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2010年2月24日 (水)

トヨタ車大量リコールは「品質より利益」の姿勢に

 「世界一のトヨタ」「品質のトヨタ」が泣いている。今回の世界的規模での大量リコール問題は単に車だけでなく「これまで日本は物づくりが優秀」のお墨付きに重大な問題を投げかねない事態だと言っても過言ではない。アクセルの急加速、あるいは、踏み込んだアクセルが戻らない、ブレーキをかけても一瞬止まらない、などなど車の安全にとって命綱とも言うべき肝心カナメのところでの欠陥なのである。恐ろしいなあ。数十もある車種、グローバル化した競争に打ち勝つための頻繁なモデルチェンジ、短縮される設計開発期間、膨大なプログラム…。車は昔の鉄のかたまりから現在はなんでもかんでもハイテク化しコンピューターのソフトウエアのかたまりになっている。車1台に使うプログラムは1万行もあると言う。いわゆる「電子制御」というやつか。アメリカで疑惑の目で見られているのはこの「電子制御はほんとうに大丈夫か」ということらしいが、トヨタ本社サイドはそれを否定しているようだ。そこまでコンピューターに依存していいのかと素人は思う。複雑になればなるほどコンピューターでも誤作動や劣化だって起こりうるのが普通ではないか。パソコンだって買ってから3,4年もすれば動きは重たくなり、突然画面が真っ黒になったり、なにやら理解できない用語が並べられ使用不能になったりする。でもパソコンは人命には差し障りない。強制終了して休憩して再び起動すると元に戻っている場合もある。だが、車は人が乗って走るものだから万に1つでも不具合が起きるとダメだ。アメリカではトヨタ車が重大事故で4人の家族が死亡した例もあるというのだ。まして運転している人は千差万別で車のプロも居れば昨日免許をとったばかりとか、ペーパードライバーだってたまには車にも乗る。車を知り尽くした人ばかりではない。だからトヨタのプリウスのブレーキの欠陥では、当初は「ドライバーのフィーリング(感覚)の問題だ」と一蹴した。つまり「運転が下手だ」と言わんばかりである。それが実は「ブレーキの電子制御プログラム」がリコールの対象となったのである。トヨタではこの40年余りで生産は7倍に拡大したのに、人員は2倍にしか増えていない。しかも技術部門では派遣労働者、生産部門では期間工という非正規雇用の労働者を大量に使っている。期間工は生産現場の3割1万人を超えた(05年度)。賃金は正社員の3分の1程度でいつでも解雇するのは自由である。だから会社は「新人や期間工が増加して社内教育が不足している」と認めざるを得ない。さらに部品をつくる下請けには徹底してコストダウンを迫っているのである。これでは安全な部品と安心な製造が保障出来るかどうかは論をまたないのではないか。技術部門では「技術者は、ミスを許されず、長時間、過密労働でうつ病や過労死にさらされている」という技術者の話も報じられている(しんぶん赤旗日曜版、2月21日号)。 いま、トヨタ社長は米議会の公聴会に呼ばれているが、そこでの証言用原稿全文の中の一節に、「トヨタは過去数年間、急激に業績を拡大してまいりましたが、正直その成長のスピードが速すぎたと感じております」、「そのため、我々自身が立ち止まって改善を考える余裕を無くし、よりよい商品をつくるためにお客様の声を聞く姿勢を疎かにし、人や組織が成長するスピードを超えた成長を追い求めたことは真摯に反省すべきであります」と、今日の「YAHOO!ニュース」が配信している。社長がやっと反省の弁をアメリカの議会でのべるらしい。いかにも遅い感じがするし、ほんとうは「品質より利潤追求に走りすぎた」と反省してほしいけど…。それにしても国のリコール制度のお粗末さにも責任がある。国交省のリコール窓口には年間5000件を超える苦情、不具合情報が寄せられるが、リコール技術専門部は部長1人、専任の検証官が6人、民間の非常勤職員含めても16人で対応し、年間400件の対応だと言う。15日の衆院予算委員会で穀田恵二議員(共産)の指摘で国交相は、「人数などを含め体制のあり方を見直したい」と答弁したが、本気でやる必要がある。鳩山首相は施政方針演説で24回も「命守る」と言ったけど、文字通り「命」に関わる問題なのだから…。

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