« 民主党ツートップによる国民を愚弄する茶番劇 | トップページ | 「品質のトヨタ」が世界で怪しくなってきた »

2010年2月10日 (水)

一部の大企業にだけ富が集まるこの国の経済

 平日の昼間にNHKが気長に実況する放送に国会中継がある。いったいどのくらいの視聴率があるのか知りたいものである。でもいつでも絶対と言っていいくらい見るのは共産党議員による質問である。誰が立っても質問の組み立てがよく、視聴者にも分りやすく、理路整然として説得力があるからである。なかでもやはり志位和夫委員長が登場する衆院予算委員会のやり取りは他党のそれと比べても抜群に痛快だ。これまでにも労働法制の規制緩和で非正規社員が急速に増え、その過酷な実態と大企業の横暴などをとりあげた質疑の動画がすごいアクセスを重ねている。一昨日(八日)、その志位氏が質問に立った。「経済危機から国民の暮らしを守るために政治はいま何をなすべきか。今日はこの問題にしぼって総理の見解をただしたい」と。志位氏は、先進7カ国(G7)のGDPと雇用者報酬の伸び率をグラフ化したパネルを示し、「GDPの伸び率は他の6カ国が10年間で3割から7割増やしているのに対して日本の伸びはわずかに0.4%です」「雇用者報酬、すなわち働く人の所得の伸び率ですが、これも他の6カ国が2割から7割増やしているのに対して、一人日本だけが5.2%減らしています」と指適。これはこの10年間の自公政権が言い続けてきた、「強い企業をもっと強くする、そうすれば企業の利益がいずれは国民の暮らしにまわり、経済も成長する」として進めた政治が、「その結果は大企業は空前の利益をあげたが、国民の所得は落ち込み、経済全体も成長どころかG7のなかでも、もっとも成長力のない国になってしまった」と問う志位氏。続けて「大企業の経常利益と内部留保、雇用者報酬の推移」と書いたパネルを指差し、「これはこの10年間の大企業の経常利益と内部留保、雇用者報酬の推移を示すものです。10年間で大企業の経常利益は15兆円から32兆円に増えています。一方労働者の雇用者報酬は279兆円から262兆円に大きく落ち込んでいます。大企業の利益はどこへ行ったのか。内部留保は10年で142兆円から229兆円に急膨張しました。大企業が利益をあげても少しも国民の暮らしに回らず過剰な内部留保となって蓄積される。総理に聞きたい。国民がつくった富を、大企業のみが独り占めにする。日本経済をまともにしようと思ったらこのシステムを改める必要があると思いますがいかがですか」と質すが、首相は「内部留保をどうするか、ひとつの判断はありうるが、政府としての判断は難しい」などと、大企業の言い分そのままに内部留保の必要性を述べるだけだった。志位氏は「富が一握りの大企業に集中し、国民には還元されないシステムこそ日本経済を弱くしているのは明々白々だ」として、以下、鳩山政権が提案している「派遣労働の見直し」案が、「製造業への派遣禁止」と言っているが、実は「例外」を設けて抜け穴になっていることをパナソニックやキャノンの例をリアルに出して追及した。また「専門26業務」には派遣のままでいつまで使い続けても良いとなっているが、そのなかには「事務用機器操作業務」なるものがあって、パソコン業務も含まれるという。1985年当時に決めた「専門業務」を踏襲して、パソコン業務にまで派遣労働に置き変えようとしている「抜け穴」を質すと、首相は「しっかり検討する」と約束した。また志位氏は際限ない単価切り下げによる大企業と中小零細企業との公正な取引ルールの確立、下請け振興法に基づく実態調査や総合的な施策の実施、「日本の宝」としての中小企業を守るべきであることなど、総合的に質問した一時間弱の質問は迫力満点だった。しんぶん赤旗には視聴者からの反響として、「(質問に)夢中になりお鍋焦がした」人も居たようだが、無理もないだろう。それにしても志位氏がパナソニックやキャノンなどの実態を綿密に取材した上での質問なのに、「個別の案件にお答えできない」と付け加えるのは、まるで自公政権時代と同じであるのは悲しい。(志位質問の動画は「JCP」ホームページからアクセスできます)

|

« 民主党ツートップによる国民を愚弄する茶番劇 | トップページ | 「品質のトヨタ」が世界で怪しくなってきた »