« NPT再検討会議の国際行動隊に連帯感 | トップページ | 鳩山首相の公約破りは詐欺師に等しい »

2010年5月 3日 (月)

今こそ憲法を守り、生かす政治が求められる

 今日は憲法記念日。1947年5月3日に施行されてから63周年の記念日である。憲法の前文には「政府の行為によって再び戦争の惨禍がおこることのないやうにすること」とある。太平洋戦争が日本の侵略によってアジアと日本の人々に膨大な被害を与えた反省をこめて、国家主権と国民主権、戦争放棄、基本的人権の原則を打ち立てたのである。主権は国民にあること、戦争放棄を明言したこと、そして国民の基本的人権を守ることを標榜したものであり実にすばらしい憲法である。ところが施行して5年後の52年に旧日米安保条約が締結されてからおかしくなる。「安全保障」という名前はついていても、沖縄はアメリカに占領されたままで米軍基地は置かれ、警察予備隊、のちの自衛隊創設などで再軍備へ動きだすことによって戦争放棄を謳った憲法と矛盾することから、事あるごとに改憲策動が高まった。60年の安保条約改定にあたって国民によるいわゆる安保闘争が湧き上がる。高校生だったわたし的にも毎週のようにおこる安保反対のデモ行進に参加したものである。日本国中からたたかいが燎原の火の如く燃えた。だがアメリカの圧力と自民党政府が大混乱のなかで強引に安保改定された。72年に沖縄が返還され独立した国になっても執拗に憲法改悪策動が強められた。しかし、その憲法は一字一句も変わることなく63周年を迎えたことはともかく喜ばしい。しかし、21世紀に入って憲法審査会の設置や、日本共産党を除く各政党が次々と「改憲草案」なるものを打ち出し、自公連立の07年安倍晋三内閣のとき「改憲手続き法」が強行されたのである。今月18日に改憲手続き法にもとづく国民投票法が施行期日を迎える段階にある。しかし、国民のたたかいによって、改憲策動も思うようには進んでいない。特に09年の総選挙で自公政権が退場に追い込まれたことで、「新憲法制定議員同盟」は所属議員の3分の2にあたる139人から53人に激減した。メディアの調査でも9条改定にたいする国会議員の賛否は「賛成」34%、「反対」51%と逆転したと言う。強行された憲法審査会も未だ始動していないし改憲めざす動きは一服状況になっている。だけど、根っ子は残っているし、7月の参院選めざして自民党のドロ船から逃げ出し“新党”なるものを立ち上げた連中はすべて憲法9条を敵視して「自主憲法制定」を主張し、あわよくば多数派になろうと画策しているのだ。さらに民主党政権でも、国会を「国権の最高機関」とする憲法の定めを形骸化する「国会改革」を掲げているのが大きな問題点である。これまでかろうじて「海外での武力行使は違憲」としてきた政府の憲法解釈を投げ捨てるために、内閣法制局長官の国会答弁を禁止する動きである。普天間基地の移設先探しも、沖縄県民や徳之島の住民らの叫びである「基地撤去」をひと言も言えないは、憲法に反する日米安保条約(軍事同盟)による、外国の軍隊の力で日本を守ってもらうという「抑止力」論の呪縛があるからだ。だいたい戦後65年も経っていまなお、29県に米軍基地があり、陸・海・空軍と海外への殴りこみ部隊である海兵隊まで置いているのは米国と同盟を結ぶ国では日本だけである。膨大な資金を与え、騒音・事故・犯罪まで被害を蒙っているのである。憲法で戦争放棄を謳っているからこそ世界から信頼されているのに、殴りこみ部隊まで持っているようでは、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」「安全と生存を保持しようと決意」という憲法前文に反するものだ。だから、沖縄でも徳之島でも「安保の見直し」という声さえ出ているのだ。憲法違反は軍事面だけではない。貧困と格差の拡大は憲法25条に反するし、非正規・派遣労働など使い捨て労働や失業者の増大は、「すべて国民は、勤労の権利を有し義務を負う」という27条にも反する。いまこそ名実ともに憲法を守り生かして行く政治こそ求められるのである。

|

« NPT再検討会議の国際行動隊に連帯感 | トップページ | 鳩山首相の公約破りは詐欺師に等しい »