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2010年4月10日 (土)

急増する生活保護、予備軍は何倍もある

 貧困と格差が広がる日本の象徴的な統計の一つに生活保護世帯数の数字がある。高失業時代、就職難の昨今では昨年1月現在で生活保護世帯は117万世帯だったのが12月では130万世帯に。人員では同じく約162万人から181万人と急増している。先日、厚生労働省が1965年以降調査していなかった統計として、生活保護基準による最低生活費を下回る所得しか得ていない世帯を推計した。それはなんと705万世帯にのぼると発表した。この最低生活費には家賃分や医療・介護費が含まれていないというから実際にはもっと多くなる。この705万世帯のなかで実際に生活保護を受けているのは108万世帯、率にして15.3%しかないことがわかった。これも異常に少ない。イギリスは87%、ドイツは85~90%と言われるのだからいかに低いかわかる。逆に言えば本来生活保護の対象になりうる予備軍と言ってもいい世帯が、現在受けている人の六倍もいるということである。そもそも生活保護受給の要件は大変厳しく、古びた車を持っていてもダメ。猫のひたいほどのわずかな貯金があってもダメ、生命保険などに加入していてもダメ、自治体によっては住居がなければダメというところもある。昔と違っていまどき車がなければ食料品の買い物を歩いて行くのは大変なのである。スーパーなど大型店舗が進出してはその付近の八百屋さんをはじめ個人商店はバッサリ廃業に追い込まれ、挙句の果てに進出してきた大型店舗が採算とれないとわかると、サッサと引き上げる。すると買出しに行くのが遠くへ行かなければならないのである。昔のような身近にあった商店街もよほど有名なところか、地理的に恵まれていないと残っていない。山間地の町ではかろうじてJAが食料品を販売しているだけで、コンビニはもともと来ていないし、商店は廃業してしまっている。高い料金と便数が1日2便ぐらいのバスを利用して買い物に行くしかない。過疎地では高齢者が多く軽4輪車に物資を積んで週に1度くらい車上販売にくる業者が頼みの綱というところさえある。厚生労働省が生活保護基準以下の所得しかない世帯を推計と言えども45年ぶりに算出したことは結構なことである。そして「保護の要件を満たし、保護を受給する意思のある方が保護を受けられないことがあってはならない」と、自治体に通知徹底する意向であるという。それはぜひやるべきだ。そうでなくても自治体ではなんだかんだと言って条件をつけ保護申請自体をできない場合だってあるから厳密にやってほしいものだ。日本は先進国でも有数の自殺大国であるが、この点でも自殺率は生活保護受給者の自殺者率も高いのである。例えば07年は、生活保護者の自殺者は10万人当たり38.4人、08年は54・8人、09年は62.4人に対し、同じく10万人当たり全国の自殺者率は07年25.9人、08年は25.3人である。09年は未発表である。08年の場合は生活保護受給者の自殺率は全国平均の倍に達している。また、生活保護受給者に占める65歳以上の高齢者の割合は、1980年では30.2%だったが、04年には46.6%とほぼ半数に増加しているのも特徴である。雇用問題の深刻さ、年々減る所得で貧者の生活は大変だ。一方では富裕層はじゃんじゃん儲けて溜め込み、大株主は税金も優遇され、寝ていても大金が転がり込んでくる。世界第二の「経済大国」とは富裕層にとっては天国であるが、貧者にとって後進国なみの生活しか許されなくなっている。これは「自己責任」だろうか。派遣やパート労働を多くし今やまともに働いている人でも年収200万円以下が1千万を超える時代にしたのは長年の自民党政治ではなかろうか。その反省もなく自民党も、自民党を飛び出した人も、そして政権与党も消費税増税の大合唱である。一番弱いものに重い負担をかける消費税を大幅増税すると言っている。さらに貧者を淘汰しようというのである。ああ悲しやである。

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