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2009年12月30日 (水)

今年の派遣村は「公設」、「所持金は18円」など切実な声

 今年もあと少しで暮れる。政権交代で明け暮れたが単なる交代で中身がほとんど変わらないのでは「交代」の意味がない。このところ政治とカネをめぐって不祥事があいつぐ民主党ではあるが、それだけでなく普天間基地問題をめぐる迷走や高齢者が待ち望んだ後期高齢者医療制度は元に戻すどころか4年も先送りだ。税収の大幅減収のなかで92兆3千億の来年度予算をめぐっても財源問題で迷走など、ダッチロール政権だ。昨年の年末年始は首都東京のど真ん中にできた「派遣村」。労働組合や民主的諸団体とボランティアが急きょ取り組んで職も住まいも奪われた人々にわずかな期間であっても、食と寝床を紹介するなど衝撃的とも言われる話題を呼んだ。そしてその後も全国的に「派遣村」や「なんでも相談村」などの運動が広がり、定期的な開催や力関係に応じて春夏秋冬の開設などが取り組まれた。その点で今回の年末年始は少しだけ様変わりした。今回は国と地方自治体など行政による「公設派遣村」になったことだ。これは昨年来からの「派遣村」運動が実った結果である。東京では国と都が提供することでテントではなくちゃんとした施設で、初日の28日だけで相談に訪れたのは360人で206人が入所したという。全国のハローワークも御用おさめが終ったあとも特別の体制で相談に応じると言う。地方でも同様のことが行なわれている。連日、詳報している「しんぶん赤旗」には来訪者の切なる声が載せられている。福島県の会社倒産で失業した27歳青年は、「ネットで調べて徒歩でここ(渋谷)まできた」、30歳男性は「建設現場の寮を今朝、突然追い出された。給料前で所持金500円しかない。ここがないとどうなっていたかわからない」と語る。スーツ姿の59歳男性は「1ヶ月前愛知県で派遣切りにあい上京して仕事を探したけど見つからない。もう手元に18円しか残っていない」、27歳男性は「4日前に新聞販売店を首になり、寮も追い出された」とか、「アパートはあるけど、家賃は3ヶ月滞納して不安」と24歳女性の声などである。ホントにこれが「経済大国」日本の姿なのだろうかと心が痛む。ところがである。今日(30日)のしんぶん赤旗は一面トップで、自動車、電機など輸出大企業はじめ製造大企業は内部留保として溜め込んだ利益剰余金は9月末時点で64兆円。バブル期の1989年の32兆円から倍増しているというのだ。トヨタ自動車では内部留保が9月末で11兆3700億円で、ピーク時から減らした約1万人の期間従業員を、すべて年収500万円の正社員として採用しても227年分に匹敵する額だという。その1割でも出せば20年は雇用を守る体力があるし、苦しいときこそ分かち合う精神が必要である。また非正規労働者は「世界的経済危機」を理由にどんどん首にしておきながら、株主には配当金を溜め込んだ内部留保から払っているが労働者はクビ…。現場で物を作ってきたのは労働者なのに…。いったい経営者の脳ってのはどうなっているのか見てみたいものだ。昔は大企業の経営者でも「労働者あっての会社だ。会社がダメになるまでは人と給与は守る」と終身雇用を促進したものだ。それがいま文字通りの「人間使い捨て」時代である。いまどきの経営者は「人を人間ではなく物」としか見ないモラルハザードには驚く。こんなモラルハザードは社会的問題としてメディアも取り上げるべきだが、スポンサーは批判できないのが現代のマスメディアである。国政の場でも政治献金をもらわなければならないから、共産党以外の政党は労働法制の見直しには消極的だ。しかし、ここにきて世論に押され政府も重い腰をあげ、登録型派遣や製造業への派遣を原則禁止にする改正案を来年の通常国会で提出する方針だと言う。しかし、施行期日は3年後、登録型派遣の一部は5年後になるという案である。待遇面でも不十分である。労働者保護へ一歩前進だが抜本改正へ修正しなければならないだろう。新政権には真剣にやってもらいたいものである。

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