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2009年12月 4日 (金)

「1%が99%を虐げる」ムーア監督の映画

 ユーモアと痛烈な風刺で権力や富裕層を槍玉にあげることで有名なアメリカの映画監督マイケル・ムーア氏が初来日し話題を呼んでいる。昨日はNHK7時のニュースを見たままチャンネルチェンジしないでほかの事をしていて、スッとテレビに目をやるとこの人が登場していた。7時半から「クローズアップ現代、反骨の映画監督ムーア初来日」と番組表にあったが知らなかった。慌てて録画ボタンを押した。残念ながらチャンネル合わせに失敗し別の番組しか録画できなかったが、例によっていつもの帽子を被り「アメリカでは1%の富裕層が99%の庶民を虐げる」などとアメリカ批判も旺盛であった。ムーア監督は1989年に米国の巨大自動車メーカーGMの大量解雇問題をテーマにした映画「ロジャー&ミー」を製作して脚光を浴び大ヒット。2002年には、アメリカの銃社会の抱える問題点をえぐったドキュメンタリー「ボウリング・フォー・コロンバイン」を発表、カンヌ映画祭では特別賞を受賞。2004年には、911日の同時多発テロ以降のアメリカ社会をテーマにブッシュ前大統領によるイラク戦争を痛烈に批判したドキュメンタリー「華氏911」を発表、見事カンヌ映画祭で最高賞のパルムドールを受賞するとかの論評があるだけに、NHKの30分番組に登場したことに「へエー」と思った。今回の来日は同監督の「キャピタリズム~マネーは踊る~」の映画の日本公開の宣伝らしい。「クローズアップ現代」のキャスター氏によれば、「ドキュメンタリーは売れないという常識を覆しヒット作を連発、アカデミー賞を始め映画賞を総なめにしてきた映画監督、マイケル・ムーア。その彼が最新作のテーマに選んだのが、「Capitalism=資本主義」。昨年の金融危機以降、世界を混乱に陥れた元凶は「資本主義」にあるとして、金融界や財界に突撃取材を敢行した今回の映画は、全米では公開後3週間で900万ドルの売り上げを記録するなど話題を呼んでいる」とのことである。権力や社会の矛盾を鋭く告発するムーア監督へのロングインタビューをNHKがよくぞ放映したものだと驚きつつ歓迎して視聴したものである。NHKは「まだ政府のようにアメリカ一辺倒」ではない部分もあるんだなあと思った次第。

それはサテおき、ついさきほど入手した「しんぶん赤旗」日曜版12月6日号でもムーア監督の来日記者会見の模様を伝えている。「約束なしに不意打ちの突撃取材を重ねる作品」が多く、「企業のトップや権力の座にある人たちは、僕と話をしたがらないので、彼らの取材をするのは大変厳しい」とのムーア監督の話を紹介している。だが一方では監督に信頼を寄せる人たちから、続々と投書や資料が届き「取材が楽になった」との声も伝える。アメリカの「サブプライムローン(低所得者向け住宅ローン)の破たん以降、今や『7秒半ごとに、家が1軒差し押さえに遭い、強制退去させられている』その生々しい実例」として、強制退去を迫られるさまを家の中から撮り続けたビデオさえ、「ムーアに送るのが一番と送ってくださった」との監督の話など興味深いことを「赤旗」が紹介している。そして映画「キャピタリズム」では、「金融業界トップが政権の中枢に座り、自分たちに都合よく規制緩和をすすめたあげくの、アメリカ経済の破たんを映像ならではの迫力で見せていきます。ところが金融危機を招いた投資銀行や保険会社は、議会の後ろ盾によって国民の税金7千億ドル(約63兆円)で救済されます。1%の富裕層が99%の庶民を虐げるアメリカ社会。いったい税金はどこへ。ムーア監督の怒りはニューヨークのウォール街に。さらに不当な処遇に屈せず立ち上がった人々を追って、意気高くともにたたかおうと呼びかけます…。」と作品内容を紹介している。そして記者会見でムーア監督は日本のことについて「保守的な首相が代々続いて、犯罪率、失業率も高くなり、日本がアメリカと同じようになってきている。けれどアメリカをまねないで、『BE,JAPAN』(日本は日本のままでいてください)」と熱をこめて語ったという。この映画は東京・大阪は明日5日から、全国公開は1月9日からとのことだから楽しみに待っていようか。

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