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2010年3月13日 (土)

空港建設の「需要予測」は誰が決めるのか?

 国内98番目の空港として茨城空港が11日開港した。またまた不採算空港となるだろう。空港本体事業費約250億円、周辺事業費含めて550億円かかったらしい。ところが現時点で決まっている定期路線は国内、国際各一便の1日2往復だけ。これでは採算がとれるわけもない。同空港は航空自衛隊百里基地の滑走路と平行して建設されているから、管理権、所有権は防衛省に移るというから国の管理である。早くも初年度はターミナルビルの運営費で2000万円の赤字を見込んでいるという。自衛隊と民間航空の共用空港だから、結局は自衛隊の基地強化みたいなものではないか。年間70万人の需要予測だというが、近隣の福島空港は需要予測142万人にたいし08年度の実績は35万人(25%)である。同じく近隣の成田空港(千葉県)という国が管理する巨大な拠点空港でさえ、需要予測年間261万人で08年度実績は113万人(43%)である。ものすごい数の国際、国内路線をもつ成田空港でさえ113万人の実績なのにその近くというか首都圏で3番目という茨城空港、どういう計算で70万人もの需要予測なんて誰が予測したのか。羽田空港だけは年間6124万人の予測で08年度は6319万人で103%とさすがの実績である。そのおこぼれでも貰う積もりだったのか茨城空港は?ともあれ、需要予測とはどこがするのか。需要予測の多くは、国交省からの天下りを受け入れている「運輸政策研究機構」などの財団法人やコンサルタント会社に委託して作成されるらしい。その甘い需要予測の実績たるや、つい先日、国交省が調査したものを発表した。国や空港会社などが管理する空港26、地方自治体が管理する地方空港38、共用・その他の空港11の計75空港の需要予測と08年の実績を見ると、実績を達成したのは旭川、羽田、長崎、熊本、那覇、庄内、岡山、名古屋の8空港だけ。惨憺たる所は、紋別13%、石見13%,奥尻15%であるがここは離島や過疎地であるからやむを得ないかも知れない。都市部では松本、大館能代がともに17%、国や空港会社が管理する拠点空港では稚内28%、宮崎34%、北九州42%、関西国際43%、成田43%、帯広46%、高知48%、釧路49%、高松50%と半数以下が26分の9もある。関西や成田という国際空港まで入っている。予測値は人口やGDPの伸び率、交通量見通しなどを基に試算するというが、それでも半分以下というのはいくらなんでも「甘い予測」である。それはなぜか。長年の自民党を中心とする政権下でゼネコン様のために「なんとしても空港という巨大公共事業がほしい」という意向を満たすために、過大な需要予測を立て必要性を強調しないと住民などの理解が得られず誘致に結びつかないからではないか思う。だから国は空港整備特別会計というものを1970年から設置し、全国の空港から空港使用料を納めさせプール制で空港建設をはじめ、赤字空港の補助などに当てる仕組みを作った。この会計は年間5千億円規模のものである。新たに空港建設する場合はこの会計から補助が出るから際限なく空港を造り続けた。建設時に補助があっても地方自治体が管理する空港では維持費に赤字が出れば地方の財源で補うこともある。こうしてこの狭い国土で47都道府県すべてに空港があるような国はないというほどだ。この特別会計の原資は着陸料や空港使用料、そして一般財政からの歳出である。高速道路を造り続ける道路特定財源とよく似たものだ。また、空港を造っても飛行機が来ないのでは意味がないから、もともと国営であった半官半民のJALには不採算路線であっても飛ばし続けることを強要して来た。おかげでJALは株式上場からも消えるほど瀕死の重傷となってしまった。だから赤字路線は当然ストップする。これからの日本はGDPの伸びは期待できず、人口は減少するのは見えている。「飛行機の来ない空港」があちこちで生まれてくるのではないか。

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