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2010年2月14日 (日)

「品質のトヨタ」が世界で怪しくなってきた

 「世界のトヨタ」が大量のリコールで世界と日本で批判されている。「品質のトヨタ」として米国はじめ世界で急速に売り上げを伸ばしていまや世界1だとか言われているが、販売が伸びれば伸びるほどにリコールも大量である。アクセルペダルの不具合で米国・欧州などで延べにして21車種1千万台の大規模なリコールだというのだから驚きである。それに続いて看板の車種である「新型プリウス」も4車種43万7千台(うち国内で約22万3千台)が今度はブレーキの不具合でリコールだという。車と言うのは人が乗って走るものだ。走るからには止まると言う動作も当然必要になる。「走る」「止まる」は車の生命線だ。アクセルペダルやブレーキに不具合なんてことは恐ろしいことである。走るからには必ず安心して止まるということも信じ切ってユーザーは購入するのである。「品質のトヨタ」を標榜して人気もあっただろう。そのトヨタ車に不安が生じるのであればいったいどのメーカーを信じればいいのか不安になる。昨年5月に発売された新型「プリウス」は、「低走行中にブレーキが利かなくなる」という苦情は同社の販売社や国土交通省に多数寄せられていたという。実際に玉突き事故も起きているらしい。それでもごく最近までトヨタは「車両側に要因はない」とか、あくまで「運転する人のフィーリング、感覚の問題」であり、「ブレーキが利かない状況が発生したら、ブレーキをしっかり踏み込んでいただければ、確実に止まることができます」など言って対応してこなかった。「確実に止まる」と言われても一度でもそういう事態に遭遇したユーザーなら不安でかなわない。ところがトヨタは昨年秋には「瞬間的にブレーキが利かなくなる」原因を特定していたという。だから今年1月生産分からはプログラムを修正していたことが判明した。しかし、その情報の公表もせず、国交省に報告もしないでコッソリ修正したというのだからまったく後手後手の対応だ。2月9日になってトヨタ本社の社長がリコール(無料の回収・修理)・自主回収を国交省に届け出て謝罪したっていうわけだ。素人にはわからんが「ABS」とかいう電子制御プログラムとかの設定を修正するとかいう。というわけでトヨタ問題が国際的な大問題にまでなってきたのに、国会で取り上げたのは今のところ日本共産党だけである。他の政党はなにも言わないのが不思議だ。共産党の吉井英勝衆院議員は9日の衆院予算委でとり上げ、トヨタがリコールを届け出たことを受けて、「それまでブレーキの不具合は『フィーリング』の問題と構造欠陥を認めてこなかった」と質した。前原国交相は「フィーリングとは会社の言い分で、利用者の立場に立った対応が必要だった。遺憾に思う」と答弁。吉井氏は、トヨタは海外売り上げ比率を伸ばしていくのに比例してリコールが急増している実態をあげ、その背景に、海外工場での現地調達、開発期間の短縮、正社員の非正規への置き換え、部品をつくる下請け単価をアジア単価に引き下げさせるなど、無理な生産の急拡大があるのではないかなど指摘。さらに、日本のリコール制度がメーカー任せでユーザーの安全を守るものになっていなく、リコール隠しにつながる危険があるから、トラブル情報を公開し、原因と対策を求めたのである。対する鳩山首相は「リコールまで至らなくても安全や命にかかわる問題はたくさんある。吉井委員の言い分は一理ある。徹底した情報公開が求められている」と認めた。吉井氏はドライバーの安全を保障するためには、トヨタの下請けをはじめ物づくりの基盤的技術を重視し、「基盤的技術集積地を支援するために、大企業に社会的責任を果たさせ、国も中小企業の固定費補助など支援を行なうべきだ」と要求した。その通りだ。トヨタと言えば13兆円も内部留保を溜め込むほど利潤第一の姿勢であるが、正社員の非正規化は物づくりの技術の低下にも繋がりかねないし、下請けへの単価切り下げは、安全で安心な高い品質を継承するうえでも障害となる重要な問題だろう。利潤追求へコスト削減ばかりでは「品質のトヨタ」を標榜できなくなるのではないかと思うね。今回の問題をたんなる「トヨタパッシング」と見るのでなく、そういう意味でも大規模リコールから真剣な教訓を得るべきだ。

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