« 独裁者を前に民主党の自浄能力のなさには呆れる | トップページ | 「抑止力」でどれだけ日本が苦しめられたか »

2010年1月21日 (木)

日米関係の「無残な対等」ぶりを斬る

 1月19日は日米安保改定50年にあたる日であった。鳩山首相はそれに対する談話を発表した。いわく「日米安保体制は、わが国の安全のみならずアジア太平洋地域の安定と繁栄に大きく貢献してきた」とか、「日米安保体制に基づく米軍の抑止力は、核兵器を持たず軍事大国にならないとしているわが国が、その平和と安全を確保していく上で、自らの防衛力と相まって引き続き大きな役割を果たしていくと考える」だの、「日米安保体制を中核とする日米同盟を21世紀にふさわしい形で深化させるべく、米国政府と共同作業を行い…」などと日米安保を褒めちぎった談話である。そこには首相が最近まで言っていた「対等の関係」などという文言はひと言もない。まさしく「アメリカ言いなり」そのものであった。オバマ米大統領も昨年11月の日米首脳会談で「日米関係はこれまでも対等なパートナーシップであった」と述べた。「抑止力」だの「深化させる」だの「対等なパートナーシップ」だのと美辞麗句づくめである。だがまったく笑いものである。当ブログ昨年12月6日付け「日米同盟は他に類例をみない異常な特質」をもつということを、日本共産党の第25回党大会決議案から引用して、パートナーどころか異常な従属に満ちた同盟であることを紹介した。その党大会が1月13日から四日間開かれ、共産党の志位和夫委員長が決議案をより深める圧巻の報告をインターネット中継で視聴した。志位氏は米軍が米国内ではとうてい許されないことが、在日米軍基地では横行している例をいくつか紹介した。米国では連邦航空法によって民間、軍事にかかわらず、飛行場の滑走路末端から「クリアゾーン」という利用禁止区域を設定し、安全確保のため土地開発が制限され、軍事飛行場では民間飛行場よりも厳しいクリアゾーンの基準を決め建物の制限についても詳細に規定している。そして米国の海外における米軍飛行場においてもクリアゾーンの確保を決めているのである。だが、沖縄・普天間基地ではこのクリアゾーン内に3600人の県民が生活し、住宅800戸、公共施設、保育所、病院が18箇所も存在しているのである。米国の法律で許されない危険な基地が日本なら許されるというのだ。また、日本では空母艦載機などの夜間離着陸訓練が厚木、横田、三沢、岩国、嘉手納などの人口密集地で強行されているのに米国では許されていないこと、また、米軍機による低空飛行訓練が日本では全土で行なわれ国民に多大な被害や墜落などの事故も繰り返されている。日本の航空法では航空機の最低飛行高度を居住地域では300メートル、非居住区では150メートルとしているが、米軍機はこの適用を除外され、空域、高度についてなんの制限もなし、訓練ルートさえ明かされないというのだ。米国はどうか。国防総省が決めた「空域計画地図」「軍事訓練ルート」でしか訓練はできない。訓練ルートの設定も「歴史的建造物や野生生物への影響などの環境評価を行い、軍が連邦航空局に申請して審査をうけ、連邦航空局による住民生活や財産などへの影響の厳格な審査をおこない、連邦航空局が許可するという一連の規制措置がとられて、初めて許可されるという。志位氏いわく「米国では『野生生物』への影響まで事前に調査して訓練ルートへの規制がとられているのに、日本ではなんらの規制もない。日本国民への影響は、米国の『野生生物』よりも、考慮されないという現実が許されていいでしょうか」…これがオバマ大統領の絶賛する「対等なパートナー」である。国内では「対等な立場」を口癖にしながら面と向かっては「対等」さえ言えないのが鳩山首相のリアルな姿である。米国内では野生生物まで大事にするのに、日本の米軍基地周辺をはじめ全土では蛮行を繰り返し、人間さえも人間として見なしていないのである。これではこの半世紀に米兵による殺人が1000人超え、さまざまな犯罪などが併せて20万件を超えるというのも当然だろう。そんな日米同盟が平和と繁栄の「抑止力」だというのが政権交代した鳩山首相も含めて歴代日本の総理大臣の姿である。

|

« 独裁者を前に民主党の自浄能力のなさには呆れる | トップページ | 「抑止力」でどれだけ日本が苦しめられたか »