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2010年3月30日 (火)

真の改革抜きに郵政で罵りあう与党

 28日の民報テレビ番組で各政党の代表による討論で、亀井郵政改革担当相の「郵政改革」案をめぐって、与党閣僚がテレビカメラの前でののしりあいを演じたのには仰天した。驚くことこの上ないみっともないことだった。ゆうちょ銀行への預金限度額の1000万円から2000万円に引き上げなどを盛り込んだ「郵政改革」案をめぐり、「総理の了解を得た」という亀井氏と、菅直人財務相が「了解していない」とまっこうから対立してののしりあった。亀井氏が原口総務相と相談して決めたという案を「総理に話した」と言えば、菅氏は原口総務相以外の閣僚は限度額引き上げの数字は「知らなかった」と否定。亀井氏は「菅さんにも、この数字を申し上げた。内閣は何をやっているんだと支持率がガタガタ落ちる。いちいち菅さんとの電話をテープにとっておかなければ」とかみつく。挙句の果てには菅氏が「聞いていません」とのひと言に、「あなたは耳が悪いんだよ」…。まあまあ、なんという閣僚同士の泥仕合だろうか。見ている方が笑っちゃうどころか、これが先進国日本の政権党の姿か、国民はどう見ればいいんじゃあと恥ずかしくなったほどだ。そんななかで出席していた共産党の志位和夫委員長は、「与党が混乱しているのは、与党・政府の方針そのものに矛盾があるからだ」と事態の本質を指摘。「こんど政府が出そうとしている法案では郵貯・簡保のユニバーサルサービス(全国一律サービス)を位置づけるという。しかし、その一方で経営形態は分社化して株式会社にするという方針だ。株式会社というのは利益の最大化が目的であり、これは根本的に矛盾している」とズバリ指摘した。そもそも改革案は、ゆうちょ銀行の預入限度額とかんぽ生命の保険金上限を大幅に引き上げるものである。日本郵政の下に窓口業務などを担当する郵便局会社、郵便、ゆうちょ、かんぽの4社を置く現行体制から、日本郵政、郵便局、郵便の3社を統合し、その下にゆうちょ、かんぽを置く体制に再編しようというものである。ゆうちょ、かんぽの全株を売却する現行方針を改め、親会社が3分の1超の株を保有するとしている。自公政権がゴリ押しした郵政民営化で腐敗と国民サービスがどんどん後退し、いまや破たん寸前だ。全国各地にあった「かんぽの宿」などの国民の資産であったものをバナナのたたき売りみたいに安値で売却。広いグラウンドを1000円で売ったり、かんぽの宿が建物、土地付きで1万円で売却したところもあった。それを購入して、「ぬれ手に泡」の大儲けをしたのは、小泉構造改革の旗振り役だった宮内義彦氏が会長を務めるオリックス・グループ。ゆうちょのカード事業との提携で巨額の利益をむさぼったのは、西川善文・前社長の出身銀行の三井住友銀行グループ。「官から民へ」の合言葉で国民の資産を食い物にしたわけだ。一方では、過疎地などの簡易郵便局閉鎖や、郵便局がなくても役場の支所等にあったATM(現金自動預払機)を撤去、手数料引き上げ、時間外窓口の閉鎖、集配局の統廃合などなどで、住民にとって命綱であったサービスが後退した。わたし的にも調査に行ったことがあるが、過疎地では新聞朝刊の配達網がなく郵送されていたが、民営化前は遅くとも午前の9時、10時に配達されたが、民営化後は配達員が減り昼前後となる僻地を見てきた。現金の預け入れも郵便配達員に預ければよかったが、「会社が別になった」と言ってそれもできなくなった。その他さまざまな住民の不便を聞いた。利益最優先の株式会社では過疎地や離島などの儲からないところは「野となれ山となれ」なのである。こうしたところにも全国一律サービスを提供するには、公共の福祉を第一とする公社でないとできない。預入限度額を1千万から2千万にするとかは関係がない。庶民の生活資金の預貯金なのだから。預金、保険の限度額引き上げは利益優先の株式会社化と一体で、いっそう利潤追求に駆り立てる危険があり、真に国民にとっての改革は、日本全国、過疎地であれ離島であれ、大切な郵政事業を名実共に国民が同じサービスが受けられるよう公的な事業体にすることが求められているのだ。その大事なことが郵政担当相も鳩山首相もわかっちゃいないから、水掛け論で罵り合う醜い姿を見せているだけだ。

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