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2009年11月 1日 (日)

薬害肝炎原告団の願いにそっけない鳩山政権

 薬害肝炎のB型、C型などの感染者・患者は全国で推定350万人いるとも言われる。集団予防接種や輸血、血液製剤の投与などの医療行為でこれほど多くの感染者・患者が出たのである。あきらかに国の感染症対策、薬事政策、血液事業などの失敗によるものであり、被害者らが国と製薬会社を相手に各地で裁判を起こし、B型は国の責任を認める最高裁判決が出され、C型は企業に謝罪させることで和解。だが被害者救済は原告に限定され、「350万の肝炎感染者・患者の支援策」の実現こそ原告たちの願いなのだ。患者・感染者たちの命がけの闘いで2007年12月、当時の自公政権とすべての野党が「肝炎患者支援法」を制定することで一致した。それからもう1年10ヶ月も経つのに前政権からも民主党中心の新政権からも具体策がでない。衆院解散前の国会では自公政権案と野党案が出され若干のすりあわせをすれば成立するところまで来ていたという。だが、解散をめぐる政局などに振り回され先送りされた。そして総選挙となり、民主党は原告の女性一人を公認候補にして当選した。なにしろ肝炎訴訟原告であり総選挙で元防衛相だった久間章生氏を破っての当選だから、選挙後も民主党の新人議員のなかでも話題の一人だった。ご存知長崎2区の福田衣里子氏である。一般新聞では「小沢ガール」などと揶揄されるほどに小沢氏が立候補をすすめたらしい。福田氏のHPでは小沢幹事長や鳩山代表(当時)とのツーショットもあるから相当テコ入れしたのだろう。そして動画に流れる文字は「23歳で実名を公表、350万人の肝炎患者の命を守る決意」「わたしはこれまで薬害患者の原告として国と企業を相手に闘ってきました。その闘いの中で目撃した政治は一部の人間のためのものでした。なぜ一部の人間の利益のために、まっとうに生きる多くの国民が犠牲にならなければならないのか」とある。まったく鋭い正論である。「350万人の肝炎患者の命を守る」ことこそ彼女の政治への最高の願いであることはすばらしい。こんな候補者を擁立した民主党なのだから、なにはさておき、前国会で全会一致で決めたことなのだから肝炎支援法が臨時国会で出て当然だ。だが、鳩山首相の異例に長い12900字、時間にして52分の所信表明演説のどこを探しても「肝炎」という文字は見つからない。首相の所信表明に対する各党の質問で、ナント「薬害肝炎―恒久対策の支援法、今国会での実現に決断を」訴えたのは市田忠義共産党参院議員であった。市田氏の持ち時間はわずか10分のなかで字数にして約150字を裂いて訴えた。総選挙前の6月末鳩山代表(当時)は薬害肝炎全国原告団など3団体から肝炎患者支援法の実現を訴えられた。そのとき鳩山代表は「衆院選マニフェスト冒頭に『一人の命も粗末にしない政治をつくりたい』との考えを示す予定」とのべて、「政権をとった暁は、みなさんの思いにこたえられるように法案を成立させる」と回答したという。だが、現実には所信表明にも文言すらなく、市田参院議員の質問にも「大変大事な問題」としながらも、「早期にかなえられるようにする」というだけで提出期日も言わなかった。傍聴にきていたあるC型肝炎原告団の一人は「慰めの言葉はいりません。いったい、いつできるのですか。1日120人もの人が亡くなっています。議員立法ならすぐできるはずです。民主党は選挙でやると約束したのですから守ってもらわないと困ります」と語ったという。この言葉をどう受け止めるのか鳩山首相は…。それにしても政府の行政刷新会議に民主党の新人議員が14人も加わっていた問題で、小沢幹事長がなにやらイチャモンつけて「一年生議員は次の選挙で勝てるように地元で頑張れ」とか言ったとの報道。結局新人はすべてはずされた。歳費はもらっても国会活動はしなくていいというのだろうか。“豪腕”幹事長にはあきれるばかりである。

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