(218.7兆円)を「最低賃金の引き上げ」(2,7%)、「働くルールの確立」(9.4%)、「税・寄付などによる社会還元」(10.0%)、「生産、環境設備等への投資」(30.%)、「全労働者への賃上げ等」(47、9%=%は218兆円比)に還元すれば、「トータルとして国内需要が264.8兆円拡大し、国内生産が424.7兆円、付加価値(≒GDP)が231.1兆円誘発され、それに伴って、国税・地方税合わせて41.1兆円の増収となる」と提言は試算し、大きな経済効果で現在のような不況には陥らなかったと思われると言うのだ。大企業が10年間で溜め込みを倍増した間に労働者の賃金総額は月当たりにして3万5181円も減少している。年収にして40万円以上も減っていることがデフレの最大要因である。いかに労働法制の規制緩和が日本経済を滅茶苦茶にし、それが国家財政の逼迫にまで及んでいるのだ。すでに今年度の税収は40兆円をはるかに割り36兆円という予測まで出ている。5兆円規模にまで膨れ上がった軍事費の大幅削減、不要不急な大型公共事業の中止・延期と歳出の無駄を省き、内部留保をためこんでいる大企業には能力に応じた適切な負担を求めるべきである。とりあえず最賃の引き上げと「働くルールの確立」(非正規の正規化、サービス残業の根絶、完全週休2日制の実施と年次有給休暇の完全取得)だけも、この間溜め込んだ内部留保の12%余の還元で済む。それによってワークシェアリング拡大で雇用が大きく改善され、それが内需拡大にもつながるのである。大企業経営者もコップの中の争い(自社だけの利益追求)というエゴを捨て、政府も目先のことはもちろんだが中長期も見据えた政策を打ち出さないとそれこそデフレスパイラルで日本丸は沈没しかねない。

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